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2009年3月

官能的なまでのマグロ … 居酒屋「牧野(まきの)」(蔵前)

まぐろ(時価)

 「酔わせて下町」のFさんたちと行く2軒目は、「わかば」から春日通りに出て、蔵前に向かって(西に)歩くこと約10分。いかにも古びた厩橋(うまやばし)交番跡の先にある居酒屋「牧野」です。

 まわりには他の店がないところに、黒々と大きく「牧野」と染め抜かれた暖簾と赤ちょうちん。外観だけで唸ってしまうすばらしさです。

 ここ「牧野」は、太田和彦(おおた・かずひこ)さんの「居酒屋味酒覧〈第二版〉」や、ゲンダイネットの記事を読むにつけ、ぜひ来てみたかった課題店だったのです。

 その「味酒覧2」で、『マグロは築地マグロ専門卸し最上級「石宮」の品で、氷塊を置いた見事な盛りつけの赤身とトロの清潔な香り、濃厚なコクに絶句する。これは超一流の鮨屋にゆく品なのだ』と紹介されているマグロの刺身は、メニュー上には値段が書かれておらず、時価。

 さっそく注文してみると、噂にたがわぬものすごいマグロが、たっぷりと14切れ。ひと切れ、ひと切れが大きいなぁ。以前、「酒の高橋」で、「マグロは大きく切らなきゃ」という話を聞きましたが、ここのも本当に大きい。

 その大きい刺身を、ひと口でいただくと、心地よい弾力感のあと、やわらかい身の甘さが口の中に広がります。うーん。なんという食感。硬すぎず、やわらか過ぎずの絶妙なバランスですねぇ。

 「時価」が怖いこのマグロながら、「アル中ハイマー日記」の記事によると2千円前後だろうという分析です。マグロぬた(850円)も人気の品のようです。

 さて「牧野」。昭和16(1941)年創業といいますから、今年で創業68年。店内は、入口を入ってすぐの土間に6人掛けのテーブル席が2卓。左手の畳の小上がりに2人掛けのテーブルが4卓の合計20席。今日もほぼ満席ですが、いつ来ても満席気味という店内を、おばちゃん二人(姉妹)が切り盛りします。

 最初に瓶ビール(キリンラガー大瓶630円)を注文すると、すぐに出される小皿のお通しは、柿の種と、斜めにカットしたチーズがひと切れ。このお通しが、ここ「牧野」の定番の品なんだそうです。

 マグロが出たところで、燗酒(徳利300円)に切り替えて、根三つ葉わさび和え(600円)ももらいます。

 店の奥の黒板に手書きされているメニューには、とんかつ(850円)や、とんかつ中(1,200円)、海老フライ(1,400円)、チキンかつ(700円)などの揚げ物のほか、いかさし(800円)、まだこ(850円)、しゃこ(950円)、こはだ(850円)、山かけ(850円)といった魚介類、もろきゅう(350円)、トマト(350円)、うるめ丸干(500円)、チーズ(250円)、やっこ(400円)などが、合わせて25品ほど並んでいます。時価なのは、先ほどのマグロと、寄せ鍋の2品のみ。それ以外は価格明記です。

 トイレもまた、上部に設置された木製のタンクから降りる紐をひっぱると、水が流れるレトロなタイプ。トイレから戻ってみると、Fさんが支払いを済ませてくれてました。ありがとうございます。>Fさん

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隣はレトロな厩橋交番跡 / 「牧野」 / 定番のお通し

090228j 090228k 090228l
根三つ葉わさび和え / とまと / 海老フライ

店情報

《平成21(2009)年2月28日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「牧野(まきの)」(蔵前)

    090228h
  • 店名: 牧野
  • 電話: 03-3626-1078
  • 住所: 130-0004 東京都墨田区本所1-25-10
  • 営業: 17:00-23:30(23:00LO)、水休(年末年始・夏期休暇・不定休あり)
  • 場所: 都営地下鉄・大江戸線A7出口を出て右へ、春日通りを道成りに進み、隅田川を渡る。清澄通りとの交差点も道成りに越えて約250m(5分)、厩橋交番跡の手前、左手。地下鉄A7出口からの全行程は約560m、徒歩10分ほど。
  • メモ: 昭和16(1941)年創業。テーブル6人×2卓、小上がり2人×4卓の計20席。まぐろ(時価)、とんかつ850、とんかつ(中)1,200、海老フライ1,400、チキンかつ700、もろきゅう350、とまと350、うるめ丸干500、たらこ750、チーズ250、いかさし800、まだこ850、しゃこ950、こはだ850、山かけ850、やっこ400、帆立貝フライ900、寄せ鍋(時価)、肉豆腐850、菜の花からし和え550、まぐろぬた850、新ごぼう煮物550、いんげんごま和え550、根三つ葉わさび和え600。ビール大瓶630、ビール小瓶360、二級酒300、ウーロンハイ380、レモンハイ420、ウーロン200、高清水750、キリンレモン250。(2009年2月調べ)

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鮮烈な食感、上ミノ刺 … もつ焼き「わかば」(本所吾妻橋)

上ミノ刺し

 「酔わせて下町」のFさんたちと、本所吾妻橋(ほんじょあづまばし)のもつ焼き屋、「わかば」にやってきました。

 25年ほど前の創業当時から、緑のちょうちんがトレードマークの「わかば」は、昨年(2008年)5月に大幅に改装し、きれいなお店になりました。

 店内は左手の焼き台の横から店の奥に向かって、10人ほど掛けられる直線カウンターが伸びています。このカウンター席、入口側から6人分、4人分と分割されていて、そのすき間を店の人たちが行き来できるようになっています。入口右手には2人掛けと4人掛けのテーブル席。その奥には小上がりの座敷席があり、4人掛けの堀ゴタツ式座卓が4卓並んでいて、全部合わせると32席という造りです。

 やわらかくジャズの流れる店内は、今日も午後5時の開店と同時にたくさんのお客さんでにぎわいます。もつ焼き屋にはつきもの(?)のような存在である、年配男性のひとり客も居るには居るのですが、土曜日ということもあってか、多いのは若いグループ客や家族連れ。これは、もつ焼き以外のメニューが充実していることや、改装したばかりのきれいな店内、そして店主夫婦を手伝う、若き二代目夫婦の存在に寄るものと思います。

 ずらりと並ぶメニューは、あれもこれも美味しそうで迷ってしまいますが、Fさんがこの店で注文するのは、毎回必ず、上ミノ刺し(600円)と、特シロ(1本150円)、カシラ(1本130円)、そしてタンおろし(450円)の4品なんだそうです。

「他のものも食べてみたいんだけど、ひとりでやって来ると、このはずせない4品を食べちゃうと、もう満腹になるんですよ。この4品のスパイラルにはまってるんです」

 Fさんは、取り引き先がこの近くにあることもあって、本所吾妻橋にはよくやってくるのだそうです。

 長方形の皿に、美しく2列に整列して出される上ミノ刺しは、見た目もツヤツヤと美味しそうです。小皿の味噌ダレをつけていただくと、その弾力感が強烈。「ミル貝の刺身のようでしょう」とFさん。この味噌ダレがまた、ニンニクがよく効いていていいですよねぇ!

 もつの刺身は、この店の人気の品でもあり、この上ミノ刺しの他にも、レバ刺し、ハツ刺し、タン刺し、シロ刺し、タマ刺し、コブクロ刺し、ガツ刺し、センマイ刺しが、それぞれ1人前400円で並んでいます。

 小鉢で出されるタンおろしは、スライスした豚タンをさっと茹でたものに、大根おろしをのせて、ポン酢醤油でいただく一品。さっぱりとした味わいで、いくらでも食べられます。このタンおろしという料理は、この店だけはなくて、この地域ではよく見かけるメニューなんだそうです。

 そして特シロとカシラのもつ焼きもやってきました。1串1串が大きいのが、ここ「わかば」の特長なんですよねぇ。

「串焼きは5分以内で食べないと劣化するんです。串のままガッと食べなきゃ。この店のように、絶妙の焼き具合で出してくれる店では、なおさら気にしないといけません」

 とFさん。串からばらして、箸でチマチマと食べるのは、本来のもつ焼きの食べ方じゃないんだと力説されます。串ものは、料理人が食べる順番を指定できる料理とも言われてますもんね。

 もつ焼きの味付けは、普通の塩・タレに加えて、この店ならではのニンニクだれがあって、Fさんのおすすめはニンニクだれ。とくに特シロは、絶対にニンニクだれが合うんだそうです。

 ところでこの特シロ。メニューには載っていない一品です。店の人によると、「ある時とない時があるので、メニューには載せてないんです」とのこと。聞いてみてあるようだったら、必食の一品です。

090228a 090228b 090228c
「わかば」 / ホッピー、酎ハイ、わかば(緑茶)割り / 煮込み

090228d 090228e 090228f
タンおろし / 特シロ(ニンニクだれ) / カシラ(ニンニクだれ)

店情報前回

《平成21(2009)年2月28日(土)の記録》

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〔コラム〕 「古典酒場 Vol.6」のご紹介

古典酒場 Vol.6

 現在発売中の「古典酒場 Vol.6」(税込980円)に、私もちらりと登場していますので、今回のコラムはその宣伝です。

 今号の第1特集は、山手線全駅(29駅)のおすすめ酒場を紹介するという「東京酔笑酒場決定版」。山手線を利用する人は多いけれど、すべての駅の近くの酒場を知っている人は少ないのではないかと思います。

 この号でも「居酒屋通ブログ五人衆よもやま話」に登場させていただいたのですが、その対談のテーマも「山手線沿線の古典酒場」。その5人の話でも、「どんな酒場あるか知らない駅も多いよねぇ」「山手線の中で、自分が使う一部の区間はわかるけど、全駅は知らないなぁ」といった声が多かったのです。

 その「東京酔笑酒場決定版」の冒頭で、美人編集長・倉嶋さんが、1日で山手線全29駅のハシゴ酒に挑戦。1駅1杯ずつ飲んでも29杯! どうなりますか。

 各駅で紹介されているお店は、以下の33軒です。

  東京: ふくべ
  有楽町: こうじ
  新橋: 大露路
  浜松町: まほろば
  田町: たけちゃん
  品川: まえちゃん
  大崎: 天志乃
  五反田: かね将、五幸
  目黒: 鎮海楼
  恵比寿: 田吾作
  渋谷: 富士屋本店鳥竹総本店
  原宿: あしどり
  代々木: 山崎製麺所
  新宿: 川太郎、ぼるが、ワールドワイド
  新大久保: 扇寿司
  高田馬場: 鳥やす本店
  目白: すみれ
  池袋: 千登利
  大塚: こなから
  巣鴨: 庚申酒場
  駒込: きんらん
  田端: 初恋屋
  西日暮里: 菊一
  日暮里: あさと
  鶯谷: 秀吉本店
  上野: 肉の大山
  御徒町: 池田屋
  秋葉原: 赤津加
  神田: 神田新八

 行ったことがない酒場や、知らなかった酒場も多いので、私もこれを見ながら行ってみるのが楽しみです。

 もうひとつ。これはすごいなぁ、という特集が、「古典酒場選 東京新三大煮込み探訪」。かつて太田和彦さんが提唱した、山利喜大はし岸田屋の東京三大煮込み。今回は、オリジナルの三大煮込みを探るべく、都内各店の煮込みが紹介されています。「東京煮込み横丁評判記」の坂崎重盛さんと、「モツ煮狂い」のクドウヒロミさんの対談もおもしろい。

 なぎら健壱さん安西水丸さん太田和彦さん坪内祐三さん、そして吉田類さんと続いてきたインタビュー。今回登場するのは、私が師と仰ぐ、元祖「居酒屋礼讃」の森下賢一さんです。

 今回は、「東京スカパラダイスオーケストラ」(←リンク先は音が出ます。)のベーシスト・川上つよしさんの「だから、僕は古典酒場へ行く。」というインタビューもあります。

