〔コラム〕 清らかな住宅街に引っ越し
平成13(2001)年10月から横浜に単身赴任するようになって7年半。またまた会社の寮の統廃合で、今月(2009年3月)から単身赴任開始から4軒目となる新しい(建物は古い)単身赴任寮に引っ越してきました。今度の寮は前の単身赴任寮からは直線距離で2.5キロほどの山(丘?)の上にあります。
上の写真は今度の寮から見える“みなとみらい”の夜景です。
新しい単身赴任寮は、まかない付き。夕食と朝食を寮内の食堂で食べることができます。この夕食のボリュームがすごいのです。
初日の夜は、刺身の盛り合せに、おでんの盛り合せに、長崎天ぷら(細長いさつま揚げのような天ぷら)の盛り合せという3皿に、ごはん、みそ汁、漬物。卓上には梅干やふりかけ、お茶漬けの素などが置かれていて自由に使えるため、おかずをつまみにお酒をいただいて、シメにお茶漬けを食べるなんてやり方もできそうです。
今夜はどうかな、と思いながら帰ってくると、今日の夕食はトンカツ。みそ汁の代わりになんと肉うどんが付いています。これにごはんと漬物、そしてデザートの杏仁豆腐が添えられます。今日もまたボリュームたっぷりですねぇ。
一夜明けて朝食は鯖塩焼きに厚揚げ焼き、ひじきの炒め煮に、ごはん、みそ汁、漬物、そして乳酸菌飲料です。うーん。美味しい。朝からごはんもおかわりだ!
こうやって夕食、朝食が寮内で食べられるのは嬉しいのですが、逆に、寮のまわりには飲食店らしきところが一切ないのです。一番近い店(コンビニ)も、歩いて10分ほどかかります。しかも、寮が山(丘)のてっぺんにあるので、コンビにまではずっと下り。帰りはずっと上り道になるのです。
なにしろこの地域一帯に建ち並んでいるのは、すべて集合住宅。神奈川県の都市計画サイトによりますと『根岸湾を望む高台にある、神奈川県住宅供給公社が開発した中層の住宅街。昭和30年代後半の開発で、全体として余裕あるまちづくりがなされており、縁や風景にゆとりと落ち着きの感じられる、成熟した中層の住宅街となっている。電柱の地中化などを先駆的に行っているのも特色。』ということで、できてから45年ほど経つ住宅街(団地)のようです。
しかし残念ながらいい酒場は期待できない模様です。住宅街としてうまく計画された町なんでしょうが、清濁(せいだく)の「濁(だく)」の部分がないと、いい酒場文化は生まれてこないんですよねぇ。ここは町が清らか過ぎる。
『下町的な商店街に不可欠の装置が、居酒屋である。居酒屋は、都市の魅力ある地域社会の、基礎的なインフラのひとつだといっていい。これを欠いた山の手なるものは、周囲から孤立した特権階級のサンクチュアリであるか、あるいは未成熟の新開地であるにすぎない。』
これは、2月27日(金)に発売された「古典酒場 Vol.6」のブロガー座談会でもご一緒させていただいた橋本健二さんの「居酒屋ほろ酔い考現学」の中の文章です。
あと何十年かすると、この清らかな住宅街にも酒場文化は育ってくるのでしょうか。
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コメント
用意された賄食だけでも、ホントに豪華な晩酌が楽しめそうですね
(単身者only・・・・w)
毎日用意されたいです
投稿: や | 2009.03.17 22:15