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2009年2月

ここも朝から飲める店 … おでん「平澤かまぼこ(ひらさわかまぼこ)」(王子)

おでんに丸眞正宗


 王子といえば、朝から飲める店は「山田屋」だけではありません。JR線をくぐって線路の反対側へ行くと、そこにあるのが朝10時から開いてる「平澤かまぼこ」です。これまでにも、店の前までは何度か来たことがあるのですが、いつもいっぱいで入れなかったのです。昼間のこの時間帯はどうかな?

 あららー。さすがに店の外まではあふれていないものの、店内の立ち飲みカウンターには6人ほどのお客さん。これでメインカウンターはほぼいっぱいです。そのメインカウンターの背後に、壁に作り付けのサブカウンターもあるのですが、メインカウンターとの隙間(すきま)が非常に狭いので、よほど満員のとき以外は入っていくのはむずかしいかもしれません。

 ふと見ると、店の入口の横にも小さな立ち飲みテーブルがあるので、今日はここでいただくことにしましょう。店内がいっぱいのときは、この小さなテーブルが店の表に出るんでしょうか。

 店を切り盛りしているのは、女将さんと思しき女性ひとり。逆にお客さんは年配の男性客ばかりです。

 飲み物に“北区の地酒”とコメントの入った「丸眞正宗」(300円)を注文すると、受け皿つきのコップになみなみとお酒を注いでくれます。すぐに出されるお通し(サービス)は大根の漬物です。

 入口横でグツグツと煮込まれているおでん鍋から、こんにゃく、ちくわぶ、がんも、、玉子(各100円)を取ってもらって、その場で飲み物と合わせて700円の代金を支払います。なるほど。キャッシュ・オン・デリバリー(商品と引き換え払い)なんですね。

 メニューに並んでいるおでんは約30種類。そのうち100円ものが8種類、150円ものが、さつま揚げ、ちくわなど12種類、200円ものが、ロールキャベツ、つぶ貝など8種類、250円ものが、たことピリ辛の2種類のほか、昆布だけがぐんと安くて30円です。

 飲み物は、今いただいている丸眞正宗(300円)のほかに、サワー各種(300円)、生ビール(400円)がメニューに載っているほか、おでん鍋の後ろの冷蔵庫には瓶ビール(サッポロ、キリン)や、にごり酒もあるのが見えます。

 壁には新聞記事の切り抜きが張られており、それによると、ここ「平澤かまぼこ」は昭和37(1962)年創業のかまぼこ店で、製造書は赤羽の神谷商店街にあるんだそうです。現在は二代目の店主が受け継いでいて、練り製品は自家製で、生魚から作っているんだそうです。

 ここ「平澤かまぼこ」にしても、赤羽の「丸健水産」にしても、自家製のネタのあるおでん屋さんは人気がありますねぇ。

 さっくりと40分ほどの立ち呑みでした。どうもごちそうさま!

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おでん鍋 / 店内の様子 / 女将さん

店情報

《平成21(2009)年2月7日(土)の記録》

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店情報: おでん「平澤かまぼこ(ひらさわかまぼこ)」(王子)

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  • 店名: 平沢かまぼこ王子駅前店
  • 電話: 03-5924-3773
  • 住所: 114-0021 東京都北区岸町1-1-10
  • 営業: 10:30-22:30、無休(夏場は日休)
  • 場所: 王子駅北口西側にある森下通り商店街の入口近く。冨士そばのとなり。北口改札から徒歩1~2分ほど。
  • メモ: 昭和37(1962)年創業のかまぼこ店。立ち飲みのおでん屋(王子駅前店)は平成11(1999)年に開店。女将(社長)の平澤京子さんと、その息子(店長)の慶彦さん、副店長の山岸さんの3人で切り盛り中。
    〔おでん〕こぶ30、こんにゃく100、ちくわぶ100、がんも100、しょうが揚100、玉子100、しらたき100、大根100、半ぺん100、ボール150、カレーボール150、うずら巻150、ウィンナ巻150、ごぼう巻150、げそ巻150、さつま揚150、あつあげ150、じゃがいも150、しそ揚150、ちくわ150、やさいつみれ(2個)150、チーズ巻200、ぎょうざ巻200、しゅうまい巻200、シャウエッセン(2個)200、ロールキャベツ200、もちぶくろ200、すじ(2個)200、つぶ貝200、ピリ辛250、たこ250、おでん(4個)定食(新潟コシヒカリ、小皿1品、自家製つけもの)550。
    〔おつまみ〕ぬかづけ(自家製ぬか床65年)150、きんぴら150、うの花150、王子本町・能登屋の冷奴150、地卵の玉子焼250、じっくり煮込んだ焼豚250、国産牛の牛すじ250、大山地鶏の鳥皮250、ふっくらまぐろ角煮250、磯の香り・えご300、冬季限定にこごり300、昔ながらの手造り蒲鉾250、チーズとシャウエッセンを蒲鉾で巻いた源氏巻250、高級馬刺350、まぐろ刺身350。その他、本日のおつまみあり。
    〔飲み物〕北区の地酒・丸眞正宗(コップ1合300、とっくり2合500、生酒650)、サワー各種(300、大ジョッキ450)、焼酎ロック450、梅焼酎お湯割り350、生ビール(400、大ジョッキ700)、えびすビール(大600、中500)、キリン/サッポロ/アサヒビール(大550、中450)。(2009年4月調べ)

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広い店内でゆったりと … 大衆酒場「山田屋(やまだや)」(王子)

店内の様子


前編からの続き)

 えーと。お酒は…、と短冊メニューを見てみると、八重壽(小)230円・(大)400円、白鷹(小)260円・(大)460円、黒松(小)290円・(大)510円という3種類の大小のほかに、八重壽・生貯蔵酒1本(300ml)390円と白鷹・吟醸生貯蔵酒1本(300ml)670円がラインナップされています。最初の3種類が、昔の二級酒、一級酒、特級酒に相当していて、2種類の生酒は冷酒で出されるんでしょうね。

「白鷹(はくたか)も燗酒でもらえるんですか?」とオヤジさんに確認してみると、「はいはい。大丈夫ですよ」とのこと。

 さっそくその白鷹を大徳利(460円)で注文すると、まず白鷹の一升瓶から大徳利にたっぷりとお酒が注がれ、その大徳利の中のお酒を燗付け器の上の口にトクトクと入れます。そして今度は大徳利を下の蛇口のところに置いて、蛇口をひねると、燗のついた日本酒が湯気をたてながら徳利の中に入ってきてできあがり。あっという間のできごとです。

 今日はお客さんもすくないので、燗付け器の中を見せてもらうと、中は大きな寸胴鍋のようになっていて、上の注ぎ口から下の蛇口をつなぐ管が、ぐるぐるとらせん状にその湯の中を通っています。このらせん状の管を通る間に、瞬間的に燗がつくんですね。

 ホタルイカをつまみに、白鷹の燗酒をちびりちびり。あぁ、昼間の明るさも心地よい。こんな時間に飲んでることが優越感でもあり、罪悪感でもあり。この微妙な感覚がまたいいんですよねぇ。

「朝は何時から開いてるんですか」

「7時半ごろには開けてるよ。昔は夜勤明けの人たちで、朝7時からいっぱいになってたんだけどねぇ。そのころの人たちも減ってきたよ」

 とオヤジさん。「山田屋」は80年前に王子駅のすぐ近くで酒屋として創業したんだそうです。この地で酒場を開業したのは、オヤジさんのお母さん(現在の女将)。それ以来、朝早くから店を開けてるんだそうです。

「そのかわり夜も9時までと早いけどね」とオヤジさん。

「午前中の営業は1時までなんですか?」

「平日はそうだけど、土曜日は定食を食べに来る人が少ないから12時半ごろまでかな」

 改めて壁のメニューを確認してみると、70品の単品料理とは別に、御弁当820、刺身定食820、まぐろ&やっこ定食690、ぎんだら煮付け定食790、さばの文化干し定食670、さばの味噌煮定食670、とんかつ定食870、ミックスフライ定食720、ほっけの開き定食720、いわしフライ定食620、鳥の唐揚げ定食500、コロッケ定食570、サンマの開き定食670円などの定食メニューも並んでいます。なるほどねぇ。平日は食堂も兼ねてるんですね。

 ホタルイカも食べ終わったので、今度は湯豆腐(170円)を注文し、合わせて「半じゅく玉子も、まだ来てないんですけど」と確認してみると、両方がほぼ同時に出てきました。

 お客さんが多すぎて注文が忘れられることはときどきありますが、お客さんが少なすぎても、これまた忘れられたりするんですね。これだけゆる~い雰囲気の中だと、多少忘れられていてもほとんど気にならないのもおもしろいなぁ。こっちの気分も、この雰囲気にお酒の酔いも加わって、とってもゆる~くなってるからなんでしょうね。

 なんでもない湯豆腐もおいいしいや。

 私の後からもお客さんが入ってきて、最終的には全体で8人くらいになっていた店内も、ひとり、またひとりとお勘定をして席を立ちます。ガラーンとした店内のなんと広いことよ。

「こちらもお勘定をお願いします」

 と言いながら席を立つと、今日のお勘定は1,570円。1時間弱の滞在でした。

「どうもごちそうさま」と店を出ると、外の光のまぶしいこと。おぉ、そうか。今がまさに真昼間だ!

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湯豆腐と半熟玉子 / 湯豆腐 / 半熟玉子

店情報前編

《平成21(2009)年2月7日(土)の記録》

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朝から昼から飲める店 … 大衆酒場「山田屋(やまだや)」(王子)

瓶ビールとホタルイカ


 二人の子供たちが、それぞれ私立高校、私立中学に通っているため、夫婦二人で過ごすことが多い土曜日。ところが今日はカミサンもPTA行事で朝から学校に行くのだそうで、「お昼ごはんは、どこかで適当に食べてきてね」と言い残して出かけていきました。

 自炊ができる人であれば、パパッと料理を作って食べたりするんでしょうが、残念ながら私はインスタント・ラーメンくらいしか作れないので、当然のように昼前にはトコトコと自宅を出発です。

 「東京 朝から飲める店 昼から飲める店」という本も出されているくらい、都内には朝から飲めたり、昼から飲めたりする店が多いのです。

 パッと思いつくだけでも吉祥寺の「いせや総本店」(12:00-22:00、火休)、荻窪の「鳥もと」(13:00-24:00、無休)、新宿・思い出横丁の「つるかめ」(08:00-23:30、無休)や「岐阜屋」(09:00-25:00、無休)、池袋の「ふくろ」(07:00-24:00、無休)、赤羽の「いこい」(07:00-22:00、日休)や「丸健水産」(09:00-21:00、無休)、「まるます家」(09:00-21:30、月休)、日暮里の「いづみや」(11:30-21:00、月2回不定休)、鶯谷の「信濃路」(24時間、無休)、上野の「肉の大山」(10:00-22:00、無休)に「大統領」(10:30-23:30、無休)、神田の「三州屋」(12:10-22:00、日祝休)や銀座の「三州屋」(11:30-21:30、日祝休)、恵比寿の「たつや」(08:00-翌日05:00、日休)、渋谷の「山家」(24時間、無休)などが挙げられるほか、そば屋や、どぜう屋、ビヤホール、さらには浅草エリアなどなどと、朝から開いてる店は実にたくさんあることに改めて驚きます。

 そんな中、今日やってきたのは王子の大衆酒場、「山田屋」です。

 ここは早朝から営業を開始して、昼過ぎにいったん閉まり、中休みのあと午後4時から営業を再開するという、そば屋などでよく見かけるスタイルの営業形態らしいのです。と説明しつつ、私自身、午前中に「山田屋」にやってきたのはこれがはじめて。ちゃんと開いてるかなぁ?