 私自身は、「居酒屋通ブログ五人衆よもやま話」の他に、「ホッピー×お取寄せ酒肴座談会」にも登場させていただいています。

 人気の連載もの、「安西水丸の今夜も女将にほろ酔い酒」や、「成田一徹さん切り絵・商店街エレジー」、「大竹聡の萬相談診療所」、「美人利酒師 葉石かおりが案内する裏京都酒場」などももちろん載っています。

 そんなわけで、今までにも増して、ものすごく盛りだくさんの一冊に仕上がっているのでした。

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都立家政にやって来た … 活魚・うなぎ「鳥八(とりはち)」(都立家政)

刺身盛り合せ

 活魚の美味しさに引かれて大勢の常連客でにぎわう「鳥八」。その「鳥八」が、都立家政商店街に移転してきたという噂を聞きつけて、金曜日の帰り道、西武新宿線・都立家政(とりつかせい)駅で途中下車です。

 新しい「鳥八」は、駅から都立家政商店街を南下すること約5分(約300m)、右手角にありました。

 前の店が鷺ノ宮駅から徒歩15分ほど、都立家政駅からも徒歩17~8分ほどだったことを考えると、ものすごく便利になりました。(わが家からだと、前の店のほうが少し近かったのですが…。)

「こんばんは」と店内に入ると、

「あら、いらっしゃいませ」と迎えてくれる店主夫妻。いやぁ、ものすごく明るい店内で、おふたりのニコニコ笑顔も一段と輝いて見えますねぇ。

 ここにもともとあった店の内装を大幅に改装したという店内は、隅から隅までピカピカの新店舗です。机も椅子も、床も壁も、みな新しい。入口の左側にはL字カウンター8席ほど。そのカウンターの背後壁際に2人掛けのテーブルが2卓。そして入口の右手が、フローリングの座敷席1卓で、詰めれば8人くらいは座れそうです。けっこう高さのある座敷席は、下が収納スペースになっているんだそうです。

 金曜日、午後9時半過ぎのこの時間帯、先客は入口に入ってすぐのところのカウンター席で、うな重を食べている女性客お二人のみ。私はL字カウンターの一番奥のほうに座り、まずは瓶ビール(キリンラガー中瓶、500円)をもらって喉を潤すと、すぐに出されるお通しはメカブ酢です。

 メニューは、カウンター背後の壁にあります。

 飲み物や、いつもある定番のものは短冊メニューです。その短冊メニューは、お刺身もり合せ1,200円、国産うなぎ蒲焼(大串)1,500円、うな重(吸物、お新香付き)1,800円、生ビール(アサヒスーパードライ)500円、ビール(中瓶)500円、冷酒(久保田千寿か越後杜氏)700円、お酒(松竹梅豪快)360円、かめ出し焼酎600円、ウーロンハイ450円、レモンサワー450円。

 日替りのものは、同じ壁にかけられている黒板に手書きされています。今日は、くじら刺1,000円、ほたて貝刺天然(大)880円、スミイカ刺850円、本生まぐろぶつ890円、しめさば850円、しじみ酒むし750円、まだい揚煮750円、さより唐揚700円、レバー砂肝ぴり辛炒め690円、かぶじゃこ炒め690円、げそきゅうぴり辛サラダ650円、にしん昆布巻600円、ぬた580円、花わさび580円、ハタハタ丸干焼500円、活サザエつぼ焼(大)950円、というのが黒板メニュー。

 そして、おそらくしばらくは出続ける季節ものだろうと思うのですが、半紙に手書きされたメニューが、黒板の下に張り出されています。こちらは、とり大根煮580円、うるめ丸干焼500円、焼とり1人前460円、菜の花辛子和え500円、山うど酢みそ500円、せりごま和え500円。焼とりもこのジャンルなんですね。

 どの料理も美味しそうですねぇ。迷ったときには盛り合せをいただきましょう。刺身の盛り合せは1,200円。天然真鯛(まだい)と〆鯖(しめさば)、そして鮪(まぐろ)の3点が、それぞれ3切れずつ美しく盛り付けられています。表の看板にも「活魚・うなぎ 鳥八」とあるとおり、活魚はこの店の看板メニュー。それぞれ素晴らしい魚を仕入れているのです。刺身が出たところで、飲み物も燗酒(豪快、360円)に切り換えます。

 以前の「鳥八」は、カウンターの中の厨房スペースがとても狭くて、うなぎの寝床風だったのに、新しい「鳥八」はゆったりと広い。それなのに、店主と奥さんとがぶつかりそうになったりするのが面白い。

「まだ新しい店に慣れなくて」とお二人。この厨房で毎日毎日、何年も過ごすうちに、自然と効率のいい動線ができあがっていくんでしょうね。

 女性二人連れが席を立ったかと思うと、入れ替わるように6人連れくらいのお客さん。どうやら前の「鳥八」の常連さんたちのようです。こっちに移転しても、ちゃんと店を追いかけて来てくれるんですねぇ。

 刺身のあとは、花わさび、イカぬた、カブ漬物などをいただいて、ちょうど日付けが変わる午前0時までの滞在。今日のお勘定は2,300円でした。

 都立家政には「竹よし」、「魚がし寿司」、「おいらせ」に、ここ「鳥八」も加わって、美味しい魚がリーズナブルに食べられる、いい地域になってきましたねぇ。

090227a 090227b 090227c
天然真鯛 / しめさば / まぐろ

090227d 090227e 090227f
お通しのメカブ酢 / 店内の様子 / 燗酒「豪快」

090227g 090227h 090227i
花わさび / イカぬた / カブ漬物

店情報前回

《平成21(2009)年2月27日(金)の記録》

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名物は純レバとニコ玉 … もつ焼き「三徳(さんとく)」(森下)

ニコ玉

 かぶきさんにご紹介いただく2軒目は、西大島から都営地下鉄新宿線で3駅、森下にあるもつ焼きの「三徳」です。ここ「三徳」にも、お仕事帰りにやってくることが多いのだそうです。

「近くに常盤湯という古い銭湯があって、そこに入ってからこの店にやってくるんですよ」

 昭和13年生まれだというおばちゃん(女将)と、その息子さん、そして息子さんの友人の3人で切り盛りする店内は、大衆酒場兼大衆食堂で、定食も扱っていることもあって、家族連れのお客さんもいらっしゃいます。店内にはいかにも居心地の良さそうな、ゆる~い空気が流れています。

 いつもは川えび唐揚(350円)などをつまみながら、ビール(大瓶、酎ハイ(330円)で銭湯上がりの身体を冷ますことが多いというかぶきさんですが、今日は「この2品がツートップの名物です」という純レバ(500円)とニコ玉(580円)からスタートです。

 純レバというのは鶏モツを、もつ焼きのタレで煮たもので、かぶきさんが「これにはビールなんですよ」と言うとおり、甘くて濃厚な味付けがビールにぴったり。ごはんの上にのっけても美味しそうです。浅草あたりで生まれた料理なんだそうで、ごはんに合うと思ったとおり、純レバ丼という食べ方のお店が多いのだとか。これだけでビールがグイグイ進みますねぇ。純レバは、このあたりでは比較的一般的なメニューなんだそうで、ラーメン屋などにも置いているところがあるそうです。

 ニコ玉は、玉子入りのもつ煮込みのことですが、小さな土鍋で仕上げられる煮込みに、最後にポトンと生卵を落としたもので、半熟の目玉焼きくらいの状態で、グツグツと煮えたぎりながら出されるのが特徴的です。この半熟をプツンとつぶして、七味唐辛子をたっぷりとかけていただくと、もつのコクに玉子のコクが絡まって最高の味わいです。このニコ玉には酎ハイですね。この店には、プレーン(無色透明)でレモンスライスが入った普通の酎ハイ(330円)と、「天羽(てんば)の梅」が入って薄褐色の下町ハイボール(350円)の2種類があります。

「ここにも一人で来ることが多いので、煮込みか焼き物かどちらかをたのむんですよ。焼き物をたのむときは、ツクネは絶対にたのみます。塩にするかタレにするかいつも迷うんですよ」

 今日は人数も(8人と)多いので、1人前5本で550円という、もつ焼きミックスの塩とタレとで、それぞれ1人前+ツクネ(1本150円)を1本ずつ追加でいただくと、つくねの中にはニンニクやニラもたっぷりと入っていて美味しいこと! すぐにツクネだけをタレと塩とで2本ずつ追加します。

「もつ焼き屋と言いつつも、いろんな料理メニューがあって、バランスがいいんですよ。このあたりで揚げ物を出してくれる店は少ないので、揚げ物が食べたくなったらよく来るんです」

 それじゃ、その焼き物も、ということでチーズ揚げ(380円)やグラタンコロッケ(550円)、さらにはかぶきさんがよく注文するという川えび唐揚(350円)もいただきます。

 ここもまた、8人で、ひとり当たり2千円程度ずつのお勘定でした。

 森下には「山利喜」や「魚三 常盤店」など、込みあっている多いのですが、ここ「三徳」はゆっくりとくつろぐことができそうです。

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「三徳」 / 下町酎ハイと酎ハイなど / にこ玉

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純レバ / ミックス+つくね(塩) / ミックス+つくね(タレ)

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チーズ揚げ / グラタンコロッケ / 川えび唐揚

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ポテトサラダ / つくね(タレ) / つくね(塩)

店情報

《平成21(2009)年2月21日(土)の記録》

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店情報: もつ焼き「三徳(さんとく)」(森下)

    090221z2
  • 店名: 大衆酒場・御食事処「三徳」
  • 電話: 03-3631-9503
  • 住所: 135-0006 東京都江東区常盤2-11-1
  • 営業: 12:00-13:00 & 17:00-24:00(日祝は -22:00)、第1・3・5日(奇数の日曜)休
  • 場所: 地下鉄・森下駅A7出口を出て右へ(清澄通りを門前仲町方面に南下)3ブロック(約200m)ほど進み、常盤・高橋信号交差点(左向こうがファミリーマート)を右折し、2ブロック(約100m)先の右手。A7出口から徒歩約5分。
  • メモ: カウンター6席、テーブル6席×3卓、座敷4席×4卓の計40席。予約可。この店の前身となる店を手伝っていた現・女将(昭和13年生まれ)が、昭和56(1981)年に居抜きで買い取って、現在の「三徳」が創業。以来、女将さんと息子、息子の友人の3人で店を切り盛り。
    純レバ500、レバフライ550、ポテトサラダ300、オムソバ680、焼ソバ650、生ハムのイタリアS580、ナス焼380、鳥ナンコツ唐揚380、鳥ササミとオクラの梅肉和え550、アスパラベーコン450、鮟鱇肝(あんきも)550、煮こごり450。
    もつ焼き(タン、ハツ、レバ、カシラ、ナンコツ、シロ、コブクロ)1本110、ミックス1人前5本550、やきとり1本110、特製つくね(肉だんご)1本150、手羽先1本300。〔もつ刺身〕レバ刺身500、ガツ刺身500、玉刺身650。
    〔飲み物〕酎ハイ330、ライムハイ330、焼酎350~、お酒1合320、大徳利2合580、ビール(大)550、ジュース各種250。〔一品料理〕お新香450、中華サラダ500、おにおんスライス300、しらすおろし350、冷やっこ300、冷しトマト300、厚あげ380、コーンバター380、じゃがバター350、ハムサラダ500、野菜いため580、月見350、山いも千切り350、マグロぶつ500、山かけ550、肉野菜いため600、豚しょうが焼600、中華風やっこ480、梅きゅう450。〔煮物〕三徳特製もつ煮込み480、にこ玉580、さばみそ煮500。〔魚類〕いかげそ焼300、えいひれ500、ししゃも400、いか丸焼600、明太子450。〔揚げ物〕川えび唐揚350、いかげそ唐揚380、あじフライ500、串かつ500、ハムかつ500、鳥の唐揚500、チーズ揚げ380、グラタンコロッケ550。〔その他〕お通し100、おにぎり(各種)、お茶漬(各種)500~。
    〔定食〕とろろ定食630、メンチ定食700、あじフライ定食680、目玉焼定食630、さばみそ定食680、野菜いため定食680、肉野菜いため定食700、豚しょうが焼定食700、ハムかつ定食660、煮込み定食680、ミックスフライ定食700、ハムエッグ定食680。〔昼食一品料理〕お新香380、冷やっこ300、しらすおろし350、生タマゴ50、ビール530。(2009年2月調べ)

