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2009年5月

これが元祖ハイボール … 大衆酒場「小島屋(こじまや)」(堀切菖蒲園)

元祖ハイボール


 「酔わせて下町」のFさんに、堀切菖蒲園の酒場を案内してもらっています。同行者は、Fさんの飲み仲間で、小岩在住のぼあ子さんと、出版社のSさんにOさん。「富吉」を出たところで、Oさんは所用のため戦線離脱され、残る4人で次の店を目指します。

「あのね、Fさん。今さらながらなんですけど、実は私、「小島屋」に行ったことがないんですよ」

「えっ!? ウソでしょう? 「小島屋」は行っとかなくちゃ。行きましょう、行きましょう」と、先頭に立って「小島屋」に向かってくれるFさん。

 「小島屋」は、『元祖ハイボール』を掲げる、堀切菖蒲園の名店。酎ハイのファンならば、必ず1度は訪れるほどの聖地的な存在なのです。

 ところが、都内の西側に住む私からすると、ここ堀切菖蒲園などの、いわゆる「酔わせて下町」エリアはなかなか足を伸ばしにくい場所で、『酒場ファンなら必ず訪れる』と言われるほどの酒場の中にも、まだまだ行けていない酒場が多いのです。

 Fさんたちと共著で出版した「東京 居酒屋名店三昧」に載ってる店の中だけでも、たとえば「小林」(町屋)、「千住の永見」(北千住)、「三祐酒場」(八広)、「ミツワ」(立石)、「三平」(京成小岩)には行けていないくて、今後の課題店なのです。(ぜひ連れて行ってくださいね。>Fさんはじめ、下町在住のみなさん)

 駅近くの角地に建つ「小島屋」は、角をはさんで両側に入口があり、駅に近い、赤いファサードテントのある側の入口には、宮崎本店(キンミヤの会社)と大林(酒販会社)とから連名で贈られたらしい「小島屋」と書かれたのれんがかかっており、角を回ったもう一方の入口には、ひらがなで「こじま」と書かれたのでんがかかっています。Fさんに続いて、表側の、漢字ののれんをくぐって店内へ。

 店内は「凹」の字の一部が切れたような形のカウンターのみ、25人分ほど。土曜日、午後7時過ぎのこの時間帯、店内は9割ほどの入りで、4人が並んで座れる場所は空いてません。「二人ずつ別々に座りましょう」というFさんの言葉に従って、カウンターの角を挟んで向こうとこっちに、二人ずつ分かれて腰をおろします。

 飲み物はもちろん元祖ハイボール(300円)。ゆるやかにカーブを描く、専用のグラスに、まずは瓶入りの炭酸が、まるまる1本分つがれ、そのあと、グラスの残る隙間に、“元祖の素”と呼ばれる酎ハイの素と事前に混ぜ合わせている焼酎がつがれて、レモンスライスが半枚。これで琥珀色に泡立つ元祖ハイボールのできあがりです。

 料理は、Fさんが注文してくれたエシャレットと、裏メニューのお好み焼き。調理に使った小さいながら、厚手のフライパンのまま出されるお好み焼きは、山芋がたっぷりと入っているのか、とてもモッチリとしたいい食感。箸で取り分けた断面からはモウモウと湯気が上がって熱々です。

 もう1杯ずつ元祖ハイボールをいただいていると、おばちゃん(=女将)がみんなの手の平に、自家製というウコンの粉をちょっとずつのせてくれます。これを舐めておくと、悪酔いしないんだそうです。

 45分ほどの滞在は4人で3,800円(ひとりあたり950円)ながら、知らぬ間にFさんが支払ってくれてました。改めまして、ありがとうございます。>Fさん

 実は今日は、「のんき」に行く前にも、「金子酒店」(03-3691-1675、葛飾区堀切3-8-10 )という、立ち飲みコーナーのある(しかも卓球台まである!)酒屋で1杯飲んだので、ここ「小島屋」が4軒目。それぞれに個性あふれる堀切菖蒲園の名店でした。

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エシャレット / お好み焼き / 自家製ウコン

店情報

《平成21(2009)年4月18日(土)の記録》

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店情報: 大衆酒場「小島屋(こじまや)」(堀切菖蒲園)

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  • 店名: 小島屋
  • 電話: 03-3601-1852
  • 住所: 124-0006 東京都葛飾区堀切5-3-11
  • 営業: 17:00-21:00、日祝休
  • 場所: 京成本線・堀切菖蒲園駅の改札を出て、すぐの通りを右へ。1本目の路地を右折し、すぐ左手。
  • メモ: 凹字型をしたカウンター約25席。元祖ハイボール300、瓶ビール(キリン大瓶)600、菊正宗350。塩らっきょ250、冷やっこ250、牛もつ煮込み350、長芋の千切り250、にら玉300、さば焼350、めざし250、なまあげ300、いわし丸干し350、さつまあげ300、たいかす焼350、たこ300、ぶつ納豆350、えんどう豆250、めこんぶ250。日替りのホワイトボードメニュー例:生のり250、にらヌタ250、もずく酢250、ひじき豆煮付250、おきゅうと300、ほたるいか300、こはだ酢300、なまこ350、青やぎ300。(2009年4月調べ)

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ホルモン鍋と仲間たち … 焼肉居酒屋「富吉(とみきち)」(堀切菖蒲園)

ホルモン鍋


「ホルモン鍋とウルテ、あとミノサンド。モヤシとゼンマイもね」

 ものすごい泡立ちの琥珀(こはく)色のボール(270円、以下、価格はすべて税抜き表記)で乾杯するとすぐに、「酔わせて下町」のFさんが料理の注文をしてくれます。

 ここは堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)の焼肉居酒屋「富吉」。“焼肉居酒屋”というのはあまり聞かない業態ですが、この店は2階は普通の焼肉屋。1階は変形コの字カウンター22席の普通の居酒屋風ながら、メニューは2階と同じく焼肉主体なのです。

「1階で焼肉をたのむと、焼いたものを出してくれるので、ボールに集中できるんですよ。それがこの店のいいところ。ひとりで来ても大丈夫です」とFさん。

 ほとんど待つこともなくモヤシ(200円)とゼンマイ味付(200円)が出されます。

「このモヤシとゼンマイは、あとで鍋にも入れるので、半分くらいは残しておいてくださいね」

 Fさんは「この店ではこれ!」と気に入ったものができたら、あまり浮気することなくずっとそれを注文するタイプ。この店の場合は、冒頭で注文した5品がそのお気に入りらしく、しかも出される順序もすでに計算済みのご様子。まず出されるモヤシとゼンマイをお通し代わりにつまみつつ、料理のできあがりを待とうというわけですね。

 焼肉は、カウンター内の厨房の一番奥にあるコンロのところで、おばちゃんがチャチャッと焼き上げて、銀色の楕円皿で出してくれます。

 先に出てきたのはミノサンド(650円)。ミノサンドというのは、ミノ(牛の第1胃袋)の脂の多い部分で、一頭からわずかしか取れない希少な部位なんだそうです。壁に張り出されたミノサンドのメニューにも『富吉のおすすめ!』『口の中でとろける美味しさ』『焼き方注意。焼き過ぎるとお肉の間の脂が落ちてしまい、美味しさ半減。しっかり焼けて脂が落ちる直前がGood!』などの文字が並んでいます。とは言うものの、ミノらしい弾力感もあって、なかなかいい食感です。

 ウルテ(600円)は、牛の気管部分の軟骨で、コリコリ感が強烈です。いい焼き加減ですねぇ。ピリ辛のタレとの相性も抜群です。

 もうちょっと焼肉を食べてもいいかな、という腹具合のところでカウンター上にコンロがセットされ、生の状態で準備されたホルモン鍋がのせられます。

「最後に入れるうどんが美味いので、その分も考えて注文しないといけないんですよ」

 とFさん。なるほど。たしかにこの鍋だって、1人前なのに、3人で食べても大丈夫なくらいの量がありますもんね。逆にFさんがひとりで来たときは多すぎるくらいなんじゃないですか?

「いやー、ひとりのときも、自分の周りがたくさんの食べ物で囲まれているという状態が好きなんですよ」

 そう言いながら、残しておいたモヤシとゼンマイの一部を鍋に投入するFさん。

 鍋の中身は、シロを中心としたもつに、キムチ、豆腐、ニラ、シイタケ、春菊、白ネギ、キャベツなど。クツクツ、クツクツと沸きはじめました。

「そうだ。並豚タン塩(400円)も美味しいんですよ。これももらいましょう」

 鍋のできあがりを待つ間に、Fさんが焼肉をもう1品注文してくれます。上豚タン塩(550円)というのもあるんだけど、並豚タン塩で十分に美味しいんだそうです。

 さぁ、ホルモン鍋もできあがりました。どーれどれ。

 や! もつもさることながら、スープが爆発的に美味いですねぇ。キムチのやわらかい辛味も効いていて、旨味の中にちょっとピリ辛感があるのがまたいい。スープだけでもボールが進みます。

 あっという間に鍋も食べ終えて、うどん玉(300円)をお願いすると、鍋の汁(つゆ)も足してくれます。うどんができてきた頃合いを見計らって、Fさんが最後に残しておいたモヤシとゼンマイを投入します。なーるほど。さっき全部入れなかったのは、ここでも使うからだったんですね。

 Fさんが「これが絶品なんです!」とすすめてくれたとおり、うどんは腰もしっかりとしていて美味しい。モヤシとゼンマイが実にいい相性ですねぇ!

「1軒目でガッツリと飲んだあと、この店には2軒目でやってきて、腹を仕上げるんです」

 と聞かせてくれたとおり、Fさんが注文してくれた「ホルモン鍋とその仲間たち」といった感じの料理にすっかり満腹になって店を後にしたのでした。

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店内の様子(1階) / ボール / ゼンマイ味付とモヤシ

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焼肉は焼いてくれる / ミノサンド / ウルテ

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ホルモン鍋 / 並豚タン塩 / 〆うどん

店情報

《平成21(2009)年4月18日(土)の記録》

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店情報: 焼肉居酒屋「富吉(とみきち)」(堀切菖蒲園)

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  • 店名: 富吉
  • 電話: 03-3691-3243
  • 住所: 124-0006 東京都葛飾区堀切3-8-9
  • 営業: 17:00-24:00、水休
  • 場所: 京成本線・堀切菖蒲園駅の改札を出て、左にUターンするように線路沿いを東(お花茶屋、青砥方面)に100mほど進んだ右手。(立ち飲みもできる「金子酒店」のとなり。)
  • メモ: 昭和55(1980)年頃の創業。1階は変形コの字カウンター22席の居酒屋、2階は座敷の大衆焼肉。2階のみ予約可。
    【価格はすべて税抜き表記です】
    〔鍋物〕ホルモン鍋1,400、牛鍋1,600、富吉鍋(ミックス)2,000、キムチ鍋(鶏肉)980。
    〔焼肉〕特上カルビ1,500、カルビ900、サービスカルビ650、牛ロース800、上ハラミ950、上牛タン塩900、牛レバ(半焼もできます)800、上ミノ700、牛ホルモン(しま腸)600、ギアラ(テチャン、牛の第4胃袋)550、ウルテ(牛の軟骨)600、ヤン(牛の第2胃袋)550、上豚タン塩(タレも可)550、並豚タン塩400、豚トロ550、コブクロ550、ミノサンド(ミノの脂の多い部位)650、イカのタレ焼(イカ炒め)600。
    〔刺身〕牛トロ刺1,200、牛刺550、ユッケ(味付牛刺)650、牛レバ刺600、コブクロ刺450、ミノ刺600、センマイ刺450、イカ刺(辛い韓国風の刺身)450、生タン刺550。
    〔蒸し肉〕豚足450、豚耳350、豚タン(2人前より)400、牛テール肉800。
    〔ご飯〕ライス200、ライス小150、クッパ700、ピビンバ700、ユッケピビンバ1,000、テグタンクッパ(辛いユッケジャンクッパ)750、コムタンクッパ850。
    〔麺類〕テグタン麺(辛)800、テグタンうどん800、コムタンうどん900、冷麺600。
    〔スープ〕コムタンスープ700、テグタンスープ600、ワカメスープ350、玉子スープ350。
    〔キムチ・野菜〕キムチ200、カクテギ200、オイキムチ300、キムチ盛り合わせ600、もやし200、ホウレン草200、ゼンマイ味付200、ナムル450、チャンジャ(辛い塩辛)350、サンチュ350、サンチュサラダ450。
    〔焼き物〕シイタケ300、ししとう250、じゃがバター焼300、はんぺん300、ゲソ焼250、エイヒレ300。
    〔煮込み〕牛肉煮込み400、牛すじ煮込み(甘辛)400、キムチポッカ(豚キムチ)450。
    〔揚げ物〕鳥のから揚450、ゲソ揚300、鳥の軟骨揚350、ニンニク揚250。
    〔其の他〕冷奴200、自家製イカの塩辛250、もろきゅう250、韓国海苔200、韓国風冷奴250。〔当店オススメ〕カルビチジン(ご飯によく合う、カルビ肉とキムチの玉子とじ)1,000。
    〔飲み物〕生ビール550、瓶ビール(大瓶)600、日本酒(2合)600、冷酒(生)600、マッコリ(韓国どぶろく)500、ハイボール270、レモンサワー300、青リンゴサワー300、アンズサワー300、グレープフルーツサワー300、ウーロンハイ300、ウィスキーハイ350、ウィスキー(S)300、ウィスキー(W)500、生グレープ1個300。〔ソフトドリンク〕オレンジジュース200、サイダー200、コーラ200、ウーロン茶200。〔シャーベット〕オレンジ200。(2009年4月調べ)

