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2009年6月

売り切れた後も大盛況 … もつ焼き「牛太郎(ぎゅうたろう)」(武蔵小山)

とんちゃん


前編からの続き)

 私の周りに座っているみなさんは、それぞれに常連さんの様子。

「目の前でモツを焼いている女将が、店の中では絶対的な権限を持っていて、彼女が終わり、と言ったら、のれんも入るんだよ」とか、

「『宇ち多゛』のホネに匹敵する、この店の名物がガツ酢(110円)で、開店後10分くらいでなくなってしまうんだ。俺も何回も来てるけど、ガツ酢は2~3回しか食べたことがないなあ。土曜日や祝日だったら1時ごろに並べば大丈夫かな」といったことを教えてくれます。(ちなみに土・祝は午後1時半開店だそうです。)

 他のネット上の書き込みを見ても、この店の常連さんは、一見さんに対しても親切で、こうやってすぐに仲間に入れてくれると書かれています。これはこの店だからなのか、それとも武蔵小山というお土地柄なのか。いずれにしても非常に居心地のいいお店であることは確かです。

 のれんが入ってからも、常連らしきお客さんたちは続々と入ってきて、そのたびに女将さんが「食べるもん、ないよ! 飲むだけでいい?」と声をかけ、入ってくる常連さんたちは一様に「それでいいよ~」と言いながら、壁際の順番待ちベンチシートに腰掛けていきます。「食べるもん、ないよ」の声に、あきらめて帰る人がいないというのがすごいですねえ。のれんが入っているのを見た時点で、そんなことは了解済みで入ってきてるんでしょう。

 続いては、これも名物だという“とんちゃん”(110円)をお願いすると、

「これから作るところだから5分ほど待ってね」という返事。このメニューも、普段はあっという間に出てくる料理のひとつなんだそうです。

 出された“とんちゃん”は、丸皿に盛られたモツの炒め物。軟らかさからみて、一度煮込んだものを炒めているのかもしれません。ニンニクの効いたスパイシーなゴマ味噌が添えられていて、これがまたうまい!

 となりのおじさんが飲んでいる、その透明な飲み物はなに?

「これ? これはスピリッツって言って、寝かせてない若いウイスキーらしいよ。なにしろこれ1杯が100円だからねえ。にいさんも飲んでみたらいいよ。水割りでもらうといい」

「へえ~。さっそくたのんでみます。すみません。スピリッツを1杯。水割りでください」

 すぐにロックグラスに“ブルーリボン”という銘柄のスピリッツが注がれ、それとは別に金属製のマグカップ1杯の水が出されます。アルコール度数は37度。けっこう効きますねえ。

 ほとんどのつまみはなくなったものの、まだお新香(=きゅうり、1本80円)は残っているようで、私も1本いただきます。

 それにしても、食べ物はもうほとんどないのに、席はちっとも空かないのがすごいなぁ。みんなワイワイと楽しそうに飲み進んでいて、お店の人たちは店内の片付けに入っています。

 土曜日の閉店時刻は午後7時らしく、その時間が近くなると、みんなの伝票がとりあえず計算されます。これでもうラストオーダーってことですね。

 ちょうどスピリッツも飲み終わったので、私はこれで腰を上げますか。どうもごちそうさま。1時間半ほどゆっくりと飲んで、お勘定は1,030円。安っ!

「それじゃ、みなさん、お先に!」と、まだまだ飲み続けている周りの常連さんたちに声を掛けて店を後にしたのでした。

 この店はすごいぞ。絶対にまた来なきゃね!

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食べ物メニュー / おしんこ(きゅうり) / スピリッツ

店情報前編

《平成21(2009)年5月9日(土)の記録》

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武蔵小山で人気のお店 … もつ焼き「牛太郎(ぎゅうたろう)」(武蔵小山)

煮込みとビール


 土曜日の今日は、武蔵小山(むさしこやま)で名店の誉れが高い「牛太郎」に初訪問です。

 初めて降りる武蔵小山の駅は地下にあり、地上に出てみると、まさに再開発の真っ最中。大丈夫かなあ、「牛太郎」。再開発で消えていった名店は多いからなあ。

 交差点を渡った先、左手に、目指す「牛太郎」はありました。

 時刻は午後5時半。“牛太郎”と大書されたのれんをくぐって店内に入ると、四角い店内いっぱいに大きなコの字カウンターがあり、ほぼ満席状態。入口左右の待つためにあるらしい木製のベンチシートには2~3人しか待っていない状態です。左側のベンチシートにいる二人の次のポジションに座ります。

「おれたちゃ、もう飲み終わってここで飲んでるんだよ。にいちゃん、そこに入れてもらったら」

 と座っている二人が声を掛けてくれます。真っ赤な顔に、とろんとした目。この早い時間から気持ちよさそうですねぇ。では、お言葉に甘えてカウンターに着かせていただきますか。

 カウンターの椅子もまた木製のベンチシート。先客たちがゆったりと飲んでいる間に、「すみませんねえ」と声を掛けながら、割り込ませてもらいます。

 カウンター内、ちょうど目の前に焼き台があって、おばちゃん(後ほど、この人が女将さんであることが判明)がもつ焼きを焼いています。このもつ焼きが1串80円。煮込みもなんと110円というから驚きです。

 この女将さんのほかに、カウンター内では3人ほどの男性が働いており、カウンターの外には店員さんはいません。ま、カウンターの背後はすぐに壁なので、カウンターの中だけで十分なんでしょうね。

 しばらくそのまま待ってみたものの、特に誰も注文も取ってはくれないようなので、目の前の女将さんに「瓶ビールをお願いします」と注文してみると、わずかにうなずく女将さん。ややあって、男性店員さんの一人がやってきて、「はい、こちらは?」と注文を取ってくれます。

「瓶ビールをお願いします」

 と改めて注文。なるほど。注文は男性店員さんにするのが、この店のルールなのかな。初回の訪問では、こういうところが分からないのが、またおもしろいところですねえ。これが数回やってくると、ごくごく当たり前のことになってしまうのです。

 すぐに出された瓶ビールは、アサヒスーパードライの大瓶で480円。ちなみに小瓶は300円。グイッと最初の1杯がたまりません。

 つまみに煮込み豆腐(280円)を注文すると、「汁がなくなってしまって作れない」という返事。なんと、こんな早い時間にもう売り切れなんですね。

 それじゃと、煮込み(110円)を注文すると、あっという間に目の前に登場した煮込みは、平皿に盛られるトロリと濃厚なタイプで、刻みネギがトッピングされています。具材はモツだけで、シロを中心に、他の部位もチラリホラリ。

 と、女将さんから「焼き物は終わり」という声がかかり、店ののれんが店内に入れられます。現在の時刻は午後5時40分。「早っ!」とビックリしていると、となりのおじさんが、

