閉店間際にゆっくりと … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)
「大露路」を出て、新橋駅近くの書店「文教堂」で、仕事を終えた宇ち中(うちちゅう)さんと合流します。この書店で行われている「古典酒場~銀座昭和浪漫編」の販売イベントを見学したあと、ふたりで向かったのは京成立石。宇ち中さんの行きつけのお店、「宇ち多゛」です。
店に着いたのは午後7時過ぎ。もうほとんど終わりに近い時間なのに、やっぱりまだ行列しているのがすごいなぁ。
並んでいるうちに順番がやってきて、まず宇ち中さんが店内に入ります。少し待って、私も店内に案内され、それと同時に宇ち中さんもその席に案内されて、これまた常連のえいめんさんと3人で並んで座ります。
何人連れかでやって来た場合でも、席が空けばその分、ひとりずつ店内に案内してくれて、みんなが座れる席が空いたところで、なるべく一緒に座れるように、お店の人が采配してくれるのです。いつも満席の人気店なのに、こういう気配りをサラリとやってくれるところが、これまた呑ん兵衛たちに好かれるんでしょうねぇ。
この時間帯、すでに残っているものは数少ない状態ですが、そんな中、宇ち中さんがコブクロ生お酢(180円)をもらっています。「もう、ないだろう」というあきらめから、みんなが注文しないでいると、たまにこういう品(いつもは早い時間になくなってしまうもの)が遅くまで残っていることがあるんだそうです。
私も梅割焼酎(180円)をもらって、お新香はすでに売り切れのため大根お酢(180円)と、レバとアブラを1本ずつお酢でもらいます。
宇ち中さんはハツ生をお酢(180円)で追加し、えいめんさんは最後の煮込み(180円)をゲット。いろいろと出てきたところで、串から抜いて分け合いながらいただきます。
この「宇ち多゛」。食べ物メニューには、もつ焼き(2本180円)、もつ煮込み(180円)、お新香(180円)の3種類しか書かれていないにもかかわらず、常連のみなさんたちの注文を聞いていると、いったい何種類の料理があるのかと感じてしまうくらい、いろんなオプションがあるのです。
たとえばお新香にしても、普通に「お新香」と注文すると、大根とキュウリに紅生姜をトッピングして、醤油をさっとかけて出してくれるのですが、「大根」と注文すると大根と紅生姜だけで出してくれるのです。
さらにその注文に加えて「お酢」と付け加えると、醤油をかけたあとに、お酢もかけてくれて、酢醤油状態でさっぱりといただくことができるようになります。
私は注文したことがないのですが、「かけないで」というオプションもあるようで、こう注文すると醤油もお酢もかけない状態で出してくれるんだそうです。
「もつ焼き」としか書かれていないもつ焼きは、実は、シロ、レバ、ガツ、ナンコツ、アブラ、ハツ、カシラなどがあって、これに味付け(塩、タレなど)を指定して焼いてもらいます。好みで焼き具合(わか焼き、よく焼き)なども指定できます。もつ焼きにもお酢をかけてもらうことができて、先ほどのお新香同様、注文の最後に「お酢」と付け加えます。
「宇ち多゛」のもつ焼きで特徴的なのは、生(なま)という焼き方の存在でしょう。もつ焼きは、レバー以外の素材はすべて下茹でしたあと串に刺してスタンバイされているのですが、「生」と注文した場合は、その状態のまま、焼かずに醤油をかけて出してくれるのです。レバーは生のまま串に刺してますので、その状態でそのまま出されます。
また通常のもつ焼きは1種類2本で1皿ですが、生で注文する場合だけ2種類を1本ずつ組み合わせて1皿にすることができます。焼く場合は、違う種類が混ざると焼き上がり時間がずれるのでダメですが、生の場合はそのまま出せるのでOKなんでしょうね。
このあたりのことは「宇ち入り倶楽部」というサイトに詳しく載っているのですが、それを知らなくても、普通のもつ焼き屋さんに行ったときと同じように「レバーをタレでお願いします」と注文するだけで、十分に美味しいもつ焼きが堪能できますのでご心配なく。
その後もシロタレ(180円)などを追加して、3杯目の梅割焼酎は半分でいただきます。「半分」というのは、もうこれで終了というときにだけ注文できる焼酎の注ぎ方で、半分というものの高さで言うと、コップの7~8分目くらいまで注いでくれます。上が広がった円錐台(えんすいだい)状のコップなので、このくらいで半分なのかもしれませんね。値段は100円です。
店を片付け終わる午後8時まで、お客さんたちが次々に帰っていく店内で、1時間ほどゆっくりとさせてもらって、今日の私の分のお勘定は「3皿2.5杯(さんさらにーはん)」で、ちょうど千円でした。どうもごちそうさま。やぁ、おいしかった。
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