とりもつ鍋で燗酒2本 … 居酒屋「鍵屋(かぎや)」(鶯谷)
金曜日。横浜からの帰り道に、京浜東北線1本で鶯谷(うぐいすだに)までやってきました。向かうのは東京を代表する老舗居酒屋の1軒、「鍵屋」です。
「鍵屋」は、江戸時代、安政3(1856)年に酒問屋として創業し、今年で創業152年です。昭和初期から店の一角でお酒が飲ますようになり、終戦後の昭和24(1949)年から本格的な居酒屋になりました。
道路の拡張により、昭和45(1970)年頃に立ち退きを余儀なくされましたが、震災・戦災をまぬがれた江戸時代の「鍵屋」の建物は、小金井公園の江戸東京たてもの園に残されており、その当時の「鍵屋」の雰囲気を感じることができます。
移転後の現在の店(昭和48年~)も、大正時代の民家を改築したものということで、レトロ感たっぷりです。
店内は右手にL字のカウンター10席ほどと、左手小上がりにテーブル席が4卓。もう少し狭い店だった印象があるんだけど、なにしろ6年ぶりですからねぇ。記憶違いかもしれません。
このところ、行きつけの店か、新しいお店に行くことが多くて、山手線の東側(地図で見て右側)のほうにある居酒屋には、なかなか再訪することができていなかったのです。しかしながら、久しぶりの「鍵屋」は、メニューも雰囲気もほとんど変わっていません。
飲み物は、桜正宗、大関、菊正宗という3種の日本酒(各530円)を基本とし、背の高い白い徳利で1合ずつ燗がつけられます。それ以外の飲み物は、瓶ビールが大瓶(610円)と小瓶(530円)に、冷酒(910円)があるだけ。とてもシンプルです。
その中から菊正宗を注文すると、お通し(サービス)として少量のトコロテンが出されます。
この店の定番のお通しは煮豆(大豆)なのですが、今日は店に入ったのが午後9時前と遅かったので、煮豆はなくなっちゃったのかもしれません。この時刻に入るのが、「鍵屋」としてはギリギリくらいでしょうか。9時半ラストオーダー、10時閉店です。
さて、料理です。これまた昔から変わらぬものを出し続けているという「鍵屋」のメニューは、焼き物がそれぞれ2串1人前で、とり皮やき(520円)、とりもつやき(540円)、合鴨塩やき(580円)、うなぎくりからやき(640円)の4種。これらはL字カウンター短辺内側にある焼き台で焼きあげられます。
焼き物以外は、奥の厨房で調理されて出されるのですが、冷奴(520円)、味噌おでん(540円)、たたみいわし(640円)、大根おろし(440円)、ところてん(420円)、お新香(470円)、さらしくじら(740円)、もずく(540円)、かまぼこ(540円)と並び、ちょっとした鍋物が、煮奴(580円)、とりもつなべ(690円)、とり皮なべ(690円)の3種。
これに土曜日だけ出される玉子焼(540円)と、季節もの(秋冬のみ)のにこごり(620円)と湯どうふ(730円)で全品です。飲み物と同じく、食べ物もシンプルですねぇ。
遅くにやってきたのですが、今日はここが1軒目。お腹もすいているので、ここはひとつ、「とりもつなべ」(690円)をいただきますか。
奥の厨房で調理されて、ひとり用のアルミ鍋で出される「とりもつなべ」は、東京風の甘辛い割り下で、鶏のレバー、砂肝、豆腐、麩、玉ネギ、コンニャクを煮たもの。木箱で出される刻みネギを入れて、七味唐辛子を振りかけていただくと、これがまた燗酒に合うこと合うこと。
2本目は桜正宗をもらいます。先ほどの菊正宗と大関が辛口。この桜正宗が甘口なんだそうです。
午後9時半になると、外ののれんが片付けられ、入口の内側に細長い別ののれんがかけられます。この内側ののれんがあることで、お勘定を終えて店を出るために引き戸を開けても、外から店内がダイレクトに見えないようにしるんでしょうね。
さてさて。2本目のお酒も飲み干したところで、私もお勘定としましょうか。
ちょうど1時間ほどの滞在。燗酒2本にお通しと、とりもつなべで1,750円でした。どうもごちそうさま。
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