 そんなことを思いながら、大通り(国道122号線・北本通り)から、「山田屋」のある通りへ右折すると…。おぉっ。ちゃんとのれんが出てますねぇ。現在の時刻は午前11時半。昼ちょっと前という、比較的ゆっくりとしていそうな時間帯です。

 ガラリッ

 引き戸を開けて店内に入ると、まるで教室のような広い店内はガラガラ。ずらりと並んだテーブルのうち、中央あたりのテーブルを3人連れくらいの男性客が囲んでいるだけです。

「いらっしゃいませ」

 と迎えてくれる店員さんも、ホールにはオヤジさんひとり。後は2~3人の女性陣が左手奥の厨房スペースにいるだけです。いやぁ、こんなに空いてる「山田屋」ははじめて見ました。

 入口すぐの長テーブルに腰をおろし、まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、460円)と、名物の半じゅく玉子(240円)を注文します。

 壁にずらりと並ぶ短冊メニューは定番ものも、日替りものも含めて、合計約70品。値段が書かれていない約40品は、すべて240円です。2年ほど前に来たときは、値段がないものはすべて230円だったので、この2年間で10円だけ値上がりしたんですね。それでも安いっ!

 2杯目のビールを飲み終わってもまだ半じゅく玉子が出てこないので、“新物”と注記が入ったホタルイカ(240円)を注文すると、こちらはあっという間に出てきました。プクンと美味しそうに膨らんだ小さなホタルイカが10匹。ワサビ醤油でいただくと、その濃厚なこと! こりゃ燗酒ですね。

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「山田屋」 / 新物ホタルイカ / 料理メニュー

後編に続く)

店情報前回

《平成21(2009)年2月7日(土)の記録》

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梅割り焼酎と美人女将 … おでん「あさひや」(横浜市・日ノ出町)

おでんと梅割焼酎


 横浜以外の人たちが「野毛で飲もう!」という場合の野毛は、広くJR桜木町駅から京急・日ノ出町駅の間にはさまったエリアを指すことが多いようですが、実はこのエリアにはJR桜木町駅に近い側から、花咲町(はなさきちょう)、野毛町(のげちょう)、宮川町(みやがわちょう)の三つの町があり、さらにバー「クライスラー」のある福富町(ふくとみちょう)や、大衆酒場「栄屋(さかえや)」のある長者町(ちょうじゃまち)も、すぐに足を伸ばせるエリアです。野毛に集まる、地元の呑ん兵衛のみなさんは、比較的しっかりと町の名前で呼ぶ場合が多いように思います。

 そんなわけで、今日は宮川町の老舗おでん屋、「あさひや」にやってきました。

 電灯看板には「宝焼酎」の文字が入り、紺ののれんに赤ちょうちん。いかにも渋いお店なのに、非常に狭そうな店内はいつもお客さんで満席模様なうえに、営業時間も午後9時ごろまでと短いので、これまで行けたことがなかったのでした。

 「どうかなぁ」と思いながらのれんの下から垣間(かいま)見える店内を確認すると、いつもはお客さんたちの背中でいっぱいのカウンターの一部にすき間があるようです。よしっ。今日は入れそうだ。

 こういう引き戸タイプの入口は、どっち側を開けるべきか、よく悩むのですが、ここの店は右側の引き戸に「入口」という小さなシールを貼ってくれていて分かりやすい。ガラリ、とその引き戸を開けて店内へと入ります。

 L字カウンターのみ店内は、入口側の辺に5人、右手の縦の辺に4人(+補助席1人分)と、全体でも9~10席というキャパシティ。今日は補助席も出て、すでに9人が座っていて、手前側カウンターの真ん中にポツンとひとり分の席が残っているのみです。

 コートを脱いで、壁際のコートかけにかけて、残っている1席に腰をおろすと、

「いらっしゃいませ。お飲み物はなんにされますか?」

 と声をかけてくれるのは、店の外観からは想像もつかないような(失礼!)、とても上品な感じの美人女将です。飲み物はビール、日本酒、焼酎とそろっていますが、ネットなどによる事前調査では焼酎(390円)がおすすめのようで、まずは焼酎を注文すると、

「梅割でいいですか?」

 と確認が入ったあと、受け皿付きのコップからあふれるまで焼酎を入れてくれて、最後に梅エキスをちらりと注いでくれます。クイッと一口。ッカァ~ッ。生(き)の焼酎は効くなぁ。

「おでんはもう、あまり残ってないんですよ」

 カウンターの中には、四角いホーロー製のバットが二つ並んでいて、その中に、おでんがチラリホラリ。現在の時刻は午後7時半過ぎ。この時間で、もう品切れ間際なんですね。

 そんな中から厚揚げ(130円)と玉子(130円)、ロールキャベツ(250円)を取ってもらいます。

 この店のほとんどのおでんは1品130円。ロールキャベツなど何点かだけがちょっと高めの価格設定になっています。

 このロールキャベツは手作り。以前の仕入れ先がロールキャベツを作らなくなって、別の仕入れ先にかえたところ、あまりパッとしなかったんだそうです。

「それなら自分で作ろうかと思って、今は自分で作ってるんですよ。そのほうが中のお肉なんかもどこのものかちゃんと分かりますしね」と話してくれます。

 ひとり客ばかりのお店っぽいイメージがあったのですが、店内はグループ客が3組で、ひとり客は私と、縦の辺の中央あたりに座っている「☆野毛巡礼記☆」のたけーださんの二人だけです。ちょっと席も遠いので、たけーださんとは軽く目礼を交わしただけで、間に何人かを挟んでの会話は控えます。(こういう会話は、「遠距離恋愛」などとも呼ばれ、大衆酒場では嫌がられることもある行為のようです。)

 焼酎の梅割(390円)をおかわりして、おでんはコンニャク(130円)、焼き豆腐(130円)、ツミレ(130円)をいただきます。おでん以外のつまみは一切置いていない、というのが潔くていいですねぇ。実にシンプルです。

「大根がないのも、お父さんの頃からの方針なんですよ。大根を入れると出汁(だし)の味が変わってしまうんです」

 なるほどねぇ。東大前のおでんの「呑喜」で大根を出し始めて以来、今や、おでん種の定番といってもいい大根ながら、その大根は使わないというところも、これまた老舗の風格ですね。

 ゆっくりと1時間ほどの滞在。焼酎2杯と、おでん6品で今日のお勘定は1,680円でした。どうもごちそうさま。今度は、もっとネタが多い時間帯に来たいですね。

 その後、「ホッピー仙人」で生ホッピー(500円)を1杯いただき、「日の出理容院」にハシゴすると、メグミさんから「こちらは」とご紹介いただいたのは、なんと「激務な日々」のひでさんでした。ブログはよく拝見していたのですが、はじめてお目にかかりました。ここではバーボンソーダを3杯いただいて1,800円。最後に洋光台の「千客萬來」でラーメン(600円)を食べて帰寮したのでした。

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「あさひや」 / ロールキャベツ、玉子、厚揚げ / つみれ、焼豆腐、こんにゃく

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「ホッピー仙人」 / 「日の出理容院」 / 「千客萬來」

店情報

《平成21(2009)年2月4日(水)の記録》

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店情報: おでん「あさひや」(横浜市・日ノ出町)

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  • 店名: おでん「あさひや」
  • 電話: 045-242-5858(予約不可)
  • 住所: 231-0065 神奈川県横浜市中区宮川町2-58
  • 営業: 17:00-21:00、水土日祝休
  • 場所: 京急本線・日ノ出町駅を、信号交差点を対角線方向(「マクドナルド」がある方向)に渡って左へ。バス通り(平戸桜木道路)に沿ってJR桜木町駅方面に1ブロック。「バーミヤン」の手前を右に折れ、次の小さな交差点(右手前が「庄や」)を左に曲がったすぐ先、左手。JR桜木町駅からは、野毛仲通りをひたすら道成りに進み、日ノ出町駅に抜ける少し手前、右手。
  • メモ: カウンター10席のみ。女将さんひとりが切り盛りする小さなおでん屋。人気の梅割り焼酎は、ひとり3杯まで。
    いも130、こぶ130、こんにゃく130、ちくわぶ130、ちくわ130、すじ130、やさいあげ150、ごぼうまき150、つみれ130、がんもどき150、なまあげ130、とうふ130、はんぺん130、玉子130、しのだ130、さつまあげ130、貝200、肉だんご150、いなりもち250、ロールキャベツ250、酒(=日本酒)450、ウーロン(=ウーロンハイ)480、ピッチ(=レモンサワー)480、焼酎410、瓶ビール(中)550・(小)350。(2017年5月調べ)

    いも130、こぶ130、こんにゃく130、ちくわぶ130、ちくわ130、すじ130、やさいあげ130、ごぼうまき130、つみれ130、なまあげ130、とうふ130、はんぺん130、玉子130、しのだ130、さつまあげ130、じゃこ天130、がんもどき150、貝200、いなりもち250、ロールキャベツ250、酒(=日本酒)410、ウーロン(=ウーロンハイ)480、ピッチ(=レモンサワー)480、焼酎390、瓶ビール530。(2014年1月調べ)

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古典酒場の座談会後に … 大衆酒場「やまと」(浅草橋)など

「やまと」にて


 「古典酒場」の第6弾となる「山手線沿線編」(2月27日発売予定)のブロガー座談会で、浅草橋の「西口やきとん広場」にやってきました。参加者は毎号恒例の「酔わせて下町」のFさん、「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本さん、「Y-TABEのレミング2」のワイタベさん、「やなちゃんの大阪一人酒の日々」のやなちゃんと、美人編集長の倉嶋さん、そしてこれまた毎回お世話になっているカメラマンの遠藤さんです。この座談会の模様については、毎回、ライターさんではなくて編集長自らが記事を書かれているんですよ~。

 会場である「西口やきとん広場」は、平成18(2006)年10月に、本店の向かい側に作られた新しい店舗。本店は日祝定休ですが、こちら広場は本来は土曜日もお休み。今日はこの座談会のために、特別に場所を貸してくれたのでした。

「注文はこれに書いて本店に持ってきてくれる? そしたらこっちから届けるからさ」

 と、今日も元気よく教えてくれる梅さん。梅さんの本当の名前は知りませんが、「ど根性ガエル」に出てくる寿司屋の梅さんに似ているので、だれともなしに梅さんと呼ばれるようになった模様です。元気いっぱいが大きな特長の「西口やきとん」の中でも、ひときわ元気頭(げんきがしら)なのが梅さんなのです。

「あとね。生ビールはこっちで、酎ハイは、この機械でこう注ぐ。飲んだ分だけ正の字を付けといてね」

 そういい残すと、すでにお客さんで大にぎわいの本店のほうに戻っていきます。

 「西口やきとん」の安いのに美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、酎ハイもたっぷりといただいて、無事に(なのか??)座談会も終了。今回もまた、いろんな方向に発散しまくった座談会でしたが、きっと倉嶋編集長がすばらしい座談会の様子に仕上げてくれることでしょう(爆)。

 座談会終了後は、同じ浅草橋駅の反対側にある大衆酒場「やまと」へ。

「この店は、いつ来ても満席なので、たぶん入れないと思いますが、のぞくだけのぞいてみましょう」

 と入口引き戸を開けてみると、なんとちょうど8人ほどのグループ客が帰ったばかりで、まるで我われの到着を待っていてくれたかのように、そこだけにポコンと空間ができていたのでした。うーむ。奇跡じゃ!

