ひとりで行きたい酒場 … 小料理「燗酒屋(かんざけや)」(阿佐ヶ谷)
和服に割烹着の美人女将の店。
う~ん。なんて魅惑的な響きでしょう。こういう店には、絶対にひとりで行きたい。酒友と話をしている場合じゃなくて、美人女将と話をしなきゃね。ましてや女性連れで行くのは避けたいですよねぇ。
そんなわけで、土曜日の今日は、自宅からフラフラと歩いて、阿佐ヶ谷にある和服に割烹着の美人女将の店、「燗酒屋」にやってきました。
この季節、開けっ放しにされている入口から「こんにちは」と店内へ。
7~8人分のL字カウンターは、午後6時過ぎのこの時間帯、ほぼ満席。しかし、入口すぐの角のところが1席だけ空いてました。ラッキー。
カウンターは、奥から男・女・男・男・男・私・男、といった並び。ほとんどがひとり客のようです。
「いらっしゃいませ」
と、いつもの笑顔で迎えてくれる女将に、瓶ビール(エビス中瓶、600円)を注文すると、お通し(500円)としてツブ貝の煮物が出されます。
店の奥の黒板メニューをサッと確認して、早々とニシンの塩焼き(750円)を注文しておきます。女将ひとりで切り盛りしているので、一斉にみんなが注文すると、けっこう時間がかかったりするのと、焼き魚は時間がかかるということとで、早めに注文したような次第です。
しかし、ここの女将は、とっても忙しそうなときでも、テキパキ、テキパキと動きながら、お客から声がかかるとニッコリとそっちを向いて応対する。ひとつひとつの動きが小気味よくて、無駄がなくて、その様子を見ているだけでも楽しく飲めるのです。和服に割烹着だしね!
あっちを向いて鍋の準備をして、火にかけてタイマーをセットすると、こっちを向いて、まな板の上で肴の下ごしらえ。そこへお酒の注文が入ると、「は~いっ!」と返事して冷蔵庫から冷酒を取り出してきて、「今日の純米酒は……」と説明する。ピピピッと背後でタイマーがなって、「ちょっとごめんなさいね」と振り返って、鍋の蓋を取り、チャチャッと味を調えて、またタイマーをセット。お客さんに続きの説明をして、お酒を注いで、まな板の上の魚の支度が終わったところで、ピピピッとタイマーの音で鍋も仕上がります。その横の焼き網に置かれている私のニシンも焼き上がったようです。
「ニシンの塩焼き、お待たせしました~」
と出してくれる女将に、「白鷹」(550円)の燗酒をお願いします。
日本酒好きな女将は、新潟の出身らしく、メニューにはヘギソバも並んでいます。今日の黒板メニューの最高値はカツオ刺身で、これが920円。下はサラダなどが500円前後で魚介類は650円くらいから。白身魚と揚げ出し豆腐(750円)や、若竹煮(国産竹の子)(780円)にも引かれますが、今日はほかにも回りたいお店があるので、1軒目は軽くここまでにしておきましょう。
「どうもごちそうさま」
そう言いながらニシンの皿をカウンターの上に返すと、
「あらっ! 理科の実験室みたい!」
と、きれいに骨だけになったニシンを見て喜んでくれます。忙しい中で、ふっとこういう反応を返してくれるところがいいんですよねぇ。
1時間ちょっとの滞在で、お勘定は2,400円。
「どうもありがとうございます」
とカウンターの中から出てきて、店の表まで見送ってくれました。
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