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ちゅるとろ系シロタレ … もつ焼き「のんき」(堀切菖蒲園)

シロタレ


「この店に来たらシロタレしか食べない。シロタレを3皿食べて、ボールを3杯飲んで帰るんです」

 そう話してくれるのは「酔わせて下町」のFさん。今日は葛飾区在住のFさんに、堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)のもつ焼き「のんき」に連れてきてもらっています。

 Fさんおすすめのシロタレを口に運ぶと、表面のカリッと芳ばしく焼けた中は、トロトロのやわらかさ。ひゃぁ~っ。これは美味いですねぇ!

「そうでしょう。ここのシロタレは東京一、いやいや銀河一うまいんです!」

 たしかに、こんなシロタレは食べたことがない。でもなんでこんな食感なんですか?

「うちのシロは、ちゅるとろ系と言われてるんです。口の中でチュルッ、トロッととろけるってことなんですね。他所のシロしか食べたことがないお客さんには驚かれます」

 と話してくれるのは、老舗「のんき」を引き継いだ、若き三代目店主です。

「シロといっても、うちのは豚の直腸(他の店ではテッポーとかトロ、上シロなどと呼ぶ部分)を使ってるんですよ。これを普通の店の3倍以上、時間にして3時間以上ゆでたものに、串を打って焼き上げます。煮込みにも同じシロを使うんですが、煮込みの場合は、そこからさらに3時間以上煮込むので、下ゆでと合わせると6時間以上煮込むことになります」

 そのもつ煮込み(450円)は冬場(10月~3月)しかないとのことで、残念ながら今日はありませんでした。

 もつ焼きは、シロ、カシラ、タン、ハツ、ハツモト、レバーの6種類が、それぞれ4本1皿で360円。2種2本ずつを盛り合せて1皿でもOKです。ユニークなのは、普通のタレ、塩の味付けのほかに、ニンニク醤油、ショウガ醤油が選べること。人気があるのは、先ほどのシロタレとカシラニンニク(カシラのニンニク醤油)だそうです。

 メニューには生ものもあって、ガツ刺、タン刺、ハツ刺、シロ刺、レバ刺のそれぞれが、こちらも1皿360円。刺身もニンニク+ゴマ油とか、ゴマ油+塩、ショウガ醤油など、いろんな味付けが楽しめます。

 この店では回転寿司と同じように、注文したお皿はずっと下げずに置いておいて、最後に皿の枚数×360円で計算するのです。

 焼き物、生もの以外のサイドメニューとしては、トマト(280円)、大根サラダ(240円)、もろきゅう(240円)、おしんこ(240円)があって、ボリュームたっぷりの大根サラダが人気があるほか、おしんこもぬか漬けでFさんもよく注文する品だと教えてくれます。

 飲み物の一番人気はなんといってもボール(焼酎ハイボール、290円)。ここ「のんき」ももちろんのこと、堀切菖蒲園では、「とりあえずビール」ではなくて、「とりあえずボール」なんだそうです。店の奥の壁にも『のんきのボール。琥珀色に輝きを放ち、はじけ飛ぶ無数の気泡に誘われて、不思議とあなたの所へ足が向く…。何杯飲んでも「もう一杯!」』という色紙が張り出されています。

 創業者である初代店主夫婦が30年近くやってきたこのお店。初代の店主が引退されたあと、常連客だった二代目のママさんが3年ほど切り盛りし、さらにその常連客だった現店主(三代目)へとバトンタッチしました。現在は、曜日ごとに人は入れ替わるものの毎日3人(その内ひとりは厨房担当)で、土曜日だけはひとり増えて4人(厨房はひとり)で切り盛り中です。

 ちなみに四ツ谷や赤羽にある「堀切のんき」は、二代目ママさんの息子さんが、ここ「のんき」のレシピを引き継いで展開しているお店だそうです。

「お客さんの8割以上が、昔からいらっしゃっている常連さんなので、『のんきのもつ焼き』と言われる伝統の味を、どれだけ崩さずに守るか、というところに一番気をつけています」

 と、きっぱりと語ってくれる店主。ぜひ初代のとき以上の名店に育てていってくださいね!

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「のんき」 / のんきのボール / タン刺(ニンニク醤油+ゴマ油)

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レバ刺(ゴマ油+塩) / ハツ刺(ショウガ醤油) / ガツ刺(酢みそ)

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大根サラダ / 焼き台の様子 / タン塩

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レバテキ(ほとんど生) / カシラ塩 / 店内の様子

店情報

《平成21(2009)年4月18日(土)の記録》

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店情報: もつ焼き「のんき」(堀切菖蒲園)

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  • 店名: のんき
  • 電話: 03-3601-4052
  • 住所: 124-0006 東京都葛飾区堀切5-20-15
  • 営業: 17:00-22:00(日祝は -21:00)、水休
  • 場所: 京成本線・堀切菖蒲園駅の改札を出て右(北)へ約170m、大通りを横切る信号交差点を渡って右へ。
  • メモ: 直線カウンター(11人分)が平行に2列で全22人。予約不可。
    〔焼き物(4本1皿)360〕しろ、かしら、たん、はつ、レバー、はつもと(軟骨風)。味はタレ、塩、ニンニク醤油、ショウガ醤油が指定できる。2種2本ずつでの注文も可。
    〔生もの(1皿)360〕がつ刺、たん刺、はつ刺、しろ刺、れば刺。
    〔煮込み〕冬場(10~3月)のみ、もつ煮込み(450円)あり。3時間以上、下ゆでしたシロ(直腸)を、さらに店で3時間以上煮込んで、コンニャクとジャガ芋が1個、みそ味で仕上げる。
    〔飲み物〕清酒350、ビール530、ウィスキーハイボール290、ハイボール290、サイダー180、ウーロン茶180。
    〔サイドメニュー〕とまと280、大根サラダ240、もろきゅう240、おしんこ240。(2009年4月調べ)

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〔コラム〕チャップ・豚・チュウ … 田舎洋食「いせ屋(いせや)」(呉)

チャップ・豚・チュウ


 呉(くれ、広島県)の中通りにある田舎洋食「いせ屋」にやってきました。

 創業者の故・加納勇太郎さんは、日本海軍の装甲巡洋艦「浅間」のコック長を務めた後、大正10(1921)年に、ここで洋食屋をはじめたのだそうです。

 広島方面の食情報に詳しい“快食.com”にある「いせ屋」の記事によると、『店内に飾られた額によると、明治45年(1912年!)にビアホールとして開業したのが最初とのことなので、広島県内に現存する洋食店の中では最古、飲食店としても有数の歴史を持つ店だ。』とのこと。

 もともとの名物は“わらじカツ”の愛称を持つビーフカツレツ(1,100円)。直径30センチの皿が隠れるほど大きくて、客が「まるで、わらじのような…」と驚いたことから“わらじカツ”と呼ばれるようになったのだそうです。(昭和49(1974)年4月に毎日新聞呉支局から出版された「呉うまいもん」より。)

 私が、この店に足しげく通っていたころ(今から20~25年前。昭和58~63年ごろ)の名物はカツ丼(1,100円)でした。これは平皿に盛ったご飯の上に、ひと口大にカットしたビーフカツレツをのせ、たっぷりのドミグラスソースがかけられます。最後にグリーンピースが何粒かトッピングされて、見た目はハヤシライスのよう。これがこの店のカツ丼なのです。

 店のメニューにはハヤシライス(700円)もあって、これは食べたことも見たこともありませんが、おそらくカツ丼のビーフカツレツを抜いたものなんだろうと思います。

 そして最近は、“肉じゃがの元祖は呉!?”ということで、海軍さんの肉じゃが(400円)や、店の表にも“海軍カレー有ります”と張り出されている海軍さんのカレー(700円)なども名物になっているようです。

 がしかし! 私がこの店で注文するのは、以前通っていたときの大好物であるポークチャップ(800円)です。これに豚汁(300円)と中ご飯(180円)をもらって定食にするのです。

 この注文をすると、店の奥の厨房に向かって「チャップ・豚・チュウ(中ご飯のこと)です~」と注文が通されます。この符丁も久しぶりに聞きましたねぇ。ちっとも変わってないのが嬉しいです。

 なにしろドミグラスソースがおいしいので、それをたっぷりとまぶしたポークチャップもまたおいしいんですよねぇ。豚汁もコクのある濃厚な味わいで、注文する人が多い一品です。メニューには書かれていませんが、普通のみそ汁椀で出される豚汁(小)という、小サイズもあるようです。

 田舎洋食という看板ながら、この店のメニューには、おひたし、大根おろし、冷やっこ、湯豆腐、きゅうりもみ、味付け海苔といった和風のサイドメニュー(各200円)もあり、酒類も日本酒とビールのみ。

 夜やってくると、これらの肴をつまみながら、菊正宗(600円)の燗酒をチビチビやっているお客さんも多いのです。ただし、この店の営業時間は夜8時半までなので、早い時間に行かないとダメですけどね。

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ポークチャップ / 豚汁 / 中ご飯

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のれん / テーブル席 / 座敷席

店情報前回

《平成21(2009)年5月18日(月)の記録》

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店情報: 田舎洋食「いせ屋(いせや)」(呉)

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  • 店名: いせ屋食堂
  • 電話: 0823-21-3817
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通4-12-16
  • 営業: 09:00-20:30、木休(祝日の場合は翌日休)
  • 場所: JR呉駅を出て、まっすぐ正面に見える大通り(今西通り)を直進すること約600m(徒歩11分ほど)、法務局西入口信号交差点を右折する。そこからさらに道成りに直進すること約550m(徒歩10分ほど)。途中で堺川を渡り、イズミの横をとおり、れんが通りを横切ったら、30mほど先、左手。駅からの全行程は1.1キロ、徒歩約21分。呉駅から広(ひろ)方面行きの路線バスに乗った場合は、本通三丁目バス停下車。
  • メモ: 洋食屋としては大正10(1921)年創業。この店を創業した加納勇太郎さん(故人)は、“日露戦争大勝祝賀”の明治天皇お召し艦「浅間」のコック長。カウンター3席、テーブル3卓12席、座敷2卓8席。
    〔洋食〕いせ屋特製・カツ丼1,200、カツカレー1,200、海軍さんのカレー750、ハヤシライス750、オムライス800、チキンライス750、ヤキメシ750。〔一品料理〕ビーフステーキ2,200、ビーフカツレツ1,200、ビーフシチュー1,200、タンシチュー1,200、トンテキ900、トンカツ900、ポークチャップ900、オムレツ800、海軍さんの肉じゃが450、おひたし220、大根おろし220、冷やっこ220、湯とうふ220、きゅうりもみ220、味付け海苔220。〔汁物〕豚汁330、サツマ汁330、味噌汁220。〔ご飯〕大220、中200、小180。〔丼もの〕親子丼750、他人丼750、玉子丼750。〔うどん〕うどん350、きつねうどん380、玉子うどん400、肉うどん550、カレーうどん550。〔飲み物〕菊正宗650、白牡丹320、キリン瓶ビール大750、アサヒ瓶ビール小550、キリンレモン220、オレンジジュース220、コカコーラ220。〔お土産用・自家製漬物〕大根1本220、胡瓜1本130。(2014年11月調べ)