 まず注文した飲み物は当然のように特大酎ハイ。大きすぎて片手で持てないほどの特大酎ハイは、普段でも440円と安いのに、土曜日はサービス価格でなんと340円。おそるべし!「やまと」!

「冬は鍋だよねぇ~。あんこう鍋(1,400円)にする? それとも白子鍋(1,400円)にする?」

「うーん。どっちもいいなぁ。両方!」

 なんてことで、あんこう鍋と白子鍋をひと鍋に一緒盛りにしてもらって、それとは別に名物の鉄火巻(250円)も一人前。あまり注文しなくてごめんなさい、という状態ですが、なにしろ鍋のボリュームがすごいので、二次会ともなれば6人でこの量でも、もう十分なのです。

 最後は雑炊を食べようとご飯をもらうと、紅一点の倉嶋編集長がサササッと雑炊を作ってくれました。さすがです。

 帰り道が中央線沿線方面の編集長と私は、浅草橋駅から総武線に乗車。遅い時間になると、御茶ノ水で乗り換えて、さらに中野で乗り換えてと、都内西部方面に向かうのは大変です。中野で降りたついでに「それじゃもう1軒!」とついつい足は中野駅北口の呑ん兵衛ゾーンに向かいます。

 中野での1軒目はもつ焼きの「石松」。今日は幻の煮込みがありました。2軒目は、新しいお店ながら大人気の「おかやん」です。ノドクロの一夜干し(300円!)などをいただて、長くて楽しい一夜も終了です。

 「山手線沿線編」の発売日(2月27日(金))には、赤坂や新橋で書店イベントも開催されるそうですので、お楽しみに。

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「西口やきとん広場」 / もやしナムルときゅうり / 塩煮込み

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皿ナンコツ / マカロニサラダ / レバ刺し

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「やまと」白子&アンコウ鍋 / 鉄火巻き / 編集長、雑炊を作る

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完成した雑炊 / 「石松」煮込み / 「おかやん」ノドクロ一夜干し

・「やまと」の店情報前回

《平成21(2009)年1月31日(土)の記録》

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〔コラム〕 千円台で楽しむおとなの居酒屋マップ


大きな地図で見る

 一昨年(2007年)の10月以来、「ダイヤモンド・オンライン」に連載中の「千円台で楽しむ おとなの居酒屋」。2週間に1回程度の更新ペースで、現在、第35回まで連載が進みました。上の地図が、これまで35回分の軌跡です。こうして地図上に表してみると、都内各地に千円台で楽しめる酒場があることがわかります。

 これを二十三区別に整理したのが以下の表です。(店名の部分をクリックすると、ダイヤモンド・オンラインの記事に飛びます。)

軒数掲載店
千代田区2三州屋(神田)まつ惣
中央区3岸田屋増家ナポリ
港区3升本(虎ノ門)マーちゃん大船
台東区2佐原屋本店鍵屋
文京区0
北区5斉藤酒場まるます家初恋屋高木山田屋
荒川区2大坪屋いづみや
足立区1大はし
葛飾区2ゑびす宇ち多゛
墨田区0
江戸川区0
江東区3河本大坂屋山本
品川区1大山酒場
大田区1鳥万本店
渋谷区2富士屋本店細雪
目黒区1金田
世田谷区0
新宿区3鈴傳番番鳥やす本店
中野区2ブリックホルモン
杉並区1やき屋
豊島区1ふくろ
板橋区0
練馬区0

 最多登場は北区の5軒。十条、赤羽、田端、西巣鴨、王子と、それぞれの駅の周りにいい店がありますからねぇ。

 北千住や京成立石などにも千円台で飲める名店が多いのですが、ひとまずは1駅に1軒のペースで進めているので、残念ながらどちらも1軒ずつしか登場していないのでした。(渋谷だけ、1駅1軒という方針を確立するより前に書いたため、2軒になっています。)

 その一方、まだ掲載店がないのが、文京区、墨田区、江戸川区、世田谷区、板橋区、練馬区の6区。中でも江戸川区は、ここ「居酒屋礼賛」の中にも掲載店がない“超”課題区です。

ダイヤモンド・オンラインに書かなきゃ!」という、いい意味での軽いプレッシャー(外圧)がある間に、課題エリアにもどんどん出かけて行きたいと思っています。

 地図上の空白エリアで、「ここはおすすめ!」という(千円台で飲めそうな)お店がありましたら、ぜひご紹介いただけるとありがたいです。よろしくお願いします!

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「鶴の友」が390円 … 居酒屋「ニュー信州(にゅうしんしゅう)」(渋谷)

「鶴の友」燗酒


 仕事がらみの懇親会で、やってきたのは渋谷駅すぐ近くの居酒屋「ニュー信州」。この店は、美味しい日本酒を安く飲むことができるのが特長です。

 店内は入口を入って、正面から左手にかけての座敷席が中心で、ここに7卓20人ほどが座れます。右手の壁際には4人掛けのテーブル席が2卓8人分。そして奥に5席程度のカウンターがあって、全部あわせると33人ほどが座れるキャパシティです。

 金曜、午後7時半の店内はほぼ満席。しかしながら事前に幹事が予約してくれていたので、我われ4人はすんなりと壁際のテーブル席のひとつを囲むことができました。

 まずは瓶ビール(キリンラガービール)をもらって乾杯するとともに、店のサイトに載っていた『グループ全員に「越乃寒梅」1杯をサービス』というクーポン券で、「越乃寒梅」も注いでもらいます。「越乃寒梅」は1杯が500円なので、4人だと2,000円分。すごく得した気分になりますねぇ。

 お通しの小鉢(サラダ)をつつきながら、料理を選びます。午後7時半までの入店であれば、席だけの予約ができるんだそうで、今日も料理は事前注文していないのでした。

 この店の料理メニューは、その日の仕入れに応じて毎日変わるんだそうですが、大きくは650円と850円の二つの価格帯に分かれています。今日は650円ものが、かます塩焼き、きす天ぷら、あなご天ぷら、そい刺し、キンメダイ刺し、高知とまと、中島とうふなどの27種類。850円ものは、活くえ刺し、活ひらめ刺し、米沢牛(A5)刺し、鶏唐揚げなどの8種類と、650円もの対850円ものが7:2くらいの比率になっています。

 この二つの価格帯以外には、やっこ(350円)と、天ぷら盛り合わせ(1,500円)、刺身盛り合わせ(2,000円)の3品があるのみ。この他に、鍋物が6種類(ほぼ1,500円)と、入口近くに黒板メニューもあります。

 そんな中から、刺身の盛り合わせ(2,000円)をひとつと、新じゃが煮(650円)に、新たけのこ煮(650円)を注文します。冬場は特に、こういう和風の肴(さかな)がいいですねぇ。

 クーポン券の「越乃寒梅」に続いては、「鶴の友」の燗酒(390円)をいただきます。

 冒頭にも書いたとおり、この日本酒の安さがこの店の大きな特長です。この「鶴の友」の他にも、「〆張鶴」や「妙高山」、「久保田」、「千代の光」などが、それぞれ1合390円です。説明書きに「地元の人たちが一番よく飲むお酒をご紹介するため、当店の地酒は基本的に二級を扱っております」と書かれていますので、普通酒なんでしょうね。ちなみに「鶴の友」の純米でも1合450円と、やっぱり安いのです。各種の焼酎も、同じく390円から、いろいろとそろっています。

 料理のほうも、ふろふき大根(650円)や、やりいか焼き(650円)などを追加しながら、「鶴の友」の燗酒を何本も何本も重ねます。

 料理の盛り付けが、けっこう上品(少量)なので、すぐになくなってしまうのが玉に瑕。今日は、飲み始めるとあまり食べないメンバーが多いのでなんとかなっていますが、よく食べる人がいると大変かもしれません。

 午後11時半近くまでたっぷりと楽しんで、幹事から求められたお勘定はひとり4千円ずつでした。どうもごちそうさま。

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クーポンで「越乃寒梅」 / 新じゃが煮 / 新たけのこ煮

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刺身盛り合わせ / ふろふき大根 / やりいか焼き

店情報前回

《平成21(2009)年1月30日(金)の記録》

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定期券で通う常連さん … おでん「ナポリ」(人形町)

しんちゃんさん


「1年間に150日はこの店に来てるかなぁ…」

 そう話してくれるのは、この店の大常連・しんちゃんさんです。

 しんちゃんさんの会社の年間労働日数は200日ほど。そのうちの実に75%、4日に3日をこの店で過ごしているという計算になります。中には外勤の日があったり、しばらく出張に出たりということもあるでしょうから、普通に会社に居るときには、ほぼ毎日やってこないとこの日数にはなりません。

 通勤定期券だって、東急東横線沿線にあるご自宅から、勤務先最寄りの有楽町を通り越して、ここ人形町までのものを、自腹を切って購入しているというんだから驚きです。

「同じ日比谷線の沿線上だから、差額分だけなんだけどね」

 とは言うものの、定期券がいるほど通うというのがすごいっ。しかも、ここ1年、2年の出来事ではなくて、私が知っているだけでも10年以上ですもんねぇ。

「日によっては、おでんが無くなってしまったあとの遅い時間に来ることもあるんだよ」

 カウンターの中で楽しそうに語ってくれるのが、この店の親父さん(店主)です。

 店主は、若い頃に商社の駐在員として、ドイツ、コペンハーゲンなどに14年ほど赴任していたんだそうです。その頃、商社の駐在員仲間で2年に1回くらいの割り合いで集まっては飲んでいたのが、イタリア南部の観光都市ナポリ。定年退職後にこの店を開いたときに、その当時の駐在員仲間がよく飲みに来てくれたんだそうです。

「それでね。“ナポリ”という名前を付けておけば、また誰かが来てくれるかと思ってね。おでん屋らしくはない名前なんだけど…」

 と、「ナポリ」という店名を付けた経緯も教えてくれました。

 今日は都内での仕事の後、口開けの午後5時に「ナポリ」に到着。一番乗りかと思いきや、すでに店内奥のテーブル席では、サラリーマンらしき3人連れが飲み始めていました。出足がいいですねぇ。私も、入口すぐ横の、おでん鍋前のカウンター席(5席程度)のまん中あたりに座り、まずはホッピーセット(400円)と、おでんの一品盛り(550円)を注文します。

 ここのホッピーセットは、氷入りで8分目くらいまで焼酎が注がれたサワーグラスと、それとは別に瓶のホッピー(ソト)が出されます。うーむ。このどこにホッピーを入れるんだ、というくらいの焼酎の量ですねぇ。チビッとホッピーを入れて、ほとんどが焼酎分の濃いホッピーをいただきます。

 おでんの一品盛りは、いわゆるおでんの盛り合わせ。メニューでは、昆布、さつま揚、大根、ごぼう巻、焼きちくわ、厚揚げなど5品が盛り合わされることになっているのですが、親父さんがおでん鍋から取り分けてくれたのは、玉子、焼ちくわ、厚揚げ、大根、コンニャク、昆布の6品。やったぁ。ありがとうございます。そのおでんをつつきながら、

「この店のことは、ずいぶん前に、しんちゃんさんにご紹介いただいたんですが、しんちゃんさんは今もいらっしゃってますか?」

「あぁ来てる来てる。毎日のように来てるよ。今日もそろそろ来るんじゃないかな」

 なんてやり取りをしているところへ、当のしんちゃんさんがいらっしゃって、冒頭のような展開になったのでした。

 ホッピーのナカ(焼酎部分、250円)をおかわりすると、これまたホッピーを入れる空間がないくらいまで、たっぷりと焼酎が注がれたグラスが返ってきます。

 この店にはおでん以外にも、炙ったウルメイワシや、スルメイカの一夜干し、冷しトマト、塩辛などの一品料理が、それぞれ300円で用意されています。その中から、チーズの盛り合せ(300円)をお願いしたところ、残念ながら、今日は売り切れ。おでんのガンモ(220円)とチクワブ(110円)をいただくくとにしました。

 おでんはほぼ、110円(14種)、220円(13種)、300円(8種)という3つの価格帯。タコだけが500円です。

 ゆっくりと1時間半ほど楽しんで、お勘定は1,530円でした。どうもごちそうさま。しんちゃんさん、お先に!

