〔コラム〕 うなぎの「尾花」で忘年会(南千住)
故郷・松山から上京してきた旧友と共に、ちょっと贅沢な忘年会にやってきたのは、南千住にあるうなぎの「尾花」です。
「1巡目(午前11:30の開店前)はけっこう並ぶから、1時ごろにゆっくりと出かけて、2巡目を目指そうか」と相談しあって、ゆっくりと店に向かうと、12時45分ごろに店に着いた友人から、
「ぜんぜん行列がなくて、すぐに入れるよ!」というメール。大急ぎで店に向かい、1時前には入店です。
下足番のおねえさんに番号札をもらって店内に入ると、左手は大きなガラスで仕切られた厨房になっていて、調理を担当するおにいさんたちが働いている様子を見ることができます。そして右手が大きくおくまで続く大広間の座敷席です。
60~70人くらいは入りそうなこの大広間には、2人掛けの塗りの座卓がずらりと並び、グループの人数によって何卓かをくっつけ合って使っています。まさに事前の読みどおり、この時間帯、口開けで入ったお客さんの食事が終わって、三々五々お勘定をしているような状態です。
この時間帯にくれば、まったく並ぶことなく入ることができるんですね。
多くの老舗うなぎ屋がそうであるように、この店も注文を受けてからうなぎをさばいて調理するようで、注文の品にありつくまでに小一時間はかかるのです。
めったに来ないので、3,000円、3,500円、4,000円と3種類あるうな重は、一番大きい4,000円のを、別売りのきも吸(350円)と一緒に注文し、白焼(3,300円)も1人前。さらに焼き上がりを待つ間のつまみとして、焼鳥(2本1,100円)と、う巻(1,800円)ももらいます。
森須滋郎(もりす・じろう)さんの「食べてびっくり」などを読むと、「うなぎを美味しく食べようと思ったら、待ちながら飲むお酒は1合ほど。つき出しのお新香をつまみに、なめるようにいただく」といったことが書かれていますが、呑ん兵衛の我われにはなかなか実行することはむずかしくて、ついついあれもこれもと注文して、たくさん飲んでしまうのでした。
飲み物はまずは大瓶のビール(850円)から。アサヒ、キリン、サッポロと選べる中、友人の好みのサッポロをいただいて乾杯です。一緒に出されるお通しは、小さく刻んだキュウリの漬物です。
注文後、10分ほどで出されたのは焼鳥と、う巻の2品です。
2本で1,100円。1本あたり550円という焼鳥は、渋谷「鳥竹」の1本315円と比べても75%高。しかしながら、串を持つとずっしりと重みを感じる焼鳥のボリュームも相当なものです。ちなみに味付けは聞かれることもなくタレ焼きで、そのタレも「さすがうなぎ屋さん」と思わせるうまさです。
う巻は、小さく刻んだうなぎを芯にして焼いた玉子焼き。一緒に出された小皿の醤油をちょいとつけていただきます。
うーん。これは日本酒ですね。燗酒(1合750円)をお願いすると、はかま付きの1合徳利が出されます。
注文してから50分ほどたった頃、白焼(しらやき)が漬物(白菜と沢庵)と一緒に出されます。ここの白焼は焼いたあと、しっかりと蒸したもので、箸をつけるととろりととろけるほどの軟らかさ。これをわさび醤油でいただきます。
「急いで食べないと、すぐにうな重も出てくるからね。急げ急げ」
友人とそう言いあいながら白焼に取り組みます。白焼は焼いただけで蒸さずに出してくれる店もあるそうで、このタイプであれば、うな重ができるまでの途中の1品として、ゆっくりと食べることができます。しかし、ここの白焼は、先ほども書いたとおり蒸したものなので、うな重ができあがるのと、あまり時間差がないのです。
予想どおり、白焼が出された5分後(注文してから55分後)に、うな重も出てきました。3千円のうな重は丸い丼で出されますが、今日注文した4千円のうな重は塗りの重箱で、別に注文したきも吸いと一緒に出されます。
ガッガッガッとかき込むうな重の美味しいこと。この身のふんわり感がたまりませんねぇ。
そんなわけで、今年も1年間ありがとうございました。新しい年、平成21(2009)年もまたよろしくお願いします。
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