「土曜日や祝日は昼の1時半からやってるから、もう終わりなんだよ。もつ焼きがなくなると、のれんを入れてしまうからね」と教えてくれます。

 なんとなんと。事前にネットで調べた情報によると、店は午後4時開店ということだったので、一巡目が一段落するころを狙ってやってきたつもりが、土曜日・祝日の営業時間は違ってたんですね。それで煮込み豆腐も売り切れてましたか。道理で、お客さんたちがみなさんすっかり出来上がってるのも、これで納得です。

店情報後編に続く)

《平成21(2009)年5月9日(土)の記録》

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店情報: もつ焼き「牛太郎(ぎゅうたろう)」(武蔵小山)

のれんの入った「牛太郎」

  • 店名: 牛太郎
  • 電話: 03-3781-2532
  • 住所: 142-0062 東京都品川区小山4-3-13
  • 営業: 15:40-20:00(土・祝は13:30-19:00)、日休
  • 場所: 東急目黒線武蔵小山駅・西出口を出て直進。信号交差点を渡って、三井住友銀行の左側の道を30mほど進んだ左手。
  • メモ: 四角い店内には30人ほど座れるコの字カウンター。
    もつ焼き1串80(かしら、しろ、がつ、はつ、こぶくろ、てっぽう、なんこつ、レバー、たん)、ねぎ焼き1串80、ピーマン焼き1串80、とんちゃん1人前110、煮込み1人前110、ガツ酢1人前110、おしんこ1人前80、トマト200、厚あげ200、煮込みどうふ280、冷やっこ120。
    梅サワー370、ハイサワー370、青りんごサワー370、黒ホッピー370、ホッピー370、ハイッピー370、ビール(小)300、ビール(大)480、白波(1合)300、麦焼酎(1合)300、招徳(1合)290、大関(1合)320、ホワイト(S)160、スピリッツ(S)100、ワイン(S)150、ブドー酒(S)120、ジュース200、コーラ200、ソーダ120。(2009年5月調べ)

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〔コラム〕 「今夜も赤ちょうちん」が本になりました

今夜も赤ちょうちん

 毎日新聞編集委員の鈴木琢磨(すずき・たくま)さんの新著、「今夜も赤ちょうちん」(税込み1,575円)が、2009年6月27日に青灯社から発売になりました。

 今から3年前。2006年の4月に『モツ煮込みの至福』というタイトルで、門前仲町の「大坂屋」から始まった、毎日新聞火曜日の夕刊コラム、「今夜も赤ちょうちん」。毎週1話ずつ、2009年3月末に連載を終了するまでの約150話の中から、厳選された79話分のコラムが掲載されています。

 この79話の中の1話として、私が「ひとり呑み」を出版したときに、都立家政の「竹よし」で取材していただいた、『キャプテンと酒場浴』という話も収録されているのがうれしいなぁ。(そのときの取材の様子も過去のコラムに掲載しています。)

 このコラム、1話が800文字ずつの連載だったので、ちょうど1話(1軒)分が見開きでで掲載されていて、非常に読みやすい。

 また、掲載は東京地区の夕刊ながら、もとが全国紙だけあって、地域的にも東京のみならず、京都・大阪・神戸などの関西方面から、ソウル(韓国)まで載っていて、幅広いのです。

 私も現在、読売新聞の東京版の夕刊に、月に1回程度、コラムを書かせていただいていますが、このときのご指定も「全国紙なので、都内に限らず、全国、どこの酒場のお話を書いていただいてもかまいませんよ~。サラリーマンのみなさんは、それを読んで、地方に出張に行かれるときに出かけたりされるようですので。」というものでした。

 しかしながら、これまでの3回は『不況知らずの元気店』(「まるます家」と「川名」)、『安価な至福、立ち飲み屋』(「徳多和良」と「やき屋」)、『ユニークな煮込みの店』(「モアナ」と「平澤かまぼこ」)と、すべて都内のお店の紹介。う~む。私も東京以外も書かなきゃね。

 閑話休題。

 書籍版の「今夜も赤ちょうちん」では、夕刊に載ったコラムのほかに、「呑んべえ列伝」という、都はるみさん、吉行淳之介さん、司馬遼太郎さん、山本夏彦さん、サイデンステッカーさん、団鬼六さん、喜多條忠さんなどなどの呑んべえ著名人13人へのインタビュー記事13話も掲載されていて、こちらも読み応えがあります。

『気になるのは、あちこちに誕生している昭和レトロを演出した居酒屋。由美かおるさんのホーロー看板がわざとらしく壁を飾っていたりする、あれ。嫌いだなあ。いい酒場は、こぼれた酒と涙のしみがつくる時間の堆積(たいせき)──。自称、居酒屋バカはそう信じている。』

 「あとがきに代えて」の中で、鈴木琢磨さんが書かれているこの文章に、私も全面的に賛成です。

 さてさて、毎日新聞火曜夕刊での「今夜も赤ちょうちん」は、今年の3月末をもって幕を閉じたものの、4月から引き続き金曜夕刊での鈴木琢磨さんの連載、「酒に唄えば」が始まっており、一昨日(6月26日(金))で第13話『煤んだ大人のブルー』まで進んでいます。こちらもまた楽しみですね。

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円高還元セールで安い … バー「昴(すばる)」(新宿)

ハイボールと野菜スティック


 昔からある、ウイスキー・メーカーの名前を冠したバーは、リーズナブルな値段で、きちんとしたオーセンティックなバーの雰囲気を味わえることが多いように思います。

 有名なところでは銀座中野にある「ブリック」や、横浜の「クライスラー」、松山の「露口」などなど。

 ここ新宿にも“サントリーラウンジ”という肩書きのバーが何軒かあるのです。

 今日はそんな新宿の“サントリーラウンジ”に行こうと、やって来たのは新宿西口の高速バスターミナルの裏手にある飲食店街です。美味しい地酒や珍味で有名な酒処「吉本」のすぐ近くにあるのが、サントリーラウンジ「飛鳥(あすか)」です。

 ………。

 あれっ!? 「飛鳥」のあるビル全体が改装されていて、ビル中が営業していない状態のようです。残念だなぁ。

 新宿駅を反対側(東口)に出て、同じサントリーラウンジの「イーグル」の前も通り過ぎ、ビルの7階へ。エレベータを降りると、そこがサントリーラウンジの「昴(すばる)」です。

 午後10時過ぎの店内は、ほぼ満席状態です。

「いらっしゃいませ。おひとりさまですか」

 シャキッとした制服姿の、姿勢のいい男性店員さんが笑顔で迎えてくれます。チラリともう1度カウンターを確認した店員さん。

「カウンターがいっぱいなので、こちらでよろしいですしょうか」

 と言いながら指し示してくれたのは、フロア中央部にある2人用テーブルです。

 ここはもともと角瓶や、スコッチのブラック&ホワイトやバランタイン・ファイネスト、バーボンのフォア・ローゼズやアーリータイムズなどが、それぞれシングルで300円と安いのですが、今は創業45周年記念期間中ということで、サントリーオールドがシングル250円と角瓶よりも安いのです。

