〔コラム〕 テクテクと徒歩の旅(浅草から八広へ)
JR鶯谷駅を山手線の外側に向かって降りると、そこは言問(こととい)通り。今日はその言問通りを歩いて浅草方面に向かってみることにします。言問通りは、ここ鶯谷近辺以外は、意外とどの駅からも遠くて、通り沿いにある酒場などを知る機会がないのです。
駅から15分ほど歩いた台東区松が谷4丁目にポツンと大衆酒場の灯がともっています。大衆酒場「みっちゃん」(03-3841-0560、台東区松が谷4-28-5)。豚ちり(900円)、鳥なべ(900円)、おでん(600円)、いか刺し(500円)などの品が手書きされた看板が店の表に出され、いかにも呑ん兵衛好みする風情。「酒」と書かれた暖簾(のれん)もいいですねぇ。
さらに言問通りを東、浅草方面に向かうと、通り沿い左側にあるのが「ときわ食堂」です。土曜日、午後5時20分の店内は、けっこうにぎわっている様子です。
「ときわ食堂」を過ぎると、すぐに浅草エリアに入り、左手にはおでんの「大多福」、もう少し先の左手路地には「ぬる燗」と、よく名前を聞く店々が現れてきます。大衆酒場「さくま」や、もつ焼きの「御来屋(みくりや)」も、いい風情ですねぇ。今度じっくりと来てみなければ。
言問橋で隅田川を渡ると、台東区を出て墨田区へ。トコトコと歩いて突き当たりの三叉路の先にあるのが、大衆食堂「キクヤ」。これは渋いなぁ。のれんのすき間から店内をのぞいてみると、それぞれひとり客らしき年配の男性客が数人、ちびちびとやっている様子です。
このすぐ先が東武伊勢崎線・業平橋(なりひらばし)駅と、京成や地下鉄(浅草線、半蔵門線)の押上(おしあげ)駅ですが、その手前を左折して、京成押上線と平行して走る道路を北上します。
曳船(ひきふね)駅も通過した先、左手にポツンとあるのが、大衆酒場「岩金」(店情報)です。時刻は午後6時40分。鶯谷駅から歩き始めてから1時間40分です。ここらでちょいと休憩としますか。ボール(焼酎ハイボール、300円)をもらって、つまみには地鶏ハツ塩焼き(350円)を注文すると、焼き物はグリルで焼き上げてくれます。
この「岩金」、外観はいかにも無骨な大衆酒場ながら、店内は女将さんを中心として3~4人の女性陣が切り盛りするという女酒場。お世辞にも交通の便がいいとは言えない場所にありながら、店内は常連さんたちでいっぱいです。
ボール(300円)をおかわりして、今度はおでんをもらいます。おでんは、ほぼ1個120円で、がんもと特製つみれは250円、牛すじは150円。がんも、玉子、ちくわぶをいただいて、1時間ほどの滞在は1,440円でした。どうもごちそうさま。
「岩金」を出て、さらに北上を続け、八広(やひろ)駅のところで左折すると、その先が小さなトイレで有名な「丸好酒場」です。ここのレバー刺身(400円)にも引かれるんですよねぇ。
「丸好酒場」でUターンして、八広駅に向かうと、駅のすぐ手前左手には「日の丸酒場」です。
ここで徒歩の旅は終了。電車に乗り込んで荒川を渡った先が京成立石(たていし)です。
立石で「二毛作」で飲んでいた「酔わせて下町」のFさんと合流すると、「丁稚飲酒帳」のdetchさんも駆けつけてくれました。それじゃもう1軒と「毘利軒(びりけん)」で串揚げをつまんで、また一献。ゆっくりと立石の夜を堪能したのでした。
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