うなぎ串焼きを一揃い … うなぎ「川勢(かわせい)」(荻窪)
土曜日の夕方、開店時刻の午後5時にやってきたのは、荻窪駅北口商店街の中にある、うなぎ串焼きの店「川勢」です。
口開け第1号の客になるかと思いきや、L字カウンターの奥には、いかにも常連さんと思しき老夫婦が座り、お酒のグラスを傾けています。ここ「川勢」は、「東京いい店うまい店」に掲載されていたりするのを見て、遠くからやってくる人たちのみならず、地元の人たちからも人気のお店なのです。(地元の人たちに人気があったから、本や雑誌、インターネットなどにも出るようになった、という順番なんでしょうね。)
私もL字カウンターの長辺・手前側。ちょうど焼き台の前あたりに座り、いつものように、うなぎ串焼きの一揃い(ひとそろい。お決まりの6串で1,210円)を注文し、今日はいきなり燗酒(320円)からスタートです。
燗酒は、受け皿付きのコップに、保温用のポットから注(つ)がれます。この燗酒の出し方は、「川勢」の店主が修業された「川二郎」(中野)の出し方と同じですね。
すぐに定番のお通し(30円かな?)のキャベツ漬けも出されます。このキャベツ漬けも人気の一品で、単品で注文することもできます。単品の場合は、150円で小鉢に山盛りで出してくれるのでした。キャベツ漬けには、串焼き用の新しい串が2本添えられます。この2本を箸のように使ってキャベツをいただくのです。
まず出されたのは、きも焼き(190円)、ひれ焼き(190円)、ばら焼き(190円)の3本です。
きも焼きは、大衆酒場などでもときどきメニューに載っている「うなぎの肝焼き」と同じものですが、ここ「川勢」のきも焼きは、肝の鮮度がいいので、プリプリとした弾力感がすばらしいのです。
大好物のひれ焼きは、文字通りうなぎの背びれや胸びれを集めてきて、ニラと一緒に串に巻いて焼いたもの。最初は、ひれと聞いて、ジャリジャリとした食感なんじゃないかと思ったりしたのですが、食べてみるとまったくそんなことはありませんでした。
ばら焼きは腹骨を集めて焼いたもの。これもジャリジャリすることなんて、まったくなくて、骨ぎわの身のうまさをたっぷりと感じることができる一品なのです。
燗酒(320円)をおかわりして、続いてはレバー焼き(190円)です。これはうなぎのレバーだけを十尾分ほど集めて串にさして焼いたもの。とろりとした旨みは、牛レバーや豚レバーにも負けていません。
おろっ。ふと気づくと、もうカウンターもほぼ満席ではありませんか。まだ開店して30分くらいしか経っていないのになぁ。ほとんどのお客さんが「一揃い」を注文しています。
その一揃いの5本目は、八幡巻(やわたまき、260円)です。これは細く割いたうなぎの身を、ゴボウに巻きつけて焼いたもの。どじょうとゴボウが合うのと同じように、うなぎとゴボウも、これまたよく合うのです。
うなぎの串焼きは190円のものと、260円のものの、ふたつの価格帯になっていて、この八幡巻などの260円ものは、190円ものと比べると長い串が使われていて、食べ終わったあとでも、どちらの価格帯の串焼きを食べたのかわかるようになっています。
一揃いの最後、6本目は串巻(くしまき、190円)です。これは細く割いた身を、くねらせるようにしながら串に打って焼いたもので、店によっては、くりから焼きと呼ばれるものとほぼ同じです。
焼き鳥も、もつ焼きも、それぞれに美味しいのですが、うなぎの串焼きもまた、しばらく間があくと食べたくて仕方がなくなる一品ですよねぇ。
「川勢」のうなぎ串焼きは、一揃いで出される6本のほかに、はす焼き(190円)、えり焼き(190円)、そして短冊(260円)の全9品。これに、ねぎ、ししとう、しいたけ(各180円)などの野菜串焼きが加わります。
最後にガッツリとご飯もので〆たい方には、うな丼(1,200円)、上うな丼(1,500円)、まぶし丼(1,100円)、きも吸い(200円)もあります。
1時間弱の滞在は、一揃いと燗酒2杯(+お通しのキャベツ)で、1,880円でした。どうもごちそうさま。
「川勢」 / きも焼、ひれ焼、ばら焼 / レバー焼、八幡巻、串巻
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