〔コラム〕 東西南北・並び立つ名酒場たち
東の「シンスケ」(湯島)、西の「金田」(自由が丘)として、ともに料理のメニューが多くて、かつその内容も割烹風の両老舗居酒屋を対比させたのは太田和彦(おおた・かずひこ)さん。同じように並び立てて対比できる名酒場がないだろうかと、私もちょっとリストアップしてみました。
元気にあふれる店員さんたちの対応で、店に行ってる我われまでもが元気をもらえそうな気がするほどの活力店が、北の「まるます家」(赤羽)、南の「西口やきとん」(浅草橋)。「まるます家」は女性店員さんたち、「西口やきとん」は男性店員さんたちという違いはありますが、キビキビとした動きと、明るい接客は抜群の両店です。値段も安い!
値段が安いといえば、安くて美味くて行列のできる両雄が、北の「宇ち多゛」(立石)、南の「魚三酒場」(門前仲町)。どちらも開店前から大行列です。
北の「燗酒屋」(阿佐ヶ谷)に、南の「ねこ屋」(築地)。行ったことのある方ならもうおわかりですね。和服に割烹着の美人女将の両雄です。どちらも美味しい地酒と、料理上手な女将の手料理が楽しめます。
人気が人気を呼んで、ビル1棟丸ごとが大きな大衆酒場になっちゃったのが、北の「ふくろ」に南の「鳥万本店」(蒲田)です。「ふくろ」は午前7時から、「鳥万本店」は土日祝なら午後3時からと、早い時間帯から開いてる上に、年中無休で営業中というのがうれしいですね。
立ち飲み屋らしい安い値段ながら、出てくる料理はまるで和食割烹なのが、東の「徳多和良」(北千住)に、西の「おかやん」(中野)。「おかやん」は昨年(2008年)4月にオープンしたばかりの新らしいお店ですが、すでに大勢のファンが付いています。
同じように、比較的新しい立ち飲み屋ながら、毎日毎日にぎわっている地域の人気店なのが、北の「パニパニ」(中野)、南の「ぼんそわ」(新橋)。パニパニというのは沖縄・宮古島あたりの言葉で「元気いっぱい」という、ボンソワはフランス語で「こんばんは」という意味なんだそうで、そういう名前の付け方もなんとなく共通点を感じます。
店主を囲んで、常連さんたちの会話で店中が盛り上がるのが、東の「兵六」(神保町)、西の「路傍」(中野)の両店。ともに談論風発の人気店です。
文士たちに愛された老舗酒場が、東の「鍵屋」(鶯谷)に、西の「さいき」(恵比寿)。店の造りにも歴史を感じる両店です。
昔ながらのしっかりとした肴(さかな)で、燗酒をじっくりと味わえるのが、北の「江戸一」(大塚)に、対する南は「ふくべ」(東京)です。どちらの店でも樽酒を燗で飲むことができて、くさやも楽しめます。
ざっとこんなところを思いつきましたが、まだまだ挙(あ)げればきりがなさそうです。みなさんの「東(北)の~、西(南)の~」というお店がありましあら、この記事へのコメントやトラックバックとして教えていただけるとありがたいです。(共に承認制ですので、公開されるまでにちょっと時間がかかります。)
| 固定リンク | 0
コメント
ひとり白子鍋の名酒場として西の酒の高橋、東の日の丸酒場。というのはどうでしょう。
北の斎藤酒場に対する南の・・・が思い浮かびません。(^^;
投稿: uchidaholic | 2009.01.11 10:15
立ち飲み名店。
有名:鈴伝(四谷)
無名:やまじ(飯田橋)(「立ち飲みクローリング」に紹介記事あり)はいかがでしょうか。「東西」ではなくてごめんなさい。
投稿: 鶴八鶴次郎 | 2009.01.12 02:55
あまりにも有名すぎて面白くは無いかもしれませんが、ともに両店とも勝るとも劣らず、東京の4(5)大煮込みの名店の一つで、キンミヤを昔から使用している下町の超々老舗店という共通項も有り、北の”大はし”、南の”山利喜”
というのは如何でしょうか。
投稿: 東京居酒屋漂人 | 2009.01.12 18:37
はじめまして。いつも楽しく拝見しております。
名酒場というか肉の名店として、西の横綱 ”まるい”、東の”やっちゃん”とたまに言うことがありますが、いかがでしょうか。
投稿: yukimaru | 2009.01.13 09:45
いつも楽しい話題をありがとうございます。
北:肉の大山(上野)vs南:肉の前川(大井町)
「やみつきコロッケ」対「鳥刺し」ということで。
投稿: 吞看鐵 | 2009.01.18 00:05