開店は午後4時だった … 大衆酒場「だるま」(門前仲町)
料理研究家の伊野さんが、このところ下町大衆酒場にも興味を持たれているということで、今日は門前仲町にやってきました。
お付き合いいただくのは、山の手に住みながら下町・立石のもつ焼き「宇ち多゛」に通いつめる宇ち中(うちちゅう)さんと、下町・江東区在住で、おでん屋と下町大衆酒場をこよなく愛するKさんの、合わせて4人のパーティーです。
門前仲町駅の出口で午後4時に待ち合わせ、まず向かったのは牛煮込みの「大坂屋」です。濃厚なコクが病みつきになる煮込みを、ぜひ伊野さんにもぜひ味わってもらおうと、今回の下町コースの1軒目として設定したのでした。
ところが!
開店時刻の午後4時を回っているにも関わらず、店が開いていないばかりか、中で開店準備をしているような気配もありません。「大坂屋」は本日臨時休業のようなのです。
うーむ、どうしましょう。宇ち中さんやKさんと「大坂屋」前で善後策を練ります。
この近くで午後4時から開いている酒場では、木場の「河本」のコッテリ煮込みもまたおすすめなのですが、ここからちょっと距離があるし、開店と同時に満席になっている可能性が高いのです。
このすぐ近くの「魚三酒場」も午後4時開店だけど、こちらも開店と同時に満席になって、表に待ち行列ができるほどなので、今行ってもむずかしいだろうなぁ。
月島まで歩いて行って、「岸田屋」に並んで開店(午後5時)を待つというのもいいかもね。
そんな話をしながら、ふと見ると、すぐ近くの大衆酒場「だるま」の入口が開いているようです。
「あれ? 「だるま」って、午後5時開店じゃなかったっけ?」
と言いつつも、店に近づいて行ってみると、すでに親父さんも、おかみさんもスタンバイできている様子です。
「もう入っていいですか?」
「どうぞどうぞ。いらっしゃいませ」
「この店は、5時開店かと思ってたんですけど…」
「4時には開けてますよ。テーブルでもカウンターでも、お好きなところへどうぞ」
なんとそうでしたか。ちっとも知りませんでした。縦の辺が長いコの字カウンター(コの字の下側が入口)の、奥の角をはさむように4人で並んで座り、まずはチューハイ(400円)4発からスタートです。
この店では、注文した飲み物や料理の数を示すのに、1発、2発、……と、「発」で表すのです。これは、近くの商船大学の学生たちがそういう言い方をしていたのが、店のローカルルールとして定着したもの、と言われています。
そして、ここ「だるま」のもうひとつ、大きな特長は、料理一品一品の量が多いことです。これもやっぱり商船大学の学生さんが多かったり、近くにあった造船所からのお客さんが多かったりしたからかもしれません。料理の値段は1品400~800円くらいと、下町大衆酒場にしてはむしろ高い部類にはいるのですが、ひとりでやってきたら1品たのめばもう十分で、2品も注文したら、もてあまし気味になってしまうほどの量なのです。
今日は4人いるので、まずはこの店の名物品を3品ほどいってみましょう。牛もつ煮込み(600円)と、サラダ盛合せ(600円)、串カツ(600円)です。
この辺りは牛もつ文化圏なのか、先ほどの「大坂屋」も「河本」も、そして「岸田屋」も、煮込みはどこも牛もつです。
この店に来たら、ほぼいつも注文するサラダ盛合せは、ポテトサラダ、マカロニサラダ、トマトサラダの3品を一皿に盛り合せたもの。肉がやわらかい串カツも大人気です。
昨日、東中野の居酒屋をご紹介いただいたEさんも合流し、総勢5人となって、チューハイ(400円)をおかわりし、煮こごり(450円)や、鳥つくね焼(600円)、鳥あみ焼(800円)を追加します。
鳥つくね焼や、鳥あみ焼は、この春この店に来たときに、「酔わせて下町」のFさんが、「この店に来たら、これをたのまなきゃ」と教えてくれたもので、これらもこの店の名物品だったのでした。前から知ってればもっと食べてたのになぁ、と思うくらい美味しい2品なのです。
残念ながら予定の「大坂屋」には入れなかったものの、美人おねえさんもやってきて、今日も元気いっぱいの「だるま」で2時間ほど楽しんで、お勘定はひとり2千円ほどでした。
入口に陣取る親父さんにご挨拶をして、「だるま」を後に次へと向かいます。
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