魚介類が安くて美味い … 大衆酒蔵「山本(やまもと)」(豊洲)
豊洲での仕事を終えて、わが懐かしのこの1軒、「山本」にやってきました。
今から8年ほど前、平成13(2001)年9月まで、私の職場もこの地にあったのです。そのころ、よくやって来ていたのが魚介類が安くて美味いこのお店だったのです。
前回来たのが、職場移転の1年前くらいだから、実に10年ぶりです。本当に懐かしいなぁ。
ガラリと引き戸を開けて、開店直後の店内へ。店を切り盛りする店主夫妻は昔のまま、ちっとも変わっていません。というか、10年ぶりなのに、おかみさんはむしろ若くなってるような感じがするなぁ。
店内は右手にL字カウンター約15席。左手には4人掛けのテーブル席が2卓あって、その奥がお手洗いになっています。このカウンター中央部から奥側。後ろがお手洗いの壁になっていて狭くなった部分が、常連さんたちのエリアです。
私はそのすぐ手前の、常連さんじゃなくても入れるぎりぎり奥の席に陣取って、まずはホッピー(450円)を注文すると、年季の入った「宝」の一升瓶から注がれる焼酎は、氷入りのホッピージョッキにたっぷりと7分目ほど。この濃さがいいですねぇ。
私がホッピーの初めて出会ったのが、この豊洲の地。豊洲交差点のすぐ近くにあった、コの字カウンターの大衆酒場でした。とろりと旨みのある牛レバ刺しで飲むホッピーの美味しさにびっくりしたものでした。この近くには、昔からホッピーを置いている酒場が多かったのです。
ッカァーッ。効くなぁ、このホッピー。ここは魚介類が売りの店なので、牛レバ刺しはありませんが、そのかわりに、昔からこの店の名物料理でもあったマグロの中落ち(390円)をもらいます。390円という値段ながら、出されたマグロの中落ちは、たっぷりと12切れ。この安さとボリュームが「山本」です。ちっとも変わってないなぁ。
こういう旨みの強い、コクのあるつまみに、濃い目のホッピーがピシャリと合うんです。ホロッと苦い、ホップの味わいがいいのかな。
お客さんは開店直後から続々と入ってきて、開店30分後の午後5時半には、ほぼ満席。いやぁ、この出足は昔よりもすごいかも。ますます人気が高くなってるんですね。
さっき入ってきた、いかにも常連さんと思しき男性ひとり客は、店に入ってくるなり「カマ焼きね!」と注文しながら席に着きます。カマ焼きなんてメニューは、壁に並んだ短冊メニューにも、手書きの黒板メニューにもありません。この店が魚を1尾丸ごとで仕入れて、そのアラが出ることを知っている常連さんだから注文できる品物なんでしょうね。「じゃ、オレも」と別の常連さんも声をかけますが、「ごめん。今日はカマ焼きは1人前しかできない」と店主。うーむ。競争率が高いですねぇ。
ちなみに今日の刺身メニューは、地ダコ(420円)、天然カンパチ(630円)、新サンマ(300円)、特製しめさば(420円)、活帆立貝(370円)、大アジ(600円)、クジラ(630円)などなど。かきなべ(840円)、たらちりなべ(840円)、あんこうなべ(950円)などの鍋物メニューもあります。
ホッピーのナカ(焼酎のおかわり)をお願いして、料理はアジの焼サンガ(350円)と、それができ上がるまでのつなぎに、つけもの(200円)を注文すると、予想どおり、大皿にたっぷりと盛られたキュウリと白菜の漬物はすぐに出てきました。
その漬物をつまみながら待つことしばし。帆立貝の貝殻で焼き上げられた、熱々のアジ焼サンガが出されます。サンガ焼きは、ナメロウを焼いたもの。これまた旨みが強くて、いい酒の肴(さかな)になるのです。
10年ぶりでも、何も変わっていない「山本」にすっかりくつろいで、2時間ちょっとの滞在は1,800円でした。
ということはホッピーのナカは410円なのかな? それじゃちょっと高すぎる感じもするので、ナカが320円で、合計1,710円に消費税が付いて1,800円なのかもしれませんね。いずれにしても合計金額は、これまた昔と変わらず安いです。
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