 さらにメニューを見て驚いたことには、〔サントリー協賛 円高還元200円均一セール〕と称してティーチャーズ(スコッチ)とアーリータイムス(バーボン)の2品は、なんとシングル1杯が200円。これは飲むでしょう。

「ウイスキーはどんな飲み方ができますか?」と確認してみると、

「水割りでも、ソーダ割りでも、ロックでも、お好きな飲み方でかまいませんよ」と店員さん。

「それじゃ、ティーチャーズをソーダ割りでお願いします」とハイボールを注文します。

「ダブルでよろしいですか?」

 新宿のサントリーラウンジ系のグループ(「イーグル」や「昴」)では、なぜかダブルをすすめてくるんですよねぇ。ほとんどの人が、ここで思わず「はい」と答えます。私もちょっと考えたものの、せっかくのスコッチなので、ダブルでお願いしました。

 ダブルの場合はシングルのちょうど倍、今回であれば400円です。ソーダ割りでも料金が変わらないというのは良心的ですね。水割りでも、通常はミネラルウォーターを使うから、ソーダ割りと原価は変わらないように思うのですが、なぜかソーダ割りのほうが高いお店が多いんですよね。

 つまみに、このグループの名物でもある野菜スティック(600円)をもらうと、キュウリ5本に、ニンジン3本、セロリ2本、エシャレット2本の合計12本がグラスに立てられて、“秘伝のゴマ味噌”(とメニューに記載されている。)の小皿が添えられます。〔ぐるなび〕のクーポンを持っていくと、こんお野菜スティックがサービスになるのは後で知った話。ちょっと残念でした。

 ティーチャーズの炭酸割り(ハイボール)に続いては、今度は同じく円高還元のアーリータイムスをシングル(200円)の炭酸割り(バーボンソーダ)でいただきます。

 午後11時半まで1時間半近くゆっくりとくつろいで、お勘定は飲食の合計1,200円に、サービス料が10%付いて1,320円。エレベーターに乗り込むまで、店員さんの笑顔に見送られながら店を後にしたのでした。

店情報

《平成21(2009)年5月2日(土)の記録》

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店情報: バー「昴(すばる)」(新宿)

  • 店名: サントリーラウンジ「昴」(スバル)
  • 電話: 03-3350-8800
  • 住所: 160-0022 東京都新宿区新宿3-25-9 新宿モアビル7F
  • 営業: 17:30-24:00、正月三が日以外無休
  • 場所: JR新宿駅東口を出て「さくらや」の前の横断歩道を渡って歌舞伎町方面に向かう。左手「みずほ銀行」の先にある「キリンシティ」のあるビルの7階。
  • メモ: 「ぐるなび」あり。

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〔コラム〕 シメのあとに、さらにシメ!?

「第一亭」のタンメン


 濱の星一徹ことiiさんと、横浜駅西口の「豚の味珍」で軽く一献。iiさんによると「味珍」のタレは、辛子をたっぷりと入れて作って、それをちょっとだけ浸(つ)けながら食べるのがいいんだそうで、さっそくやってみると、確かに美味しい。ざるそばを、辛い汁(つゆ)にちょっとだけ浸けて食べるのと同じような感覚です。

 平日なので、今日はこの1軒にしておこうかなということで、横浜駅でiiさんと別れた後、新しくなった「星のうどん」で、シメのごぼう天うどん(370円)をいただきます。

 「星のうどん」は、もともと相鉄線・横浜駅の構内にあって、ここでうどんを食べようと思うと、入場券を買ったり、有人改札口で事情を話してこっそりと(?)入らせてもらったりする必要がありました。

 新しくなった「星のうどん」は、立ち食い形式であることは変わらないものの、厨房を挟む2本のカウンターの一方は、駅構外側に設けられ、改札を通らなくても店に入ることができるようになりました。

 「うどんはさぬき、汁は薄口博多風」という「星のうどん」のうたい文句は変わっていないものの、うどんの量がちょっと減ったのかな?

 ごぼう天うどんでシメたあとは、根岸線(京浜東北線)の電車に乗り込んで、一路、単身赴任寮のある磯子(いそご)方面へ、……、向かったはずだったのに、桜木町(さくらぎちょう)に着いたところで、強く後ろ髪を引かれて、ここで下車。今日もやっぱり〔野毛ちかみち〕をくぐってしまいます。

 うどんも食べてお腹はいっぱいなので、今日も大勢のお客でにぎわう“野毛の関所”こと「福田フライ」も、その向かいの「三陽」「若竹」も、横目でチラリと見ながら通過します。

 あらら~。今日は焼き鳥の「末広」にも空席がありますねぇ。入りたいときは行列ができてたりするのに、今日のようにお腹いっぱいのときには席が空いてたりするのがくやしいなぁ。

 ジャズと演歌の「パパジョン」も通過して、野毛本通りに出たところで左へ。そのまま大岡川にぶつかった交差点で、右を見るとクレセント(三日月形)に建つ、古い野毛の象徴、〔都橋商店街〕。左を見ると新しい横浜の象徴、〔みなとみらい〕の観覧車。新旧横浜を一度に見ることができる、野毛の絶景ポイントなのです。

 その〔都橋商店街〕の2階に上がり、中央部にある「ホッピー仙人」へ。白ホッピー、黒ホッピーを1杯ずつ(各500円)。黒ホッピーに合わせて燻製玉子(100円)もいただきます。ここでtamさん、プー子さんと合流し、〔都橋商店街〕向かいのバー「喫茶みなと」に入ります。

 「喫茶みなと」では、映画のプロデューサーでもある渋谷店主の新作映画を見せてもらいながらトリスハイボールを1杯。ひろたろうさんもやってきました。

 気がつくと、もう11時過ぎ。平日だし、そろそろ帰らなければ。みなさん、お先に!