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常連さんに連れられて … もつ焼き「こん平(こんぺい)」(西大島)

もつ刺し盛り合せ

 大常連のかぶきさんに連れてきていただいて、西大島の「こん平」です。

 「こん平」は、店主・金野悟(こんの・さとる)さんが平成3(1991)年10月に、この地で創業。今年で創業18年になるもつ焼き屋です。

 かぶきさんは、同じ年の4月に就職のため上京。この店にはその半年後、開店3日目にやってきて、それ以来、通い続けているのだそうです。この店の各テーブルに置かれているメニューもかぶきさんが作っているというほどの常連さん度合いです。

「この店で初めてもつの刺身を食べたので、もつの刺身はこんなもんだと思ってたんですよ。その後、ほかの店でもつの刺身を食べたときに、「こん平」のもつ刺身はものすごく美味いんだと気がつきました」

 そう話してくれるもつ刺盛り合せ(1,100円)は、豚のタン、ハツ、ガツ、コブクロ、ホーデンと、牛のレバを1皿に盛り合せたもので、ひとりでこれを注文すると、これだけでもう満腹になってしまうほどのボリュームです。かぶきさんもおっしゃっているとおり、その鮮度は抜群で、下ごしらえの仕方もいいのか、今日のように、もつの仕込みのない土曜日であっても臭みはまったく感じず、いくらでも食べられます。

 1杯目の飲み物として、ほとんどの人が注文するのが「お一人様一杯限り」の、おつかれ生ビール(グラスで250円)。最初の1杯、クイッとビールで喉を潤したいときにちょうどいい量のビールなのです。ちなみに普通の生ビールは500円です。2杯め以降は、下町らしく酎ハイ(320円)が人気。最近になってホッピー(セット420円、なか210円、そと270円)も扱い始めたそうです。

 かぶきさんは、いつもは仕事が終わった午後10時ごろに、ひとりでふらりとやって来ることが多いんだそうで、カウンター席の奥のほうに座って、まずはおつかれ生ビール(250円)と(刺身盛り合せだと多すぎるので)タン刺(400円)から入って、酎ハイ(320円)か生レモンハイ(370円)に切り替えて、焼き物を3~4本程度食べて帰ることが多いとのこと。焼き物のおすすめは、カシラ塩(120円)、ニンニクはさみ塩(150円)、ツクネたれ(180円)など。

 ニンニクはさみというのは、鶏の正肉とニンニクを交互に串に刺して焼いたもの。常連さんたちは“ニンバサ”と略して呼びます。自家製のツクネは、小さなハンバーグのような形に整形したツクネを2個、間にネギをはさんで焼き上げてくれます。

 他にはカシラをニンニク醤油で漬け込んだ特製スタミナ焼き(220円)や、さつま揚げを串に刺して炙った辛口さつま揚げ(140円)、野菜さつま揚げ(140円)なども、この店独自のおすすめの品。7種類1,250円、9種類1,750円、もつ焼き10本セット1,150円、野菜焼き盛り合せ650円といった、焼き物のセットメニューもあります。

「ネットや雑誌で、もつ刺しが取り上げられることが多いので、もつ刺し盛り合せを注文される方が多いんですが、もつ焼きも創業当時からの自慢の味。ぜひ食べてくださいね」

 と話してくれる店主に、かぶきさんも、

「いつ来てもレベルが安定しているのが、この店のいいところです。もつ焼き以外の魚介類や野菜類などのメニューも多くて、何をたのんでもはずれはありません」

 と、この店に通い続けている魅力を教えてくれます。このところ、いろんな店の常連さんにお話を伺う機会が多いのですが、「仕入れ、仕込み、焼きのレベルの安定」ということがその店に通う理由になっていることが多いようです。いつ行っても一定以上のレベルのものが食べられるということが大切なことなんですね。

「営業時間中は、店員は一所懸命働いていますので、あまり声をかけないでくださいね」

 店主からそんなお願いが出るほど、店を手伝っている女性がかわいいということも、この店の特長のひとつでしょうか。みなさんくれぐれも彼女の仕事の邪魔をしないように!

 今日は、かぶきさん、にくきゅうさん、チャーリーさんの他、「居酒屋ジャンキー」のジャンキーさん&マーブルさんご夫妻など、8人で2階の座敷席で楽しんで、お勘定は15,790円(ひとり平均2千円弱)でした。どうもごちそうさま。

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今日のホワイトボード / 1階カウンター席 / おつかれ生ビールと酎ハイ

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ポテトサラダ / 特製スタミナ焼き / もつ煮込み

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辛口さつまと野菜さつま / カシラ、ハツ、タン(塩) / レバ、シロ(たれ)

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ニンニクはさみとトマト串 / タン刺 / レバ、自家製つくね(たれ)

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サービスのキャベツ千切り / センマイ刺 / ナムル風小松菜、ブロッコリーなど

店情報前回

《平成21(2009)年2月21日(土)の記録》

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〔コラム〕 「古典酒場ほろ酔いと~く」の御礼

恵比寿「たつや」で収録中

 3月14日(土)、第3回目となる「古典酒場ほろ酔いと~く」が、市ヶ谷の「ハーミテイジきくや」で開催されました。大勢のみなさんにご参加いただき、本当にありがとうございました。

 今回のトークイベントは、去る2月27日(金)に発売された古典酒場シリーズ第6弾となる、「古典酒場 Vol.6 山手線沿線編」の発売に合わせて開催されたもので、第1回目が午後3時から5時、第2回目が午後6時から8時の2回。各回40名ずつのみなさんにご参加いただきました。

 出演者は、第2回のときと同じく、作家で雑誌編集者(ご趣味はランニングと大衆酒場巡り)の渋谷和宏(しぶや・かずひろ)さん、ホッピービバレッジ株式会社取締役副社長のホッピーミ~ナこと石渡美奈(いしわたり・みな)さん、古典酒場編集長の倉嶋紀和子(くらしま・きわこ)さんと、私の4人。

 今回のイベントの目玉は、出演者おすすめの店のビデオ紹介で、4人で各お店を回って、その様子を事前に収録いたしました。どのお店を巡ったかは、古典酒場編集長のブログに掲載されていますので、そちらもご覧くださいね。

 私自身は、都内では赤羽の「まるます家」と、恵比寿の「たつや」の2軒をご紹介。昼間の収録なので、昼間でも飲める名店を選択いたしました。「まるます家」のスッポン鍋と、「たつや」のガツ刺しは特におすすめです。

 横浜は、横浜駅近くの「豚の味珍(まいちん)」と、野毛の「焼肉大衆」、「ホッピー仙人」、「福田フライ」、そして中華の「第一亭」と、ひと晩で5軒のハシゴ取材を敢行。本当は「栄屋酒場」にも行きたかったのですが、時間切れのため、今回は行けませんでした。残念!

 「焼肉大衆」と「福田フライ」は、基本的に取材お断りのお店なのですが、今回はなんとか収録させていただくことができて、とてもありがたかったです。

 出演者の渋谷さんは、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にも載っているとおり、昼間の顔は日経BP社のベンチャー・サービス局長さん。お仕事柄、経済界の要人のみなさんとの交流も多い生活ですが、夜ともなると、ご自身のことを「シブチンと呼んで~!」と口走るほど愉快な呑ん兵衛さんに大変身。「糖分がないから、いくらでも飲める」と、ホッピーをこよなく愛飲されていて、出張にもキンミヤ焼酎と瓶入りホッピーを何本か持参されるほどのホッピーファンなのです。

 ホッピーミ~ナさんは、ご自身でも書かれているとおり、まさにいつも元気いっぱいな「お騒がせ、空飛ぶ看板娘」。「古典酒場」の対談や、今回の収録、さらにはトークイベントの運営などに大活躍してくださる、ホッピービバレッジの社員のみなさんも、それぞれがまた元気いっぱいで、見ていてとても気持ちがいい。特に今回の収録では、入社1年目の広報担当・カレラさん(通称・オタマイクさん)にも大活躍していただき、イベント後のサイン会のときには、カレラさんのサインも大人気でした。

 美人編集長・倉嶋さんは、いつもニコニコと美味しそうにお酒を飲まれます。古典酒場シリーズの取材で、首都圏の酒場を相当飲み歩いていらっしゃるにもかかわらず、酒場の知識をひけらかしたり、酒肴の薀蓄(うんちく)を語ったりすることは一切ありません。今いるこの店を一所懸命、全身で楽しまれる様子は、一緒にいて、こちらもすごく楽しくなります。私もこの姿勢を見習わなきゃと、ご一緒させていただくたびに思っているような次第です。

 そして、このお三方に共通するのは、表裏がまったくないこと。トークイベントでみなさんの前にいるときも、事前打ち合わせや、1回目と2回目の間の休憩で控え室にいるときも、少しも様子は変わりません。いつも楽しく元気よく、常に前向き(アグレッシブ)なのです。控え室でも、ちっとも休憩しないで、4人+カレラさんたちホッピービバレッジのみなさんで大笑いしながら飲み続けている様子も、ぜひみなさんに見ていただきたいくらいでした。

 今回は、私が欲張ってたくさんのお店をビデオ収録していただいたために、それだけで時間いっぱいになってしまい、会場のみなさんから質疑応答の時間が取れなくなってしまいました。ちょっと反省しております。

 次回はまた、今回よりもよりパワーアップしたイベントを企画していただけることと思います。第6号の古典酒場が出たばかりではありますが、早くも第7号が楽しみですね。

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〔コラム〕 新しい単身赴任寮の食事

寮から見える富士山

 3月に引っ越した丘の上の新しい(建物は古い)単身赴任寮から“みなとみらい”が見えることは少し前のコラムでご紹介しましたが、その逆方向には、なんと富士山が見えるのです。東京と横浜。30キロほどしか離れていないのに、横浜から見る富士山は大きいですよねぇ。

 新しい単身赴任寮はまかない付きで、前のコラムでもそのボリュームがすごいということをご紹介しましたが、その後もその状況は続いています。

3月11日(水)夕食
身の分厚い太刀魚(たちうお)の焼き魚に、鶏の唐揚げ、そしてハムサラダ。
唐揚げとサラダでビールを飲んで、燗酒に切り替えて太刀魚といきたいですねぇ。
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じゃこ天とコーンサラダ、ひじきの炒め煮に、納豆か生卵かが選べるので納豆を選択。
朝ごはんのおかずは、燗酒にもぴったりなのです。キューッといきたくなる朝ごはんです。
3月12日(木)夕食
うなぎの蒲焼に、水餃子、牛スジの煮込み。
ビールで水餃子。焼酎に切り替えて牛スジ煮込みを食べて、仕上げに、ごはんに蒲焼をのっけて、うな丼かな。
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鯖(さば)の塩焼に、昆布の佃煮、味付け海苔、冷奴。
うーむ。どれをとっても、燗酒以外に考えられない。
3月16日(月)夕食
トンカツとカレールーに、杏仁豆腐。
全部をごはんにのっければ、カツカレーになるところを、ばらばらに出してくれるとことがいいですねぇ。それぞれビールかホッピーのつまみになりそうです。
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S1090035 3月17日(火)朝食
塩鮭とかまぼこ、焼きなす、昆布。
朝ごはんのおかずは、やっぱり燗酒だなぁ。
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鯵(あじ)の干物、長崎天ぷら、冷奴、蓮根のきんぴら。
今日の朝食は、芋焼酎の湯割りでもおいしそうだ。
3月18日(水)夕食
海老天うどん、水餃子、クラゲとキュウリの和え物、バナナ。
そろそろ麺類が食べたいなぁ、という頃合いで、うどんが出ました。でも、水餃子も、ごはんもあるのがおもしろいですよねぇ。
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S1090179 3月19日(木)朝食
ハムエッグ、鯖(さば)塩焼、かまぼこ、味付け海苔。
今日は絵に描いたような、日本の朝ごはんらしい朝ごはんです。