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一品盛りとホッピー / おでん鍋 / ガンモとチクワブ

店情報前回

《平成21(2009)年1月28日(水)の記録》

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毎月22日だけ定休日 … 中華定食「朝陽(ちょうよう)」(阿佐ヶ谷)など

玉ブタ


 ワイタベさんにっきーさんと一緒に、阿佐ヶ谷は松山通り商店街(旧・中杉通り)にある中華定食屋、「朝陽」にやってきました。

 この店は、営業時間が午後5時から12時までと、居酒屋同様である上に、定食のみならず単品料理をつまみにお酒を飲むこともできるので、呑ん兵衛にとってもありがたいお店なのです。といっても、飲み物はビール中瓶(500円)とお酒(剣菱、400円)の2種類しかありません。

 今日は大好物の玉ブタ(500円)に、餃子(400円)とナスからみそ(500円)をもらって、ビール(キリンラガー中瓶、500円)です。

 玉ブタは、その名のとおり、玉子と豚肉を炒めたものですが、その他にキヌサヤやタケノコなどの野菜も入っています。甘~い味付けがいいんですよねぇ。

 これらの他に、一品料理は、野菜イタメ(400円)、レバイタメ(450円)、レバニラ(500円)、レバー野菜(500円)、肉ニラ(500円)、肉野菜(500円)、春雨(500円)、回鍋肉(500円)、麻婆豆腐(500円)、肉うまに(650円)など。さらに納豆(100円)、冷奴(120円)、目玉焼(150円)、ハムエッグ(200円)などのサイドメニューもあるので、つまみには事欠きません。

 ずっと店主ご夫妻がお二人で切り盛りしてきたお店ですが、昨年の1月22日に奥様が急逝。それ以来、月命日である毎月22日だけをこの店の定休日にして、奥様のお墓参りをしているんだそうです。

「そんなに働いてたら、マスターもまいっちゃうんじゃないの」と心配すると、

「家に居ても、仕事をしててもずっと一緒だったからねぇ。ひとりで居るとつらいんだよ。むしろ働いているほうが気が紛れていいんだ。ひとりだから、以前のようにパッパッとは出せないんだけどね。なんとかやってるんですよ」

 奥様の一周忌も終えて、店主ひとりで切り盛りする「朝陽」も2年目に入りました。

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「朝陽」 / 餃子 / ナスからみそ

・「朝陽」の店情報前回

            ◆   ◆   ◆

 中華定食の「朝陽」を後に、3人で「川名」へ。

 「川名」は、外に面した場所に焼き台が設置されていて、お土産用の焼き鳥も、店内で食べる焼き鳥も、すべてそこで焼かれるほか、豚軟骨煮込み用の煮込み鍋も、その店頭に設置されていて、こちらも汁が漏れないパックに入れてくれてお持ち帰りができます。

 この豚軟骨煮込み。店内で食べる場合は、小鉢に盛られる1種類のみのメニューですが、お持ち帰り用はお玉1杯が115円。お玉3杯ならちょっとお得な336円と、2タイプが選べるようになっています。

 煮込み鍋がそれほど大きくないこともあって、すぐに売り切れてしまう人気の品です。

 店頭売りの焼き鳥には、人気札が付けられていて、それによると人気No.1は若鳥(1本105円)、No.2はネギ間(1本105円)、No.3は鳥レバ(1本105円)なんだそうです。

 ここ「川名」は、もともと精肉店から始まっていることもあって、鶏を使った焼き鳥も、豚もつを使った焼きとんも、どちらもそろっているのでした。

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「川名」の店頭 / 豚軟骨煮込み / お土産用焼き鳥

・「川名」の店情報前回

《平成21(2009)年1月25日(日)の記録》

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タンシタはタン下の肉 … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

タンシタはここ!

 タンシタというと、よく目にする解説は「タンの根元の部分」あるいは「舌についているやわらかい部分」といったようなもの。これを読んで、私自身は「舌の奥のほうの部分なんだろうなぁ」と思っていたのです。

 ところが、今日、「石松」でタンやタンシタの下ごしらえをする様子を見ていたところ、タンとタンシタとは、近くにあるんだけど、かなり違う部位であることが判明しました。

 上の写真を見ていただくのが一番分かりやすいと思うのですが、タンシタは、タンの下側にあって、タンを下あごにつないでいる肉の部分のことなんだそうです。

 タンそのものは運動量も多いので、コリコリと硬い弾力感が決め手ですが、タンシタは、そのタンを支えているだけなので、どちらかというと柔らかい筋肉。これがタンシタならではの食感を生むんですね。

 今日の「石松」は、ずらりと常連さんたちがいっぱい。連名でボトルキープしているにっきーさんもいらしていて、まわりのお客さんたちが、にっきーさんと私が一緒にボトルを使えるようにちょっと寄ってくれました。お気遣い、ありがとうございます。>みなさん

 ホッピー(外)をもらって飲み始めると、お通しはセンマイ刺身。ちょうどレバーを下ごしらえ中だったので、私もレバ刺しハーフと、レバ串若焼き塩を便乗注文します。

 ここ「石松」では、注文を受けてから下ごしらえをして、そのまま串に刺して焼いてくれるので、鮮度は抜群。そのかわり、注文してからできあがるまでにやや時間を要するので、早く食べようと思ったら、今作っているものを便乗注文するのがおすすめなのです。

 続いては冒頭のタンシタと、一緒に下ごしらえをしていたナンコツを合わせていただきます。

 自宅が近いにっきーさんとともに、「石松」を午前0時半ごろに出て、約1キロ(徒歩15~20分ほど)ほど歩くと、西武新宿線・新井薬師前(あらいやくしまえ)駅からの終電車(00:56発、上石神井行き)で帰れるのです。今日は、少し遅れてやってきた終電1本前の電車(00:44発)に間に合いました。遅い時間帯になると、高田馬場駅でJR線との接続を取るために遅れてくることが多いのです。

 鷺ノ宮に到着すると、そのまま帰るということにはならず「満月」へ。さらに勢いがついて「Goten's Bar(ゴテンズバー)」で焼酎を飲み、「御天(ごてん)」のラーメンで〆て、結局、帰宅したのは午前3時過ぎでした。

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ホッピーとセンマイ刺し / レバ刺しハーフ / レバ塩若焼き

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タンシタ塩 / ナンコツ塩 / 「御天」のラーメン

・「石松」の店情報前回) 《YouTube動画

《平成21(2009)年1月23日(金)の記録》

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菊正宗の樽酒でくさや … 通人の酒席「ふくべ」(日本橋)

菊正宗の樽酒でくさや


 ダイヤモンド社の総合ビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」の連載、「1000円台で楽しむ おとなの居酒屋」の取材で、東京駅八重洲口にある通人の酒席「ふくべ」にやってきました。

 この店は昭和14(1939)年に酒屋から居酒屋に転身したという老舗。今のように全国各地の地酒が飲まれるようになる前から、日本各地のお酒をそろえてきた、日本酒の店でもあります。

 昨年の春にも、ぜひ「1000円台で楽しむ おとなの居酒屋」に載せたいと思ってやってきたのですが、そのときは「菊正宗」の樽酒を2本と冷奴に、くさやをいただいて、お勘定はちょうど2千円。残念ながら千円台では納まらなかったのでした。

 なにしろ、この店の品書きには値段が書かれていないので、事前に計算しながら飲むことがむずかしいのです。

 その後、雑誌等に載っている情報などを調査してみたところ、お新香は冷奴よりも50円安い様子。ということは前回と同じ組み合わせで、冷奴のところをお新香に変更すれば、1,950円となって、千円台で飲むことができそうです。

 よーし。これで行こう。

 満を持して、まずは菊正宗の樽酒を燗でもらって、くさやを注文します。すぐに出されるお通しは定番の昆布の佃煮。これをチマチマとつまみながら、くさやの焼き上がりを待ちます。

 そのうちに厨房から漂ってくるくさやの香り。出されたくさやは、四角いお皿にたっぷりと山盛りです。これだけでお酒の3本や4本はすぐに飲めそうなくらいの量なんですよねぇ。

 東京に出てきて、最初にくさやを食べたときには「うわっ!」とビックリするような臭いだったのですが、その味わいを知るにつれて、その匂いが漂ってきただけで「うまそう!」と思うようになってきたのでした。不思議ですよねぇ。

 噛みしめるほどに味わいが深くて、日本酒にぴったりのつまみなのがくさやなのです。

 燗酒2本くらいだと、これだけで十分なくらいの肴の量なのですが、やっぱり2品と2杯で千円台という路線を目指したいので、燗酒をおかわりするとともに、当初の予定どおりお新香も注文します。

 すぐに小鉢で出されたお新香は、カブ、ナス、キュウリという、ヌカ漬けの3品盛り。老舗酒場ならではの美味さです。

 金曜日の店内は満席状態で、私もカウンター一番奥の、樽の前にやっと入れてもらったような次第。来るお客さん、来るお客さんが「ごめんなさい、満席なんです」と断られています。大人気の酒場なんですねぇ。

 1時間ちょっとの滞在。「今回は千円台で納まっただろう」と自信満々でお勘定をお願いします。

「ありがとうございます。2,150円です」

 ガビーン。この店も、昨年の春以降、値上がりしていたんですね。残念ながら、今回も千円台で飲むことはできませんでした。お酒も肴も美味しかったし、十分にリーズナブルな値段なんだけど、狙いがはずれてちょっとガックリ……。

店情報前回

《平成21(2009)年1月23日(金)の記録》

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〔コラム〕 テクテクと徒歩の旅(浅草から八広へ)

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 JR鶯谷駅を山手線の外側に向かって降りると、そこは言問(こととい)通り。今日はその言問通りを歩いて浅草方面に向かってみることにします。言問通りは、ここ鶯谷近辺以外は、意外とどの駅からも遠くて、通り沿いにある酒場などを知る機会がないのです。

