ブーツ型グラスのなぞ … バー「クライスラー(CHRYSLER)」(横浜市・日ノ出町)
「もう1軒、横浜の老舗へ」
とやって来たのは、福富町西通(ふくとみちょうにしどおり)にある、昭和25(1950)年5月5日創業の老舗バー、「クライスラー」です。先ほどの「栄屋」が昭和23(1948)年創業なので、こちら「クライスラー」はその2年後の開店なんですね。
「栄屋」の前の道を、海に向かってまっすぐに進み、大岡川の川辺(左前方に弧を描く都橋商店街が見える)に出たら右折。1ブロック半ほど進んだ左手の、スコットランドの民族衣装でバグパイプを吹いている黄色い看板が「クライスラー」の目印です。看板横の階段を2階に上がり、重厚な扉を開けると、目の前が横に長~い、「クライスラー」のカウンター席です。
午後9時半の店内は、祝前日だけあってお客さんでいっぱい。右手奥のテーブル席までグループ客で埋まっているのがすごいなぁ。今まで来た中で、一番お客さんが多い状態だと思います。
カウンター右奥に座っている二人連れ、三人連れの間の、並んだ2席分の椅子の上に置かれたカバンやコートを移動してもらって、かろうじて我われ二人分の席を確保することができました。
名物のウイスキー水割りを二つもらって乾杯し、つまみにはレーズンバターをもらいます。
ここの水割りは、「クライスラー」のマークの入ったブーツ型のグラスで出されます。ただし、このブーツ型のグラスはカウンター席のみ。奥のテーブル席で飲む場合には、ホルンをかたどったような、また別のグラスで供されるのです。どうしてこの違いがあるのでしょう? 前から不思議に思っていたのですが、その謎が今日解明しました。
それは奥のテーブルで飲んでいたグループ客がお勘定をして店を出て行ったあとのことでした。我われの左側にいた三人連れが、
「テーブル席が空いたんなら、向こうに移ってもいいかなぁ」
と言い出したのです。カウンター内にいるバーテンダーのおにいさんは、
「かまいませんよ。そのかわり、水割りのグラスはこれから取り替えますので、しばらくお待ちくださいね」
そう言って、三人連れの水割りをブーツ型のグラスから、ホルン型のグラスに、わざわざ入れ替えたのです。
「テーブル席のグラスはこっち、と決まってるんですか?」
こらえきれずに、横からそう聞いてみると、
「そうなんです。テーブル席の場合、グラスを倒したりすることが多いので、割れにくいこちらのグラスを使うことにしています」
な~るほど。ブーツ型のグラスは、ガラスが薄いし、左右方向に倒れやすいので、テーブル席向きじゃないんですね。そういうことでしたか。ひとつ謎が解けて、なんだかすっきりです。
1時間ほどの間に水割りを2~3杯ずついただいて、今日のお勘定は二人で2,680円(ひとり1,340円)でした。どうもごちそうさま。
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