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〔コラム〕 ホテルのバーは安全で安い

広島「メイフラワー」にて


 麻生首相の言葉どおり「ホテルのバーは安全で安い」ので、はじめてひとりでお酒を飲みに行くときや、知らない町でお酒を飲むときなどに最適なのです。

 『安全』という面では、なにしろホテルという空間の中にありますので、バーの外部もホテルのスタッフのみなさんに守られているし、バーの中もバーのスタッフのみなさんが切り盛りしているということで、二重の防御になっています。私自身、ホテルのバーでは、あまり変な酔っ払いは見たことがありません。

 『安い』という点ではどうでしょうか。

 絶対的な値段で言うと、大衆酒場や街場のバーと比べて安いということはありません。ゆったりとした空間や、先に述べたような安全な空間で過ごせる割りには『高くない』、というのが正直なところでしょう。

 もっと言えるのは『過剰に高くない』、つまり『はじめての場所でもぼられることはない』という安心感ではないでしょうか。

 たとえば銀座でホステスさんが付くようなバー(なのか?)に行くと、座っただけでひとりン万円、なんてことになりますが、帝国ホテルの「オールドインペリアルバー」に行っても、ホテルオークラの「ハイランダー」に行っても、ウイスキーやカクテルは1杯が1,500円前後で、メニューに明示されている値段以外に消費税(5%)・サービス料(10%ほど)を見ておけば、それより高くなることはない。支払いのときに絶対にびっくりすることのない酒場なのです。

 これは地方のホテルだろうと、海外のホテルだろうと、ほぼ同じ。そのホテルが高級であればあるほど、そのホテルのバーは相対的に安く感じます。

 宿泊客にとってみると、ホテルのバーやレストランは、そこに滞在している間は一番身近な飲食場所です。街場のバーやレストランが「ハレ(晴れ)」の世界だとすれば、ホテルのバーやレストランは「ハレ(晴れ)」と「ケ(褻)」の中間的な位置づけになってもらっていないと困るわけです。

 つまり、ホテルの外部からやって来る人にとっては、ちょっとおしゃれな「ハレ(晴れ)」の世界であって欲しいし、ホテルに宿泊している人にとっては、日々を過ごす「ケ(褻)」の世界であって欲しいということなんですね。

 このところ、広島方面に出かけるときによく宿泊するのが、広島駅に直結した「ホテルグランヴィア広島」。ここでも就寝前に行くのは、そのメインバー「メイフラワー」です。身体を包み込むような座り心地の、ゆったりとした椅子に腰を下ろし、カクテルの1~2杯もいただくと、旅の疲れもほぐれていきます。カクテルを2杯いただいても、お勘定は2,300円ほどというのも嬉しいではありませんか。

「ひとり呑みもしてみたいんだけど、大衆酒場は敷居が高いなぁ」

 と思っている方は、まずはホテルのバーにいらっしゃってみてはいかがでしょうか。基本的にひとりで宿泊しているお客さんも多いホテルのこと。ひとりでふらりとバーに入ってくるお客さんは多いので、まったく違和感なく迎えてもらえるはずです。