 遅い時間帯になると、京急で帰ったほうが寮の近くまで行けるので、大岡川沿いを日ノ出町駅方面へと向かいます。「ホッピー仙人」「喫茶みなと」と、ほとんど食べないで飲んでばかりいたので、なんだかちょっとお腹がすいた気がするなぁ。

 というわけで、最後に立ち寄ったのは、“ホルモンひとすじ50年”の「第一亭」です。ホルモン炒めやチート生姜炒めなどで有名な「第一亭」も、基本的には中華(台湾)料理屋さん。シメの麺類やチャーハン、さらには定食なども充実しているのです。今日はタンメン(550円)をいただきます。パタン(冷たいニンニク醤油麺)に使うのと同じ太い中華麺で作られたタンメンは、「第一亭」らしい、やさしくて、やわらかい味付け。ついついスープまで完食です。

 あぁ~あ。1日に2度もシメタン(シメの炭水化物)を食べてしまった。明日はバスに乗らずに、歩いて通勤しようっと。

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豚の味珍 / 星のうどん / ホッピー仙人 / 喫茶みなと

《平成21(2009)年6月17日(水)の記録》

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値段も品ぞろえも不変 … もつ焼き「金ちゃん(きんちゃん)」(練馬)

煮込み豆腐


 ゴールデンウィーク中の土曜日。久しぶりにやってきたのは練馬のもつ焼き「金ちゃん」です。店に着いたのは午後6時過ぎ。さぁ、どうだ。入れるかな。

 竿(さお)がたわむほど大きなのれんをくぐって、駅から遠い側の、カウンター席しかないほうの入口から店内に入ると、ちょうどカウンターの中央部に2人分くらいの空きがあり、そのひとつに座ります。

 店内は焼き台を挟むように、それぞれ10人ずつくらい掛けられる2本の平行カウンターがあり、私が入ったほうじゃない側にはずらりとテーブル席があって、店全体では50人ほど入れるキャパシティ。今のところ、8割くらいの入りでしょうか。

 今日もまた、焼き台は店主が仕切り、平行カウンターの中や、奥の厨房、フロアを3~4人ほどの手伝いの女性が行き来しています。

 この店に来たのは、一昨年末以来、1年半ぶり。壁にずらりと張り出されたメニューを確認してみると、値段も品ぞろえもちっとも変わっていません。ほとんどの酒場が昨年(2008年)値上げしたことを考えると、これはある意味すごいことです。

 ホッピーにしても、セットで350円、ナカ(焼酎のおかわり)も250円のままです。

 へぇ~っ。これはすごいなぁ、と感心しながらメニューを眺めていると、カウンターの中のおねえさんが注文を取りにきてくれます。

「瓶ビールと煮込み豆腐をお願いします」

 すぐにトンと出される瓶ビールは、“赤星(あかぼし)”ことサッポロラガー大瓶で480円。小料理屋などでは中瓶で500~600円位するのに、大瓶で480円というのが嬉しいじゃないですか。

 ちょっと深めの丸皿で出される煮込み豆腐(330円)は、焼き台の横に置かれた煮込み鍋から店主が注いでくれます。シロを中心に、ガツなどいろんな部位が入った煮込み豆腐は、もつと豆腐の他には、刻みネギがトッピングされているのみのシンプルなもの。シロはトロリとやわらかいんだけど弾力感も残っていて、いい煮込み具合です。あまり濃くない味付けで、汁(つゆ)も全部飲みきれます。

 ちなみに煮込みも同じく330円で、豆腐が入らないかわりに、もつの量が多くなります。

 ん? 前は1皿100円の白菜のお新香があったのに、メニューに見当たりません。まわりを見ても食べている人がいない。もしかするとなくなったのかな?

 ちょうど前を通り過ぎるおねえさんに、「お新香はないんですか?」と聞いてみると、返事のかわりに、お新香が1皿、トンと出されます。やぁ、よかったよかった。

 おねえさんが近くにいるついでに、

「もつ焼き、1本ずつの注文でもいいですか?」と、もつ焼きの注文態勢に入ると、

「1本ずつはちょっと…」と言いながら、ちょっと焼き台の様子を確認し、

「じゃ、1本ずつでいいですけど、なるべくかためて注文してくださいね」

 という返事です。焼きが混んでるときは、1本ずつの注文はできないのかもしれませんね。

 さっそくレバ、ガツ、シロをタレで1本ずつ(各80円)注文します。ガツ醤油がある店では、ガツは醤油味で注文することが多いのですが、この店のタレは、醤油味がよく効いた辛口タイプなので、ガツにも合うんじゃないかと思うのです。

 焼きあがってきたガツは、予想どおり、ガツ醤油に近い味わい。

 この醤油ベースのタレならば、焼酎系の飲み物のみならず、日本酒にも合いますね。ビールに続いては燗酒(300円)を注文すると、チロリでちょいと燗をつけて、受け皿つきのグラスについでくれます。

 つまみにはさつま揚げ(300円)も追加します。店内では変わらず“天ぷら”という符丁で通されるこのさつま揚げは、実は愛媛のジャコ天(平天)。愛媛では、このジャコ天のことを“天ぷら”と呼ぶのです。そのジャコ天2枚を焼き台で炙って、食べやすいように1枚を4つずつにスライスしたら、大根おろしと、おろし生姜を添えて出してくれます。サッと醤油をかけていただくと、これがまた燗酒にぴったりと合うんだなぁ。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在。お勘定は1,750円でした。どうもごちそうさま。

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お新香 / ガツ、レバ、シロ / 天ぷら

店情報前回

《平成21(2009)年5月2日(土)の記録》

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店が大きくなりました … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

奥側が新店舗


 北千住をあとに、地元、野方(のがた)まで帰ってきました。実は1週間ほど前(4月22日)に、「秋元屋」のとなりに、新しく「秋元屋2号店」(なのか?)がオープンしたので、早く行ってみたいのです。

 おぉ。まさに「秋元屋」のとなり。前の店と新しい店は、壁1枚を隔ててつながっていて、しかもその壁も奥のほうはツウツウに行き来できるようになっているので、全体として前のお店が大きく広がったようなイメージです。

 新しい店のほうには、奥に向かって長いカウンターがあり、その中に、こちらにも焼き台があって、さらにフライヤーも装備されています。新しい店にもちゃんとテラスのテーブル席がありますねぇ。

「こんばんは」と、新しい店のほうに入ると、焼き台の店主(マスター)が、

「そこにどうぞ」と、すぐ目の前の席を指し示してくれます。

「ん?」と、その席のとなりを見ると、なんと「石松」のマスターではありませんか。さっそくご挨拶をして、となりに座らせていただきます。石松マスターも、今日はじめて、大きくなった「秋元屋」にいらっしゃったんだそうです。

 まずは三冷(さんれい)黒ホッピー(380円)からスタートして、タンシタ、ナンコツ、カシラアブラをそれぞれ塩で1本ずつ(各1本100円)注文し、焼き上がりを待つ間にポテトサラダ(300円)をもらいます。

 店に着いたのが、午後8時40分頃だったので、ポテトサラダはヨッちゃんが持ってきてくれました。ヨッちゃんは、初期の頃から「秋元屋」を手伝ってくれている女性なのですが、遠くに引っ越したので、このごろは平日の午後9時ごろまでしかいられない。普段、平日は横浜にいる私には、めったにお会いできない存在になっていたのでした。