    いせ屋特製・カツ丼1,100、カツカレー1,100、海軍さんのカレー700、ハヤシライス700、オムライス730、チキンライス700、ヤキメシ700。〔一品料理〕ビーフステーキ2,000、ビーフカツレツ1,100、ビーフシチュー1,100、タンシチュー1,100、トンテキ800、トンカツ800、ポークチャップ800、オムレツ730、海軍さんの肉じゃが400、おひたし200、大根おろし200、冷やっこ200、湯豆腐200、きゅうりもみ200、味付け海苔200。〔汁物〕豚汁300、サツマ汁300、味噌汁200。〔ご飯〕大200、中180、小160。〔丼もの〕親子丼700、他人丼700、玉子丼700。〔うどん〕うどん300、きつねうどん330、玉子うどん350、肉うどん500、カレーうどん500。〔飲み物〕菊正宗600、白牡丹300、キリンビール大700、アサヒビール小500、キリンレモン200、オレンジジュース200、コカコーラ200。〔お土産用・自家製漬物〕大根1本200、胡瓜1本100。(2009年5月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (01.08.25)(99.08.09)

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久しぶりの焼鳥盛合せ … 焼鳥割烹「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

チキンセット(塩)


 店の看板は焼鳥割烹(やきとりかっぽう)なのに、最近は来るたびに魚介類を注文することが多くて、看板メニューの焼き鳥を注文してませんでしたねぇ。今日は久しぶりにチキンセット(504円)をいただきますか。

 チキンセットは、ねぎま、鳥レバ、鳥皮、若鳥、砂肝という、鶏の串焼き5種5本を1皿に盛り合せたメニュー。塩味とタレ味が選べ、注文を受けてから、生の状態から焼き上げてくれます。

 「川名」の創業は昭和46(1971)年6月。今年の6月で創業38年となります。

 もともと精肉業からスタートした「川名」。創業当時からのメニューが焼き鳥です。現在の焼き鳥メニューは、自家製のつくね(115円)から始まって、ねぎま(105円)、若鳥(105円)、すなぎも(105円)、鳥皮(84円)、鳥レバ(105円)、ハツ(105円)、豚レバ(105円)、カシラ(105円)、ナンコツ(105円)、タン(105円)、白もつ(84円)、豚バラ串(126円)、豚トロ串(126円)、鳥にんにく串(105円)、豚にんにく串(105円)、鳥中おち串(126円)、鳥なん骨串(105円)、手羽中串(168円)、皮にんにく串(168円)、ハラスサーモン串(168円)、合鴨団子串(168円)など、20種類強。鶏肉も、豚肉もそろっているところが特徴です。

 それぞれ1本から注文できて、お土産として持ち帰ることもできます。店頭でお土産用を注文した場合は、あらかじめ焼き上げられて、大皿に並べられている焼き鳥を、汁が漏れない袋で持たせてくれます。これを電子レンジでチンしていただくのです。

 盛り合せの焼き鳥メニューは、今回注文したチキンセットのほかに、豚の串焼き6種6本(たん、はつ、かしら、白もつ、なんこつ、豚レバ)のニュートンセット(609円)があって、こちらも塩焼き、タレ焼きが選べます。

 ちなみに、チキンセット、ニュートンセットともに、単品を組み合せて同じものを注文する場合と同じ値段です。一言で注文できるので、注文が楽、というところがメリットでしょうか。

 さて、金曜日の今日は、横浜での新入社員歓迎会のあと、阿佐ヶ谷へと帰ってきて、「川名」に入ったのは、午後10時過ぎ。

 この時間帯でも、やはりお客さんは多くて、かろうじて空いていた、カウンターの1席に腰を下ろし、生グレープフルーツサワー(336円)でスタートすると、お通し(サービス)はオレンジ(1切れ)とモヤシの塩漬けが出されます。

 手書きのホワイトボードメニューは、売り切れると消されていきます。この時間、すでにボード左側の魚介類などのところは半分くらいが消えた状態です。残っているのは鮭刺(399円)、甘えび刺(399円)、さんま炭焼(294円)、さば炭焼(294円)、山芋納豆(294円)、ゴーヤサラダ(294円)などなど。カクテキ(168円)や、柚子コンニャク(189円)、くんせい玉子(294円)なんてメニューもありますねぇ。姫やっこ(189円)って何だろう?

 チキンセットを食べ終わったあとは、氷なしの黒ホッピー(336円)をもらって、ホワイトボードメニューの赤かぶ漬(168円)を注文すると、出てきた赤かぶ漬は、小皿にたっぷりと山盛りです! これはすごい。

 今日もまた午後11時過ぎまでくつろいで、お勘定は1,344円でした。どうもごちそうさま!

店情報前回

《平成21(2009)年4月17日(金)の記録》

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〔コラム〕 野毛の定番回遊コース

「第一亭」のパタン

 「宇ち中」のuchidaholicさんが、「ある日、風になれ。」のchamiさんと一緒に野毛(のげ)にやってくるということで、今日は野毛飲みです。

 仕事が終わって、野毛の最寄り駅であるJR根岸線・桜木町(さくらぎちょう)駅に到着したのは午後6時15分ごろ。待ち合わせの7時までは、まだちょっと時間があるので、まずはバー「」でひとりゼロ次会です。

 この店の三代目である、現在の店主・塚田浩司さんと話をしながら生ビール(800円)を1杯飲むうちに、ちょうどいい時間となり、待ち合わせの「福田フライ」で、uchidaholicさん、chamiさん組と合流。

090415a ここは瓶ビール(キリンラガー大瓶、600円)をもらって、それぞれフライを2本ほどずつ。私はこのところ定番のカボチャ(140円)とクジラ(190円)を普通のソース+練り辛子でもらって、さらにノブさんの隠れメニュー、魚の肝の唐揚げ(150円)や、肉汁たっぷりのハンバーグなどをいただきます。

 chamiさんによると、「御徒町食堂」のハンバーグと似ているとのこと。「御徒町食堂」は、先日発売となった「東京ひとりめし」でも紹介されていて、ぜひ行ってみたいお店の1軒。ますます気になりますねぇ。

 45分ほど立ち飲んで、3人で2,810円(ひとり940円弱)。続いて「ホッピー仙人」に向かったものの満員で、「栄屋酒場」に入ります。

090415b 名物の穴子天ぷら(630円)は売り切れていたものの、今日の狙いはメニューにはない刺身の盛り合せ。「横浜本」の「栄屋酒場」のページに、この刺身盛り合せの写真が載っていて、ぜひたのんでみたかったのです。今日のは、マグロのトロと赤身、ヒラメの身とエンガワ、ホタルイカ、クジラ、そしてショウサイフグの盛り合せです。

 お通し(サービス)の冷奴に、燗酒(340円)を3人で4本ほどいただいて、今日のお勘定は4,060円(ひとり1,350円強)。刺身盛り合せは2,700円(900円×3人前かな?)だったんですね。

090415c もう一度「ホッピー仙人」に向かうと、今度は立ち飲みながらも入ることはできました。今日は生はなくて、私は瓶の白ホッピー(500円)と、カウンター上に置いているつまみの中から、燻製玉子(100円)をもらいます。

 店内で「酒と男と。。。」のプー子さんや、野毛の酒豪美女・ひろたろうさんとも乾杯。ひろたろうさんは、「福田フライ」でもチラリとお会いしたので、本日、2度目です。

090415d 「ホッピー仙人」で、ホッピーを1~2杯ずつ飲んで、次は「日の出理容院」です。ここでは「激務な日々」のひでさんが飲んでいました。私は角のハイボールを2杯もらって、キャッシュ・オン・デリバリーは1,200円。

 最後はプー子さん、chamiさん、uchidaholicさんと4人で「第一亭」です。紹興酒をボトル(2,000円)でもらって、定番のホルモン炒め(600円)、チート生姜炒め(600円)、シジミ醤油漬(600円)、そして有名すぎる隠れメニューのパタン(600円)で〆ると、お勘定は4人で4,400円(ひとり1,100円)。日ノ出町駅でみんなと別れて帰路につきます。

 野毛にも、横浜にも、いい酒場はもっともっとたくさんあるのですが、最近はまるで回遊魚のように同じ酒場ばかり巡っているのでした。

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《平成21(2009)年4月15日(水)の記録》

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一番安くても本醸造酒 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

お通しと菊正宗(燗酒)


 日本酒は、その名のとおり、日本の伝統的なアルコール飲料なのですが、残念なことに、「うまいなぁ」と思うようなお酒を置いている酒場は、全体としては少ないのです。知らない酒場で(銘柄が明確に書かれていない)日本酒を注文すると、ほとんどの場合、はずれると思って間違いないくらいの悲しい状況です。

 呑ん兵衛は、まずいお酒にはとっても敏感な人が多いように思います。ずば抜けて美味しいお酒である必要はないのですが、まずいのは困る。そこそこに美味しいのがいいのです。

 現在の私の職場には、呑ん兵衛がとても多いのですが、先日、職場で飲み会をしたときのことです。大勢の呑ん兵衛たちに気を使って、幹事が飲み放題つきの宴会コースを予約してくれました。ところが! この飲み放題で選べるお酒が、どれを選んでも不味いのです。

「これはダメだ。追加料金を払っても、ちゃんと飲めるお酒をたのもう」

 ということで、日本酒派も、焼酎派も、それぞれ自分たちの飲みたいお酒を別注文しての宴会となったのでした。最後まで飲み放題を続けたのは、ビール派(瓶ビール)の人たちと、ウイスキー派(水割り)の人たち。ビールやウイスキーは、飲み放題であっても、あまり当たり外れはないようですね。

 日本酒の場合の美味い、不味いは、どこが違うのか。単純に分けると特定名称酒か普通酒かの違いと言っていいと思います。

 特定名称酒というのは、『三等米以上の白米を用い、白米の重量に対する米麹の使用割合が15%以上の清酒』ということで、原料や精米歩合によって、本醸造酒、純米酒、吟醸酒(大吟醸酒や純米吟醸酒も含む)の3つに分類されます。普通酒は『それ以外』です。

 この特定名称酒という分類のお酒であれば、だいたい「不味くないお酒」と思って間違いないと思います。

 しかし、残念ながら日本酒全体の生産量(平成19年度)で見ると、本来の日本酒であるはずの特定名称酒は全体の35%にしか過ぎません。残り65%は普通酒。だから酒場で日本酒を注文すると、美味しくないお酒に当たる割合が高いんですね。

 不味いお酒を流通させると、それだけ日本酒離れが進んでしまうのではないかと思うのですが、それでも普通酒の割合が65%もあるのはどういうことなんでしょう。このあたりの事情に詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。

 私の場合は、普通に酒場で飲む場合には本醸造酒を中心に、ときどき純米酒といったところ。燗酒でいただくことが多いのです。魚介類はもちろんのこと、天ぷらなどの揚げ物や、もつ焼きにも、本醸造酒であれば合うように思うのです。

 吟醸酒(大吟醸酒や純米吟醸酒も含む)などももちろん好きですが、こういうお酒の場合には、料理と合わせるよりはお酒だけで楽しむほうがいいかなぁ。「善知鳥」のように珍味があったりすると、もう最高です。

 日曜日の今日、家族との夕食の後に、ちらりとナイトキャップにやってきたのは、わが家から歩いて10分、都立家政の「竹よし」です。

 店に着いたのは午後8時ごろ。店主も「土日は混むことが多いんですよ」と言うとおり、今日も店内はほぼ満席。カウンターの一番入口側の席が1席空いていたので、そこに座り、今日は最初から燗酒(菊正宗、350円)をもらいます。

 「竹よし」の一番安い日本酒が、この菊正宗の上撰(本醸造酒)なのです。しかも1合350円と、低価格なのも嬉しいではありませんか。本醸造酒だと、安くても1合500円くらいのお店が多いですからねぇ。

 お燗をお願いすると、店主がつけてくれたり、手伝っている女の子がつけてくれたりするのですが、ヤカンの中に徳利を入れて感覚的につけてくれるので、人によって温度が違っていたり、そのときによって温度が違っていたりするのもまたご愛嬌。電子レンジでチンよりは、はるかに人間味があっていいと思うのですが、こういう店も減ってます。

 お通し(200円)のミニ・ソーメン(豆腐、カニかま、海苔などをトッピング)をつまみに1本いただき、「五日目」と書かれたイカ塩辛(350円)であと2本。

 菊正3合ですっかりいい気持ちになって、2時間ほどの滞在は1,600円。さぁ、明日からまた1週間、がんばりますか!