 まだ部屋の片付けなどがあるので、“夕食で飲む”というのは実現できていません(飲みに行くことすらあまりできていません)が、どのおかずも、しっかりとつまみになりそうなので、もうちょっとしたら晩酌をしながら楽しみたいですね。

 梅干が、「ご自由にどうぞ」といった感じで置かれているので、いつもごはんの上に1個のっけているのでした。他にもふりかけや、お茶漬けの素が置かれていて、ごはんのかわりにお茶漬けをサラサラと食べている人もいます。おかずで飲んだ後に、お茶漬けでしめるのもいいかもね。

 いずれにしてもボリュームたっぷりなので、体重増加が怖い今日この頃です。(貧乏性なので、出されたものは残さず全部いただいてしまうのでした。)

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ハムとメンチの盛合せ … 大衆酒場「大露路(おおろじ)」(新橋)

ハムメン

 都内での仕事を終えて、やってきたのは新橋の大衆酒場「大露路」です。店に着いたのは午後4時45分。この時間ならまだ入れるかな。(ちなみに「大露路」の開店時刻は午後4時です。)

 ガラリ、と入口引き戸を開けて店内に入ると、右手に6人掛けテーブルが2卓、左手に8人掛けテーブルが2卓の、合わせて28人分の店内には、すでに手前側の左右のテーブルにはお客さんが入っており、奥側の左右2卓が空いている状態。左側の8人掛けにはお通しやコップが用意されていて、予約席の様子。本当に空いているのは右奥の6人掛けだけのようです。(予約もできるんですね! はじめて知りました。)

「いらっしゃいませ」と迎えてくれた女将さんが、予想どおりその右奥のテーブルを指し示してくれます。

 この店は、基本的には飲み物も食べ物もすべて300円均一。300円じゃないのはビール類だけです。そのビール類は、大瓶ビールが550円、小瓶のビールが330円、黒ビール(小瓶)が350円、そして生ビールが450円。大瓶ビール(キリンラガー、550円)をもらうと、お通しとして、小皿に盛られたマグロの煮物が出されます。

 ビールのつまみには、名物のハムフライ(300円)をもらおうかなと、女将さんに注文すると、「ハムフライは1人前が2個なんですが、そのうち1つをメンチにすることもできますよ」とのこと。さっそくそれをお願いすると、奥の厨房に向かって「ハムメンひとつね!」と注文を通す女将さん。なるほど。一皿にハムとメンチを盛り合わせたものは“ハムメン”という符丁なんですね。

 奥の厨房では、若い男女ふたりが働いています。ホールを女将さんが、厨房を若い手伝いの人たちが担当しているんですね。

 出てきたハムメンは、できたての熱々にソースがたっぷりとかけられて、いかにも美味しそう。ハムフライはあらかじめ4等分されていますが、ほぼ同じ大きさのメンチは丸のまま。何人かで行った場合には、「切ってください」とお願いすると、そのお皿の上で、女将さんがナイフで切り分けてくれます。

 ここは300円均一という値段ながら、一品一品がボリュームたっぷりで、しかも味がいいのが人気の理由。

 しかも、その300円均一の料理メニューが、まぐろさし、めんたいこ、あんきも、牛たたき、小あじ唐揚、まぐろ納豆、くじらベーコン、なまこ酢、〆さば、うど酢ミソ、わけぎぬた、焼〆さば、ピーマン肉炒め、鮭かま焼、なの花、ししゃも子、メンチ、なす油ミソ、ニラ玉、山芋千切り、あつあげ、オムレツ、ベーコンエッグ、セロリ、ゴーヤ炒め、ハムフライ、ホルモン炒め、まぐろステーキ、肉やさい炒め、串かつ、ニラレバ炒め、いか下足焼、冷しとまと、いかわたホイル焼、しいたけバタ、新じゃが煮、煮こみ、こまい、ポテトサラダ、赤魚かす漬、かきフライ、ウィンナ炒め、豚肉しょうが焼、アスパラベーコン、いかバタ、ぶり大根、おでん、はまぐり酒むし、ぎんなん、青菜煮びたし、ほっけ塩焼、さつまあげ、焼そば、焼うどん、焼ビーフンと、なんと55品も並んでいるというんだから、素晴らしいではありませんか。

 シメサバやベーコンエッグ、ニラレバ炒め、かきフライなどにも引かれながら、けっきょく注文したのは、おでん(300円)です。

 おでんの注文に合わせて、燗酒(千福、300円)をもらうと、受け皿なしのコップに、ぴったりと表面張力までお酒を注いでくれます。

 そして出てきたおでんは、300円という値段ながら、大根、コンニャク、玉子、さつま揚げ、ちくわ、焼き豆腐、昆布の、なんと7点盛り! こりゃまたすごいなぁ。

 1時間ちょっとの滞在で、今日のお勘定は1,500円。ということはお通しは50円なのかな。思いっきり満腹になって店をあとにしたのでした。

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「大露路」 / お通しと大瓶ビール / 店内の短冊メニュー

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ハムメンの断面 / 千福・燗酒 / おでん

店情報前回

《平成21(2009)年2月16日(月)の記録》

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なんと立派な落穂かな … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

刺身盛り合せ

 わが家のすぐ近くにある、魚料理と天ぷらの「竹よし」では、毎月第2土曜日は予約制(ひとり5千円)の食事会の日。事前に選ばれたテーマ食材を、いろんな料理で食べさせてくれて、店内にあるお酒も飲み放題となるのです。

 昨夜開催された平成21(2009)年2月の食事会のテーマは鯛(たい)と平目(ひらめ)。う~む。まるで竜宮城で舞い踊るような組み合わせですねぇ。鯛は、シャブシャブと、その後の雑炊、さらにはカブト煮で、そして平目は刺身とアラ煮で出されたのだそうです。

 その他に、サブ食材として、車海老とトコブシも登場。車海老は姿焼きと天ぷらで、そしてトコブシは酒蒸しで出されたというから贅沢ではありませんか。

 私も以前はよく食事会に参加していたのですが、私自身の飲み特性として、大勢で飲んでいると、つい会話に夢中になってしまって、じっくりと料理を味わうことができなくなってしまうのです。そこで、夕食会翌日の日曜日に「竹よし」にやってきて、昨日の名残(なごり)の料理をいただくようにしたのでした。

 この夕食会翌日の楽しみを、常連さんたちは「落穂(おちぼ)拾い」と呼んでおもしろがっていたのですが、ときとして落穂がない(食事会ですっかり食べきってしまった)日もあったのでした。

 最近は、店主が落穂の量まで見通して仕入れてくれているため、ほとんどの場合は落穂とは言えないほどの立派な料理が用意されています。

 今日もホワイトボードには、活〆真鯛刺身(700円)や、活〆平目刺身(800円)、真鯛カブト酒蒸し、トコブシはステーキか酒蒸し(各850円)、大車海老は天ぷらか姿焼き(650円)といった品々が並んでいます。

 うーむ。鯛も食べたいし、平目も食べたいし。迷ったときには刺身の盛り合せ(1,000円)にしましょう。

 今日の盛り合せは、左端に鎮座した赤エビを皮切りに、時計回りに真鯛、まぐろ、平目、平目の縁側(えんがわ)、ブリ腹身、真鯛の松皮造りと、普段は五点盛りのところ、今日は特別サービスの六点盛り。そのうち4点が真鯛と平目というのがうれしいではありませんか。

 合わせていただく飲み物は、菊正宗の燗酒(350円)です。

 「竹よし」には純米酒や吟醸酒などの地酒も、それぞれ1合500円~700円というリーズナブルな値段でそろっているのですが、個人的に本醸造の燗酒が好みなので、菊正宗の燗酒をいただくことが多いのでした。

 刺身に続いては平目のあら煮。尻尾あたりの骨際(ほねぎわ)の身が美味しいこと。

 となりの常連さんは、メニューにはステーキか酒蒸し(各850円)となっているトコブシを刺身で注文。平貝の刺身と同じように、肝の部分は蒸して、別の小皿で出してくれるのがうれしいですよね。横からちょっとつつかせていただきました。

 最後はイワシすり身・野菜汁(600円)でしめて終了。日曜日の開店時刻(午後5時)から、3時間半も長居をして、今日のお勘定は3,700円でした。あぁ~、満足。どうもごちそうさま。

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「竹よし」 / お通しは肉じゃが / 菊正宗の燗酒

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とこぶし刺身 / とこぶし肝蒸し / 車海老と山菜の天ぷら

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平目あら煮 / 明太茶漬 / イワシすり身・野菜汁

店情報前回

《平成21(2009)年2月15日(日)の記録》

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酒場としても楽しめる … イタリア料理「洋食堂(ようしょくどう)」(北千住)

ミックスパエリア(大)

 「藤や」を出ると目の前が、割烹くずしの立ち飲み「徳多和良(とくだわら)」。先ほど来るときに見たときは、立ち飲みなのに、もう立錐の余地もないほどの満席状態だったのですが、今(午後8時40分)はもう売り切れで終了状態ながら、まだまだ店内には大勢のお客さんがいます。

 窓のところから「徳多和良」のご主人に、「今度また寄らせていただきますねー!」とご挨拶して、「藤や」と「徳多和良」のある路地をそのまま南下すると、その路地の右手にあるのが、昨(2008)年9月にオープンしたイタリア料理の「洋食堂」です。

「前に徳多和良に入れなかったときに、ここに入ったらワインとパエリアが美味しかったんですよ。ちょっと寄ってみましょうか」

 と「酔わせて下町」のFさん。「酔わせて下町」の中では、もつ焼き屋や下町大衆酒場が中心的に描かれていますが、実際のFさんは、こうやってイタリアンを食べてワインを飲んだり、お好み焼きを食べたりするのも面白いですよねぇ。

 店の前には手書きのおすすめメニューが出されていて、カポナータ(500円)、合鴨スモーク(500円)、スペインオムレツ(500円)、パングラタン(400円)、ミートドリア(500円)、ミックスパエリア(小)(500円)、牛バラ肉の煮込みパスタ(1,000円)、温玉カルボナーラ(1,000円)、ホタテバター焼き(650円)、フォアグラのソテー(950円)といった品々が書き出されています。

 グラスワインは赤も白も1杯が500円。なるほど。この値段だと、イタリア料理店ながら、酒場風に楽しむことができそうです。

 手書きメニューの中にも「まずはオツカレで生ビール。そして生ハムを食べながら、ワインを1ッパイ。小腹が減ったのでパエリア(小)を食べても、2,000円!!」なんて、おすすめの食べ方まで出ています。

「ノーチャージ、お通しなし。お食事のみのお客様、歓迎」なんて書かれているところも、逆に「おぉ、呑ん兵衛も入って大丈夫なんだ」という安心感を醸し出したりしています。

 さっそく店内に入ってみると、L字カウンターのみ10席ほどの店内には、家族連れや、若いカップル、ご夫婦らしき中年の男女など、さまざまな客層がの方々がいらっしゃいます。こうやって客層が広いお店は、なんだか安心できますよね。

 店内のお客さんたちがギュギュギュッと詰め合わせてくれて、我われ4人もカウンターの一角に並んで座ることができました。

 さっそくグラスワイン(500円)をもらったり、ハートランドのビール(500円)をもらったり、ずらりと並んだカクテルの中からレッドアイ(600円)をもらったりと、各自、思い思いの飲み物をもらって乾杯です。この飲み物の種類の多さも、呑ん兵衛にとってはありがたいですねぇ。