 駅から15分ほど歩いた台東区松が谷4丁目にポツンと大衆酒場の灯がともっています。大衆酒場「みっちゃん」(03-3841-0560、台東区松が谷4-28-5)。豚ちり(900円)、鳥なべ(900円)、おでん(600円)、いか刺し(500円)などの品が手書きされた看板が店の表に出され、いかにも呑ん兵衛好みする風情。「酒」と書かれた暖簾(のれん)もいいですねぇ。

 さらに言問通りを東、浅草方面に向かうと、通り沿い左側にあるのが「ときわ食堂」です。土曜日、午後5時20分の店内は、けっこうにぎわっている様子です。

 「ときわ食堂」を過ぎると、すぐに浅草エリアに入り、左手にはおでんの「大多福」、もう少し先の左手路地には「ぬる燗」と、よく名前を聞く店々が現れてきます。大衆酒場「さくま」や、もつ焼きの「御来屋(みくりや)」も、いい風情ですねぇ。今度じっくりと来てみなければ。

 言問橋で隅田川を渡ると、台東区を出て墨田区へ。トコトコと歩いて突き当たりの三叉路の先にあるのが、大衆食堂「キクヤ」。これは渋いなぁ。のれんのすき間から店内をのぞいてみると、それぞれひとり客らしき年配の男性客が数人、ちびちびとやっている様子です。

 このすぐ先が東武伊勢崎線・業平橋(なりひらばし)駅と、京成や地下鉄(浅草線、半蔵門線)の押上(おしあげ)駅ですが、その手前を左折して、京成押上線と平行して走る道路を北上します。

 曳船(ひきふね)駅も通過した先、左手にポツンとあるのが、大衆酒場「岩金」(店情報)です。時刻は午後6時40分。鶯谷駅から歩き始めてから1時間40分です。ここらでちょいと休憩としますか。ボール(焼酎ハイボール、300円)をもらって、つまみには地鶏ハツ塩焼き(350円)を注文すると、焼き物はグリルで焼き上げてくれます。

 この「岩金」、外観はいかにも無骨な大衆酒場ながら、店内は女将さんを中心として3~4人の女性陣が切り盛りするという女酒場。お世辞にも交通の便がいいとは言えない場所にありながら、店内は常連さんたちでいっぱいです。

 ボール(300円)をおかわりして、今度はおでんをもらいます。おでんは、ほぼ1個120円で、がんもと特製つみれは250円、牛すじは150円。がんも、玉子、ちくわぶをいただいて、1時間ほどの滞在は1,440円でした。どうもごちそうさま。

 「岩金」を出て、さらに北上を続け、八広(やひろ)駅のところで左折すると、その先が小さなトイレで有名な「丸好酒場」です。ここのレバー刺身(400円)にも引かれるんですよねぇ。

 「丸好酒場」でUターンして、八広駅に向かうと、駅のすぐ手前左手には「日の丸酒場」です。

 ここで徒歩の旅は終了。電車に乗り込んで荒川を渡った先が京成立石(たていし)です。

 立石で「二毛作」で飲んでいた「酔わせて下町」のFさんと合流すると、「丁稚飲酒帳」のdetchさんも駆けつけてくれました。それじゃもう1軒と「毘利軒(びりけん)」で串揚げをつまんで、また一献。ゆっくりと立石の夜を堪能したのでした。

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都内での仕事を終えて … 「秋元屋」(野方)、「ペルル」(鷺ノ宮)

煮込み玉子入り


 都内での仕事を終えて、「秋元屋」に到着したのは午後6時過ぎ。うーむ。金曜日のこの時間帯でも、けっこうお客さんが入ってますねぇ。

 コの字カウンターの一番奥の席に座り、まずはホッピー(380円)を三冷白(さんれいしろ)でお願いして、つまみは煮込み玉子入り(450円)をもらいます。

 三冷白というのは、ジョッキ、焼酎、瓶ホッピーの三つをキンキンに冷して作るホッピーのこと。この場合、氷は入れません。ここ「秋元屋」では、普通にホッピーと注文すると、氷入りのジョッキに焼酎を入れてくれて、それとは別に瓶入りホッピーが出されます。その他、シャリ金ホッピーというのもあって、これは三冷と同じですが、焼酎がシャリシャリに冷凍された金宮(キンミヤ)焼酎になります。お値段もちょっとアップ(430円だったかな?)。

 「秋元屋」は平成16(2004)年1月30日オープン。今年で創業5年になりました。

「味噌ダレのやきとんで勝負しようと思って店をオープンしたんですが、最初は不安で不安で。お客さんが喜んでくれそうなものは何でも取り入れたんですよ」

 と話してくれる店主の秋元宏之(あきもと・ひろゆき)さん。もともと大衆酒場好きだった店主は、自分が出かけていったいろんな酒場のいいところは、できるだけ真似(まね)をするように心がけたんだそうです。

「炭酸なんかもね、自分で「小島屋」(堀切菖蒲園)に飲みに行って、表に積んでいたニホンシトロンの箱の電話番号を見て電話して、仕入れられるようになったりね。まさに手探りでした」

 特にむずかしかったのが肉の仕入れ先だそうで、「石松」(当時は「春」)のマスターから「この商売は仕入れ先が命だから」というアドバイスをもらったり、「やっちゃん」のマスターに仕入れ先を紹介してもらったりしながら、現在の状態になったんだそうです。

 5年間、順風満帆で来たように見えて、影ではいろんなご苦労があったんですね。

 焼き台が空いてきたところで、レバ、ハラミ、テッポー(各1本100円)を、自慢の味噌ダレでいただきます。ピリッと辛味の効いた味噌ダレが、どんなやきとんにも合うんですよねぇ。

 飲み物のおかわりは三冷黒ホッピー(380円)。三冷を注文すると、そのたびに新しいジョッキに替えてくれます。

 店を切り盛りしているのは、店主の他に、タッちゃん、ミウラさん、ケイちゃん、マイちゃん、そしてヨッちゃんの計6人。ヨッちゃんは現在、平日の早い時間にしかお店に出ていないのだそうで、本当に久しぶりにお会いしました。

 最後に、ヨッちゃんにポテトサラダ(300円)を出してもらって、1時間ほどの滞在は1,910円でした。どうもごちそうさま。

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レバ味噌 / ハラミ、テッポー各味噌 / 三冷黒ホッピー

・「秋元屋」の店情報前回

            ◆   ◆   ◆

パラスパ


 「秋元屋」を後に、本日の2軒目は「ペルル」です。いつも閉店間際に駆け込んでいるので、こんな早い時間の「ペルル」は久しぶりです。それでもお客さんが多いのがすごいですねぇ。いつも遅い時間にお会いする常連さんたちがズラリです。ということは、みなさん、この時間から閉店まで、ずっといらっしゃるわけですね!

 いつものように連名でキープしているボトルを出してもらって、水割りセット(500円)でチビリチビリ。

 お腹もすいてきたので、今日はパラスパ(500円)をいただきます。

 パラスパは、茹であげたスパゲティに、昆布茶をパラパラ、醤油をパラパラ、そして仕上げに刻み海苔をパラパラと振りかけてでき上がります。こうやって、いろんなものをパラパラと入れたスパゲティだから、パラスパという名前なんだそうです。

 3時間近くくつろいで、お勘定は1,000円でした。やぁ、よく飲んだ。

・「ペルル」の店情報前回

《平成21(2009)年1月16日(金)の記録》

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奥様公認店で大吟醸燗 … 七福神「岩手屋(いわてや)」(湯島)

大吟醸酒の燗酒


 湯島の「岩手屋」にやってきました。すぐ近くに「酔仙」を掲げる「岩手屋」と、「七福神」を掲げる「岩手屋」の2軒があり、今日はなんとなく名前がおめでたい「七福神」のほうに入ってみます。

 どちらの「岩手屋」の看板にも『奥様公認酒蔵』と書かれているところがおもしろいですねぇ。本当に奥様が公認しているわけではないんでしょうが、こうやって看板に書かれると、なんだか安心したりして。少なくとも、きれいなおねえさんなんかが居て、たっぷりとお金がかかる店ではなさそうなことが分かります。

 暖簾(のれん)をくぐって入った店内は、正面から左手にかけてL字型、8席程度の白木のカウンターがあり、右手には6人掛けが2卓、3人掛け(←6人掛けを縦に半分に切ったような造り)が1卓のテーブル席。奥には座敷席もある様子です。しめ縄を巻いた杉玉がずらりとぶら下がっている天井もすごいなぁ。

 木曜日、午後8時半の店内は、L字カウンターに2組・5人ほどの先客が居るのみ。テーブル席や座敷席は空いています。

 私もそのカウンター席の一角に座り、まずは燗酒をお願いします。

 表の看板にあるとおり、この店で扱っている日本酒は、盛岡(岩手県)は菊の司酒造の「七福神」。本醸造(640円)から始まって、特別純米酒(730円)、大吟醸酒(820円)、生酒(1,030円)、純米吟醸酒(1,200円)と各種がそろっています。

 特に銘柄を指定せずに「燗酒を」とお願いしたところ、出されたのは大吟醸酒(てづくり七福神、820円)でした。

「以前からずっと、この大吟醸酒を燗でお出ししてるんですよ。温めて飲んでも美味しいお酒なんです」

 カウンターの中の店主が、そう教えてくれます。たしかにこの酒はうまい。なんの引っかかりもなく、すいすいと喉を通ります。

 その燗酒と一緒に出されたお通し(サービス)は、大豆の煮豆。「鍵屋」のお通しを彷彿させますねぇ。

 壁に張り出された短冊メニューは、その数およそ30品。ムカゴや煮こごり、丸干しなど480円の品が多くて、一番高いのがムロアジくさやの740円。「岩手屋」という店名から、みちのく料理っぽいメニューがずらりと並んでいるのかと思っていたのですが、意外とそうでもないようです。

 そんな中から、すぐに出てきそうな煮込み(680円)と、ちょっと時間がかかりそうな北寄貝(550円)を注文すると、予想に反して両者がほぼ同時に出されます。料理はカウンター奥の厨房で作られて、それが店主経由で出される仕組み。ここからは見えませんが、厨房に居るのは店主の奥様なんでしょうか。

「ところで、近くにある「岩手屋」とは、どういう関係なんですか?」と店主に聞いてみると、

「向こうが本店なんですよ」と店主が話してくれたところによると、岩手出身の、店主のお父さんが「岩手屋」を開いたのが昭和24(1949)年のこと。店主のお兄さんがその店を継いで、ご自身は昭和47(1972)年に、ここに支店を開いたのだそうです。本店は今年で創業60年、こちらの支店も創業37年になるんですね。

「カウンターに使っている檜(ひのき)の一枚板を仕入れるのに苦労しました」と店主。

「本店と支店で、扱ってるお酒も違うんですね」

「そうなんですよ。店が近過ぎるので、同じお酒を扱わせてくれないんですよ。どちらも岩手の地酒なんですけどね」

 なるほど。そういう理由で本店は「酔仙」、支店は「七福神」なんですね。

 3本目となる大吟醸酒の燗酒(820円)をお願いし、つまみには赤ホヤ塩辛(680円)をもらいます。

 店は午後9時半にはラストオーダーとなって、午後10時閉店。土曜日は午後9時閉店なんだそうです。この閉店時刻の早さも「奥様公認酒蔵」たる所以(ゆえん)でしょうか。

 その閉店時刻まで、1時間半ほど楽しんで、お勘定は4,370円でした。どうもごちそうさま。

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燗酒とお通し / 北寄貝 / 煮込み

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壁のメニュー / 赤ホヤ塩辛 / 檜のカウンター

店情報

《平成21(2009)年1月15日(木)の記録》

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店情報: 七福神「岩手屋(いわてや)」(湯島)