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コメント

麻生さんの席は高額な入会金と年会費を請求されるという記事を読みましたが。
まぁ、秋葉原の百円立ち飲みの常連の私には縁の無い話しですね。

投稿: 桜台 | 2008.11.23 19:22

これは、新聞などにもよく間違って書かれていますが、ホテルのメインバー(カウンターバー)等は街場の高級バーと異なり一般的にチャージ料等はとられないという事です(生演奏の有るラウンジの様な所は、例外的な場合も有りますが)。上記コラムに有る様に、メニュー料金に10%のサービス料、更に5%の消費税を掛ければ、実料金が出、明細入りの領収書を発行し極めて明朗会計です。けっして安くはないが、上質なサービスと雰囲気も金で買うと考えればリーズナブルと考えます。高級ホテルの場合、ホテルの玄関で一度客がふるいに掛けられてもおり、客層が良いのも安心して飲めます(若い女性の独り飲みも高級ホテルでは極々普通な事です)。悪い意味での下種な安酒場である様な、献杯とか、かってに話しかけられて嫌な思いをする様な事も無縁です。更に自分の好きな酒だけを飲んでいればツマミなど頼む必要等無く、好きなだけ長居はお構い無しです。麻生さんのようにシガーだけふかして、何時間でも閉店まで自分の世界に浸り切ることが可能です。街場の、女性のいる怪しげなバーの様に知らない間にフルーツの盛り合わせが届いて後で法外な料金を請求される様な事も皆無です。キープボトル制もやっているホテルバーなどでは、美味な、かち割氷やミネラルウオーター類はすべてタダ(サービス)です。一度ボトルキープさえしてしまえば、酒だけ飲んでいる限りにおいては、ボトルが無くなるまでは、二回目以降毎回料金を請求される事は有りませんし、常連としてのサービスが待っています。ボトルの期限等も建前上有りますが、月に一回でも顔を出していれば、一年位経ってもかってに流される事はありません(但しボトル内に酒が残っている事が必要ですが)。メインボトルとしてウイスキーやブランデーを入れている場合、サイドボトルとしてジン、ウオッカ、あるいはラム等のボトルも合わせてキープ可能ですが、それらのスピリッツを用いて様々なスタンダードカクテルを作らせても、必要なベルモット等のリキュール類、レモンジュース、コーラ(コークハイ)等の料金は請求されることなく、むしろ安上がりです(但し、高価なフレッシュフルーツジュース等を使用するカクテルを指示する場合は、差額の追加料金を請求されますが)。

以上、小生、下町山の手の古典酒場ホッピー等も大好きですが、どちらかと言うと、外で飲む洋酒派で、特にホテルバーも大好きなため、長くなりましたが、上記コラムを拝読し気付いた点を補足させて戴きました。

投稿: 赤提灯&ホテルバー派 | 2008.11.24 18:05

僕も1000札を握りしめて予算内で飲む、のは大好きですが、今はホテルのBARが最もコストパフォーマンスが高いので、そちらが行きつけです。
荻窪の生まれ育ちなので、荻窪にいたころは頃は毎日のように「かっぱ」経由で帰宅していました。
今はホテル経由でお堀沿いに散歩がてら歩いて帰ることが多くなりました。
先も荻窪の「やきや」で「なかだけ」がわからくて店主に舌打ちをされたコメントを残しましたが、ホテルで従業員に不愉快な目に遭わされた記憶はありません。いくら安くても美味しくても「客」にして良いことと悪いことがあることを認識していただきたいものです。
昨夜もホテルのBARをほぼ貸し切り状態で4時間、僕のレシピで作ってくれるマティーニを3杯、3400円程です。
僕はお酒は好きですが、酔っぱらいは嫌いなので落ち着いて飲めるのはホテルのメインバーになってしまいます。
そこのバーではどのバーテンダーも僕のレシピのマティーニを作っていただけますし、メンバーズ・カード会員(入会金も年会費も無し)なので10%引き、安い・・・です。
昨夜は酉の市の帰り鶯谷の立ち飲みで、中ジョッキともつ焼きで15分ほどで1300円弱でしたから、比較の対象にはならないのでしょうが、ホテルは安いです。
バーテンダーとお酒の話をするのも楽しいですし、たまにビール会社の営業の方と本格的なお酒の話をすることがあったり、お酒を楽しめます。
酔うことよりもお酒を楽しむようになったので、ゆったりとカウンターでお酒のボトルを見ながら過ごすのは本当に楽しいものです。
ですから、高い!と思っていただいて、お客さんが沢山来ないほうが僕には好都合なんですが・・・

投稿: John | 2008.11.30 13:45

ちょっと話が脱線しますが、ホテルのコーヒーも同様に安いと思ったことがあります。
一杯1000円以上するのですが、やはりその空間でノンビリできることを考えると、そのコストパフォーマンスは高いと。

ただし、大声で笑い話に夢中なセレブな方々と隣り合わせてしまったら、ただ高いコーヒーになってしまいますが。

投稿: 小林麦酒 | 2008.12.02 00:16

そうですね、あとアメリカ人のパワーランチの隣に座ると・・・・
静かに話してくれとおねがいしたことがありました。
Delicacyは英語だと思っていましたが・・・・
大声で話に夢中な・・・・おばはん・・・ですよね・・・

投稿: John | 2008.12.04 02:13

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