 つまみにはFさんおすすめのミックスパエリアを大(900円)のほうで注文し、合わせてスペインオムレツ(500円)もいただきます。

 この店の店主兼シェフが、暴れん坊将軍・松平健を若くしたような、いい男なのです。美人女将の店もいいですが、いい男ががんばって料理をしている姿も絵になりますよね。

 またゆっくりと飲みに来てみたいお店でした。

 午後10時過ぎに「洋食堂」を出て、ひとり、またひとりと同行者たちと別れながら、ひとりで鷺ノ宮駅に到着したのは午後11時前。まだぎりぎり「ペルル」の営業時間に間に合うかな。最後に1杯、ウイスキーの水割りをいただいて帰りましょう。

 土曜日にも「ペルル」を手伝っている、新・木曜姫のトコちゃんが、「はい、これどうぞ。浜田さんだけにっ!」と笑いながら、カウンターに座っているみなさんの目の前に置かれているのと同じチョコレートを手渡してくれます。おぉ、そうだった。今日はバレンタイン・デーでしたねぇ。いやいや、今日もよく飲んだ1日でした。

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カウンター内の厨房 / スペインオムレツ / 「ペルル」の水割り

・「洋食堂」の店情報

《平成21(2009)年2月14日(土)の記録》

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店情報: イタリア料理「洋食堂(ようしょくどう)」(北千住)

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  • 店名: イタリア料理「洋食堂」
  • 電話: 03-3882-7433
  • 住所: 120-0034 東京都足立区千住2-10-9
  • 営業: 12:00-14:00 & 18:00-24:00、月休
  • 場所: 「藤や」や「徳多和良」がある通りの南側。(「藤や」を左に、「徳多和良」を右に見て、まっすぐ道成りに進んだ先、右手。)
  • メモ: 平成20(2008)年9月オープン。〔前菜〕カポナータ300、ポテトサラダ300、温玉シーザーサラダ600、ハモンセラーノ(生ハム)500、エビのガーリックオイル煮(パン付き)800、スペインオムレツ500、自家製ピクルス500、オリーブ盛り合わせ500、チーズの盛り合わせ600、アサリのワイン蒸し600。〔肉料理〕若鶏の香草パン粉焼き900、牛スジ入りハンバーグ900、自家製スモーク豚1,000。〔ごはん物〕ライス250、パン200、ガーリックトースト250、ピザトースト350、ミートドリア500、ミックスパエリア(小)500、(大)900。〔パスタ〕ペペロンチーノ850、魚介のペペロンチーノ1,000、ハモンセラーノ・ペペロンチーノ1,600、ボンゴレパスタ900、野菜のトマトパスタ900、キノコとベーコンのトマトパスタ900、モッツァレラチーズのトマトパスタ1,000、温玉カルボナーラ1,000、牛バラ肉の煮込みパスタ1,000。おまかせコース(前菜、サラダ、お魚、お肉、デザート)3,000~。〔飲み物〕生ビール(キリンラガー)500、キリンハートランド500、エビスビール600、レッドアイ600、シャンディーガフ600、ブラッディーメアリー600、ジントニック600、ジンリッキー600、ウォッカトニック600、モスコミュール600、スクリュードライバー600、カンパリソーダ600、カンパリオレンジ600、グラスワイン(赤・白)500、トーレ・デ・パレーダ・テンプラニージョ700。〔ソフトドリンク〕コーラ300、ジンジャーエール300、トマトジュース300、オレンジジュース300、ウーロン茶300。〔ハーフボトル〕ジネステ・ダム・ド・フランス(赤・白)2,100、ボッラ・ソアーヴェ・クラシコ(白)2,400、ボッラ・ヴァルポリチェラ・クラシコ(赤)2,400。〔ボトル:白ワイン〕テレサリッジ・ピノ・ビアンコ3,500、トレッビアーノ・ディ・ロマーニャ3,500。〔ボトル:赤ワイン〕テレサリッジ・メルロー3,500、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ3,500、エストーラ・レセルバ4,500、プルゴ・ビエホ・レセルバ8,000。(2009年2月調べ)

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趣味が高じて本業に!? … もつ煮込み「藤や(ふじや)」(北千住)

牛もつ煮込み

 「酔わせて下町」のFさんとまわる3軒目は、北千住に移動して牛もつ煮込みの「藤や」です。

 ここは串に刺した煮込みが食べられるお店。もともとは煮込みもこうやって串に刺したスタイルからはじまったらしいのですが、今や串に刺していない煮込みのほうが主流ですよね。

 串に刺した煮込みが残っているのは、私が知っている範囲では、ここ「藤や」のほかに、門前仲町の「大坂屋」、町屋の「小林」、勝どきの「千福」、三ノ輪の「弁慶」に、銀座の「ささもと」、北千住の「ささや」くらいでしょうか。

「さっきお客さんがドーンと来たから、今日はもうほとんど残ってないわよぉ」とママさん(店主の奥さん)。たしかに。カウンターの中に据えられた煮込み鍋には、もうほとんど煮込みは残っていません。

 この店の煮込みは1本100円で、スジ、フワ、ハチノス、ハツモトに、コンニャクと玉子。隠し味的に入れられているニンニクも人気があるのだそうです。

「この鍋は、見たら分かるでしょう。天ぷら鍋なのよ」

 な~るほど。言われてよく見てみれば、厚みのある銅製の天ぷら鍋です。このひと鍋に250本ほど入るんだとか。

「鉄の鍋だと、玉子が真っ黒になっちゃうからね。胴じゃないとだめなのよ。味付けは八丁味噌だけ。2種類(味を出す八丁味噌と香りを出す八丁味噌)ブレンドして、他に入れてるのはニンニクとショウガくらいかな。一番たくさん食べたの人は、100本食べたわよ。次点は78本かな。101本以上食べたら新記録よ。どう?」

 さすがに100本は食べられないよなぁ。飲み物は、この店の名物という焼酎(キンミヤ)のほうじ茶割りをいただきます。

 店内は手前のL字カウンター8席分程度と、奥の茶の間のような座敷にも8人ほど座れます。今も座敷席まで大勢のお客さんでにぎわっていますが、我われはそのちょっと前に店に入ることができたために、カウンターの鍋前に座ることができました。

「奥の座敷で、たとえば3~4人で食べるときには、別のお鍋に煮込みを入れて、お豆腐やお野菜なんかと一緒に入れて出すのよ。一番最後はおうどんも入れて美味しいわよ」

 そうかぁ。そう聞くと、奥の座敷もまたいいですねぇ。

 この店の創業は昭和51(1976)年。創業来33年を過ぎ、34年目の営業に入っているそうですが、きっかけは実はおじいちゃん(店主のお父さん)の趣味なんだそうです。飾り職人だったおじいちゃんは、煮込みを作るのが趣味で、ご近所にも配ったりしていたんだそうです。

 その頃、この家は、今の屋号と同じ「藤や」という名前の自転車屋さんだったんだそうですが、おばあちゃん(おじいちゃんの奥さん)が、これまた道楽で自転車屋さんの一角で、おじいちゃんの煮込みを売ったところ、これがもう行列ができるほどの大人気。1日に400本から500本くらい出るようになった。そこで自転車屋さんもやめて、家族みんなで煮込み屋をやるようになったんだそうです。

 その当時は煮込みのほかは、自家製のお新香と、トマトくらいしかなかったんだそうですが、お客さんたちの意見を聞いたりするうちに、黒板メニューも登場してきたんだそうです。

 たとえば今日の黒板メニューには、自家製塩辛(350円)、山うど(400円)、にこごり(400円)、自家製あんきも(500円)、正才ふぐ一夜干(450円)、カキ酢(500円)、岩のり(300円)、湯豆腐(450円)、キャベ玉(400円)など、25品ほどが並びます。そんな中から、若い人たちにも大人気という厚揚げステーキ(450円)をいただくと、ニンニク風味の焼きダレがうまいこと! 人気があるのがわかります。

 店が忙しくなってきて、店主も顔を出してくれますが、この65歳だという店主がまた、絶対にそのお年には見えないスリム&ダンディーで、ジーンズ姿も若々しくてびっくりです。

 ゆっくりと2時間ほど過ごして、お勘定は4人で8,000円(ひとりあたり2,000円)でした。どうもごちそうさま。

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「藤や」 / 八丈島のクサヤ / 厚揚げステーキ

店情報前回

《平成21(2009)年2月14日(土)の記録》

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〔コラム〕 春は悲しい別れの季節 … 「武蔵屋」(横浜市・野毛)

「武蔵屋」定番の五品

 春は転勤の季節。この転勤の季節に、酒場ファンには悲しい話題があります。

 横浜・野毛の「武蔵屋」で、お店のお手伝いをしていた宝塚風美女のアミちゃん。昨年11月に入籍されて、新妻になられてからもお店の手伝いにいらっしゃっていたのですが、なんと近々静岡に引っ越すことになったそうなのです。

 私が「武蔵屋」に初めてやって来たのが平成12(2000)年10月のこと。アミちゃんはその頃からいましたので、もう9年になるんですね。

「アミちゃんが、いろいろと手伝ってくれてたから、これからどうしようかと思ってるんですよ」

 おばちゃん(「武蔵屋」の女将さん)もそう話してくれるくらい、「武蔵屋」の看板娘的な存在になっていたアミちゃん。土瓶のお酒もアミちゃんが注いでくれることが多くなっていたほどです。

「アミちゃんファンのお客さんも多かったので、そのお客さんたちも悲しいと思いますが、一番悲しがるのはクロかしら…」

 「武蔵屋」には何匹かのネコが居ついているのですが、黒い大きなネコがクロです。今や威風堂々と、まるで「武蔵屋」の主(ぬし)のように振舞っているクロですが、最初に「武蔵屋」にやってきたときは、ほんとに小さくてかわいい仔猫で、アミちゃんの膝の上でじゃれるように甘えていたのです。

 このクロは、どうやらアミちゃんのことを母親のように思っているらしく、今でも、こんなに大きくなっているのに、店が閉まる時間帯になると、アミちゃんの膝に乗って甘えるのです。(その様子は過去の記事でもご紹介しています。)

 たしかに一番悲しむのはクロかもね。今日もベタベタとアミちゃんに甘えるクロ。もうすぐアミちゃんがいなくなることに気がついてるのかなぁ。

 野毛といえば、もうひとり忘れてはならないのが、「銀座とハマで飲んでます。」のハルさん。ハルさんも転勤で博多勤務になるかもしれないのだそうです。

 野毛が大好きで、ついには野毛に住むようになったハルさん。野毛に飲みにやって来ると、10回中9回くらいは、どこかの店でハルさんと出会って、野毛の酒場の情報をいろいろと教えてもらっていたのです。

 野毛に飲みに来てもアミちゃんにも、ハルさんにも会うことができなくなると思うと悲しい限りですが、ご本人たちにとっては、新たな可能性に出会う大きなチャンスでもあります。特にハルさんのいらっしゃる博多は、私自身、二十歳(はたち)前後の6年間を過ごした土地。美味しい酒や肴がたっぷりとあるところなので、転勤となったときにはぜひ楽しんできていただきたいと思っている次第です。(お二人とも、もともとこちらの方なので、横浜に帰省されたときにはまたお会いできるに違いありません。)

 それともうひとつ。平成21(2009)年3月12日(木)、このサイトのアクセスカウンターが1千万アクセスを突破いたしました。平成10(1998)年2月9日(月)にアクセスカウンターを設置してから4,049日。11年と1ヶ月でした。ありがとうございます。

 アクセスカウンターの設置から、100万アクセスを突破するのに6年4ヶ月(76ヶ月)かかったのですが、次の100万は1年1ヶ月(13ヶ月)、その次は8ヶ月とだんだんと短くなってきて、最後の900万から1000万アクセスまでの間の100万アクセスは117日(約4ヶ月)でした。

 このサイトをやっていて一番嬉しいのは、同じ趣味(酒場好き)の人たちとの出会いです。転勤の季節などの別れは悲しいけれど、新しい出会いも多いことを信じて、このサイトの運営も続けていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