 やきとんも焼き上がってきました。新しい焼き台でも、変わらずおいしいですねぇ。

 ちなみに以前からの「秋元屋」の焼き台は、三浦さんが守っています。両側ともお客さんがいっぱいで大盛況の様子です。

 カウンターの奥のほうに座っていた、ももたまなさんと、そのお友だちも近くに移ってきてくれて、ますます楽しい酒席になってきます。

 飲み物は、今度は三冷(さんれい)白ホッピー(380円)をもらって、つまみには、新しいフライヤーで揚げてもらうチーズ揚げ(250円)です。チーズ揚げはチーズを餃子の皮で包んで、フライヤー担当のたっつんさん(店を手伝っているおにいさん)が、フライヤーで揚げてくれる一品。1皿に4個、盛り付けられています。

 石松マスターが、お祝いでご持参された焼酎(古酒)もいただいたりしながらワイワイと過ごすうちに、気がつけばもう10時半を回っている。

 2時間ほどの滞在は2,090円でした。どうもごちそうさま。

 2軒分になって、キャパシティもうんと大きくなりました。これで並ばなくても入れるようになるかな!?

 「秋元屋」を出て、ふらふらと鷺ノ宮(さぎのみや)へ。「ペルル」→「満月」とハシゴして帰宅したのでした。

090430g 090430h 090430i
ポテトサラダ / タンシタ、ナンコツ、カシラアブラ(塩) / チーズ揚げ

店情報前回

《平成21(2009)年4月30日(木)の記録》

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まさに“和”ですねぇ … 割烹くずし「徳多和良(とくだわら)」(北千住)

平政刺と生ほたるいか酒盗漬


 「モアナ」を出て、今日の2軒目は北千住の立ち飲みの名店「徳多和良」を目指します。「モアナ」のある京成関屋/牛田から北千住までは、距離にして約600m。徒歩10分ちょっとなのです。

 「徳多和良」に到着したのは午後7時前。この店は午後5時開店なので、そろそろお客さんが1~2回転したころでしょうか。ひとり分の空間、空いてるかな?

 入口引き戸をガラリと開けて店内に入ると、左手のカウンター、右手の立ち飲みテーブルともにお客さんでいっぱい。しかたなく、カウンター一番手前のレジのところに立たせてもらいます。

 “割烹くずし”を看板に掲げる「徳多和良」。割烹の味を、安価に出してくれることで大人気で、ずらりと並んだほとんどの品が315円です。

 メニューは日替りで、今日は、とり貝刺、まこかれい刺、かつを刺、甘海老刺、平政刺、しめさば、翁ひめじ若狭焼、鮭ハラス焼、磯つぶ貝煮物、竹の子と高野豆腐焚き合せ、たこ桜煮、あら煮、白海老かき揚、海老天ぷら、あん肝、もずく酢、生ほたるいか酒盗漬、うなぎ肝佃煮の19品が315円。

 315円以外のメニューでは、ほたるいかと貝のマリネ、ゆばしんじょ揚、じゅん菜の3品が420円。平政かぶと焼が630円。

 全部で23品のうち19品。8割以上が315円なのだからすごいですよね。

 飲み物もまた日本酒、ビール、焼酎(芋焼酎、緑茶割、ウーロン割等)がそれぞれ315円です。

 さっそく燗酒(315円)をいただいて、つまみには平政刺(315円)と生ほたるいか酒盗漬(315円)を一気に注文します。

 すぐに出される平政(ひらまさ)は小皿に4切れ。学生時代の同級生(福岡出身)が、

「晩ご飯のときに、親父の食卓にだけ、ヒラス(←九州あたりでは平政のことをこう呼ぶそうです)の刺身なんかが1品多く並んでいて、親父がそれで酒を飲んでいた。オレも大人になったら絶対そうしようと思ってたんだ」

 と話しながら、美味しそうに平政の刺身を食べていた様子を思い出します。

 生ほたるいか酒盗漬は、頭を左に向けて整列した小さなイカが5杯。ちゅるんと食べると、酒盗らしい深みのある塩辛さに加えて、ホタルイカ独特の濃厚なコク。

 ックゥ~~ゥ。なんと燗酒に合うつまみであることよ!

 考えてみれば、酒盗も、ホタルイカも、それぞれ単品同士でも日本酒にピタリと合うつまみを合体させてるんですもんねぇ。合わないはずがない。

 店内はひとり出ては、ひとり入ってという感じで、ずっと満員状態が続いています。

 湯飲みに注いでくれる燗酒(315円)をおかわりして、竹の子と高野豆腐焚き合せ(315円)を注文すると、あらかじめ煮付けて、別々の大皿に盛られている竹の子や高野豆腐を、小皿に美しく盛り合わせてくれます。そしててっぺんには木の芽がひとつ。いやぁ、見た目も、香りも、まさに“和”ですねぇ。

 45分ほど立ち飲んで、お勘定は1,575円でした。どうもごちそうさま。

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平政刺 / 生ほたるいか酒盗漬 / 竹の子と高野豆腐焚き合せ

店情報前回

《平成21(2009)年4月30日(木)の記録》

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カレー味のモツ煮こみ … 炭火焼「モアナ(Moana)」(京成関屋)

モツ煮込み(カレー味)


「新しいメニューができたんですよ」

 と店主が指し示してくれる黒板を見ると、そこには「モツ煮込み(カレー味)」(450円)の文字。

 もともと和牛モツ煮込み(450円)や和牛スジ煮込み(450円)などの煮込み系メニューも、カレールー(350円)やカレーシロモツ焼き(550円)などのカレー系メニューも人気があった「モアナ」のこと。両者をうまく組み合せたカレー味のモツ煮込みができるのは、ごくごく自然な流れだったのかもしれませんが、なぜ今?

「実は、この間、間違えてカレーの鍋にモツ煮込みを入れちゃいましてね。アリャ、っと思ったんですが、食べてみるとこれが美味い(笑)。新メニューになりました」

 コンロの上には、同じ形をした鍋が4つ。それぞれ和牛モツ煮込みの鍋だったり、和牛スジ煮込みの鍋だったり、カレーの鍋だったりするんだそうで、入れる鍋を間違っちゃったんですね。

 さっそくそのモツ煮込み(カレー味)を注文して、飲み物には黒ホッピー(450円)をいただきます。

 「古典酒場 Vol.6」でのホッピー工場座談会のときに、カレーと合わせた黒ホッピーが美味しかったので、ここのカレー味のモツ煮込みにも黒ホッピーが合うのではないかと思うのです。

 焼酎も、ホッピーも、そしてジョッキもキンキンに冷やした状態で、まっさかさまにホッピーを注ぎ込んで一気に作られる「モアナ」のホッピー。いい泡立ちで、撹拌の必要もなく、焼酎とホッピーとがうまく混ざり合っているのです。

 そしてモツ煮込み(カレー味)。今も、間違えたときと同様に、別鍋で作った和牛モツ煮込みを、カレールーと合わせる形で作るんだそうで、カレールーの中でモツを煮込んで作るモツカレー煮込みともまた違う味わいです。これは「モアナ」の新たな名物メニューになるに違いありません。

 クゥ~ッ。予想どおり、黒ホッピーにもよく合いますねぇ!

