横浜ならではの2軒め … バー「クライスラー(CHRYSLER)」(横浜市・日ノ出町)
横浜と言えば、もうひとつ忘れてはならないのがバーの文化です。
戦後、米軍が関内や横浜港を接収したりしたこともあって、アメリカの酒場文化であるバーという形態が入りこんできたんだろうと思います。その後も、横浜港に到着する船員さん向けの酒場などを中心に、バー文化は広く、深く、横浜の酒場文化に浸透したようです。
東京からやってきた友人のために、横浜での2軒目として選んだのは、昭和25(1950)年創業の老舗バー、「クライスラー」です。
階段を上がって、ビルの2階にある重厚な入口扉を開けると、ドーンと横に長く展開しているカウンター席。このカウンター席を右のほうに抜けると、部屋が広がってテーブル席のフロアになるのですが、今日はずらりと並んだ洋酒ボトルが見えるカウンター席に座ります。
私がいつものようにウイスキーの水割り(400円)を注文すると、友人はなんとカクテルが好きなのだと言います。
しまった!
この店は、ウイスキーの水割りや、ハイボール(500円)、ジントニック(700円)などの、よく出る飲み物類は安いのですが、たとえばジンフィズやマティーニ、マンハッタンなどが1,200円のほか、ピンクレディーやミリオンダラーなどが1,500円と、本格的なカクテル類はけっこう高いのです。
友人は、バーテンダー氏となにやらレシピを確認しあって、ブランデー系の赤いカクテルをもらうことに決めたようです。
うーむ。この店で飲んで、「横浜はバー文化が浸透してるから、老舗バーでも大衆酒場並みに安いでしょう!」なんてことを語ろうと思っていたのに、あまり出ないタイプのカクテルをどんどん注文しちゃうと、そういう話もできないかもなぁ。
ウイスキー水割りは、オーシャンの「スペシャル・オールド」の水割りで、「クライスラー」の名前が入った、ブーツ型のグラスで出されます。
つまみには、この店の名物でもある自家製ピザ(1,200円)を注文します。壁のメニューには、ミックスピザとトマトチーズピザという2種類が載っているのですが、現在はミックスピザしか作っていないのだそうです。
待つことしばし、銀色の大皿にのった、サラミやマッシュルーム入りのピザが出されます。濃厚なチーズの味わいがいいですねぇ。
2杯目は、私はウイスキーの水割りをおかわりし、友人はショートカクテルを、ロックでもらっています。普通、ショートカクテルは20分以内くらいで飲み干さないと、ぬるくなってしまうのですが、こうやってロックグラスで氷と共に出してもらうと、ゆっくりと飲むことができるのです。うーむ。相当カクテル好きなんですね。
つまみにはレーズンバター(600円)をもらいます。
これでラストという3杯目は、友人のドライ・マティーニ(1,200円)の注文に合わせて、私も普通のマティーニ(1,200円)をもらうことにしました。ちなみにこのマティーニ、メニュー上には「マチニー」と表記されているところにも歴史を感じますねぇ。
ゆっくりと2時間ほどの滞在は、ふたりで7,600円(ひとりあたり3,800円)でした。どうもごちそうさま。
週前半の平日(火曜日)でもあることから、今日はこの2軒で終了。ともに昭和20年代に創業した「武蔵屋」と「クライスラー」という、和・洋の老舗酒場を巡れて、友人も喜んでくれたようでした。
「クライスラー」 / ブランデー系のカクテル / 自家製ピザ
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