クセになるもつ煮込み … 牛煮込み「大坂屋(おおさかや)」(門前仲町)
木場から門前仲町までは地下鉄東西線で1駅、1キロほどの距離なので、ゆっくりと歩いても20分もかかりません。
今日の2軒目は門前仲町の牛煮込みの店、「大坂屋」です。
水曜日、午後6時前の店内は、煮込み鍋を囲むメインカウンター(6席程度)に先客が5人。入口左手のサブカウンター(4席程度)は空いています。
「ここに入る?」
と女将さんが声をかけてくれて、先客5人のど真ん中、煮込み鍋の正面に座らせてもらいます。
「大坂屋」の創業は大正13(1924)年。関東大震災の翌年です。当時は門前仲町交差点の近くで、屋台で営業していたのだそうです。
終戦後、今の場所に店を構えて営業するようになりますが、メニューはそのころからほとんど変わらぬシンプルなもので、串に刺した牛煮込み(1串130円)がシロ(腸)、フワ(肺)、ナンコツ(食道)の3種類以外は、玉子入りスープ(330円)とオニオンスライス(300円)しかありません。
今日も梅割り焼酎(400円)をロックでもらって、煮込み3種を1本ずつもらうと、いつのもようにお通しの大根の漬物(たぶん100円)が出されます。
グツグツと煮えたぎる煮込み鍋で、黒々と煮込まれる牛もつが、この店の大きな特徴。みそ味をベースにした濃厚な味わいがたまりません。一度食べると必ずクセになってしまう味なのです。
この店では箸は出されません。お通しの大根の漬物は、添えられる小さなフォークでつついていただき、煮込みは串をつまんで、そのままいただきます。煮込み鍋には串ごと浸(つ)かっていますので、串にも煮込み汁が染み込んでいて、指にも付きます。その指先を、お通しと一緒に出される小さな濡れ布巾でちょいちょいと拭(ぬぐ)うのです。
玉子入りスープ(330円)を注文すると、グツグツと沸く煮込み鍋の中に、生のままの殻付き玉子が入れられて、半熟状態になるまで煮込まれます。それを取り出して、コンコンッと殻を割り、クルリと殻をむいて小鉢へ。包丁で十文字に切り目を入れて、煮込み汁をかけてできあがりです。
この玉子入りスープ。そのままいただいてももちろおん美味しいのですが、玉子をつぶしてグチャグチャっとかき混ぜ、そこに串から抜いた煮込みを入れて、一緒にいただくと、煮込みのコクがより増して、一段とおいしくなるのです。特にシロの煮込みが合うように思います。
今日もまずシロを2本もらって玉子入りスープに投入。んー。うまいなぁ。さらにシロ2本を追加して、とろりと溶けた黄身に絡めながらいただきます。
1時間弱の滞在。梅割り焼酎2杯に煮込みが都合7本と玉子入りスープで、今日のお勘定は2,140円でした。どうもごちそうさま。
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