店情報前回

《平成21(2009)年4月12日(日)の記録》

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定番・自家製イカ塩辛 … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)

自家製塩辛


 阿佐ヶ谷から始まった土曜日夕方の、ひとり呑み。高円寺での2軒目を終えて、3軒目は荻窪の「やき屋」です。

 店に到着したのは午後8時40分。土曜日のこの時間帯でも、けっこうにぎわっています。ちょうど先客が帰ったばかりなのか、カウンターの一角がちょうど一人分空いていて、そこに立ちます。

 この店の人気の理由は、八戸産の新鮮イカ料理をはじめとする20品ほどのつまみが、ほとんど170円均一で食べられるところ。この値段ながら、刺身や焼き物は、注文してから目の前で作ってくれるのですから驚きです。

 飲み物はホッピー(320円)をもらって、つまみには、いかなんこつ焼き(170円)を注文するとともに、カウンター上に大皿で置かれている何品かのつまみの中から、げそ揚げ(170円)を選びます。

 いかなんこつ焼きは注文を受けてから、生から焼きあげてくれるので、少し時間がかかるのです。一方、カウンター上の大皿料理は、大皿からサッと取り分けてくれるので、すぐに出てくるのです。

 そのげそ揚げをつまみながらホッピーをクイッ。うぅ~、効きますねぇ~!

 ここのホッピーは、サワーグラスに氷入りで、焼酎がたっぷりと入っているので、いっぱいまでホッピーを注いでも、瓶に半分以上のホッピーが残るほど濃さ。この濃さで、短時間の立ち飲みでも強烈に酔っ払うのです。

「はい。なんこつ」

 店長のゲンさんの声とともに、いかなんこつ焼きもできあがりました。最後にちょいとタレをつけて焼く、イカの香ばしさが大好きです。七味唐辛子をパラリとかけて食べるのが美味しいのです。ッカァ~ッ。ホッピーも進むなぁ。

 中(ホッピーの焼酎おかわり、160円)をもらって、さぁ、次はなにを食べようかな。

 おろっ。イカにぎり棒(200円)なんてメニューがある。これって新商品?

「そうだけど、もう売り切れ」とゲンさん。

 そうかぁ、残念だなぁ。この店には2年ほど前まで、イカしょうが棒という、棒状のさつま揚げのようなメニューがあって、よく注文する好みの品だったのです。その復活かと喜んだのですが、売り切れちゃってましたか。

 それじゃ、定番の自家製塩辛(170円)にしましょう。小鉢にたっぷりと盛られる塩辛は、この一品だけで日本酒ならば軽く2合は飲めてしまうほど。今日はホッピーと合わせていただきます。

 ゆっくりと1時間ほどの滞在は990円。ホッピー2杯(セット+中1杯)と料理3品で、千円に届かないというのが「やき屋」の嬉しさですねぇ。どうもごちそうさま!

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ホッピー / げそ揚げ / いかなんこつ焼き

店情報前回

《平成21(2009)年4月11日(土)の記録》

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テレビ前で一家団欒? … 大衆酒場「南よし(なんよし)」(高円寺)

店内の様子


 高円寺駅南口のPAL商店街の入口に、なにやら古びた(ほめ言葉です!)渋い大衆酒場があります。いつか行かなきゃなぁ、と思いながら、なかなか行けずにいたところ、先日発売された「古典酒場 Vol.6」(税込980円)の中に、成田一徹(なりた・いってつ)さんの切り絵として登場。

 その切り絵にもまた引かれて、今日やっと、懸案の「南よし」にやってきたのでした。

 大きく書かれた「大衆酒場」の、「大衆」と「酒場」の文字の間に、縦書きで「南よし」と店名の入った暖簾(のれん)。このスタイルは、十条の名店、「斎藤酒場」の暖簾と同じですね。「斉藤酒場」の紺地に白文字に対して、こちらの暖簾は茶色地に白文字です。

 その茶色の暖簾をくぐって、開けっ放しの入口から店内に入ると、店内は奥に向かってうなぎの寝床のように細長く、L字カウンター20席ほど。

 驚いたことに、土曜日、午後7時過ぎのこの時間、店内の先客はポツン、ポツンと二人です。二人とも、いかにもこの近くに住んでてちょっと出てきたといった感じの年配男性客で、カウンターの奥のほうに座ってチビリチビリと飲んでいます。

 私は空いているカウンターの手前側に座り、お絞り(袋入りの蒸しタオル)とお通しのキュウリの漬物を持ってきてくれた(外国の人らしい)おねえさんにチューハイ(340円)を注文します。

 そのチューハイが来るまでに、カウンターの中の壁にびっしりと張り出された短冊メニューを確認します。

 やきとんは1本90円ながら、1種類2本以上からの注文。店頭でお土産用のやきとんも販売しているようです。それ以外の一品料理はとにかく品物が多くて、すべてを見るには、かなり時間を要しそうです。一番安いのがキャベツなどの250円で、愛媛産・真鯛刺身や、まぐろ中トロ刺身の950円。それほど高くはありませんが、それほど安くもないといったところです。

 初回なので、刺身などの生ものは避けて、牛肉コロッケ(500円)にしてみましょうか。

 「ハーイ」と、いったんは注文を受けてくれたおねえさんでしたが、奥にいる女将さんが「ごめんなさい。今日はコロッケは売り切れたんです」とのこと。店は女将さんとおねえさんの二人で切り盛り中。「寄り道Blog」によると、奥の厨房に男性も居るようですが、この場所からは厨房は見えません。

 それじゃ、と注文したのはやきとんです。これもレバやシロなどの、店によって当たり外れのあるものは避けて、まずは無難にカシラの塩焼き(90円×2本)を注文します。やきとんは注文を受けてから、おねえさんが店頭の焼き台で焼いて、持ってきてくれます。

 カシラをかじり、チューハイを飲みながら、ゆっくりと店の様子を観察します。

 先客がカウンターの奥にかたまっているのは、どうやらカウンターの一番奥に置かれている小さな(14インチくらいの)テレビを見るためのようです。お客さんたちも、女将さんも、おねえさんも、みんなテレビの近くに集まって、テレビを見ながらときどき会話を交わしています。まるで一家団欒中の家族のようですねぇ。

 おねえさんがチラリチラリとこちらを気にしてくれるので、チラリとこっちを向いたところで、今度は砂肝(90円×2本)を塩で焼いてもらいます。

 この場所で変わらず50年以上営業を続けているのには、なにか目玉となる物がありそうに思うのですが、今日は常連さんも少ないので、それが何かを探るのは難しそうです。今日のところは様子見だけにしておいて、もうちょっとお客さんが多そうなときに、また来てみることにしましょうか。

「どうもごちそうさま」

 45分ほどの滞在は700円でした。

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チューハイとお通し / カシラ塩 /

店情報

《平成21(2009)年4月11日(土)の記録》

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店情報: 大衆酒場「南よし(なんよし)」(高円寺)

    090411z2
  • 店名: 南よし
  • 電話: 03-3315-3233
  • 住所: 166-0003 東京都杉並区高円寺南3-58-21
  • 営業: 17:00-24:00(23:30LO)、日祝休
  • 場所: JR中央線・高円寺駅南口のPAL商店街を入ってすぐ右手。
  • メモ: 店内は奥に向かって長く、L字カウンター20席ほど。
    〔料理〕やきとん1串90(1種2本以上から)(レバ、シロ、ハツ、カシラ、タン、ナンコツ、豚ばら、ししとう焼、ネギ焼、うずら、とり皮、すなぎも、自家製つくね、ネギマ)、とりわさ500、レバ刺し470、牛もつ煮込み450、あつあげ400、キャベツ250、山かけ680、まぐろぶつ切り680、いか塩辛380、さば味噌煮750、真だこぶつ切り550、豚味噌焼680、まぐろ中トロ刺身950、真鯛刺身(愛媛産)950、帆立バター焼500、やりいか刺身650、しめさば刺身700、ぶり照焼700、平貝刺身750、ボイルほたるいか550、ぎんなん550、いわしみりん干し300、砂肝いため480、厚焼玉子450、げそバター焼500、ポテトフライ450、笹かまぼこ350、さつまあげ500、おでん盛合せ650、ほうれん草おしたし390、エシャレット350、にこごり300、かつおたたき650など。
    〔飲み物〕大瓶ビール(キリン、サッポロ、アサヒ)550、生ビール(大)680、生ビール(中)480、グラス生ビール370、サワー各種340より、お酒(1合)310、お酒(2合)590、大関(生酒1合)480、角ウイスキー310。〔芋焼酎〕さつま無双470、黒霧島470、島美人470、たちばな500、佐藤黒600。〔麦焼酎〕中々520。〔しそ焼酎〕たんたかたん450。(2009年4月調べ)

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ひとりで行きたい酒場 … 小料理「燗酒屋(かんざけや)」(阿佐ヶ谷)

白鷹(燗)


 和服に割烹着の美人女将の店。

 う~ん。なんて魅惑的な響きでしょう。こういう店には、絶対にひとりで行きたい。酒友と話をしている場合じゃなくて、美人女将と話をしなきゃね。ましてや女性連れで行くのは避けたいですよねぇ。

 そんなわけで、土曜日の今日は、自宅からフラフラと歩いて、阿佐ヶ谷にある和服に割烹着の美人女将の店、「燗酒屋」にやってきました。

 この季節、開けっ放しにされている入口から「こんにちは」と店内へ。

 7~8人分のL字カウンターは、午後6時過ぎのこの時間帯、ほぼ満席。しかし、入口すぐの角のところが1席だけ空いてました。ラッキー。

 カウンターは、奥から男・女・男・男・男・私・男、といった並び。ほとんどがひとり客のようです。

「いらっしゃいませ」

 と、いつもの笑顔で迎えてくれる女将に、瓶ビール(エビス中瓶、600円)を注文すると、お通し(500円)としてツブ貝の煮物が出されます。

 店の奥の黒板メニューをサッと確認して、早々とニシンの塩焼き(750円)を注文しておきます。女将ひとりで切り盛りしているので、一斉にみんなが注文すると、けっこう時間がかかったりするのと、焼き魚は時間がかかるということとで、早めに注文したような次第です。

 しかし、ここの女将は、とっても忙しそうなときでも、テキパキ、テキパキと動きながら、お客から声がかかるとニッコリとそっちを向いて応対する。ひとつひとつの動きが小気味よくて、無駄がなくて、その様子を見ているだけでも楽しく飲めるのです。和服に割烹着だしね!