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  • 店名: 奥様公認酒蔵・岩手屋支店
  • 電話: 03-3831-9317
  • 住所: 113-0034 東京都文京区湯島3-37-9
  • 営業: 16:00-22:00(21:30LO)(土は -21:00(20:30LO))、日祝休
  • 場所: 地下鉄・湯島駅4番出口を出て左へ。次の路地(カプセルランドの手前)を左折して、100mほど先、右手。御徒町駅、上野御徒町駅、上野広小路駅からも近い。
  • メモ: 昭和13(1938)年生まれの店主が、昭和47(1972)年にすぐ近くにある本店から独立して創業。
    亀萬歳(純米吟醸酒)4合4800・1合1200、手造り生七福神・4合4100・1合1030、てづくり七福神(大吟醸)4合3250・1合820、生一本七福神(特別純米酒)1合730、七福神1合640、菊の司1合640、亀の尾仕込み(純米生原酒)4合3000・1合780。瓶ビール中630・小540、プレミアム瓶ビール中680、ウイスキー(氷・水付き)2000、芋焼酎からり芋・グラス640・ボトル3500、米焼酎だだすこだん・グラス630・ボトル3000。松の実480、冷奴480、馬鈴薯(じゃがいも)480、零余子(むかご)580、湯豆腐650、ふかひれ煮コゴリ480、鰯丸干し480、氷下魚(こまい)生干し650、烏賊(いか)刺し500、北寄貝550、ニンニクの芽しょう油炒め600、焼物砂肝550、椎茸葱トロ焼650、煮込み680、おしんこ480、おにぎり400、焼鳥塩焼480、蝗(いなご)550、チーズ三色盛合せ490、烏賊(いか)塩辛550、新巻鮭500、鮭紅葉漬680、赤海鞘(ほや)塩辛680、むろあじくさや740、浅葱(あさつき)酢みそ480、烏賊(いか)丸干し480、菜の花おひたし480、擬宝珠(うるい)みそ480。(2009年1月調べ)

  • 参考: 〔すぐ近くにある本店のメニュー〕ホヤ490、ジュンサイ490、みちのく納豆420、メカブ(トンブリ入り)470、まつも470、蝗(いなご)470、南部センベイ390、くさや550、たらこ550、ウルメ鰯470、板わさ420、しらすおろし420、たたみ鰯420、松の実390、汐らっきょう390、お豆腐390、ちーず420、お新香390、焼おにぎり470。(焼魚・季節品は別メニュー)
    〔お酒(酔仙)〕本醸造樽酒(1合)750、純米酒(1合)780、本醸造辛口(1合)700、〔冷酒〕酒匠吟醸酒(300ml)1600、吟ぎんが純米吟醸酒・酔仙(4合瓶)3500、(1合)900、本醸造生原酒・三年熟酔(4合瓶)3500、(1合)900、〔米焼酎〕古古八年40°(2合瓶)2600、とっとき25°(4合瓶)2400、(1合)600、限定本格米焼酎・気仙坂(4合瓶)2800、(1合)750、〔ビール〕アサヒプレミアム生ビール熟撰(中)580、(小)350、瓶ビール(アサヒ/エビス/キリン)(中)650、(小)520、エビス黒ビール540、〔ウイスキー〕スーパーニッカ(180ml)1800、氷・ミネラルウォーター350、〔ソフトドリンク〕ウーロン茶350。(2009年1月調べ)

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〔お知らせ〕 3月14日(土)、「ほろ酔いと~く」を開催します!

photo by Ebisu


 三栄書房から、『古典酒場』シリーズ第六弾となる「古典酒場・山手線沿線編」(2月27日(金)発売予定)が発売されるのを記念して、第3回となる「古典酒場ほろ酔いと~く」が開催されることになりました。

  • 日時: 平成21(2009)年3月14日(土)
      1回目: (午後2時半開場)午後3時~午後5時 (満員御礼!)
      2回目: (午後5時半開場)午後6時~午後8時 (満員御礼!)
  • 場所: ハーミテイジきくや(市ケ谷)
  • 会費: 5千円(料理+ホッピー飲み放題+ホッピービバレッジのお土産セット)
  • 定員: 各回先着40名様


 お申し込みは、こちらBanner0213からどうぞ。(2月20日(金)時点で満員御礼となり、申し込み受付を終了いたしました。ありがとうございました。

 トークセッションの出演者は、前回と同じく、作家で雑誌編集者(ご趣味はランニングと大衆酒場巡り)の渋谷和宏(しぶや・かずひろ)さん、ホッピービバレッジ株式会社取締役副社長のホッピーミ~ナこと石渡美奈(いしわたり・みな)さん、古典酒場編集長の倉嶋紀和子(くらしま・きわこ)さんと、不肖、私でございます。

 今回の目玉企画は、出演者おすすめの店のビデオ紹介。しかも、事前に出演者みんなでその店に行って、一緒に飲みながら収録したものを、会場で流しつつお店の紹介をしようというものです。

 前回のトークショーのときに、各参加者のおすすめの酒場を写真や動画でご紹介し、ご好評をいただきました。そこで、今回はその動画をさらに進めて、ご紹介するお店での完全密着ビデオ収録となったものです。前回同様、会場のみなさんからのご質問やご意見に合わせて、画面を止めたり、巻き戻したりしながら、トークショーならではのご紹介の仕方ができるのではないかと思っています。

 これまでに参加された方はもちろんのこと、はじめてのみなさんや、事前収録現場で一緒になったみなさんにも、ぜひご出席いただけるとありがたいです。

 それでは会場でお会いできるのを楽しみにしております!

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シャキッとせん菜炒め … ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)

せん菜炒め

 久しぶりに「御天」の「せん菜(せんさい)炒め」(550円)をもらって、玉露ハイ(400円)です。

 せん菜というのは、新種のモヤシなんだそうですが、ここ「御天」以外ではお目にかかったことがありません。

 普通のモヤシと比べると細いせん菜を、細かく刻んだチャーシューと一緒にさっと炒めて、仕上げに刻みネギをトッピング。こんな簡単な料理なのに、シャキシャキとした歯ごたえも抜群で、いくらでも食べられる一品なのです。(とは言うものの、ひとりでこれを注文すると、これだけで満腹になっちゃうだろうなぁ…。)

 ここ「御天」の正式名称は、「博多長浜とんこつラーメン 御天」。生粋の博多っ子である店主(岩佐俊孝さん)が「本当の博多の夜を東京で再現したい」という思いでオープンしたのがこのお店。博多の屋台での「飲んで、つまんで、仕上げにラーメン」が実現されています。

 ラーメンそのものも有名なので、食事だけのお客さんももちろんいらっしゃいますが、私にとっては、ここ「御天」は完全に酒場。お酒を飲まない「御天」は考えられません。

 おつまみメニューも充実していて、手羽先の煮込み(1本120円)、ざく切りキャベツ(200円)、マカロニサラダ(320円)、ポテトサラダ(350円)、タラモサラダ(400円)、おつまみザーサイ(300円)、おつまみキムチ(300円)、黒豚おろし水餃子(6個500円)、ぴり辛リブ(500円)、肉野菜炒め(600円)、ネギチャーシュー(550円)、ピータン(450円)、ピータン豆腐(600円)、あらびきソーセージ(600円)、豚キムチせん菜(800円)、軟骨ステーキ(700円)、ポークソテー(900円)や、もつ鍋(2人前1,800円)、豚キムチ鍋(2人前1,800円)などが用意されており、一品ものは持ち帰りも可能です。

 飲み物もビール、焼酎、サワー類、梅酒、日本酒、ウイスキー、ワインと、およそ酒場で出される飲み物のほとんどはそろっています。しかも、ここ井草本店の場合、地下に「GOTEN'S BAR(ゴテンズ・バー)」という焼酎バーまでありますもんね。まさに「ここに来たら飲んで行け!」と大々的に言ってもらっているようなものなのです。

 せん菜炒めで玉露ハイを飲んだら、シメはやっぱりラーメンです。安いイメージがあった「御天」のラーメンも、じわりじわりと値上がりして、今や1杯700円になりました。トッピングも生ニンニク(50円)や、のり(100円)、たまご(100円)、きくらげ(100円)、マー油(100円)、温泉たまご(150円)、せん菜(200円)、キムチ(200円)、ザーサイ(200円)、メンマ(200円)、チャーシュー(300円)、ワンタン(300円)、ピリ辛リブ(400円)などがあって、自由に組み合わせることができます。

 「御天」大常連のにっきーさんによると、トッピングのせん菜は茹でたせん菜なので、せん菜炒めのせん菜とはまた食感が違うんだそうです。「せん菜炒めを少し残しておいて、それをラーメンにトッピングするのも美味しいんですよ」と、にっきーさん。

 「宇ち多゛(うちだ)」の注文と同じように、ここ「御天」でも常連さんたちはけっこう細かい注文をされています。

「ラーメン、油抜き粉おとし。別皿で生ニンニクをください」といった具合。

 油抜きは汁(つゆ)の油分を抜くこと。粉おとしは、メンの茹で方の指定で、通常の状態から始まって、バリカタ→ハリガネ→粉おとし、と硬くなっていく最上級の状態のことです。「生麺の表面についている粉を落とす程度に、ちょっとだけ茹でる」ってことなんでしょうね。

ラーメン

 ラーメンができてくると、いつも卓上のゴマや紅ショウガに、辛子高菜(からしたかな)をちょっとだけトッピング。この辛子高菜はびっくりするほど辛いので、入れすぎ注意です!

 麺だけのおかわりである替玉(かえだま)は150円。サイドメニュー(?)としてライス(大250円、小150円)や、高菜チャーハン(800円、半分は400円)もあります。

 下井草は遠いなぁと思う方は、JR山手線・代々木駅の駅前に千駄ヶ谷店もあります。

店情報前回

《平成21(2009)年1月11日(日)の記録》

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名物の逸品をずらりと … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

もつ焼き

 その場で下ごしらえをして串に刺し、そのまま焼き上げて出してくれるのが「石松」の大きな特長。だから、ほとんどの場合はもつ焼きは1本、また1本と、焼きあがった順にゆっくりと出てきます。上の写真のように、いろんな品がずらりと並んで出てくることはほとんどありません。非常に貴重な画像と言えますね!