・「武蔵屋」の店情報前回

《平成21(2009)年3月10日(火)の記録》

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絶品、カレー白もつ焼 … 炭火焼き「モアナ(MOANA)」(京成関屋)

カレーシロモツ焼き

 京成立石の「江戸っ子」を出て、「4人だからタクシーで行こう!」とビューンと向かった先は、ハワイアンなモツの店、「モアナ」です。

 ハワイアンとモツという、まるで合わないような二つの要素のコラボレーションを実現させちゃったところがすごいところ。他には絶対にないタイプのもつ焼き屋として人気を博しているのです。

 土曜日、午後5時半の「モアナ」はゆるやかに5~6割程度の入り。我われは右手のテーブル席(4人掛け)に座り、まずは飲み物から注文します。

 ここ「モアナ」は、マスターが元々バーテンダーさんだったこともあってか、ハワイアンなものを含めて、オリジナルっぽいカクテルも多いのです。大常連である「酔わせて下町」のFさんと私はホッピー(450円)を、この店がはじめてのというお二人はハワイアンチチ・モアナ風(550円)とワイキキハイボール(450円)を注文します。

「ここはカレーが美味しいんですよ。マスター、カレーシロモツ焼き(550円)とナンコツスライス(350円)ね」と注文してくれるFさん。ふっと考えて、

「カレーキャベツ(450円)とカレールー(350円)もください」とカレーシリーズで攻め込みます。

 まず出てきたのはカレーキャベツ(450円)。これはカレーライスのごはんの代わりがキャベツになったもの。キャベツは千切りとザク切りの中間くらいの大きさにカットされていて、ルーとよく絡みます。うまいなぁ、これは。

 その昔、静岡(清水)の「金の字」という、もつカレーが名物のお店で、残ったカレールーをキャベツですくって食べる美味しさにすっかり感動したFさん。その話をここ「モアナ」のマスターにしたところ、メニューに取り入れてくれたのだそうです。

 カレーシロモツ焼き(550円)の登場に、はじめて来たお二人から「わぁっ!」という声が上がります。長円形の皿の片側にはシロモツ、その反対側にカレー。そして両者の間には刻みネギの土手が築かれています。このシロモツを、ちょいとカレールーに絡めながらいただくのです。んー。カレー煮込みもいいけれど、こうやって別々に調理したシロモツとカレールーを、食べるときに絡めながらいただくのもまた鮮烈です。

 そしてカレールー(350円)。小鉢に盛られたカレールーにトッピングされているのは天かす(揚げ玉)でしょうか。とろりとしたカレールーに、サクッとした食感を加えています。こうやってルーだけをいただいてみると、その辛さが絶妙で、コクがあることがよくわかります。食べるにつれて、徐々に辛さを感じてくるタイプ。Fさんは、これだけでガンガン酒を飲むことも多いんだそうです。

 ナンコツスライス(350円)には刻みネギがたっぷりとトッピングされて、ピリ辛ポン酢がかけられています。これまた350円とは思えない量ですが、ピリ辛ポン酢の味もよくて、いくらでも食べられます。

「他にもなにかおすすめをお願いします」

 とマスターにお願いしたところ、出してくれたのが和牛シビレ焼き(450円)とレバー焼き(450円)の2品です。ここのもつ焼きは、串焼きではなくて、バラで焼いたものを皿に盛って出してくれるもの。串焼きに換算すると3串強くらいの量なんだそうです。

 もつ焼きの味付けは塩、タレ、特製ミソ、ピリ辛醤油という4つの味が選べますが、和牛シビレ焼きの味付けはピリ辛醤油味。この店のピリ辛味は特徴的ですねぇ。

 レバー焼きは塩焼きのようですが、レアな仕上がりで、胡椒がよく効いていて、とてもいい。こういうのをいただくと、見かけはハワイアンだけどやっぱりもつ焼き屋だあなぁ、と思いますねぇ。しかし他のもつ焼き屋さんとは明らかに雰囲気が違っていて、この店であれば、若い女性だけで来やすいのではないかと思います。それでいて、もつは本格的に美味しいというところが、この店の人気の理由なんでしょうね。

 Fさんは、ひとりでもこの店によくいらっしゃるのだそうです。たしかに、ひとりでもぜひ来てみたいお店です。

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ホッピー、ワイキキ、チチ / カレーキャベツ / カレールー

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ナンコツスライス / 和牛シビレ焼き / レバー焼き

店情報前回

《平成21(2009)年2月14日(土)の記録》

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開店前から店内で待ち … もつ焼き「江戸っ子(えどっこ)」(京成立石)

煮込み

 バレンタインデーの土曜日、「酔わせて下町」のFさんたちとともに、男ばかり4人で「江戸っ子」の口開けを目指します。

 午後4時に京成立石の駅で待ち合わせて、店に到着したのは4時10分ごろ。店は4時半の開店ながら、すでに入口の引き戸は開けられていて、外で待っていたお客さんたちが店内に入って開店時刻を待っている状態。

 我われ4人も、L字(左右逆)とU字が組み合わさったようなカウンターの、U字のほうの入口近くに腰を下ろすと、すぐ左側のカウンターでは、宇ち中(うちちゅう)さんや、歩く酒場データベース・Kさんご夫妻も開店を待っています。3人は「宇ち多゛」の後に、この店にいらっしゃったんだそうです。

 カウンターの中や、奥の厨房では店の人たちが、あっちに行ったり、こっちに来たりしながら、忙しく開店準備をしているところ。

 しばらくすると準備も整ったのか、まずは飲み物から注文を取ってくれます。ここ「江戸っ子」と言えば、なんといっても当店特製ハイボール(320円)、通称「ボール」ですね。すでにほぼ満席となった店内では、ほとんどのお客さんがボールを注文しています。うっすらと黄色いこの飲み物こそが、まさに元祖下町のチューハイなのです。

 そしてつまみも解禁になると、Fさんおすすめの煮込み(320円)を注文します。

「この店に来ると、いつもボールと煮込み。あとは焼き物を1皿注文して、ボールをもう1~2杯おかわりして終了かな。煮込みもボリュームがあるし、焼き物も1皿4本だから、それでもう十分なんですよね」

 この店の大常連さんでもあるFさんがそう話してくれているところへ煮込みもやってきました。小さな丼ほどもある小鉢に盛られた煮込みは、モツと豆腐に、トッピングの刻みネギだけというシンプルさ。

「野菜など、モツ以外のものを入れると味がにごるから。信州白味噌を使った上品な味付けがいいでしょう。汁まで飲み干せる。この汁が熱いうちに、耳酢みそ(320円)を酢みそ抜きでもらって、ここに入れて食べるとまたうまいんですよ。豚耳のコラーゲンがとろけるようで…」

 と言いながら、さっそくその耳のみも注文してくれるFさん。

 ひとしきり煮込みを食べたところで、ボール(320円)をおかわりして、今度は焼き物です。

「つくねの塩を1皿と、カシラとナンコツを混ぜてタレで」

 と注文してくれるFさん。焼き物は1皿4本で320円(つまり1本80円!)ながら、物によっては1皿に、2本ずつ2種類を盛り込んでくれるのです。レバ、シロ、カシラ、ナンコツ、アブラは、それぞれ2本ずつ組み合せ可能です。タンとハツとも組み合せができます。やきとり、つくね、テッポーの3種は組み合せができません。

「なんで組み合せができたり、できなかったりするの?」

「それぞれ焼きあがる時間が違うんでしょうね。同じタイミングで焼けるもの同士が組み合せ可能になってるんだと思いますよ」とFさん。な~るほどね。

 今回注文した「カシラとナンコツのタレ」が、Fさんの好物で、おすすめの品なんだそうです。味は甘ダレ、辛ダレ、塩焼きの3種があって、普通にタレとたのむと甘ダレで出されます。カシラ、ナンコツと甘ダレがとてもよく合います。

 この店は午後4時半から9時までの4時間半の営業時間。8時を過ぎると空(す)いてくるんだけど、ネタはほとんどなくなっているんだそうです。そんなときは『あるものを』とお願いすれば、できるものを組み合せて出してくれるんだそうです。

 たしかに、まだ5時なのに、すでに店の外には空席待ちの行列ができています。我われもそろそろ次の人たちに場所を譲りますか。どうもごちそうさま。

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「江戸っ子」 / つくね塩 / カシラとナンコツのタレ

店情報前回

《平成21(2009)年2月14日(土)の記録》

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いつまでも最年少なり … 酒房「北国(きたぐに)」(中野)

おでんに燗酒

「あら? 今年初めてじゃない?」

「そうなんです。なかなか来れずにすみません」

「毎年、その年の干支の爪楊枝入れをお年賀に配ってるのよ。はい、どうぞ」

 そう言いながら、小さな箱を手渡してくれるママさん。中には丑(うし)をかたどった陶器の爪楊枝入れが入っています。

「おぉ。よかったですねぇ。このお年賀をもらえるには、何年も通わないといけないんですよ」

 となりのお客さんがそう教えてくれます。

 今夜、この店にやって来たのは午後8時前。平日でもそうですうが、今日は金曜日なので、店内のカウンター席はこの店でよく拝見する常連のお客さんたちでいっぱいです。右手のテーブル席は空いているので、遠慮してそこに座ろうとすると、

「そこじゃ寂しいから、こっちに座りなさいよ。ちょっと寄ってもらって」

 とママさんが声をかけてくれて、常連さんたちがちょっとずつ寄ってくれて、空いた席は、なんとカウンター中央部の柱前。この席だけが、後ろにもたれることができる特等席です。この店の常連さんだった作家の井伏鱒二(いぶせ・ますじ)さんの定席であったという噂も聞いたことがある席です。

 ひぇ~~っ。なんという席に……。

 と、内心ビクビクしながら座ったところへ、冒頭のやり取りがあって、「北国」のお年賀までいただけたのでした。感涙!

 まずは瓶ビールを注文すると、キリンラガーとキリン一番搾りがある中から、いつも一番搾りを出してくれます。以前、「どっちにする?」と聞かれて、一度、一番搾りをもらって以来、その後は何も言わないでも一番搾りを出し続けてくれているのです。

 ここのママさんは、誰が何を飲むかよく覚えていて、日本酒も5種類くらいある中から、銘柄を指定しないでもその人の好みのお酒を出してくれるのです。

 お通しは大きく切った豆腐の入ったお吸い物。このお通しで身体があったまります。

 飲み物を燗酒(私はこのところ、この店定番の「八鶴」)に切り換えたら、冬場の名物、おでんをもらいます。内容は玉子に大根、そしてちくわぶ。最後に昆布をサービスで入れてくれます。特徴的なのは玉子。殻付きのままおでん鍋で煮込まれていて、これを自分でアッチッチ、アッチッチとむいていただくのです。

 ガラリと入口引き戸が開いて入ってこられたのは、8年前にこの店をご紹介いただいたNさんです。ちょうど先ほど帰られた常連さんのあとの、入口横のカウンター席に座って、いつものように豪快に飲み始めます。

 Nさんは、田舎から出てきてすぐに中野に住んでいて、そのころから「北国」に通っていたんだそうです。現在は千葉方面にお住まいですが、ときどき中野まで飲みにいらっしゃるのです。千葉方面とはいえ、総武線沿線なので、中野から電車1本で帰れますもんね。

 私も燗酒をおかわりし、おでんはコンニャクとガンモドキをいただきます。

 Nさんの焼酎もご馳走になって、ゆっくりと2時間ほどの滞在は2,350円。この店に来るようになって8年になるのに、いつまで経っても店内では最年少の状況が続いているのでした。

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「北国」 / お通しとビール / おでんに焼酎水割り

店情報前回

《平成21(2009)年2月13日(金)の記録》

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近所のお姉さんのよう … 立ち飲み「○豊(まるとよ)」(横浜市・桜木町)など

