鮮烈な食感、上ミノ刺 … もつ焼き「わかば」(本所吾妻橋)
「酔わせて下町」のFさんたちと、本所吾妻橋(ほんじょあづまばし)のもつ焼き屋、「わかば」にやってきました。
25年ほど前の創業当時から、緑のちょうちんがトレードマークの「わかば」は、昨年(2008年)5月に大幅に改装し、きれいなお店になりました。
店内は左手の焼き台の横から店の奥に向かって、10人ほど掛けられる直線カウンターが伸びています。このカウンター席、入口側から6人分、4人分と分割されていて、そのすき間を店の人たちが行き来できるようになっています。入口右手には2人掛けと4人掛けのテーブル席。その奥には小上がりの座敷席があり、4人掛けの堀ゴタツ式座卓が4卓並んでいて、全部合わせると32席という造りです。
やわらかくジャズの流れる店内は、今日も午後5時の開店と同時にたくさんのお客さんでにぎわいます。もつ焼き屋にはつきもの(?)のような存在である、年配男性のひとり客も居るには居るのですが、土曜日ということもあってか、多いのは若いグループ客や家族連れ。これは、もつ焼き以外のメニューが充実していることや、改装したばかりのきれいな店内、そして店主夫婦を手伝う、若き二代目夫婦の存在に寄るものと思います。
ずらりと並ぶメニューは、あれもこれも美味しそうで迷ってしまいますが、Fさんがこの店で注文するのは、毎回必ず、上ミノ刺し(600円)と、特シロ(1本150円)、カシラ(1本130円)、そしてタンおろし(450円)の4品なんだそうです。
「他のものも食べてみたいんだけど、ひとりでやって来ると、このはずせない4品を食べちゃうと、もう満腹になるんですよ。この4品のスパイラルにはまってるんです」
Fさんは、取り引き先がこの近くにあることもあって、本所吾妻橋にはよくやってくるのだそうです。
長方形の皿に、美しく2列に整列して出される上ミノ刺しは、見た目もツヤツヤと美味しそうです。小皿の味噌ダレをつけていただくと、その弾力感が強烈。「ミル貝の刺身のようでしょう」とFさん。この味噌ダレがまた、ニンニクがよく効いていていいですよねぇ!
もつの刺身は、この店の人気の品でもあり、この上ミノ刺しの他にも、レバ刺し、ハツ刺し、タン刺し、シロ刺し、タマ刺し、コブクロ刺し、ガツ刺し、センマイ刺しが、それぞれ1人前400円で並んでいます。
小鉢で出されるタンおろしは、スライスした豚タンをさっと茹でたものに、大根おろしをのせて、ポン酢醤油でいただく一品。さっぱりとした味わいで、いくらでも食べられます。このタンおろしという料理は、この店だけはなくて、この地域ではよく見かけるメニューなんだそうです。
そして特シロとカシラのもつ焼きもやってきました。1串1串が大きいのが、ここ「わかば」の特長なんですよねぇ。
「串焼きは5分以内で食べないと劣化するんです。串のままガッと食べなきゃ。この店のように、絶妙の焼き具合で出してくれる店では、なおさら気にしないといけません」
とFさん。串からばらして、箸でチマチマと食べるのは、本来のもつ焼きの食べ方じゃないんだと力説されます。串ものは、料理人が食べる順番を指定できる料理とも言われてますもんね。
もつ焼きの味付けは、普通の塩・タレに加えて、この店ならではのニンニクだれがあって、Fさんのおすすめはニンニクだれ。とくに特シロは、絶対にニンニクだれが合うんだそうです。
ところでこの特シロ。メニューには載っていない一品です。店の人によると、「ある時とない時があるので、メニューには載せてないんです」とのこと。聞いてみてあるようだったら、必食の一品です。
「わかば」 / ホッピー、酎ハイ、わかば(緑茶)割り / 煮込み
タンおろし / 特シロ(ニンニクだれ) / カシラ(ニンニクだれ)
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