ちゅるとろ系シロタレ … もつ焼き「のんき」(堀切菖蒲園)
「この店に来たらシロタレしか食べない。シロタレを3皿食べて、ボールを3杯飲んで帰るんです」
そう話してくれるのは「酔わせて下町」のFさん。今日は葛飾区在住のFさんに、堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)のもつ焼き「のんき」に連れてきてもらっています。
Fさんおすすめのシロタレを口に運ぶと、表面のカリッと芳ばしく焼けた中は、トロトロのやわらかさ。ひゃぁ~っ。これは美味いですねぇ!
「そうでしょう。ここのシロタレは東京一、いやいや銀河一うまいんです!」
たしかに、こんなシロタレは食べたことがない。でもなんでこんな食感なんですか?
「うちのシロは、ちゅるとろ系と言われてるんです。口の中でチュルッ、トロッととろけるってことなんですね。他所のシロしか食べたことがないお客さんには驚かれます」
と話してくれるのは、老舗「のんき」を引き継いだ、若き三代目店主です。
「シロといっても、うちのは豚の直腸(他の店ではテッポーとかトロ、上シロなどと呼ぶ部分)を使ってるんですよ。これを普通の店の3倍以上、時間にして3時間以上ゆでたものに、串を打って焼き上げます。煮込みにも同じシロを使うんですが、煮込みの場合は、そこからさらに3時間以上煮込むので、下ゆでと合わせると6時間以上煮込むことになります」
そのもつ煮込み(450円)は冬場(10月~3月)しかないとのことで、残念ながら今日はありませんでした。
もつ焼きは、シロ、カシラ、タン、ハツ、ハツモト、レバーの6種類が、それぞれ4本1皿で360円。2種2本ずつを盛り合せて1皿でもOKです。ユニークなのは、普通のタレ、塩の味付けのほかに、ニンニク醤油、ショウガ醤油が選べること。人気があるのは、先ほどのシロタレとカシラニンニク(カシラのニンニク醤油)だそうです。
メニューには生ものもあって、ガツ刺、タン刺、ハツ刺、シロ刺、レバ刺のそれぞれが、こちらも1皿360円。刺身もニンニク+ゴマ油とか、ゴマ油+塩、ショウガ醤油など、いろんな味付けが楽しめます。
この店では回転寿司と同じように、注文したお皿はずっと下げずに置いておいて、最後に皿の枚数×360円で計算するのです。
焼き物、生もの以外のサイドメニューとしては、トマト(280円)、大根サラダ(240円)、もろきゅう(240円)、おしんこ(240円)があって、ボリュームたっぷりの大根サラダが人気があるほか、おしんこもぬか漬けでFさんもよく注文する品だと教えてくれます。
飲み物の一番人気はなんといってもボール(焼酎ハイボール、290円)。ここ「のんき」ももちろんのこと、堀切菖蒲園では、「とりあえずビール」ではなくて、「とりあえずボール」なんだそうです。店の奥の壁にも『のんきのボール。琥珀色に輝きを放ち、はじけ飛ぶ無数の気泡に誘われて、不思議とあなたの所へ足が向く…。何杯飲んでも「もう一杯!」』という色紙が張り出されています。
創業者である初代店主夫婦が30年近くやってきたこのお店。初代の店主が引退されたあと、常連客だった二代目のママさんが3年ほど切り盛りし、さらにその常連客だった現店主(三代目)へとバトンタッチしました。現在は、曜日ごとに人は入れ替わるものの毎日3人(その内ひとりは厨房担当)で、土曜日だけはひとり増えて4人(厨房はひとり)で切り盛り中です。
ちなみに四ツ谷や赤羽にある「堀切のんき」は、二代目ママさんの息子さんが、ここ「のんき」のレシピを引き継いで展開しているお店だそうです。
「お客さんの8割以上が、昔からいらっしゃっている常連さんなので、『のんきのもつ焼き』と言われる伝統の味を、どれだけ崩さずに守るか、というところに一番気をつけています」
と、きっぱりと語ってくれる店主。ぜひ初代のとき以上の名店に育てていってくださいね!
「のんき」 / のんきのボール / タン刺(ニンニク醤油+ゴマ油)
レバ刺(ゴマ油+塩) / ハツ刺(ショウガ醤油) / ガツ刺(酢みそ)
・店情報
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コメント
先日は取材ありがとうございました。
写真もさすがプロフェッショナルですね!
店が綺麗すぎてギャップが
先代は亡くなってませんよ・・・新潟の故郷に戻ったのですよ!(まっ!い~か!?)
創刊されるのを楽しみにしてまーす!
またのご来店お待ちしておりまーす。
投稿: のんき店主 | 2009.06.08 11:57
こちらこそ先日はありがとうございました。>のんき店主様
Fさんのご紹介どおり、まさに絶品のちゅるとろ系シロタレでした。
>先代は亡くなってませんよ・・・新潟の故郷に戻ったのですよ!
それは大変! さっそく本文中も修正させていただきました。どうもありがとうございます。
投稿: 浜田信郎 | 2009.06.08 20:21