立呑居酒屋○豊

 「銀座とハマで飲んでます。」のハルさんと一緒に「福田フライ」を出て、今日の2軒目として出かけたのは、都橋商店街の1階中央付近、「ホッピー仙人」の下あたりにある立ち飲みの「○豊(MARUTOYO)」です。記事にするのは初めてですが、この店に来たのはこれで2回目。平成18(2006)年8月3日オープン、今年の夏で3周年を迎える若いお店を、女性店主・よう子ねえさんがひとりで切り盛りしています。

 店内はL字の立ち飲みカウンターと、壁に作り付けのサブ立ち飲みカウンターのみの小さな造りで、今日の先客は二人です。

 チューハイやウーロンハイ、緑茶ハイなどが250円と安いのが特徴で、ハルさんはホット金魚(250円)を注文します。私はあえてホッピー(セットで450円)を注文すると、今日は黒しかないとのことでした。(注文する人が少ないらしく、あまり置いていないようです。考えてみれば、ホッピーを飲みたい人は2階の「ホッピー仙人」に行くんでしょうね。)

 お通し代わりに出してくれたのは、小さな袋に入った焼きうるめです。

 つまみは、壁に出された短冊メニューが100円(3種)、150円(5種)、200円(1種)の計9種のほか、手書きのホワイトボードに100~300円の品が12種類ほど並んでいます。

 そんな中から、たぬきとうふ鍋(250円)を注文すると、カウンター内のコンロに小さな一人用土鍋をかけて、コトコトとたぬきとうふ鍋を作ってくれます。仕上げにたっぷりと入れられた揚げ玉がいいですねぇ。

 支払いはキャッシュオンデリバリー(品物と引き換え払い)。カウンター上のコップの中にお金を入れておくと、そこからお勘定を取って、お釣りを入れてくれます。

 「ホッピー仙人」の仙人や、「日の出理容院」のメグミさんが、いかにも近所のおにいさんや、おねえさんがそのままバーをやっているかのような親近感を覚えるのと同じように、ここ「○豊」のよう子ねえさんも、近所のおねえさんがそのまま立ち飲み屋さんを始めちゃったような雰囲気で、ものすごく居心地がいいのです。こういう感覚もまた、野毛の飲み屋の大きな特長かもしれませんね。

 1時間ほど立ち飲んで、私の支払額は700円。

 最後にもう1軒と、チーズ&ワインが売り文句の「バジル2号店」に入ります。この店、野毛の呑ん兵衛のみなさんからは「白バジル」と呼ばれてるんですね。今日の「白バジル」はミドリさんがひとりで切り盛り中。オーストラリアのワイン(500円)と、サービスで出される「おすすめチーズ」をいただいて、40分ほどの滞在は500円。

 ここで野毛に住んでいるハルさんと別れて、午後11時過ぎの電車で、単身赴任寮へと帰ります。「福田フライ」→「○豊」→「白バジル」と、野毛の立ち飲み三連発を楽しんだ夜でした。

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黒ホッピーと焼きうるめ / たぬきとうふ鍋 / 「白バジル」でワイン

・「○豊」の店情報 / 「白バジル」の店情報前回

《平成21(2009)年2月12日(木)の記録》

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店情報: 立ち飲み「○豊(まるとよ)」(横浜市・桜木町)

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  • 店名: 立呑居酒屋○豊
  • 電話: 090-8302-6190
  • 住所: 232-0065 神奈川県横浜市中区宮川町1-1 都橋111
  • 営業: 17:00-23:00(日は16:00-20:00)、火休
  • 場所: 大岡川のほとり、都橋商店街の1階中央付近。
  • メモ: 平成18(2006)年8月3日創業。
    短冊メニュー:〔100円〕らっきょ、味噌キュウ、冷奴。〔150円〕塩辛、イタワサ、白身魚フライ、イカフライ、ハムカツ。〔200円〕ポテトフライ。
    ホワイトボードメニュー:イカバター*250、ほたるいか250、アスパラと玉子のサラダ150、厚揚げのそぼろあんかけ200、キムチ、たぬきとうふ鍋*250、肉だんごと野菜のトマトスープ250、ちまき200、カブの梅肉あえ100、タラのホイル焼*300、チキンの味噌づけ*250、鮭とば*200。(*印は22:00LO)
    飲み物:生ビール350、ホッピーセット450、中ホッピー200、レモンハイ250、緑茶ハイ250、ウーロンハイ250、カルピス300、金魚250、チューハイ250、豆乳割300、シークワーサー300、焼酎(水・お湯割)250、フォアローゼス300、日本酒一合300、日本酒二合450、純米・松本500、フグヒレ酒400、富乃宝山(芋)500、角玉(芋)400、岩の泉350、梅酒300、。(2009年2月調べ)

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〔コラム〕 清らかな住宅街に引っ越し

みなとみらいの夜景


 平成13(2001)年10月から横浜に単身赴任するようになって7年半。またまた会社の寮の統廃合で、今月(2009年3月)から単身赴任開始から4軒目となる新しい(建物は古い)単身赴任寮に引っ越してきました。今度の寮は前の単身赴任寮からは直線距離で2.5キロほどの山(丘?)の上にあります。

 上の写真は今度の寮から見える“みなとみらい”の夜景です。

 新しい単身赴任寮は、まかない付き。夕食と朝食を寮内の食堂で食べることができます。この夕食のボリュームがすごいのです。

 初日の夜は、刺身の盛り合せに、おでんの盛り合せに、長崎天ぷら(細長いさつま揚げのような天ぷら)の盛り合せという3皿に、ごはん、みそ汁、漬物。卓上には梅干やふりかけ、お茶漬けの素などが置かれていて自由に使えるため、おかずをつまみにお酒をいただいて、シメにお茶漬けを食べるなんてやり方もできそうです。

 今夜はどうかな、と思いながら帰ってくると、今日の夕食はトンカツ。みそ汁の代わりになんと肉うどんが付いています。これにごはんと漬物、そしてデザートの杏仁豆腐が添えられます。今日もまたボリュームたっぷりですねぇ。

ある日の夕食 ある日の朝食
ある日の夕食 / ある日の朝食

 一夜明けて朝食は鯖塩焼きに厚揚げ焼き、ひじきの炒め煮に、ごはん、みそ汁、漬物、そして乳酸菌飲料です。うーん。美味しい。朝からごはんもおかわりだ!

 こうやって夕食、朝食が寮内で食べられるのは嬉しいのですが、逆に、寮のまわりには飲食店らしきところが一切ないのです。一番近い店(コンビニ)も、歩いて10分ほどかかります。しかも、寮が山(丘)のてっぺんにあるので、コンビにまではずっと下り。帰りはずっと上り道になるのです。

 なにしろこの地域一帯に建ち並んでいるのは、すべて集合住宅。神奈川県の都市計画サイトによりますと『根岸湾を望む高台にある、神奈川県住宅供給公社が開発した中層の住宅街。昭和30年代後半の開発で、全体として余裕あるまちづくりがなされており、縁や風景にゆとりと落ち着きの感じられる、成熟した中層の住宅街となっている。電柱の地中化などを先駆的に行っているのも特色。』ということで、できてから45年ほど経つ住宅街(団地)のようです。

 しかし残念ながらいい酒場は期待できない模様です。住宅街としてうまく計画された町なんでしょうが、清濁(せいだく)の「濁(だく)」の部分がないと、いい酒場文化は生まれてこないんですよねぇ。ここは町が清らか過ぎる。

『下町的な商店街に不可欠の装置が、居酒屋である。居酒屋は、都市の魅力ある地域社会の、基礎的なインフラのひとつだといっていい。これを欠いた山の手なるものは、周囲から孤立した特権階級のサンクチュアリであるか、あるいは未成熟の新開地であるにすぎない。』

 これは、2月27日(金)に発売された「古典酒場 Vol.6」のブロガー座談会でもご一緒させていただいた橋本健二さんの「居酒屋ほろ酔い考現学」の中の文章です。

 あと何十年かすると、この清らかな住宅街にも酒場文化は育ってくるのでしょうか。

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野毛入口を守る関所? … 立ち飲み「福田フライ(ふくだふらい)」(横浜市・桜木町)

アジとカキのフライ


 桜木町(さくらぎちょう)の駅を出て、「野毛ちかみち」という地下道(地下鉄・桜木町駅の入口でもある)を抜けると、そこが横浜の一大飲み屋街、野毛(のげ)です。

 どこに踏み込んでも飲み屋がずらりという地域ながら、私が定番としているのは「武蔵屋コース」と「野毛小路コース」の2ルートです。

 前者の「武蔵屋コース」は、昭和21(1946)年創業の一軒家の老舗酒場、「武蔵屋」で飲むときにたどるルートで、「野毛ちかみち」を、桜木町駅を背中にして右前方のエスカレータで抜けて、動物園通りを進んで「武蔵屋」に出ます。

 後者の「野毛小路コース」は、逆に「野毛ちかみち」の左前方のエスカレータを抜けて、ブリーズベイホテルの手前を右折して野毛小路に入るルートです。ブリーズベイホテルの横のチマチマっとした飲み屋街を抜けて、小さな四つ角を越えると、その先の両側にいつも人があふれているお店が見えてきます。左手が餃子・ラーメンの「三陽」で、右手が立ち飲みの「福田フライ」(店の置き看板は「フライ屋」)です。

 この2軒に、「三陽」の向こうどなりの焼き鳥の「若竹」、「福田フライ」の向こうどなりの餃子の「萬里」を加えた4軒が、まるで野毛入口を守る関所のような感じで、我われ呑ん兵衛を迎えてくれるのです。

 「福田フライ」の前までやってくると、店の表近くに据え付けられたフライヤーで、一所懸命フライを揚げているお母さんの姿が見えます。チラッとこちらを見て、知ったお客さんだとわかると満面の笑顔で迎えてくれるのがとても嬉しいところです。そのお母さんに「こんばんは」と声をかけて、空(す)いているカウンターの奥側に入り込みます。

 ここ「福田フライ」の創業は昭和23(1948)年ごろ。最初は先ほど通ってきた四つ角あたりで、屋台で営業していたんだそうです。創業者のご主人が亡くなったあと、その奥さんであり、現在の女将である福田サダ子さんが引き継いで店を切り盛りしてきました。

 この店に最初にやって来たころ(2003年7月)には、店全体が車庫(ガレージ)のような造りになっていて、そこに突っ込んだ屋台を、少しだけ店の表側に出すことによって、奥側にも人が立てる空間を作って営業しているような状態でした。

 その2年後くらい(2005年8月)に2度目の訪問をしたときには、すでに息子のノブさんも手伝うようになり、店も現在の、メイン立ち飲みカウンターと、壁に作り付けのサブ立ち飲みカウンターを有する、しっかりとした立ち飲み屋さんの形態に改装されていました。しかしながら、フライヤーまわりは以前のまんまのものをそのまま使っているというところが嬉しいではありませんか。

 創業の味はフライ(串揚げ)と自家製の漬物(ぬか漬け)で、これを店の表側を担当するお母さんが切り盛りします。店の奥側は、息子・ノブさんの領域で、新鮮な魚介類の刺身や、煮物、焼き物。さらにはモツ煮込みや、鉄板で作るホルモン炒めや、隠れメニューのハンバーグやハヤシライス、焼きそばなどもあって、幅広い選択肢で楽しめるようになっています。

 お母さんとノブさんの居る場所は、こうやって店の表と奥に分かれていますが、お客として店に行った場合には、どこに立とうがお母さんの料理も、ノブさんの料理も楽しむことができることは言うまでもありません。ただし、新鮮な魚介類にタバコの灰がかかったりするのを防ぐため、奥のノブさん前のカウンター席のみ「禁煙コーナー」になっていますので、タバコを吸う人はご注意くださいね。

 そんなわけで、今日は瓶ビール(キリンラガー大瓶、600円)をもらって、まずはお母さんに揚げてもらうアジ(150円)とカキ(140円)からスタート。自家製の漬物は、季節の白菜漬け(150円)をもらいます。