 「モアナ」は平成16(2004)年の創業で、今年で創業5年になります。もともとハワイ好きだった店主夫妻が、この地で50年続いたもつ焼き屋を引き継いで、ハワイでもよく食べていた炭火焼と融合させる形で、今の「モアナ」の形ができてきたんだそうです。

「最初は“ワイキキやきやき”という名前にしようとしたんですが、前の店主から『ハワイアンな名前でもいいから、もうちょっと伝統的な名前にならないものか』とコメントが付いて、最終的に今の“モアナ”にしたんですよ。“モアナ”の“モ”は、“モツ焼き”の“モ”です」

 と笑いながら話してくれる店主。今も紀州備長炭を使った炭火焼なんだそうです。

 2杯目には白ホッピー(450円)をもらって、つまみにはテッポウ刺し(350円)と新しょうがの酢醤油漬(350円)をいただきます。

 1時間半ほど楽しんで、お勘定は2,250円でした。どうもごちそうさま。

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「モアナ」 / テッポウ刺し / 新しょうがの酢醤油漬

店情報前回

《平成21(2009)年4月30日(木)の記録》

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〔お知らせ〕 7月12日(日)、「第4回 古典酒場ほろ酔いと~く」開催

photo by Ebisu


 三栄書房から、『古典酒場』シリーズ第7弾となる「古典酒場・新橋大特集」(7月10日(金)発売予定)が出されるのを記念して、第4回めとなる「古典酒場ほろ酔いと~く」が開催されることになりました。

  • 日時: 平成21(2009)年7月12日(日)
      1回目: (午後2時半開場)午後3時~午後5時 (満員御礼)
      2回目: (午後5時半開場)午後6時~午後8時 (満員御礼)
  • 場所: ハーミテイジきくや(市ケ谷)
  • 会費: 5千円(料理+ホッピー飲み放題+ホッピービバレッジのお土産セット)
  • 定員: 各回先着40名様

 お申し込みは、こちらBanner0612からどうぞ。(6月17日に満席となり、受付を終了しました。ありがとうございます。)

 トークセッションの出演者は、前回と同じく、作家で雑誌編集者(ご趣味はランニングと大衆酒場巡り)の渋谷和宏(しぶや・かずひろ)さん、ホッピービバレッジ株式会社取締役副社長のホッピーミ~ナこと石渡美奈(いしわたり・みな)さん、古典酒場編集長の倉嶋紀和子(くらしま・きわこ)さんと、不肖、私でございます。

 今回は、第1回目(午後3時からの部)を主として“初心者向け”、第2回目(午後6時からの部)を主として“上級者向け”としているのが特徴です。初心者向けと上級者向けのお店、それぞれの楽しみ方を呑み歩きながらビデオで紹介します。

 今回もまた、「えっ。この店、取材を受けてくれるの!?」という名店が、ビデオ取材を許可してくださって、それはそれは興味深い取材となりました。

 初心者向け、上級者向けの回を分けてはいますが、初心者、上級者の区別に特に根拠はありませんので、お好きなほうにいらっしゃっていただけるとありがたいです。

 前回までにいらしてくださったみなさんは、すでにおわかりと思いますが、第2回目になりますと、出演者もすっかりできあがった状態になってしまっています。第2回目は、そんな酔っ払いでも笑って受け入れてくれるみなさんのご参加をお願いします。(汗)

 それでは当日、会場でお会いできるのを楽しみにしております!

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ゆっくりとたっぷりと … 居酒屋「兵六(ひょうろく)」(神保町)

無双


 横浜での仕事を終えて、都内に着いたのは午後8時前。この時刻であれば、久しぶりに「兵六」に行くことができそうです。

 「兵六」は平日(月~金)の午後10時半までの営業。ラストオーダーは9時半なので、平日、横浜で勤務している私には、「河本」(午後8時までの営業)ほどではないものの、なかなかハードルが高いのです。

 火曜日とは言え、祝日前の「兵六」の店内はゆるやかに満席状態。店主を囲むコの字カウンターの、手前側に何人分かと、一番奥に1人分の空きがあり、みなさんの背後を通って一番奥に入れてもらいます。

 「兵六」の椅子は、丸太を2本渡したようなベンチシートなので、ギュッと詰めればたくさん入るし、間を空けて座ればゆっくりとすることもできるのです。今日はすでにギッシリと詰まった状態です。

「何にしましょうか?」と笑顔を向けてくれる、若き三代目店主に、まずはビール(キリンラガー大瓶、790円)をお願いして喉を潤すと、お通し(サービス)には、小皿に盛られた野菜と竹輪の煮物が出されます。

 テーブル席のお客さんからの、餃子(ギョウザ、580円)と炒豆腐(チャードウフ、580円)の注文に合わせて、私も炒豆腐を注文。炒豆腐はその名のとおり、豆腐を、キャベツや豚肉とともに炒めたもので、中華風の味付け。

 その炒豆腐が出たところで、飲み物も芋焼酎「無双(むそう)」(680円)に切り替えます。

 丸みをおびた徳利に入れられる「無双」に、ぐい飲みと、アルミの小さい薬缶(やかん)でお湯が出されます。このセットで、自分で湯割りを作るのです。

 続いてたのんだ「つけあげ」(530円)は「さつま揚げ」のこと。鹿児島では「さつま揚げ」とは言わずに「つけあげ」と言うんだそうです。丸いの、四角いの、棒状の、と形状の違う3つが盛り合わされます。ちょっと甘いのが「つけあげ」の特徴で、芋焼酎の湯割りとよく合います。

 そうこうしているうちに、荒木又右衛門さんや、呑んだフルさんもやってきました。コの字のカウンターを取り巻くお客さんは、常連さんたちばかりではなくて、「はじめて来ました」というご夫婦も話の輪に加わって、店内はますますにぎやかになってきます。

 「無双」(680円)をおかわりして、日替りの「今日の煮物」(650円)を注文すると、今日の煮物は竹の子です。この時期、竹の子がいいですねぇ。

 常連さんの注文にのっかって、私も便乗注文した「ぬかづけ」(530円)は自家製で、これまで知らなかったのだけれど、この店の名物品のひとつとのこと。今日はメロン、山芋、ナス、キュウリ、ニンジン、大根、エシャレット、カブ、セロリ、生姜(しょうが)という、実に10品盛り。「えぇーっ! メロン!?」と思いながら口に入れたメロンも、ウリのぬかづけをスッキリとさせた感じで、全く違和感はありません。