 あっちを向いて鍋の準備をして、火にかけてタイマーをセットすると、こっちを向いて、まな板の上で肴の下ごしらえ。そこへお酒の注文が入ると、「は~いっ!」と返事して冷蔵庫から冷酒を取り出してきて、「今日の純米酒は……」と説明する。ピピピッと背後でタイマーがなって、「ちょっとごめんなさいね」と振り返って、鍋の蓋を取り、チャチャッと味を調えて、またタイマーをセット。お客さんに続きの説明をして、お酒を注いで、まな板の上の魚の支度が終わったところで、ピピピッとタイマーの音で鍋も仕上がります。その横の焼き網に置かれている私のニシンも焼き上がったようです。

「ニシンの塩焼き、お待たせしました~」

 と出してくれる女将に、「白鷹」(550円)の燗酒をお願いします。

 日本酒好きな女将は、新潟の出身らしく、メニューにはヘギソバも並んでいます。今日の黒板メニューの最高値はカツオ刺身で、これが920円。下はサラダなどが500円前後で魚介類は650円くらいから。白身魚と揚げ出し豆腐(750円)や、若竹煮(国産竹の子)(780円)にも引かれますが、今日はほかにも回りたいお店があるので、1軒目は軽くここまでにしておきましょう。

「どうもごちそうさま」

 そう言いながらニシンの皿をカウンターの上に返すと、

「あらっ! 理科の実験室みたい!」

 と、きれいに骨だけになったニシンを見て喜んでくれます。忙しい中で、ふっとこういう反応を返してくれるところがいいんですよねぇ。

 1時間ちょっとの滞在で、お勘定は2,400円。

「どうもありがとうございます」

 とカウンターの中から出てきて、店の表まで見送ってくれました。

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「燗酒屋」 / ビールとツブ貝煮 / ニシン塩焼き

店情報前回

《平成21(2009)年4月11日(土)の記録》

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地元酒場でくつろいで … 大衆割烹「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

シメサバとお通し(マカロニサラダ)


「ラーメン好きには、新店ができたと聞けばすぐに出かけるコレクタータイプと、お気に入りの店に通うリピータータイプがいるんです」

 というのは、「自称「日本一ラーメンを食べた男」の日記」の大崎裕史(おおさき・ひろし)さんの言葉です。ご自身は超コレクタータイプで、同じラーメンや同じ店に行くよりは、新しい店や新しい味を求めてしまう性格なのだそうです。「コレクタータイプのほうが、ブロガーには向いてますよね」と大崎さん。

 酒場好きも同様で、各地の各酒場に行きたくてしょうがないコレクタータイプと、毎日のように同じ酒場に通い続けるリピータータイプが存在します。違うのはコレクタータイプであっても、リピートするお店(行きつけの店)はあって、そこには通いながらも、他の店にも出かけていくというところでしょうか。

 リピートする酒場は、ほとんどの場合は、職場の近くか、自宅の近くだろうと思います。中には、宇ち中さんのように、職場からも、自宅からも遠い酒場(「宇ち多゛」)に通いつめる方もいらっしゃいますので一概には言えません。私の場合、リピートする酒場は、自宅の近くの何軒かです。

 今日はそんな1軒、鷺ノ宮の「ほ里乃家」にやって来ました。

 瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、600円)をもらって飲み始めると、今日のお通し(200円)はマカロニサラダ。1品目のつまみとして〆サバ(550円)を注文します。

 金曜日、午後9時40分の店内は、不思議なほど空いていて、J字カウンター(J字の右上が入口)の一番奥(J字の下の部分)に、大常連のKさんが座って、いつものように店主夫妻との会話を楽しんでいます。

 Kさんは圧倒的にリピータータイプ。この店のほか、数軒の行きつけの店があるらしく、毎晩のようにそれらの店を回ってらっしゃるご様子。少なくとも、私がこの店に来て、Kさんにお会いしなかったことは、ほとんどありません。

 Kさんの素晴らしいところは、いつもニコニコと元気がいいこと。そして、常にまわりのお客さんの存在も意識しながら、大きな声で店主夫妻や他の常連さんたちとの話をしてくれることです。

 常連さんたちがコソコソと小さい声で話し合ったり、自分たちだけに分かる話題を展開していると、その店にそれほど通ってない人たちにとっては居心地が悪かったりするのですが、Kさんは、まわりも話題に巻き込むような話し方で、ただ聞いているだけでも、こっちも楽しくなるのです。

 瓶ビールに続いては、チューハイ(340円)をもらって、モツミソ焼き(350円)を注文します。モツミソ焼きというのは、シロモツの味噌焼きで、4本1皿が1人前です。この店には、このモツミソ焼きと、4種のもつ焼きが1本ずつ盛り合わせられる“やきとり”(350円)の2種類のメニューがあって、注文する人が多い、人気の品です。“やきとり”は塩焼きとタレ焼きが選べます。

 看板にも「おでん・やきとり」と書かれているとおり、まさに看板メニューですもんね。

 最後にそのおでん(1個100円ほど)もいただきます。竹の子と厚揚げを注文したところ、竹の子は太い部分と、先っぽの部分が選べるとのこと。両方とも入れていただきました。

 午後11時40分まで、2時間ほどの滞在は2,340円でした。

 この後さらに、これまたリピート店の1軒である、すぐ近くの「満月」にも顔を出して、午前2時前まで。ここまで帰ってきていると、終電の心配がまったくないので、ついつい腰が据わってしまうのでした。あぁー、よく飲んだ。

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「ほ里乃家」 / モツミソ焼き / おでん / 「満月」にて

店情報前回

《平成21(2009)年4月10日(金)の記録》

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〔コラム〕 吉祥寺ガード下酒場

東京ガード下酒場


 山縣基与志さんが書かれた「東京ガード下酒場」。そのタイトルどおり、有楽町、新橋、神田・上野、渋谷・中目黒・五反田、高円寺、吉祥寺・西荻窪、番外(各地の横丁)という7つのエリアについて、ガード下の酒場を紹介している図書です。

 今日は吉祥寺で飲み会の予定。その前に、本書で紹介されている店に立ち寄ってみようと、ちょっと早めに吉祥寺にやって来ました。

 まず向かったのは、井の頭線・吉祥寺駅の地下1階レストラン街にある、オステリア「スーペルバッコ」。こんなところにレストラン街があることすら知りませんでしたねぇ。

 同じフロアに、ラーメンの「七匹の子ぶた」、カフェレストランの「ラ・メゾン アンソレイユターブル」、回転寿司の「まぐろ人」と、ここ「スーペルバッコ」の4軒が入っていて、それぞれ午前11時から年中無休で営業中。中でも「まぐろ人」の前にはすごい行列です。人気があるんですねぇ。

 目指す「スーペルバッコ」は、その「まぐろ人」のほぼ正面。ここから見る店内はガランと空いているように見えますが、実は店内は左に向かってぐんと広がっていて、メインフロアはむしろ左奥なのです。

 店名の頭に付いている“オステリア”というのは居酒屋のことなんだそうで、店の入口付近に立ち飲みコーナーがあり、左奥に入り込むとずらりとテーブルが並んでレストラン風の造りになっています。

 ほとんどの人(カップルが多い)は、入口で「ふたりです」とか言って、奥のテーブルへと案内されていくのですが、私は店に入るなりスルッと目の前の立ち飲みテーブルへ。今の時間(5月連休中の日曜日、午後5時半)、立ち飲みカウンターには先客はおらず、奥のテーブル(全部で100人ほど入るらしい)にも10組、25人ほどしか(?)入っていません。店のキャパシティが大きいので、けっこう入っていてもガランと見えてしまいます。

 この時間、お店のスタッフも少ないのか、しばらくほっとかれた後、おにいさんが注文を取りに来てくれて、生ビール(300円)を注文。「生ビール、安いなぁ」と思っていたら、とても小さなグラスでした。でも、グラスもビールもよく冷えていておいしい。

 店内のテーブル席で飲食するのと、この立ち飲みカウンターで飲食するのでは値段設定が違っていて、立ち飲みカウンターの場合は生ビールが、300円、ハウスワイン(OMBRA)がグラスで250円、グラッパが300円、つまみは野菜系が100円、魚介系や生ハムが200円、オリーブは1個50円と低価格。

 あっという間に飲み終わった生ビールに続いて、白のハウスワイン(250円)と、ガラスケースの中に並ぶ惣菜類からはキビナゴのマリネ(200円)をもらうと、これまた小さなワイングラスに注いでくれるワインと、お皿の中央にちょろりと2尾分盛られたキビナゴ。なるほどねぇ。値段も安いけど、ひとり分のポーション(量)も少ないんですね。

 20分ほど立ち飲んで、お勘定は750円でした。

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「スーペルバッコ」 / キビナゴと白ワイン / 店内の様子


 続いては、中央線北側のガード下を西荻窪・新宿方面に向かって進み、台湾小皿料理の店、「旺旺(わんわん)」です。ここも午前11時から、翌午前2時までの通し営業。

 う~む。あまり知りませんでしたが、吉祥寺も「いせや」のみならず、早くから飲むことができる店がたくさんあるんですね!

「おひとりですかぁ? カウンター、どうぞ」

 と片言っぽく案内してくれるおねえさん。きっと台湾の方なんですね。

「え~と。グラスの紹興酒(520円)のあったかいのと、豚の胃(480円)をお願いします」
「豚の胃、ないよ。置いてるときは少ない」とおねえさん。
「それじゃ、焼豚(480円)をお願いします」

 注文を受けたおねえさんと、厨房にいる料理人たちの会話は、完全に中国語(台湾語?)です。紹興酒はグラスに注いでから、カウンター内にでんと置かれた電子レンジで燗をつけてくれます。

 入口引き戸がちょっとだけ開いて、そのすき間から顔だけつっこんだおじさん、「今日はシジミある?」と一言。おねえさんが「あるよ。台湾産よ」と返すと、おじさんとその奥さんらしき女性が入ってきてテーブル席に座り、ビールと、その生シジミの味付け(560円)を2人前注文します。

 「東京ガード下酒場」でも、『オーナーもシェフも台湾出身で、本場の人気メニューが手頃な価格で味わえる』と紹介されています。

 そろそろ今日の飲み会に向かわないといけない時間なのでお勘定をお願いすると、ちょうど1,000円。

「昼の定食(750~900円で20品ほど)も人気なので、また来てくださいね」と、おねえさんに見送られながら店を後にしたのでした。

 この本で取り上げられている他のエリアにも、ぜひ行ってみたいですね。

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「旺旺」 / 焼豚と紹興酒 / 店内の様子

《平成21(2009)年5月3日(日)の記録》

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もつ刺身盛り合わせ小 … やきとん「みつぼ」(江戸川橋)

もつ刺身盛り合せ(小サイズ)


 何年も前に「至高のはらわた」(「Gaily Amaha の 未熟な舌 過敏な腸」の一部分)で見て、来てみたかった江戸川橋の「みつぼ」に、やっと初訪問です。

 地下鉄・江戸川橋駅1b出口からもほど近い(ただし改札口から1b出口までは遠い!)場所にある「みつぼ」は、まわりに他の酒場が多いわけでもないのに、お客さんでいっぱい。みなさん、この店を目指してやって来るんですね。

 間口は狭く、奥に向かって長い、うなぎの寝床状の店内は、右手が店の奥に向かう直線のカウンターで12席ほど。左手にはまずトイレなどがあって、その奥側に4人掛け+8人掛けの合わせて12席分ほどのテーブル席の、合計24席ほどと、それほど大きくはない造りです。

 店は女将さんと思しきおねえさんと、焼き台やもつ料理を担当する若いおにいさん、そして手伝いの若いおねえさんの3人で切り盛りしている様子。「ひとりです」と人差し指を立てると、入口横の焼き台にいるおにいさんが、

「すみません。ちょっとずつ寄って、間にひとり入れてもらえますか」

 そうカウンター中央付近の先客に声を掛けてくれて、ズズッとすき間が空いたところで、

「あちらへどうぞ。お荷物は上の棚にお願いします」

 とカウンター中央部を指し示してくれます。

 その席に座りながら、まずは飲み物メニューをざっと確認。生ビールが480円、瓶ビールは中瓶しかないようで460円、チューハイは300円、日本酒は1合が320円、ホッピーはセットで450円といったところ。(価格はすべて税抜き表記。以下同じ。)

 ホッピーをもらうと、氷入りのサワーグラスに半分くらいまで焼酎が入っていて、残りの部分に瓶入りホッピーを入れても、まだ瓶には3分の2程度のホッピーが残っています。こりゃ外1中3のペースですね。

 外1中3(そといち・なかさん)というのは、外(そと=瓶入りホッピー)1本で、中(なか=ホッピーの焼酎部分)が3杯飲めるということを指す、ホッピー・ファン用語(?)です。