 ホワイトボードにずらりと手書きされた魚介類のメニューからは、ブリあら煮(500円)を注文すると、ノブさんが、その場でコトコトと煮上げてくれます。脂ののったブリの旨みがたまりませんねぇ。飲み物は酎ハイ(400円)をいただきます。

 そこへやってきたのは、この店の大常連さんでもある、「銀座とハマで飲んでます。」のハルさんです。この店に来ると、必ず酎ハイ(400円)を飲んで、売り切れてなければカボチャ(140円)を揚げてもらうというハルさんは、今日もその組み合わせでスタートし、さらにノブさんにアイナメの刺身(500円)も注文です。

 ハルさんやノブさんとお話ししたり、新メニュー開発用に仕入れたというタコの卵をいただいたりしながら、ゆっくりと1時間ほど立ち飲んで、今日のお勘定は2,040円でした。どうもごちそうさま。

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白菜の漬物 / ブリあら煮 / タコ卵の醤油漬け

店情報前回

《平成21(2009)年2月12日(木)の記録》

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ブーツ型グラスのなぞ … バー「クライスラー(CHRYSLER)」(横浜市・日ノ出町)

ウイスキー水割り


「もう1軒、横浜の老舗へ」

 とやって来たのは、福富町西通(ふくとみちょうにしどおり)にある、昭和25(1950)年5月5日創業の老舗バー、「クライスラー」です。先ほどの「栄屋」が昭和23(1948)年創業なので、こちら「クライスラー」はその2年後の開店なんですね。

090210g 「栄屋」の前の道を、海に向かってまっすぐに進み、大岡川の川辺(左前方に弧を描く都橋商店街が見える)に出たら右折。1ブロック半ほど進んだ左手の、スコットランドの民族衣装でバグパイプを吹いている黄色い看板が「クライスラー」の目印です。看板横の階段を2階に上がり、重厚な扉を開けると、目の前が横に長~い、「クライスラー」のカウンター席です。

 午後9時半の店内は、祝前日だけあってお客さんでいっぱい。右手奥のテーブル席までグループ客で埋まっているのがすごいなぁ。今まで来た中で、一番お客さんが多い状態だと思います。

 カウンター右奥に座っている二人連れ、三人連れの間の、並んだ2席分の椅子の上に置かれたカバンやコートを移動してもらって、かろうじて我われ二人分の席を確保することができました。

090210h 名物のウイスキー水割りを二つもらって乾杯し、つまみにはレーズンバターをもらいます。

 ここの水割りは、「クライスラー」のマークの入ったブーツ型のグラスで出されます。ただし、このブーツ型のグラスはカウンター席のみ。奥のテーブル席で飲む場合には、ホルンをかたどったような、また別のグラスで供されるのです。どうしてこの違いがあるのでしょう? 前から不思議に思っていたのですが、その謎が今日解明しました。

 それは奥のテーブルで飲んでいたグループ客がお勘定をして店を出て行ったあとのことでした。我われの左側にいた三人連れが、

「テーブル席が空いたんなら、向こうに移ってもいいかなぁ」

 と言い出したのです。カウンター内にいるバーテンダーのおにいさんは、

「かまいませんよ。そのかわり、水割りのグラスはこれから取り替えますので、しばらくお待ちくださいね」

 そう言って、三人連れの水割りをブーツ型のグラスから、ホルン型のグラスに、わざわざ入れ替えたのです。

「テーブル席のグラスはこっち、と決まってるんですか?」

 こらえきれずに、横からそう聞いてみると、

「そうなんです。テーブル席の場合、グラスを倒したりすることが多いので、割れにくいこちらのグラスを使うことにしています」

 な~るほど。ブーツ型のグラスは、ガラスが薄いし、左右方向に倒れやすいので、テーブル席向きじゃないんですね。そういうことでしたか。ひとつ謎が解けて、なんだかすっきりです。

 1時間ほどの間に水割りを2~3杯ずついただいて、今日のお勘定は二人で2,680円(ひとり1,340円)でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成21(2009)年2月10日(火)の記録》

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分厚い弾力、あなご天 … 大衆酒場「栄屋(さかえや)」(横浜市・日ノ出町)

活あなご天ぷら


 祝日前日の火曜日。横浜の古い酒場を訪ねようと、飲み友達とともにやってきたのは、昭和23(1948)年創業、長者町(ちょうじゃまち)の老舗大衆酒場、「栄屋」です。

 6卓しかない店内ながら、奥のほうの2卓は荷物置場風に使われていたりすることもあって、通常(常連さん以外)はだいたい手前4卓(16名分)のテーブルに座ります。

 午後8時前のこの時間帯、先客は2組。その2組が左側のテーブルを使っているので、我われは右側の真ん中のテーブルに座り、まずは瓶ビール(キリンラガービール大瓶、610円)をもらって乾杯すると、お通しには小さな冷奴が出されます。

 ここ「栄屋」で、絶対にはずせない肴(さかな)が、穴子の天ぷら(630円)です。活きた穴子をさばきたて、揚げたてで出してくれる穴子天は、ひと切れひと切れが大きくて、しかも分厚いのが特長。天つゆにジュッとつけて、ハフハフといただくと、その弾力感に驚かされる一品なのです。

「穴子天は絶対に食べなきゃね。穴子天のための腹を残して、他のつまみを食べよう」

 とメニューを選びます。なにしろ、ひとりで来ると穴子天だけで満腹になってしまうほどのボリュームなので、今日のように二人以上で来たときじゃないと、いろいろとはつまめないのです。

 「栄屋」でおすすめなのは海の幸。今日のメニュー(黒板に手書き!)には、めじまぐろ750、殻付カキ(4個)700、カキフライ700、カキ天650、鯨さしみ700、マグロ刺900、スミイカ650、活たこ刺600、たいら貝700、ひらめ刺750など、40品ほどが並んでいます。

 いつもは、マグロ刺の900円が一番高いくらいなのですが、なんと今日は活たらば(1パイ)4,000円なんてのが並んでますねぇ! だれかの予約なのかな!?

 そんな中から、ヒラメの刺身(750円)と、ほうれん草のおひたし(300円)をもらって、飲み物は「東龍」(純米酒、550円)の燗酒に切り換えます。

 右手の手前のテーブルには、若い男性ひとり客が、しばらくして右手奥の、ちょっと狭い席にも常連さんらしき、年配の男性ひとり客が入って、祝前日らしいにぎわいになってきました。入口テーブルのおにいさんのところに運ばれていった殻付カキ(4個700円)の、なんと立派なこと!

「カキもいいねぇ。こっちもカキももらおうか?」

「殻付きもいいけど、カキ天(650円)もいいよねぇ」

「そうそう。カキ天にも引かれてたんだ。でも穴子天とかぶるからなぁ」

「カキ豆腐鍋ってのもあるよ」

 なぬ? どれどれ、と見てみると、入口近くの張り紙メニューに、とらふぐちり(4,500円)、カキ豆腐鍋(1,800円)、鳥豆腐鍋(1,700円)の三品が並んでおり、さらにその横に小さく「御一人様用小鍋(カキ豆腐鍋、鳥豆腐鍋)各900円」と書かれています。

 おぉ、いいですねぇ。たっぷりと鍋だと、それでお腹いっぱいになってしまう可能性がありますが、ひとり用の小鍋だと大丈夫そうです。

 さっそくそのひとり用のカキ豆腐鍋(900円)と、合わせて穴子天(630円)も注文すると、「おっ。穴子天いく? じゃ、こっちも穴子天ね」と周りの3テーブルからも相乗り注文が入ります。さすがは人気の名物品ですね!

 燗酒をおかわりしつつ、待つことしばし。カキ豆腐鍋が用意され、コンロにカチンと火がつけられると、追いかけるように穴子天も出てきます。実にいいタイミングですねぇ。ハフハフと穴子をいただいているうちに、カキ豆腐鍋もできあがるという寸法ですね。

 今日も絶品の穴子天をいただいて、カキ豆腐もペロリ。メニューには書いてないけれど、「雑炊はできるんですか?」と確認してみると「できますよ」ということで、最後はきっちりと雑炊でしめて、1時間半ほどの滞在は二人で5,740円(ひとり2,870円)でした。

 うぅーっ。満足じゃー。どうもごちそうさま。

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「栄屋酒場」 / ビールとお通し / ほうれん草おひたし

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ひらめ刺身 / カキトーフ鍋と燗酒 / 最後は雑炊

店情報前回

《平成21(2009)年2月10日(火)の記録》

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楽しい新年会のあとで … 立ち飲み「おかやん」(中野)

「おかやん」


 昼間の王子でのひとり呑みを終えて、夕方からは居酒屋界の姉御・ゆこねぇさんが開いてくれた新年会で、西大島の「力士」です。

 集まったのは前回と同様に、旅チャンネルの「全国居酒屋紀行」がきっかけでご一緒させていただくようになった、いわゆる“太田チルドレン”の面々15名です。もちろん今回も「全国居酒屋紀行」シリーズのすべてを担当されている、居酒屋のオヤジさんも出席されています。

 ちゃんこ鍋が名物の「力士」ながら、今日はアンコウ鍋を出してくれて舌鼓。刺身の盛り合わせも豪華で、お酒(日本酒)もグイグイと進みます。

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「力士」 / 刺身盛り合せ / あんこう鍋

 「力士」の後は、みんなで都電の線路跡地の公園をトコトコと歩いて、亀戸の宮古島郷土料理「ラッキー」へ。島ラッキョ(400円)やゴーヤチャンプル(600円)、宮古風焼きそば(700円)などをいただきながら、今度は泡盛(菊之露30度)を水割りでクイクイと。今回もまた非常に楽しい新年会でした。いつも幹事役をやっていただき、ありがとうございます。>ゆこねぇさん

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「ラッキー」 / 島らっきょ / ゴーヤチャンプル

 新年会の後は、自宅が近いにっきーさんと一緒に総武線で中野へ。「シメにもう1軒行きましょうか!」と向かったのは、中野駅北口にある立ち飲みの「おかやん」です。

 以前、「東西南北・並び立つ名酒場たち」というコラムにも書かせていただいたとおり、東の「徳多和良」(北千住)を彷彿とさせるような和風料理を、立ち飲み屋らしい安い値段で出してくれるお店です。昨年(2008年)4月にオープンして、まだ1年も経っていないのですが、いつも満員の人気店なのです。

 今日のメニューも300円、400円、500円の三つの価格帯。300円ものは、カンパチあら煮、ふぐ一夜干し、わた入りするめ丸干し、たたみイワシ、明太子おろし、海老みそ、酒盗など。400円ものは、ホタテ刺、ヤリイカ刺、しめ鯖、あんきもポン酢、海鮮納豆、牛豚もつ味噌煮込みなど。そして500円ものは、めじまぐろ刺、くじらベーコン、えんがわ網焼の3品というラインナップ。300円ものが一番多くて、500円ものは数品のみという構成も「徳多和良」のメニューと似てますよね。

 さらに、ここ「おかやん」には、おでんもあるのです。おでんは玉子、こんぶ、なると、ちくわ、ちくわぶ、コンニャク、ごぼ天、いか天、下仁田ねぎがそれぞれ100円で、大根、つみれ、魚すじ、がんも、焼とうふ、たこボールがそれぞれ150円。そのほかに、つぶ貝250、牛すじ300があり、盛り合わせ(3~4品で400円)もできるようです。

 にっきーさんは前割りの芋焼酎(400円)をロックで、私は燗でもらって乾杯し、つまみはおでんの盛り合わせ(400円)と、えんがわ網焼(500円)をもらいます。えんがわ網焼の、しっかりとした弾力感なのに脂がたっぷりとのっているところが、焼酎に実によく合うではありませんか。

 日付が変わる頃まで1時間ほど立ち飲んで、お勘定は二人で1,700円。午前中から飲み始めた長い一日を終えたのでした。

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前割り芋焼酎 / おでん盛り合せ / えんがわ網焼

・「おかやん」の店情報前回

《平成21(2009)年2月7日(土)の記録》

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