 ワイワイと楽しく過ごすうちに、気がつけば午後10時半の閉店時刻がやってきました。今日のお勘定は4,440円。こんなにもゆっくりと、たっぷりと「兵六」で飲んだり食べたりしたのは初めてのこと。長く居れば居るほど、ますます良さが感じられる名店です。

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炒豆腐 / つけあげ / 竹の子煮 / ぬかづけ

店情報前回

《平成21(2009)年4月28日(火)の記録》

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浴びるほど菊正宗樽酒 … 鳥料理「鳥晴(とりはる)」(荻窪)

よつわり


 荻窪駅の近くに、このあたりでも評判の鳥料理の老舗「鳥晴」があります。昭和36(1961)年創業だそうですから、今年で創業48年。ぜひ一度行ってみなければ、と思いながら、なかなか行動に移せていなかったのでした。

 そんなところへ届いたのは、「古典酒場」の美人編集長からの「荻窪駅近くの鳥刺し&つくねが美味しい店に行きましょう」というメール。もしや、と思って確認してみると、やはり「鳥晴」でした。やったーっ!

 しかも、同行してくださるのは、先日、白金高輪の居酒屋「大船」でバッタリとお会いした「東京スカパラダイスオーケストラ」(←リンク先は音が出ます。)のベーシスト・川上つよしさん。楽しい飲み会になりそうです。

 店は、荻窪駅南側の線路沿いの道路から1段下がったところにあって、なにやら隠れ家風。

 入口引き戸をガラリと開けて店内に入ると、午後6時を回ったばかり(開店時刻は午後5時)なのに、すでに左手のカウンター席(10席)は満員。右手小上がりにある3卓(4人がけ2卓+2人がけ1卓の10席)のまん中の卓に陣取ります。

「カウンターに座ろうと思って、早い待ち合わせ時間にしたのに、この時間でももうカウンターはいっぱいなんですね」と編集長も驚いています。

 まずはビール(大瓶、650円)をもらって乾杯すると、お通しには砂肝煮が出されます。

 川上さんも私も、この店に来るのははじめて。注文は編集長におまかせすると、まず出てきたのは鳥の刺身(800円)に、ねぎ味噌笹身和え(500円)。ねぎ味噌笹身和えは、白髪ネギの上に味噌がのり、さらにその上に笹身の刺身がのって、てっぺんにワサビです。これをグリグリとかき混ぜて、全体を一体化させていただきます。う~む。刺身そのもものいいですが、この味噌和えもいいですねぇ。

 大瓶ビールを3人で2本ほどいただいた後は、日本酒に切り替えます。この店の日本酒は「菊正宗」の樽酒のみ。この潔さがいいではありませんか。小さい徳利が430円で、大きい徳利は830円。もちろん大きいほうを注文し、燗(かん)をつけてもらいます。

 串焼き(530円)は、ネギを挟んだ正肉が、1人前1皿にちょうど3本。ひとり1本ずついただきます。

 編集長いち押しの“よつわり”(830円)は、鳥ももを焼いて、文字通り四つに割ったもの。皮の部分がパリッと焼けてて美味しいですねぇ!

 つくね(600円)は串に刺さずに、そのままハンバーグのように焼き上げるタイプ。これまた1皿3個でちょうどいい数。添えられた生玉子の黄身を絡めていただきます。

 それにしても、川上さんも編集長も、お酒が強い強い。大徳利が出てきたかと思うと、すぐに空になって、次から次へと大徳利のおかわりです。

 レバ焼き(550円)は、串に刺さずにバラで焼いた鶏レバーを皿に盛り、その上にオニオンスライスをのせて、タレをかけたもの。

 となりの卓の人たちのところへ出されたサラダ(750円)は、レタスや玉ネギ、トマトのみならず、霜降りにした笹身もたっぷりと入っていて、マヨネーズでいただくもの。あまりに美味しそうなので、こちらもサラダを注文します。

 飲むは食べるは、食べるは飲むは。だんだんお腹もいっぱいになってきて、次なるつまみとしてお新香(370円)を注文すると、小鉢に野沢菜漬が出されます。この野沢菜漬がまたいい塩梅(あんばい)で、燗酒が進んで進んで仕方がありません。

 お客さんはまったく途切れることがなく、一瞬空いたかと思うカウンターも、次の瞬間にはもう新しいお客さんが入ってきて満席になります。ほとんどのお客さんは常連さんの様子で、ふたりで切り盛りしている店主ご夫婦も、お客さんたちを名前で呼んでいます。

 楽しい時間はあっという間に過ぎて、ふと気がつくともう午後10時過ぎ。シェーッ。4時間も飲んでたんですね。

「シメに雑炊(600円)をもらいましょう」と注文すると、

「いくつお作りますか?」と聞いてくれるおかみさん。

「3人前お願いします!」と、すかさず答える編集長。

『そんなに食べられるかなぁ』と、心配しつつ待っていると、出された雑炊は、ご飯にナメコの味噌汁をぶっかけたような、汁(つゆ)の多いタイプのもので、すいすいと食べられてしまいます。さすが編集長。3人前で大正解でした!

 最後に出してくれた鶏スープ(たぶんサービス)が、これまた絶品で、これだけで燗酒の1合や2合は軽く飲めてしまいそうな一品です。

 結局、11時前くらいまで5時間近く楽しんで、お勘定は3人で16,800円(ひとりあたり5,600円)でした。

 お通しの値段が不明ではありますが、逆算してみると3人で大徳利を12本ほど飲んでいる計算になります。大徳利に2合入っているとすると、ひとりあたり8合ずつ、3人で2升4合も飲んじゃったんですねぇ! すごっ。

 ぜひまたよろしくお願いします。>川上さん&編集長

090424a 090424b 090424c
ねぎ味噌笹身和え / グリグリかき混ぜて / 串焼き

090424d 090424e 090424f
つくね / レバ焼き / サラダ

090424g 090424h 090424i
お新香 / 雑炊 / 鶏スープ

店情報

《平成21(2009)年4月24日(金)の記録》

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店情報: 鳥料理「鳥晴(とりはる)」(荻窪)

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  • 店名: 鳥晴
  • 電話: 03-3398-8986
  • 住所: 167-0051 東京都杉並区荻窪5-16-7-104
  • 営業: 17:00-23:00、水・第3火休
  • 場所: JR荻窪駅西口を南側に出て、線路に沿って西(西荻窪方面)へ200m(3分)ほど。左手のセブンイレブンの下。セブンイレブンの先、左手の階段を下りる。
  • メモ: 昭和36(1961)年創業。店主夫婦二人で切り盛りする店内は、カウンター10席、座敷10席(4席、4席、2席)の計20席。ナス・キュウリ笹身和え500、ねぎ味噌笹身和え500、つくね600、レバ焼き550、串焼き530、刺身800、唐揚830、手羽焼き830、よつわり830、柳川もどき1,400、鴨ねぎ大根1,400、鴨ロース1,200、サラダ750、雑炊600、お新香370。ビール(大)650、樽酒(小)430、樽酒(大)830、ボトルウィスキー4,800、焼酎3,800、ただしボトルキープは3年以上通ったお客のみ。(2009年4月調べ)