 左から順にカシラ(100円)、タン(100円)、牛ミノ(150円)、ツクネ(150円)、レバたれ(100円)、シロたれ(100円)です。

牛ハツ刺し

 こちらは店主・三浦さんがこのところすっかりハマッている牛ハツ刺し。プリップリの食感がたまらぬ一品です。大きなかたまりのままの牛ハツを焼いて、それをスライスして出してくれる、牛ハツのたたきも素晴らしいんですよねぇ。

ガツ刺し

 ガツ刺し(380円)。豚の胃袋をさっとボイルしてスライスした一品です。醤油で食べても美味しいのですが、酢味噌でいただくのがおすすめ。火の通り方が絶妙で、やわらかい弾力感が楽しめます。

もつ煮込み

 「幻の煮込み」と呼ばれている「石松」のもつ煮込み。今日のものはシロを使った正統派バージョンです。豆腐やうずらの卵、コンニャクも一緒に煮込まれています。もつの余りものを煮込んだような、正統派ではないもつ煮込みも美味しいんですよねぇ。「幻の」と言われるとおり、メニューにも載っていなくて、ときどきしか作られません。

 土曜日なので残念ながらレバ刺しはありませんでしたが、これだけの名物メニューがずらりと並ぶのは珍しいこと。とてもラッキーでした。

店情報前回

《平成21(2009)年1月10日(土)の記録》

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〔コラム〕 コクが決め手、ホッピーに合う肴

ホッピー調布工場


 調布のホッピー工場にやってきました。工場の中はビール工場と同じような匂い。出荷を待つホッピーのかたまりが、我われの周り中に、ドーン、ドーンと何本も、天井近くまで積み上げられています。うーむ。売るほどあるとは、まさにこのことですねぇ。

 今日は「古典酒場」(最新刊は「東京銘酒肴酒場」)の座談会で、このホッピー工場にやってきたような次第。もちろん、飲みながらの座談会なので、会場にはできたての生ホッピーが、白、黒、2セットでスタンバイされています。

「どちらをお作りしますか」と声をかけてくれるのは、ホッピービバレッジ広報担当のカレラさん

「最初は白ホッピーをお願いします」

 ジョッキも焼酎も、そしてもちろん生ホッピーそのものも冷え冷えの三冷(さんれい)で作ってくれる白ホッピーは泡立ちも抜群で、最高の味わいです。

 生ビールディスペンサー(株式会社ニットク製)が作り出す泡は、ホッピーだけでできたアルコール分がほとんどない泡。ゴクッと飲むときは、この泡から最初に口に入ってくるので、かなり濃く作ったホッピーでも、非常に軽く感じてしまうという、とても危ないお酒なのです。

 んー。うまいっ。

 生ビールと同じく、生ホッピーも鮮度が命。この生ホッピーは、この工場でできたばかりの、まさにできたてホヤホヤ。これ以上に新鮮なホッピーはありませんものねぇ。うまいのも道理です。

 今日は、参加者それぞれがホッピーに合うと思う料理を取り寄せて、それをみんなで試食しながらお話をしようという座談会。私も、新幹線出張の帰り道に買って乗る、広島駅の「海の干しがき」(関連記事)と、岡山駅の「祭ずし」(関連記事)を取り寄せての参加です。

 この両者。実はホッピーと合わせていただくのは初めてです。ホッピーは、アルコール分となる焼酎などの飲み物と、それを割る瓶入りホッピーのふたつが必要なので、持ち歩くのが大変だし、駅の売店では売っていない(と思う)ので、これまでは缶ビールやカップ酒と共にいただいていたのでした。

 なぜこの2品がホッピーに合うと思ったのか。

 私自身は、ホッピーに合う食べ物の決め手は、コクだろうと思っています。以前、「やみつきの天玉そば、その理由(わけ)は!?」というコラムにも書いたとおり、コクの中心になるのは甘さ、脂、旨みの3要素。

 それに対するホッピー側の決め手は、甘みは一切無しで、ホップの苦みだけが加わっているという、「苦味を持った究極なドライ」ということができると思います。

 ドライというのは、『旨みや甘みが少なく、アルコール分そのものに近づいた状態』だと私はとらえていますので、コクとまるで対極にある状態です。コクのある料理を食べて、その対極のホッピーを飲むことで、濃厚なコクが緩和されて、いくらでも食べられる感じになるんですね。さらに苦みが旨みを増加させたり、炭酸ガスやホップが食欲を増進させたりということも加わるので、その効果は絶大です。

 食べてみた結果は、まさに狙いどおり。とても美味しくいただくことができました。

 当日の座談会の様子は、古典酒場編集長のブログ広報担当カレラさんのブログにも掲載されていますので、あわせてご覧ください。

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年末年始を飲み歩く4 … 「川名」「竹よし」「ほ里乃家」「ペルル」「満月」

1月1日(木)

「川名」タコぶつ、鮭刺し、マグロぶつ

 平成21(2009)年、明けましておめでとうございます。

 今年も新年第1軒目の酒場は阿佐ヶ谷の「川名」です。昨日(大晦日)に続いて、二日連続ではありますが、昨日は平成20年、今日は平成21年、なんだか違う気分ですよねぇ。

「今年もよろしくお願いします」

 とお店の人たちとも新年のご挨拶を交わしてから、奥の座敷へ。このところ、毎年、元日にいらっしゃる「丁稚飲酒帳」のdetchさんご夫妻と、昨日から連続ご一緒させていただく熊さんです。

 丑(うし)年のスタートということもあって、今日は最初から黒牛(日本酒、462円)をもらって、つまみはタコぶつ、マグロぶつ、鮭刺し(各441円)など。大根のツマとも紅白の色取りで、めでたいですねぇ。

 しばらくすると、元日から店内は満席状態。すぐ後ろのテーブルは、これまた大晦日から二日連続の「東京のむのむ」の、のむのむさんご夫妻です。

「満席だけど、そこのグループに入れてもらって」

 と店主に言われながら、奥の座敷席に送り込まれてきたのは、近くにお住まいの料理研究家・伊野由布子さんです。いやいや。ようこそいらっしゃいました。みなさん今年もよろしくお願いします。

 午後8時まで、4時間もの滞在。私の支払い分は2,331円でした。

            ◆   ◆   ◆

1月3日(土)

「竹よし」ギンダラ焼

 1月3日の今日は、これまた毎年恒例となった、昔のパソコン通信仲間の集まりで吉祥寺へ。久しぶりに会うメンバーと旧交を温めながら、午後9時過ぎまで楽しんだあと、都立家政(とりつかせい)に戻って、今年初の営業となる「竹よし」(前回)です。午後10時の店内は、常連さんたちでいっぱい。みなさん、いらしてたんですねぇ。

 カウンターの中には、いつもは日曜日にお手伝いをしているKさんも来ていて、店主との2人態勢で切り盛り中です。

 いつものように燗酒(菊正宗、350円)をもらうと、今日のお通し(200円)はカズノコ昆布。たっぷりとカツオ節がのっかっています。

 新年早々のお献立は、刺身が生クジラ(700円)、カンパチ(750円)、マグロねぎとろ(700円)、アジたたき(600円)、盛り合せ(1,000円)など。焼き魚はギンダラ(750円)、アジ(600円)、国産シシャモ(1尾200円)、イワシ明太子(500円)などなど。国産シシャモにも引かれますが、残念ながら売り切れで、ギンダラを焼いてもらいます。

「いいところを持っていきますねぇ」

 と言いながら、店主が焼き上げてくれたギンダラは、ものすごい肉厚でプリップリ。んー、たまらんっ。

 2本目、3本目と燗酒をおかわりし、宍道湖産のシジミ汁(250円)をもらいます。注文を受けてから1杯分ずつからでも丁寧に作ってくれるシジミ汁は、汁だけでもいいつまみになります。関西風の、ふわっと甘い味噌がまた合いますよねぇ。

 最後に、ふじもとさんが今年の1本目として入れた金宮のボトル(一升瓶)キープを1杯ご相伴にあずかって、午前0時過ぎに終了。お勘定は2,250円でした。やぁ、美味しかった。

            ◆   ◆   ◆

1月9日(金)

「ほ里乃家」玉子焼

 年明け1週間の仕事を終えた金曜日。そぼ降る雨の中、今日の東京地方の最高気温はなんと6度。新年早々、とても厳しい仕打ちです。この寒さに絶えきれず、職場で軽く新年会をすませた後は、どこにも寄らずにまっすぐに鷺ノ宮(さぎのみや)へ。ここまで帰りつけば、自宅までは歩いて5分ほど。もう安心です。

 で、安心したところで、駅の近くの「ほ里乃家(ほりのや)」(前回)です。

 こんなに寒い雨の日でも、金曜、午後9時の店内は8割方の入り。

 J字カウンターのみの店内の、J字の角のあたりに座って、剣菱(けんびし)の燗酒(340円)と赤貝ひも刺し(400円)を注文すると、すぐに出されるお通し(200円)はポテトサラダです。さらに出来たて熱々で出される玉子焼(400円)をつまみに、燗酒を都合3本いただいて、2時間弱の滞在は2,020円でした。

 かろうじて午後11時前なので、閉店時刻間際の「ペルル」(前回)にも寄って新年のごあいさつ。「ペルル」が閉まると、いつもの流れで「満月」(前回)にも寄って、今夜も結局、日付けが変わるまでたっぷりと楽しんだのでした。

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年末年始を飲み歩く3 … 「竹よし」「満月」「御天」「川名」

12月30日(火)

「竹よし」納会料理の一部

 毎年12月30日は「竹よし」(前回)納会の日。昔はおじさんばっかり(失礼!)だったのに、今回の納会は若い女性が多くてビックリです。

 最後の営業日だから残り物を処分するのでいいのに、「せっかくみなさんが来てくれるから」と、この日のために材料を仕込んでしまうのが「竹よし」の店主(マスター)なんですねぇ。客層が変わっても、これだけはちっとも変わりません。

 しかもなおとんさんが、ご自身は都合があって参加できないのに、自作の料理をたっぷりと抱えてきてくれて、店主の作ってくれる魚介類のみならず、各種の肴(さかな)をつまみに、地酒も進むは進むは。

 最後はこれまた恒例のjirochoさんの手締めによって、平成20(2008)年の「竹よし」をめでたく締めくくったのでした。

            ◆   ◆   ◆

「満月」アキラ君の料理

 「竹よし」からフラリと流れて2軒目は、昨日に続いて鷺ノ宮の居酒屋「満月」(前回)です。これまた昨日に引き続き、店はアキラ君(←店主の息子)ひとりで切り盛り中。さらに、今日が仕事納めのにっきーさんとも合流して、まるで昨日と同じパターンです。

 アキラ君が切り盛りすると、洋風のつまみも多くて、これもまた美味いなぁ。

            ◆   ◆   ◆

「ゴテンズバー」

 「満月」を出たのは、ちょうど日付けが変わるころ。にっきーさんとふたり、タクシーに乗り込んで、下井草は新青梅街道沿いにある、にっきーさん行きつけのお店、博多長浜とんこつラーメンの「御天(ごてん)」(前回)です。

 まずは地下の「ゴテンズバー」(前回)に潜り込んで、芋焼酎の「小さな蔵」やら「木々の目覚め」やらをお湯割りでいただいたあと、地上に上がってラーメン+生ニンニクで〆(シメ)。「御天」は大晦日の明日と、元旦の明後日の二日間お休みし、1月2日から通常営業だそうです。

            ◆   ◆   ◆

12月31日(水)

「川名」まぐろブツ

 平成20(2008)年も大晦日を迎えました。今年も年の最後を飾る酒場は、2年ぶりとなる「川名」(前回)です。なぜ2年ぶりかというと、昨年は大晦日が月曜日で、「川名」の定休日だったのです。

 カウンター席に座り、生グレープフルーツサワー(336円)とマグロぶつ(441円)を注文すると、今日のお通し(サービス)はミカンです。「川名」では必ず果物のお通しが出されるのです。出てきたマグロぶつには、アンキモが2切れ添えられています。

 チビチビとやっているとこにやって来たのは、毎週1回以上は必ず「川名」に顔を出すという、熊さんです。「いやいや、今年もお世話になりました」とご挨拶をしつつ、ふたりで奥の座敷席に移ります。

 熊さんも生グレープフルーツサワー(336円)をもらって、料理は鮭刺(441円)とほうれん草(168円)です。こうやって刺身を1品と野菜を1品注文するのが熊さんの「川名」でのパターンなんですね。

 その後は、めかぶ茶焼酎お湯割り(336円)をもらったり、黒牛(日本酒、462円)をもらったりして、午後7時まで、3時間ほどの滞在は1,743円でした。

 どうもごちそうさま。よいお年を!

