〔コラム〕 「北島亭」でトリュフを食べる
冬場のトリュフの季節になると「北島亭」のメニューに登場する「トリュフとフォアグラのパイ包み焼き」。
普通、よく見かけるフォアグラ&トリュフは、でんと大きいフォアグラの上に、スライスするなどした少量のトリュフがのっている、というスタイルですが、この「トリュフとフォアグラのパイ包み焼き」は、その立場がすっかり逆転。ごろりと大きくカットされたトリュフ2切れの間に、フォアグラがちょろりと挟(はさ)んであるという感じ。
これをパイ皮で香りを封じ込めて焼き上げてくれるので、そのパイ皮にナイフを入れた瞬間に立ち上るトリュフの香りといったら……(遠くを見る目)。
残念ながら今日は残り2人前しかなかったので、厨房のほうでスパッと半分にカットしたものを、我われ4人に出してくれました。
そのトリュフのかたまりを、グサッとフォークに刺して口中へ。かりかりと噛み砕くと、喉(のど)の奥からもトリュフの香りがフワァーッと鼻腔に入ってきます。んー、幸せ。
今日の食事は、アンチョビのクロワッサンとメヒカリの揚げものという2品のアミューズから始まりました。
前菜(オードブル)は、1品目が「北島亭」名物の「生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え」(3,150円)。今日のウニは利尻産だそうです。2品目は「生カキのマリネ フランボワーズの香り、サラダ添え」(2,500円)。カキの上にはキャビアものっています。
3品目は、カリッと焼きあがった「真鱈の白子のムニエル トマトソース添え」(4,200円)。もちろん中はとろけるようにやわらかい。これも冬場の楽しみですねぇ。前菜の間はテタンジェ(Taittinger)というシャンパンをいただきます。「北島亭」の料理は、すべてお酒(ワイン)に合うような味付けになっているので、ワインもどんどん進むのです。
そして、冒頭の「トリュフとフォアグラのパイ包み焼き」。今日のメニューには載っていない一品なのですが、となりのテーブルの人たちも食べていました。「北島亭」の冬場の名物です。トリュフの仕入れ値によって1皿(1人前)が1~2万円くらいになりますが、60グラムほどのトリュフが入っているので、ほぼトリュフの原価のまま程度なんだそうです。これで前菜は終了です。
メインディッシュの1品目は魚料理。これまたメニューにはない鮭のソテーと、「銚子産のどくろ(赤ムツ)のバプール 青のりのせ」(6,300円)。それぞれ2人前ずついただいて、4人でちょっと分けっこです。というか、のどくろが残り2人前しかなくて、「残り2人分は鮭でどうですか?」と厨房に居るシェフが提案してくれたのでした。
そして肉料理。この時期はもちろんジビエ(狩猟によって捕獲された野生の鳥獣)ですね。そろそろ最後の時期かなという2品、「イギリス産 山しぎ(ベガス)のロースト サルミソース(貴重品)」(13,550円)と「蝦夷鹿 背肉のロースト ポワブラードソース(2人前)」(12,600円)を、これまた2人前ずつです。
デザートもたっぷりといただいて、気がつけばもう午後11時過ぎ。シャンパンのあと、ワインも3本もいただいてしまいました。
シェフやお店のスタッフのみなさんに見送られながら、「北島亭」を後にしたのでした。
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