 「至高のはらわた」を読んで引かれたのが、もつの刺身盛り合わせ(5品盛りで700円)だったのですが、ひとりで食べるにはちょっと多そう。「単品の刺身をもらって、あとは焼き物かな」なんて思いながら来たのです。ところが、メニューを見てみると、なんと、もつ刺身盛り合わせの小サイズ(480円)というのがあるではありませんか。まずはこれにいたしましょう。

 出された盛り合わせは、レバ、コブクロ、ハツ、ガツ、タンの5品盛りで、それぞれ2~3切れずつといった量。真ん中には刻みネギがたっぷりと盛られ、その上におろしショウガ、おろしニンニクと、レモンスライスが1片添えられています。レバ、ハツ、タンは生で、コブクロ、ガツはさっと茹で冷ましてスライスしたものです。多過ぎず、少な過ぎず、ひとりで食べるのにちょうどいい分量ですねぇ。これは美味いや。

 カウンター上に置かれたメニューの下部には『1989年「平成元年」学習院下、神田川の畔、席数五席、三坪で始めました。この店の大きさにちなんで「みつぼ」としました。当日のつぶし肉を紀州備長炭でじっくり焼いています。』と書かれています。

 ずいぶん前から、「みつぼ」という名前はよく聞いていたので、もっと古いお店かと思いきや、意外と新しいお店だったんですね。とは言え、今年ですでに創業20年。三坪からスタートした「みつぼ」も、ここ江戸川橋の本店のほかに、池袋(38席)や高田馬場(50席)にも支店があるほどの大きさになっています。

 ホッピーの中(なか、250円)をもらって、つまみには白菜漬(200円)と、今日の黒板メニューから豚の尻尾煮(330円)を。最後にもう1杯、中(なか、250円)をもらって、カシラ(90円)とナンコツ(90円)を塩で焼いてもらって飲み終えます。

 居心地もよく、初回ながら1時間半ほどくつろいで、お勘定は2,240円(2,140円+消費税)でした。どうもごちそうさま。

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白菜漬 / しっぽ煮 / ナンコツ、カシラ(塩)

店情報

《平成21(2009)年4月10日(金)の記録》

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店情報: やきとん「みつぼ」(江戸川橋)

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  • 店名: みつぼ江戸川橋店
  • 電話: 03-3268-9494
  • 住所: 162-0801 東京都新宿区山吹町364
  • 営業: 17:00-24:00、日祝休
  • 場所: 地下鉄有楽町線・江戸川橋駅1b出口を出て左へ進み、次の角を左へ折れる。すぐ先の小さな交差点の先、左手。
  • メモ: 平成元(1989)年、学習院下の神田川沿いで、3坪・5席の店として創業。この3坪という大きさにちなんで「みつぼ」と命名した。ここ江戸川橋店が本店で、支店として池袋店(38席)と高田馬場店(50席)がある。
    カウンター12席、テーブル席12席(4席+8席)の計24席ほど。メニューは税抜き格表示、会計時には消費税(10円未満切捨て)が加算される。
    〔やきとん15種各90円〕レバ(肝臓)90、ハツ(心臓)90、ハツモト(心臓のもと)90、タン(舌)90、ナンコツ(食堂)90、カシラ(ほほ肉)90、バラ(バラ肉)90、ピートロ(首の肉)90、ガツ(胃袋)90、コブクロ(子宮)90、キク(腸のまわりの脂身)90、テッポウ(直腸)90、シロ(腸)90、チレ(脾臓)90、フワ(肺)90。〔ホルモン刺身・たたき〕馬刺500、レバ刺身350、ハツ刺身350、タン刺身350、ガツ刺身350、コブクロ刺身350、刺身盛り合わせ700、刺身盛り合わせ(小サイズ)480。〔その他〕もつ煮込み290、若鳥ねぎま串100、煮キャベツ串200、和牛ハラミ串300、和牛ハラミ刺身600、ミミガー250、とり皮ポン酢250。〔一品料理〕特上豆腐(冷・温)260、ジャガバター250、めかぶ酢200、ポテトサラダ250、厚揚げ串焼き100、いそべ焼き(餅のり焼き)120。〔野菜串焼〕ねぎ100、エリンギ100、しいたけ100、にんにく100、ししとう100。〔生野菜〕生かぶ250、キュウリ250、トマト250、セロリ250。〔飲み物〕生ビール480、びんビール(中)460、赤ワイン300、ホッピーセット450(中250、外200)、お酒(福徳長1合)320、バーボン水割り350、バーボンソーダー400、バーボンロック350、焼酎ロック300、チューハイ300、焼酎お湯(水)割り300、梅ハイ(梅干入りチューハイ)350、ウーロンハイ350、ウーロン茶180、オレンジジュース200、生搾りレモンハイ380、すだちハイ380、梅酒サワー380、巨峰サワー380、はちみつシークワーサー380、マッコリ320。
    定番メニューのほかに、ホワイトボードにもメニューが手書きされる。カツオ刺380、タコぶつ380、竹の子刺350、しっぽ煮330、チゲ鍋550、ガーリックトースト280、マカロニサラダ200、そら豆1個90、小松菜おひたし200、とうがん小えび煮280、かぼちゃバター200、焼とん足350、センマイ刺390、ぶり大根350、イカ沖漬350、わけぎ酢みそ280、うどキンピラ200、豚足煮330、白菜漬200、ニラ玉300、あつあげ100、とんぺい焼350。〔地酒〕福徳長320、真澄510。〔焼酎〕一刻者(いっこもん、芋)470、黒甕(くろかめ、芋)350、神楽(かぐら、栗)340、里の曙(黒糖)380、それから(麦)300、琉球あわもり330。
    〔やきとんセット〕おまかせ串5本とお好みドリンク。Aセット(ビール)900、Bセット(チューハイ)720、Cセット(日本酒)740。(2009年4月調べ)

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プリペイドカードあり … 立ち飲み「うけもち」(水道橋)

ハマチ刺身と黒ホッピー


 明日は朝から都内で仕事なので、今日のうちに都内の自宅へと向かいます。その道すがら、途中下車して立ち寄ったのが、先日はじめてやってきた、立ち飲みの「うけもち」です。

 店に到着したのは午後9時半。先日よりは空(す)いているものの、それでも壁際に作り付けの小さな立ち飲みテーブルに空きがある程度。今日は店の外の立ち飲みテーブルで飲んでる人もいるので、客数だけで比べると、前回よりも多いかもしれません。

 さっそく奥の注文カウンターで、ホッピー(黒のみ、300円)と、日替わりの黒板メニューからはハマチ刺身(300円)を選び、キャスバル坊やさんからもらった“うけもち専用プリペイドカード”を差し出すと、2個600円分の「領収」のスタンプを押してくれます。

 この店のほとんどの飲み物と、ほとんどの料理は300円。このプリペイドカードを3,000円で購入すると、そこには300円で1個押されるスタンプの枠が11個付いているのです。普段でも300円均一と安いところが、このカードを使うと273円均一になっちゃうんですね。

 実はこのカードをキャスバル坊やさんにもらったのは、3月初旬に「石松」飲んでたときのこと。キャスバル坊やさんに、近々「うけもち」に行ってみたいという話をしていたところ、「じゃ、残りちょっとだけど、これあげますよ」とこのカードをもらったのでした。

 そのときには、「なんだろうなぁ、このカードは。ラジオ体操と同じように、店に1回行くと1個スタンプを押してくれたりするのかな?」くらいにしか思っていなくて、前回はじめていったときには、持っていってさえいなかったのでした。

 他のお客さんたちが支払いのたびに、カードを出してはスタンプを押してもらっているのを見て、「そうか。キャスバル坊やさんのカードはこれだったんだ!」と初めて気がついたのでした。今日は忘れずに持ってきましたよっ!

 先日のカンパチ刺身もよかったのですが、今日のハマチ刺身もいいですねぇ。

『「うけもち」の刺身は、決まったメニューがありません。店長が直接築地市場へ出向いて仕入れるので、明日は何があるか分かりません。冷凍物は買わないし(クジラ以外)、余った魚も冷凍したりしません。売り切れたら終わりです。』

 店の公式サイトでもそう紹介されている刺身メニューは、1日2~3種類程度ながら、300円とは思えないクオリティが楽しめます。

 ナカ(ホッピーの焼酎おかわり、100円)をもらって、つまみは、前回、黒ホッピーとの絶妙のマッチングに驚いたイワシの甘露煮(300円)です。このイワシの甘露煮でプリペイドカードは終了。ナカの100円は現金で支払います。

 ウルメの丸干は日本酒に合いますが、このイワシの甘露煮には圧倒的にホッピー、しかも黒ホッピーが合うように思います。

 日本酒は甘いお酒なので、塩っ気のある、旨みの強い品、たとえばウルメ丸干やイカ塩辛などがぴったりなのですが、ホッピーは甘みがなくてドライなので、甘いつまみにも合うんですよねぇ。特にちょっと香ばしい感じがする黒ホッピーは、甘みのある料理や、スパイシーな料理によく合うように思います。

 最後にもう1杯、ナカ(100円)をいただいて、今日も外1中3でホッピーを飲み終えます。

 1時間ほど立ち飲んで、今日の支払い総額は1,100円。その内900円はプリペイドカードで支払ったので、自分で現金で払ったのは、ナカ2杯分の200円だけでした。どうもありがとうございました。>キャスバル坊やさん

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「うけもち」 / ホッピー / ハマチ刺身 / イワシ甘露煮

店情報前回

《平成21(2009)年4月9日(木)の記録》

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昔ながらの正しき酒場 … 大衆酒場「木川酒場(きがわさかば)」(横浜市・金沢八景)

木川酒場


 ……。あれっ!? 金沢八景だ。しまったなぁ。上大岡で降りるつもりが、寝過ごしてしまいましたか。

 京成立石から、三崎口行きの特急電車に乗り込んで約80分(1時間20分)。ウツラウツラと眠りながら、浅草を過ぎ、浅草橋を過ぎ、新橋を過ぎ、蒲田を過ぎ、川崎を過ぎ、横浜を過ぎ、日ノ出町を過ぎて、ここまでやって来るという、呑ん兵衛垂涎のこの路線。寝過ごしが(特急で)1駅分だけなので、ま、よしとしますか。

 トコトコと階段を下りて、上りホームに向かおうとしたそのとき! 改札口の外側、すぐ目の前に「大衆酒場」という看板を掲げた古びた酒場があるではありませんか。

 現在の時刻は午後5時40分。せっかくなので、ちょっと寄って帰りますか。

 店の名は「木川酒場」。赤提灯に、かなりまばらな縄のれん。古びた青いファサード・テントの上、建物の2階部分の壁に、波々のトタンが張られているのも、いかにも古い木造家屋という雰囲気で、いいではありませんか。

 まばらな縄のれんをかき分け、アルミサッシの引き戸を開けて店内へ。

 店内はコの字型カウンター15席程度のみで、10名ほどの先客で、ゆったりと座れる状態では満席といった感じ。入口の目の前、コの字で言うと、右の辺のど真ん中が空いているので、そこに座り、まわりをチラリと見渡します。

 お客は全員、中年の男性一人客。みんな会社帰りといった風情で、それぞれ目の前には生ビールのジョッキが置かれているのですが、氷が入っています。なるほど、これはホッピーですね。私もホッピーをいただきましょう。

 焼酎は一合升で軽量されますが、すり切りにはならない程度(170mlほど?)で氷入りのジョッキに移されます。それとは別に、栓を抜いた瓶入りホッピーが出されて、500円。氷さえなければ、焼酎の量的にも、ホッピーセットの値段的にも、横須賀ホッピーと近い感じですね。(「氷なしで」と指定することもできるようです。)

 店を切り盛りしているのはオヤジさんと、おかみさん。夫婦にしては年の差があるようなんだけど、父娘ほどは離れていないようにも思えます。おかみさんが、オヤジさんのことを、“マスター”と呼んでいることもあって、ちょっと関係が分かりにくいですねぇ。

