菊正宗の樽酒でくさや … 通人の酒席「ふくべ」(日本橋)
ダイヤモンド社の総合ビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」の連載、「1000円台で楽しむ おとなの居酒屋」の取材で、東京駅八重洲口にある通人の酒席「ふくべ」にやってきました。
この店は昭和14(1939)年に酒屋から居酒屋に転身したという老舗。今のように全国各地の地酒が飲まれるようになる前から、日本各地のお酒をそろえてきた、日本酒の店でもあります。
昨年の春にも、ぜひ「1000円台で楽しむ おとなの居酒屋」に載せたいと思ってやってきたのですが、そのときは「菊正宗」の樽酒を2本と冷奴に、くさやをいただいて、お勘定はちょうど2千円。残念ながら千円台では納まらなかったのでした。
なにしろ、この店の品書きには値段が書かれていないので、事前に計算しながら飲むことがむずかしいのです。
その後、雑誌等に載っている情報などを調査してみたところ、お新香は冷奴よりも50円安い様子。ということは前回と同じ組み合わせで、冷奴のところをお新香に変更すれば、1,950円となって、千円台で飲むことができそうです。
よーし。これで行こう。
満を持して、まずは菊正宗の樽酒を燗でもらって、くさやを注文します。すぐに出されるお通しは定番の昆布の佃煮。これをチマチマとつまみながら、くさやの焼き上がりを待ちます。
そのうちに厨房から漂ってくるくさやの香り。出されたくさやは、四角いお皿にたっぷりと山盛りです。これだけでお酒の3本や4本はすぐに飲めそうなくらいの量なんですよねぇ。
東京に出てきて、最初にくさやを食べたときには「うわっ!」とビックリするような臭いだったのですが、その味わいを知るにつれて、その匂いが漂ってきただけで「うまそう!」と思うようになってきたのでした。不思議ですよねぇ。
噛みしめるほどに味わいが深くて、日本酒にぴったりのつまみなのがくさやなのです。
燗酒2本くらいだと、これだけで十分なくらいの肴の量なのですが、やっぱり2品と2杯で千円台という路線を目指したいので、燗酒をおかわりするとともに、当初の予定どおりお新香も注文します。
すぐに小鉢で出されたお新香は、カブ、ナス、キュウリという、ヌカ漬けの3品盛り。老舗酒場ならではの美味さです。
金曜日の店内は満席状態で、私もカウンター一番奥の、樽の前にやっと入れてもらったような次第。来るお客さん、来るお客さんが「ごめんなさい、満席なんです」と断られています。大人気の酒場なんですねぇ。
1時間ちょっとの滞在。「今回は千円台で納まっただろう」と自信満々でお勘定をお願いします。
「ありがとうございます。2,150円です」
ガビーン。この店も、昨年の春以降、値上がりしていたんですね。残念ながら、今回も千円台で飲むことはできませんでした。お酒も肴も美味しかったし、十分にリーズナブルな値段なんだけど、狙いがはずれてちょっとガックリ……。
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