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年末年始を飲み歩く2 … 「鳥竹」「パニパニ」「石松」「満月」

12月29日(月)

「鳥竹」のチキンライス

 今年も、残すところあと3日。今日は毎年恒例の飲み仲間の忘年会で、渋谷の「鳥竹」(前回)です。集まったのは、呑んだフルさん、おっとこまえH氏、にっきーさん、宇ち中(うちちゅう)さん、「さいき」「武蔵屋」の常連・K氏、ここっとさんご夫妻と私の8人です。

 いつものように焼き鳥(1本315~368円)やナンコツ唐揚げ(410円)、黒板メニューのうなぎチャンプル(650円)をいただいた後、肝なべ(1,260円)、皮なべ(1,155円)、そして鳥なべ(1,260円)をいただきます。

「いつも飲みに来るから食べたことがないけど、実はこの店ではチキンライス(840円)やチキンカツライス(945円)も美味しいらしいんですよね」

 という宇ち中さんやここっとさんの話に、「じゃ、それも食べてみようよ」とさっそくその両方をもらって〆とします。

 午後6時から9時過ぎまで、3時間ちょっとの滞在は7人で25,590円(ひとり当たり3,200円ほど)でした。

            ◆   ◆   ◆

「パニパニ」のエビワンタン

 渋谷で解散した後、同じ方面に帰るにっきーさんと二人で中野まで移動し、立ち飲みの「パニパニ」(前回)です。

 パニ茶割り(360円)やアールグレイハイ(360円)に、名物の「皮から手作り焼きギョーザ」(3個250円)と、にっきーさんおすすめの「熱々!つるつるのエビワンタン」(290円)をもらいます。安くて美味しい料理も「パニパニ」の人気の理由のひとつです。

            ◆   ◆   ◆

「石松」のシロたれ

 その「パニパニ」のお向かいが「石松」(前回)。今日も牛ミノ(150円)やハツ(100円)、シロ(100円)などをつまみつつ、キープボトルの金宮をホッピー割りでいただきます。今日はエビも焼いてくれました。

            ◆   ◆   ◆

「満月」の缶詰

 「石松」を出て、西武新宿線・新井薬師前(あらいやくしまえ)駅まで歩き、電車で鷺ノ宮(さぎのみや)へ。今日の4軒目は「満月」(前回)です。いつもは店主夫妻を中心に、息子のアキラ君が手伝っている「満月」ですが、今日はなんとアキラ君ひとりで奮闘中。さすがに料理の仕込みは、おかあさんに手伝ってもらったそうです。砂肝のマリネや、鶏肉のカレー炒めなど、アキラ君自らが作ったという料理が美味しくて驚きです。

 もうひとつビックリしたのは、カウンターの上段の一角に、缶詰がずらりと並んでいること。いつもは大皿料理ばかりなのにどうして?

「え? 月曜日には缶詰も置くようにしてるんですよ。知りませんでした?」

 と教えてくれえるアキラ君。そうなんだ。言われてみれば、月曜日にこの店にやって来たのは初めてかも! こんなにたくさん通っているのに、まだまだ知らないこともあるんですねぇ。

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年末年始を飲み歩く1 … 「秋元屋」「ホルモン」「好吃」「竹よし」

12月26日(金)

「秋元屋」のコブクロ刺し

 年内の仕事も今日で終了。会社での納会を終えた後、西武新宿線・野方(のがた)まで帰ってきて、やきとん「秋元屋」(前回)です。

 ホッピー(380円)を三冷白(さんれいしろ)でもらって、つまみにはレバ刺し(350円)とコブクロ刺し(350円)です。今日は平日なので、もつの刺身が充実しています。

 焼き物はハツ、タン、アブラ(各1本100円)を塩で。さらに三冷黒ホッピー(380円)をもらって、人気のポテトサラダ(300円)もいただきます。

 1時間ほどの滞在は、席料100円を含んで2,160円でした。

            ◆   ◆   ◆

12月27日(土)

「ホルモン」のちょい焼き

 土曜日の今日は、年末のごあいさつを兼ねて、午後5時半の口開けと同時に沼袋(ぬまぶくろ)の「ホルモン」(前回)です。

 サッポロラガービール大瓶(500円)とお新香(110円)、そしてレバとコブクロのちょい焼き(各1本120円)を、それぞれ2本ずつ焼いてもらいます。

「故郷(いなか)には帰らないんですか?」と店主。実は店主も、私と同じく愛媛県の出身で、今のように、まだ他のお客さんがいないような時間帯には、ちょっと声をかけてくれたりするのです。

 焼酎(230円)をもらって、カウンター上に置かれた梅シロップをたらし、つまみには煮込み(310円)をいただきます。ここの煮込みは、シロやらガツやら、いろんな部分が入っていて、プリプリとした食感が実にいいのです。

 もう1杯、焼酎(230円)をもらって、オッパイとアブラ(各1本110円)を1本ずつ、塩で焼いてもらって終了。お勘定は2,080円でした。

            ◆   ◆   ◆

 「好吃」の焼きそば

 ピピピッと携帯に入ってきたメールは、近所に住む飲み仲間・ふじもとさんです。「緊急忘年会勃発。6時から好吃@井荻です」とのこと。さっそく沼袋から電車に乗り込んで井荻(いおぎ)に移動。みんなの待つ「好吃(はおちい)」(前回)へと向かいます。

 集まったメンバーは、なおとんさん、歩く酒場データベース・Kさんご夫妻、宇ち中(うちちゅう)さん、ももたまなさん、ふじもとさんです。

 紹興酒をしこたまいただいて、午後9時過ぎまでの滞在は7人で10,130円(ひとり当たり1,450円ほど)でした。

            ◆   ◆   ◆

 「秋元屋」

 もちろんこのメンバーが集まって1軒で終わるはずはなく、野方(のがた)へと移動して「秋元屋」(前回)です。私自身は昨日も来たので、二日連続ですね!

 奥のテーブルに陣取って、ウルメや、メンチ(味噌)、チーちく(炙り)、うずら(醤油)、かしら(味噌)などをもらってホッピーです。

 遠くに帰るみなさんを見送って、最後はふじもとさんと一緒に「竹よし」(前回)で〆て、緊急勃発忘年会も終了。よく飲んだ1日でした。

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目白最古のバーに闖入 … バー「なすび」(目白)

BARなすび


 毎週楽しみに読んでいる、毎日新聞東京夕刊(火曜日)の「今夜も赤ちょうちん」に、「目白 超穴場、ハクサイでちびり」という記事が出たのは、今から2年ほど前、平成18(2006)年11月のこと。

『穴場のにおい。世俗とは別の時間が流れているのがわかる。』

『目白最古のバーらしい。でも、少しも気取ったところがない。居酒屋とルビをふるべきたたずまい。酒はいろいろ選べるけれど、サカナは亭主任せ。持ち込んでもいい。』

 と紹介されているのが、JR山手線・目白駅から徒歩3分ほどの路地の奥にあるというバー「なすび」です。

 一度行ってみなきゃなぁ、と思いながら、なかなか機会が作れず、今日になってしまいました。

 このあたりかと目星をつけて、目白駅の北西側のエリアをうろうろと探してみるものの、これがなかなか見つからない。あっちへ行ったり、こっちへ行ったりと30分近く探し回って、なんと「私有地につき、関係者以外の通行及び駐輪、駐車を禁ず。 地主」と書かれた看板が立てられた路地の奥に、目指すバー「なすび」を発見したのでした。事前情報なしに、この店を見つけた鈴木琢磨(すずき・たくま)さん(毎日新聞編集委員)はすごいっ!

 扉の奥からは、ざわざわとした酒場のにぎわいが響いてきます。よいしょ、っと扉を開けて「こんばんは」と店内へ。L字カウンター8席分ほどの店内は、年配の男性客でほぼ満席。みなさんの視線がいっせいに私に集まります。

「ひとりですけど…」と、にっこりと自己申告すると、

「じゃ、その入口に近い席にしますか。○○さん、ちょっと寄って場所を作ってあげて」

 とカウンターの中にいる店主がニコニコと仕切ってくれます。コートを脱いで、その席に座ると、

「え~と。どちらさんでしたっけ?」と店主。

「はじめて伺ったんです。2年ほど前の毎日新聞の記事を見て…」

「あぁ、なるほど! そうでしたか。それはそれはようこそいらっしゃいました。実は今日は昔の職場の仲間たちと忘年会をしているところなんですが、よろしかったら飲んでいってください」

 そう言いながら、焼酎のロックを作ってくれて、みんなが持ち寄ったと思われる料理や、おでんなどを出してくれます。まわりのお客さんたちも、急な闖入(ちんにゅう)者を笑顔で仲間に入れてくれます。

 今日集まっているのは、店主の伊藤千秋(いとう・ちあき)さんも含めて、みなさん、アイワ (AIWA)の意匠部で一緒に仕事をされていた方々なんだそうで、楽しく飲みながら、当時の苦労話などを聞かせてくれます。

「天皇陛下用のマイクが大変だったねぇ。1本の普通のマイクに見えるマイクの中に、2つのマイクが、それぞれ2系統ずつのコードでつながっていて、都合4本のコードになっていたんですよ。つまづいたりしてコードが(1~2本)切れても大丈夫なようにってね」

 みなさん、何年か前に会社はリタイア(定年退職)されたそうなのですが、そうやって語ってくれる様子はとても生き生きとされていて楽しそうです。大好きなお仕事だったんですねぇ。

 そんな楽しい雰囲気に、すっかりくつろいで、初回なのに2時間も滞在してしまいました。

「今日は1,500円いただきましょうか。新聞を見ていらっしゃるお客さんは1回だけで、リピーターになってもらえないんですよねぇ。焼酎が1,500円でボトルキープできるので、ぜひまたいらしてください」

「はい。また寄らせてもらいます。今日はありがとうございました。みなさん、お邪魔いたしました」

 と店を後にします。「あいつもやっぱり1回きりだったか」なんて言われないように、ぜひ近いうちに再訪しなきゃ、と思いながら、この記事を書いている今、まだ再訪できずにいるところです(汗)。

店情報

《平成20(2008)年12月20日(土)の記録》

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店情報: バー「なすび」(目白)

    081220z3
  • 店名: BAR なすび
  • 電話: 03-3952-9210
  • 住所: 171-0031 東京都豊島区目白3-13-22
  • 営業: 18:00-23:30、水土日祝休
  • 場所: JR目白駅の改札を出て、左前方の信号付き横断歩道で目白通りを向こう側に渡って左へ。2ブロックほど進み、右手のアパマンショップの先、パン屋さんの手前の路地を右に折れる。50mほど進み、左手の居酒屋「海賊」の先の路地を左に入った先、右手。
  • メモ: 目白最古のバー。L字カウンター8席ほど。ボトル1本が1,500円で、これをロックや水割り、湯割りでいただくのが標準的なパターンとのこと。料理は店主まかせ。持ち込んでもいい。公式サイトあり。(2008年12月調べ)

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