 壁にずらりと並んだメニューは、飲み物が7種類(うち4種類がサワー類)に、料理が46種類ほど。料理は350円から50円刻みに500円までで、やきとりは1本150円、煮込みは500円です。

 そんな中から自家製御新香(400円)を注文すると、自家製のキュウリのぬか漬を、注文を受けてからスライスして出してくれます。

 私が入った後も、続々とお客が入ってきますが、親父率100%、ひとり客率100%という、昔ながらの正しき大衆酒場です。しかも、みなさんホッピーを1~2杯飲んで、料理を1~2品つまんだら、サクッと帰っていくので、「宇ち多゛」と同様に、客の回転が速いのです。

 金沢八景は、京急本線の特急~各停、本線~逗子線、京急~横浜新都市交通シーサイドライン、それぞれの乗換駅でもあるので、そのついでに、ここ「木川酒場」にちょいと立ち寄る人が多いのでしょうか。

 カウンターの中央部に座ると、ちょうど目の前がフライヤーで、名物らしい厚揚げ(450円)や、ポテトフライ(400円)、カマンベールフライ(450円)、あじフライ(500円)、かきフライ(500円)などが次々に揚げられています。

 軽くお新香だけにしておこうと思っていたのですが、目の前で見てると食べたくなりますねぇ。

「すみません。串カツ(450円)をください。あと、ナカ(ホッピーの焼酎おかわり、300円)もお願いします」

 揚げたて熱々の串カツが美味しいこと。

 午後7時まで、1時間20分ほどくつろいで、お勘定は1,350円でした。どうもごちそうさま。

 金沢八景から京急本線に乗り込んで上大岡へ。最後に駅構内、京急百貨店1階にある「蕎麦丸」(蕎麦〇)で温・桜海老かき揚げそば(520円)+生たまご(50円)(店内の符丁は「あったか桜の玉子付き」)をいただいて帰寮したのでした。

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お新香とホッピー / 串かつ / あったか桜の玉子付き@蕎麦丸

店情報

《平成21(2009)年4月7日(火)の記録》

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店情報: 大衆酒場「木川酒場(きがわさかば)」(横浜市・金沢八景)

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  • 店名: 木川酒場
  • 電話: 045-784-4456
  • 住所: 236-0027 神奈川県横浜市金沢区瀬戸19-36
  • 営業: 16:00-22:30、(定休日未調査)
  • 場所: 京急本線・金沢八景駅の改札を抜けたら、左手、目の前。駅から徒歩10秒ほど。
  • メモ: 店内はコの字カウンターのみ、15席ほど。男女ふたり(夫婦?)で切り盛り。ほとんどの客がホッピー(500円)を注文。ホッピーの焼酎は一合升で計量して、軽めに1杯(170mlほど)といったところ。これが氷入りの生ビールのジョッキに注がれる。「氷なしで」と指定することもできる。ナカ(焼酎のおかわり)は300円。トイレは2階にある。
    ビール650、ホッピー500、御酒400、ウーロンハイ、ハイサワー、トマトサワー、ウメサワー各400、れば、はつ、ばら、かしら、しろ、かわ、ボンボチ、つくね、なんこつ、たん 各1本150、ウインナー串焼き250、もろきゅう、うめきゅう、あぶら揚げ 各350、自家製御新香、イカボール、ポテトフライ、冷やしトマト、はんぺん、キムチ漬、キムチもやし、しらすおろし、なす焼、もづく酢 各400、ウルメいわし、チーズ春巻、ミリン干し、あつ揚げ、えいひれ、カマンベールフライ、串かつ、月見、エシャレット、いか塩辛、ちくわ磯辺揚 各450、まぐろキムチ、マグロのぬた、さば一夜干し、あじフライ、煮込、あこう鯛かす漬、メンチカツ、まぐろ納豆、まぐろ山かけ、青森ニンニク、かきフライ 各500、など。(2009年4月調べ)

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はじめてのシンキお酢 … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

シンキお酢


 早いもので、わが家の子供たちもこの4月から、娘は高校3年生、息子も高校1年生になりました。今日は会社にお休みをいただいて、息子の入学式に出席。節目ですもんね。

 入学式は午前中に終わり、午後には私自身 初めてとなる、平日昼間の「宇ち多゛」を目指します。

 「宇ち多゛」に到着したのは午後3時前。平日(火曜日)にもかかわらず、この時間帯でも店内はいっぱいで、表・裏の入口には行列までできているではありませんか! さすが「宇ち多゛」ですねぇ。しかしながら、行列は表も裏も、それぞれ4~5人といったところ。すぐに順番が回ってきました。

 これだけ人気があることからもわかるように、この店にはいいところがたくさんあって、そのうちのひとつが、並んでいるお客さんを店の人がうまくさばいてくれるところです。安心して並んでおけば、自分の順番が来たら「はい。じゃ、ここに入って」と入れる場所をきちんと示してくれるのです。

 しかも、複数人で行った場合でも、空席ができる順に、ひとりずつ店内に通されるんだけど、「はい。じゃ、こっちに移動して」という言葉に従って席を移っているうちに、短時間のうちにグループ全体が一箇所に集まれることも多いのです。

 お店の人たちは下町ならではのチャキチャキとした口調だし、くるくると忙しく立ち回る中で、短く指示を出してくれることもあって、一見、ぶっきらぼうに聞こえたりもするのですが、その采配に間違いはありません。

 まだ昼下がりなので、最初は大瓶ビール(540円)をもらって、おかず(=「宇ち多゛」では肴のことをこう呼びます。)には、長年の課題だったシンキお酢(180円)をもらいます。

 「宇ち多゛」のメニューには、おかずとしては、もつ焼き(2本)180円、もつ煮込み180円、お新香180円という3品しか載っていないのですが、実はそのバリエーションが果てしないほどあるのです。(「宇ち多゛」のファンサイトである「宇ち入り倶楽部」や、「宇ち中」ブログに、そのあたりの詳細が記載されています。)

 今回注文したシンキというのは、テッポウ生とコブクロ生を1本ずつ盛り合わせたもので、普通は醤油だけをかけて出してくれるところを、“お酢”と指定すると、醤油に加えて、お酢もかけてくれるのです。平日にしかなくて、しかも早い時間に売り切れてしまう人気の品なので、これまで1度も食べたことがなかったのです。

 生といっても、実際に生のまま出されるのはレバーだけで、他のものは、すべて下ゆでして焼く前の状態のものが出されます。

 続いてはタン生(180円)。これも早い時間に売り切れてしまう一品ですが、幸い土曜日にもあるので、前にも一度(土曜日に)食べたことがあります。お皿の上に、舌の形のまま、三日月形に並んでいる姿も、「宇ち多゛」独特ですよねえ。爪楊枝が添えられます。

 煮込み(180円)。ホネと呼ばれる“豚の顎(あご)の部分”は10個ほどしかないので、開店と同時になくなってしまっていますが、今のように早い時間帯だと、まだいろんな部分が入っていて、さまざまな食感を楽しむことができます。常連さんは「煮込み、ハツモトのところ」といった感じで、部位も指定したりしています。

 合わせて大根お酢(180円)もいただきます。メニューにあるお新香は、大根、キュウリ、紅ショウガを盛り粟あせたもの。“大根”と注文するとキュウリがなくなる代わりに、大根を多く入れてくれるのです。これまた普通は醤油だけで出されますが、“お酢”とコールすると、醤油+お酢で出されます。目の前に座っている、ご夫婦と思しき二人連れは「お新香、お酢だけ」という注文をされてました。

 ビールもなくなって焼酎の梅割り(180円)を注文すると、受け皿の上にコップが置かれ、まず焼酎がコップいっぱいまで注がれたあと、梅シロップがちょろりと入れられます。この焼酎が「宇ち多゛」の定番の飲み物で、ほとんどのお客さんがこれを飲んでいます。梅割りの他に、葡萄(ぶどう)シロップが入る、葡萄割り(180円)もあります。

 もつ焼き(180円)は、ツルを塩でいただきます。ツルというのは豚のおちんちんだそうで、コリコリ感は牛ミノに似てるんだけど、ミノよりはやわらかい弾力感で、独特の食感です。これもまた平日にしかなく、早い時間帯に売り切れてしまう一品なのです。

 焼酎との相性もよく、すぐに2杯目の梅割り(180円)をおかわりします。

 本当はカシラ塩やナンコツ塩も食べたかったのですが、もう満腹。今日はここまでといたしますか。1時間ちょっと楽しんで、1,800円。念願のシンキとツルを、初めて食べることができたのが嬉しいですねぇ。どうもごちそうさま。

 満席状態が途切れない「宇ち多゛」をあとに、京成立石駅に向かいます。ここから横須賀方面行きの電車に乗り込めば、横浜市内まで乗り換えなしで行くことができるのです。しかも、ここからならば必ず座れるので、酔い覚ましをしながらゆっくりと横浜に向かうとしますか。

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「宇ち多゛」 / タン生 / 煮込み

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大根お酢 / 梅割り / ツル塩

店情報前回

《平成21(2009)年4月7日(火)の記録》

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課題の店に出かけよう … 立ち飲み「うけもち」(水道橋)

カンパチ刺と黒ホッピー


 全品300円均一をうたい文句に「うけもち」が開店したのは平成13(2001)年のこと。

「おもしろい立ち飲み屋ができたよ。築地の魚河岸で働いてた人が開いた店で、安いけど、魚もうまいんだ」

 そんな話を聞いて、「それは行ってみなきゃ」と思いつつも、なかなか水道橋という駅に降り立つことがなく、もう8年が過ぎてしまいました。

 年頭のコラムにも書いたとおり、今年、2009年のテーマは「課題の店に出かけよう」。みなさんからご紹介されたのに行くことができていないお店、個人的に気になっているのにまだ行けていないお店、もう一度行こうと思いながらすっかりご無沙汰してしまっているお店などに、どんどん出かけて行こうと思っているのです。

 路地の中ほどにポツンと現れる「うけもち」は、店の表に立ち飲みテーブルが2卓+立ち飲みテーブル代わりの樽が1式あるほか、店内は左手に立ち飲みテーブルが2卓、右手壁際に作り付けの立ち飲みテーブルが2卓、そして奥の厨房の前にL字のカウンターがあって、その長辺の部分でも立ち飲めるようになっています。

 月曜日ながら午後8時過ぎの「うけもち」はお客さんでいっぱい。店内の立ち飲みテーブルにも、立ち飲みカウンターにも空きはない状態です。外のテーブルには誰も居ませんが、さすがにまだ外で飲むには寒い夜ですよねぇ。壁際に作りつけられた二つの立ち飲みテーブルの間の部分も、ちょっとしたカウンターのようになっているので、そこで飲みましょうか。

 奥のL字カウンターの短辺の部分が注文カウンター。そのすぐ上には黒板がぶら下げられていて、かんぱち刺、ほたて稚貝煮、つぶ貝わさび和え(売り切れ)、いわし甘露煮、しじみ佃煮、いか肝みそづけ、あぶりもの豆鯵、といった日替わりメニューが書き出されています。

 これとは別に、入口から見て左側の壁には定番物の短冊(たんざく)メニューがあり、そこには、酒盗、ふぐ卵巣糠漬、いくらおろし、いなご佃煮、にしん切込み、にしん旨煮、ごま豆腐、生ゆばいくらのせ、生からすみ、などの品々が並んでいます。

 黒板メニューも短冊メニューも、すべて300円均一というのが嬉しいではありませんか。

 そんな中から、まずはカンパチ刺(300円)を選んで、飲み物としてホッピー(300円)を注文すると、この店で扱っているホッピーは黒ホッピーだけとのこと。氷入りのサワーグラスに焼酎が注がれ、それとは別に瓶入りの黒ホッピーが渡されます。

 支払いはキャッシュ・オン・オーダー。注文と同時に、カウンター上の大きなザルにお金を入れると、お釣りを返してくれて、注文した品物が準備できると、カウンターの中から呼んでくれる仕組みです。

 ホッピーの焼酎の量は相当多くて、グラスの縁いっぱいまでホッピーを注いでも、外(瓶入りホッピー)はまだ3分の2ほど残っています。外1中3(瓶入りホッピー1本で、焼酎を3杯)のペースですね、これは。

「カンパチ、お待たせしました」

 黒ホッピーを飲んでるところに、カウンターの中から手渡されるカンパチ刺は、ツヤツヤとした切り身が3切れ。醤油を入れる部分が付いた小さな角皿で出されます。

 あれっ? カメラがない。しまったなぁ。どうやらデジカメを自宅に忘れてきたようです。仕方がないので、今日は携帯電話のカメラで撮影。さすがにデジカメと比べると画質は悪いですねぇ。

 カンパチに続いては、注文カウンターの横のおでん鍋から、おでんをいただくことにします。おでんは勝手に取って、その数によって支払う仕組みで、1品100円均一。ただし、この時間帯、ほとんどネタが残ってなくて、かろうじてあったチクワブと焼き豆腐をお皿に入れて、「あと、中(ホッピーの焼酎おかわり)もください」とカウンター内のおにいさんに注文。中はなんと100円。氷も追加してくれます。

 入口の上部にはテレビも設置されていて、ひとり呑みでも手持ちぶさたにならずに過ごせるようになっていますが、店内にいるひとり客は私だけ。みなさん二人以上で連れ立ってやってきているようです。

 もう1杯、中(100円)をおかわりすると、予想どおり外(瓶入りホッピー)もちょうどなくなります。ホッピーセット(300円)+中を2回(100円×2)の、都合500円で3杯分なので、1杯当たり167円という、すばらしいコストパフォーマンスです。

 肴(さかな)に、イワシの甘露煮(300円)をもらうと、丸皿に佃煮風に仕上げられたイワシ丸干が5尾。ほろにが甘くて、黒ホッピーによく合いますねぇ。

 1時間ほど立ち飲んで、総支払額は1,300円でした。さすがに安いっ!

