〔コラム〕 コクが決め手、ホッピーに合う肴
調布のホッピー工場にやってきました。工場の中はビール工場と同じような匂い。出荷を待つホッピーのかたまりが、我われの周り中に、ドーン、ドーンと何本も、天井近くまで積み上げられています。うーむ。売るほどあるとは、まさにこのことですねぇ。
今日は「古典酒場」(最新刊は「東京銘酒肴酒場」)の座談会で、このホッピー工場にやってきたような次第。もちろん、飲みながらの座談会なので、会場にはできたての生ホッピーが、白、黒、2セットでスタンバイされています。
「どちらをお作りしますか」と声をかけてくれるのは、ホッピービバレッジ広報担当のカレラさん。
「最初は白ホッピーをお願いします」
ジョッキも焼酎も、そしてもちろん生ホッピーそのものも冷え冷えの三冷(さんれい)で作ってくれる白ホッピーは泡立ちも抜群で、最高の味わいです。
生ビールディスペンサー(株式会社ニットク製)が作り出す泡は、ホッピーだけでできたアルコール分がほとんどない泡。ゴクッと飲むときは、この泡から最初に口に入ってくるので、かなり濃く作ったホッピーでも、非常に軽く感じてしまうという、とても危ないお酒なのです。
んー。うまいっ。
生ビールと同じく、生ホッピーも鮮度が命。この生ホッピーは、この工場でできたばかりの、まさにできたてホヤホヤ。これ以上に新鮮なホッピーはありませんものねぇ。うまいのも道理です。
今日は、参加者それぞれがホッピーに合うと思う料理を取り寄せて、それをみんなで試食しながらお話をしようという座談会。私も、新幹線出張の帰り道に買って乗る、広島駅の「海の干しがき」(関連記事)と、岡山駅の「祭ずし」(関連記事)を取り寄せての参加です。
この両者。実はホッピーと合わせていただくのは初めてです。ホッピーは、アルコール分となる焼酎などの飲み物と、それを割る瓶入りホッピーのふたつが必要なので、持ち歩くのが大変だし、駅の売店では売っていない(と思う)ので、これまでは缶ビールやカップ酒と共にいただいていたのでした。
なぜこの2品がホッピーに合うと思ったのか。
私自身は、ホッピーに合う食べ物の決め手は、コクだろうと思っています。以前、「やみつきの天玉そば、その理由(わけ)は!?」というコラムにも書いたとおり、コクの中心になるのは甘さ、脂、旨みの3要素。
それに対するホッピー側の決め手は、甘みは一切無しで、ホップの苦みだけが加わっているという、「苦味を持った究極なドライ」ということができると思います。
ドライというのは、『旨みや甘みが少なく、アルコール分そのものに近づいた状態』だと私はとらえていますので、コクとまるで対極にある状態です。コクのある料理を食べて、その対極のホッピーを飲むことで、濃厚なコクが緩和されて、いくらでも食べられる感じになるんですね。さらに苦みが旨みを増加させたり、炭酸ガスやホップが食欲を増進させたりということも加わるので、その効果は絶大です。
食べてみた結果は、まさに狙いどおり。とても美味しくいただくことができました。
当日の座談会の様子は、古典酒場編集長のブログや広報担当カレラさんのブログにも掲載されていますので、あわせてご覧ください。
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