カワハギはキモと共に … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)
毎月、第二土曜日は近所にある魚料理と天ぷらの店、「竹よし」の食事会の日。その食事会の翌日の日曜日に、トコトコと「竹よし」にやってきました。
開店時刻の午後5時をちょっと過ぎてから店に到着すると、カウンター6席、テーブル2卓の、全12~14席ほどの店内には、カウンターの中央あたりに先客がひとり。私もその奥側に座り、燗酒(菊正宗、350円)を注文すると、今日のお通し(200円)はトラフグの皮酢です。
お客さんの多い金曜日と日曜日は、店主の他に手伝いのおねえさんが、それぞれひとり入っています。今日、日曜日のおねえさんは、Kさんです。このところ日曜日(食事会の翌日)にやってくることが多いので、「竹よし」に来るたびに、いつもKさんにお会いしているような状態です。
おねえさんが手伝いに入っているときは、店主は調理に専念できるようで、真剣な表情で魚に集中しています。
昨日の第81回となる夕食会のテーマは「カワハギと生クジラ」。まだ昨日の食材も若干残っているということで、見せてもらったカワハギの丸々と大きいこと!
「冬場は天候の影響なんかもあって、当日になるまでよく分からないところがあるんですよ。今回もいいカワハギを、と中卸さんにお願いしておいたら、福岡でとれたものでした」と店主が教えてくれます。
昨日はこのカワハギを、刺身、鍋、そして雑炊でいただいたんだそうです。
ピンク色も美しい生クジラは、イワシクジラ。これはユッケと焼きシャブで出されたそうです。
カワハギと生クジラ以外のサイドメニューは、アン肝とフグ皮。今、お通しとしていただいているフグ皮がそうなんですね。
カウンターの先客のところへ、見るからに美味しそうな白子ポン酢(650円)が出されます。白子もまた、冬場ならではの一品ですよねぇ。
カウンターの先客はNさんという関西弁でお話する方で、今日、はじめていらっしゃったんだそうです。この白子のほかに、これまた冬場においしいニシンの塩焼き(600円)を注文されているとのこと。そのニシンに卵(カズノコ!)が入ってたりすると、また嬉しいのですが、あまりお目にかかりませんよねぇ。
そのニシンの塩焼きの準備を終えて、グリルにかけてから、
「なにを造りましょう?」と店主が笑顔を向けてくれます。
「さっきの立派なカワハギ(刺身1人前950円)をもらいます」
あんな丸々と太ったカワハギを見せられては注文しないわけにはいきません。
「カワハギにしますか」
と復唱しながら、店主が大きなカワハギを1尾、まな板の上に置きます。包丁でちょんと切り目を入れて引っ張ると、ビビィ~~ッとおもしろいように簡単に皮が剥(む)けます。
「こうやって簡単に皮を剥(は)ぐことができるから、カワハギと言うんでしょうね。実は、この皮の下にもう1枚、透明な皮があって、それも取らないといけないんですよ」
そう教えてくれながら、目の前でカワハギの刺身ができあがっていきます。
「お待たせしました」
と出されたカワハギ刺身。同じカワハギの肝(きも)もたっぷりと添えられています。味のある淡白さがカワハギの良さ。肝を醤油に溶いて、それにつけていただくと、身の淡白さに肝の濃厚さがからまって旨味の極致です。燗酒が進んで進んでしかたがない。
お客さんも次々に入ってきてにぎわう中、ガラリと入って来られたのは、仙台から昨日の夕食会にも参加されたWさんです。昨日の夕食会のあと、仙台に帰られて、今日、また改めて仙台から出てこられたのだそうです。
「JR東日本の割引切符があって、安く出てくることができるんですよ」
ニコニコと笑いながら、かき揚げ天ぷら(750円)と燗酒を注文するWさん。今日は蒲田の大衆酒場「鳥万本店」に行ったあと、ここ「竹よし」が2軒目だそうです。
Wさんとの話もはずんで、気がつけばもう7時半。2時間半も腰を据えちゃいましたか。
燗酒4本にお通しとカワハギで、今日は2,550円でした。どうもごちそうさま。みなさん、お先に。
さて、「竹よし」の夕食会情報です。新年、1月10日(土)の予定食材は寒ブリだそうです。これまた冬には欠かせない魚ですね!
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