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「うけもち」 / おでん / いわし甘露煮

店情報

《平成21(2009)年4月6日(月)の記録》

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店情報: 立ち飲み「うけもち」(水道橋)

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  • 店名: 立ち飲み処「うけもち」
  • 電話: 03-3234-5664
  • 住所: 101-0061 東京都千代田区三崎町2-15-2
  • 営業: 17:00-23:00、土日祝休
  • 場所: JR水道橋駅西口を出て左へ。大通り(水道橋西通り)にそって100mほど進み、「餃子の王将」の先を左折、すぐ先の路地を右折した先、右手。駅から徒歩3分ほど。
  • メモ: 平成13(2001)年創業の、ほぼ全品300円の立ち飲み屋。メニューには築地で仕入れた鮮魚や、珍味類、干物など並ぶが、少数仕入れのためメニューは毎日変わる。飲み物も本格焼酎や、地酒、ホッピーなどがすべて300円。冬場のおでんは全品100円均一。ホッピーの中(焼酎のおかわり)も100円。公式サイトあり。(2009年4月調べ)

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満開の桜の下で大宴会 … バー「ペルル」(鷺ノ宮)

ウイスキーを水割りで


 北千住から地元に戻ってきて、帰る前にもう1軒、と立ち寄ったのは、西武新宿線・鷺ノ宮(さぎのみや)駅のすぐ近くにあるバー「ペルル」です。明日の日曜日に、「ペルル」の花見が予定されているので、その集合時間なども確認しないといけないのです。

 今日も「ペルル」の店内は常連さんたちがズラリといっぱい。みなさん、けっこう遠くからいらっしゃったりしてるんですよねぇ。

 私は、ここからならば徒歩10分以内で自宅に帰りつけるので、ここまで帰ってくればもう一安心。しかも、必ず11時半までには閉店するので、そのまま帰れば飲みすぎる心配も少ないのです。(と言いつつも、ここからの帰路に「満月」があるので、そこに引っかかっちゃうことが多いのですが…。)

 明日の集合時間は、朝9時とのこと。その時間にすっきりと起きられるように、今日はまっすぐ帰りますか。今日はキープボトルのウイスキーしか飲んでないので、お勘定は水・氷代の500円のみ。どうもごちそうさま。

            ◆   ◆   ◆

小金井公園で花見


 あけて翌日はすっきりと快晴。気持ちのいい花見日和です。

 集合場所に向かうと、昨日の夜も「ペルル」で一緒だったみなさんが、ずらりとそろっています。ここから電車(西武新宿線)で花小金井まで移動し、スーパーで買い出しをしたあと、バスで小金井公園へと向かいます。

 公園では「ペルル」のマスターたち3人が、朝の7時ごろから先乗りして、桜の木の下の、いい場所を確保してくれています。

 今日集まったのは20人ほど。いつも店内の暗い照明の下で見ている人たちと、こうやって昼日中の明るい中で会うと、なんだかいつもと違う人のように感じてしまいます。しかし、それも飲み始めるまでのこと。ちょっとお酒が入ると、もういつもと同じです。

 常連さんたちの中には、家族ぐるみで「ペルル」にいらっしゃる方もいて、花見にも家族で参加されています。去年の花見以来、1年ぶりに会った子供が、なんだかすっかり大人びていたりするのも、こういう集まりのおもしろいところ。大人同士は何年経ってもちっとも変わらないように思うのですが、子供たちはどんどん大きくなっていきますよねぇ。

 天気のいい、楽しい花見となりました。

店情報前回

《平成21(2009)年4月4日(土)の記録》

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梅割り焼酎と肉とうふ … 大衆酒場「大はし(おおはし)」(北千住)

梅割り焼酎と肉とうふ


 「徳多和良」を出て、北千住駅前で解散。4人それぞれ帰る方向がバラバラなので、電車もそれぞれバラバラです。北千住はJR常磐線、地下鉄(東京メトロ)が日比谷線と千代田線、さらに東武伊勢崎線に、つくばエクスプレスと、実に五つの路線が乗り入れる交通の要衝でもあるのです。

 私もみんなと別れてJRで帰ろうと改札口近くまで行ったものの、「待てよ。せっかく北千住に来たんだから、もう1軒」と思い直して、向かったのは「千住で2番」のキャッチコピーでおなじみの「大はし」です。

 現在の時刻は午後7時半。開店直後こそ大混雑しているものの、この時間帯で、しかもひとりならなんとか入れるでしょう。

 ヨイショっとのれんをくぐって入口引き戸を開けると、

「いらっしゃいっ。おひとりさん。はいっ、そこへどうぞ!」

 と、いつものように元気なオヤジさんの声が響きます。見ると奥に向かって長く続くコの字カウンターの、一番手前の短い辺のところがすべて空いて、どこにでも座っていい状態。さっそくそこへ腰をおろすとすぐに「はいっ。飲み物は?」とオヤジさん。

「梅割り焼酎と肉とうふをお願いします」

「はいよっ」

 と返事したオヤジさん。軽快な足取りで受け皿とコップ、そしてお通し(サービス)の小皿を持ってきてくれて、その場でキンミヤ焼酎を注ぎ、最後にちょろりと梅シロップを垂らしてくれます。この梅割り焼酎が250円。ボトル(600ml)のキープは1,250円と廉価ですが、キープできる期間が1ヶ月間しかないので、私のように年に1回来るかどうかといった感じだと、とてもキープはできません。(何人かで来て、その日のうちに飲みきるくらいの勢いであれば、ボトルがおすすめです。)

 すぐに出される肉とうふ(320円)は、店の奥の大鍋で煮込まれている牛肉(カシラとスジ)と、同じ鍋で煮込まれている豆腐とを、平皿に盛ってくれたもの。「煮込み」と注文すると豆腐がない代わりに肉の量が倍になり、「豆腐だけ」と注文すると豆腐が2個になる代わりに、肉はなくなります。どれを注文しても値段は同じです。

「名物にうまいものあり北千住、牛のにこみでわたる大橋」

 という狂歌があるほどの名物メニューで、ほとんどのお客さんが注文する人気の品でもあります。

 この店に来たらもう1品、ぜひ食べてみたいと思っていた料理が、自家製かにコロッケ(480円)です。

 この店に足しげく通っている、「居酒屋一人旅 ~美味しい日本酒・焼酎を探して」のショテマエさんが、いつも必ず食べている品が、肉とうふと自家製かにコロッケなのです。しかも、注文しないでも、黙って座れば必ずこの2品が出されるほどのご様子です。それほどの一品を、私もぜひ食べてみようと思っていたのでした。

 すぐ近くに来た息子さんに、その自家製かにコロッケを注文すると「はいよっ」と、オヤジさんとそっくりな返事で注文を受けてくれます。なんだかカウンターの中の軽快な歩き方まで、オヤジさんそっくりになってきたような……。とても微笑ましい情景です。

 出された丸皿には、カリッと揚がった熱々のコロッケが2個。キャベツの千切りとパセリが添えられ、一緒にウスターソースも出してくれます。びっくりするほどではないけれど、普通に美味しいのが大衆酒場のつまみ。梅割り焼酎とも実によく合います。

 さっくりと40分ほどの「大はし」タイム。お勘定は1,050円でした。どうもごちそうさま。

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「大はし」 / 肉とうふ / 自家製かにコロッケ

店情報前回

《平成21(2009)年4月4日(土)の記録》

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高品質な味を低価格で … 立飲処「徳多和良(とくだわら)」(北千住)

鯛白子ポン酢


 「ささや」を出たのが午後6時。次の店として立ち飲みの「徳多和良」を目指します。

 開店前から行列ができるほどの人気店である「徳多和良」。開店から1時間後のこの時間帯ならば、もしかするとちょうど口開けで入った人たちの入れ替わりどきかも! という期待を込めて店をのぞいてみると、その予想どおり、奥側の立ち飲みテーブルの一部がちょうど空いたところでした。ラッキー!

 「徳多和良」の人気の理由は、和風割烹の高品質な味わいを、315~525円程度の低価格で味わうことができるところにあります。

 今日もずらりと並んだ料理メニュー25品中、20品(全体の8割)が315円で、2品が420円、2品が525円、そして1品のみが630円というラインナップ。料理1品当たりの平均価格は353円です。

 今日の315円メニュー20品の内訳は、ほっき貝刺、ほうぼう焼霜造り、ぶり刺、いさき刺、小肌、太刀魚塩焼、背黒いわし丸干、わらさ塩焼、ふきと竹の子焚き合せ、いわし梅煮、たこ桜煮、磯つぶ貝煮物、かき辛煮、セロリ当座煮、湯葉しんじょ揚げ、あん肝、赤なまこ酢、すずき南蛮漬、アスパラ胡麻浸し、うるいふき味噌和え。

 420円メニューは、たらばがに内子塩辛、さばと貝盛合せ酢のもの、の2品。525円メニューは、鯛白子ポン酢、鮎塩焼、の2品。そして630円メニューは、金目鯛酒蒸しです。

 飲み物も、日本酒、生ビール、焼酎、サワー類、ウイスキーなどのほとんどが315円。ゆず酒(420円)と焼酎の黒千代香売り(湯割、735円)の2品のみが違う価格です。

 いつものように金宮焼酎の抹茶割(315円)をもらって、料理は、うるいふき味噌和え(315円)、いわし梅煮(315円)、鯛白子ポン酢(525円)、赤なまこ酢(315円)、たらばがに内子塩辛(420円)に小肌(315円)の6品を一気に注文します。

 食べたいな、と思うのもがあれば、早く注文しておかないと、後回しにしているうちに、どんどん売り切れになっていくのです。

 店内は、入口を入って左手が6~7人立てる立ち飲みカウンターで、右手にそれぞれ6~7人ずつ立てる丸い立ち飲みテーブルが2卓。全部合わせると20人くらいが入れる大きさです。

 カウンターに立つことができると、その中で、一品一品ていねいに仕上げていく、店主の調理の様子を見ながら飲むことができます。

 この料理が、この値段で食べられるのは本当に驚きですよねぇ。

 1時間ほど楽しんで、お勘定は4人で5,670円(ひとり1,418円)でした。どうもごちそうさま。

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抹茶割 / うるいふき味噌和え / いわし梅煮

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赤なまこ酢 / たらばがに内子塩辛 / 小肌

店情報前回

《平成21(2009)年4月4日(土)の記録》

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