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ミルクワンタンに到達 … ミルクワンタン「鳥藤(とりふじ)」(有楽町)

ミルクワンタン


前編の続き)

 日本酒に続いて焼酎をロックでお願いすると、「神の河(かんのこ)」のボトルに半分くらい入った焼酎と、グラスに氷セットが出されます。そうか。前回、キープボトルを飲んでいるお客さんがいるように見えたのは、このボトルだったんですね。

 飲み物は、あれがいくら、これがいくらという感じではなくて、好きなものを好きなように飲んで、最後にその人が飲んだ大体の量で計算するという仕組みのようです。東京のど真ん中で、こんなアバウトな計算方式が残っているのがおもしろいなぁ。

 8品目は茶碗に盛られた焼飯(チャーハン)が出され、追いかけるように9品目として納豆が出されます。まず焼飯を、と思って焼飯を食べ始めたところ、カウンター内のオヤジさんが「その焼飯に、納豆をのせて食べてみてください」とおっしゃる。『うそぉ? 納豆を焼飯に…??』と半信半疑で言われたとおりにしてみると、これが美味いっ! あとでネットで調べてみたところ、これもまた、ここ「鳥藤」の名物なんですね。

 10品目はジャコ(小魚)の佃煮。うーん。お酒(焼酎)が進みますねぇ。

 11品目にキュウリ+梅干の小皿で出て、すぐに小さい丼でミルクワンタン(12品目)が出されます。やった。今日の目標達成だ! ミルクワンタンには、もともとワンタンのほかに鶏のレバや皮が入っているらしいのですが、今回は、すでにミルクワンタン風もつ煮込みで鶏のレバや皮が出されたからか、このミルクワンタンにはモツは入っていません。もしかすると、夜のコースのスタイルはこうなのかもしれませんね。詳しい方々の情報をお待ちいたします。

 13品目にウーロン茶とともにバナナが出されて、これでコースが終了のようです。

「まだ飲んでても大丈夫ですか?」と確認してみると、

「どうぞどうぞ。何か食べますか?」と聞いてくれるオヤジさん。

「いや、もう満腹なので、食べ物はいいです。ありがとうございます」

 なるほど。コースが終わっても、まだ食べられる人は、ここで「まだ食べます」と返事すればいいんですね。

 周りのお客さんはと、改めて確認してみたところ、飲むのが中心で、食べるものは最初に出された3~4品がまだテーブルの上にのっている人や、前回の私と同様に、5~6品食べたところでお勘定をして帰る人、あるいは同じく5~6品食べたところで、「もうミルクワンタンにしてくれる」と、途中をすっ飛ばしてシメのミルクワンタンに向かう人と、いろんな自由度で楽しんでいる様子。

 サラリーマンもいれば、このあたりに住宅はないはずなのに、普段着のおじさんも居たりして客層もさまざま。カウンターはひとり客か二人連れを中心で、奥の座敷がグループ客用という使われ方のようです。そのカウンターに、スーツ姿の女性ひとり客も居たりするのもすばらしいですねぇ。

 気がつけば、もう2時間ほどが過ぎている。お勘定をお願いすると、

「4千万両です!」

 とオヤジさん。お腹のほうは「超」が付くほど満腹。この後はもう、どこのお店にも行けそうにありません。青物横丁の「四万十」同様、飲み始めから、シメの食事まで、1軒で完結できるお店です。どちらもお勘定が4千円ほどというのもおもしろいですよねぇ。

090421g 090421h 090421i
焼酎 / 焼飯と納豆 / 焼飯には納豆をのせて!

090421j 090421k 090421l
ジャコ佃煮 / キュウリと梅干 / バナナとウーロン茶

店情報前編

《平成21(2009)年4月21日(火)の記録》

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ミルクワンタンへの道 … ミルクワンタン「鳥藤(とりふじ)」(有楽町)

ミルクワンタン「鳥藤」


 JR山手線の有楽町駅から東京駅に向かうガード下に、いかにもガード下酒場らしい、渋い酒場が軒を連ねる一角があります。その名も「有楽町高架下センター商店会」。ずらりと並んだ約25軒の店々の中で、東京駅に近い側にある何軒かの1軒が、昭和24(1949)年の創業で、“ミルクワンタン”が名物メニューの「鳥藤」です。

 いかにミルクワンタンが有名かというと、商店会の案内看板にも「鳥藤」という店名ではなくて、「ミルクワンタン」と、この店だけ商品名が書かれているほど。この店を目指す人にとっては、「鳥藤」と書かれるよりも、「ミルクワンタン」と書かれたほうが分かりやすいということなんでしょうね。

 私自身、ここ「鳥藤」に来るのは2回目。最初のときは、店のシステムもよくわからなくて、ミルクワンタンまで行きつかなかったのでした。今日は『絶対にミルクワンタンを食べて帰るぞ!』という意気込みで再挑戦です。

 この店独特のシステムを簡単に紹介いたしますと、この店で酒類を飲む場合、メニューには全く書かれていませんが、基本的におまかせコースのみ。席に座って飲み物だけ注文すれば、あとは勝手にいろんなものが出されて、最後に店の名物でもあるミルクワンタンが出されてコースは終了するわけです。さらに飲んだり食べたりしたい場合には、ひとしきりコースが終わったあとにも、まだ食べ物を出してくれます。お勘定は、その人の飲んだ量、食べた量に応じて2,500~4,500円くらい(今から5年ほど前の情報なので、ちょっと上がっているかも)です。

 ちなみに、店のメニューには「ミルクワンタン 700円」「焼飯 700円」「もつライス 700円」「焼飯半もつ 800円」の4品が書かれているだけ。ランチ営業用のメニューかと思いきや、夜の部でも、注文するときに「ミルクワンタンをお願いします」と、『自分は食事だけをしに来たのである』ということを明示的に示せば、最初からミルクワンタンだけを出してくれるようです。

 さてさて、今日は夜の部の開店時刻である午後5時過ぎに店に到着。カウンター席の奥のほうに座り、「ビールをください」と注文すると、すぐにサッポロ黒ラベル中瓶が出され、追いかけるようにスープと白菜漬が出されます。スープは刻みネギだけ浮かしたシンプルなもの。となりでミルクワンタンだけを明示的に注文したおじいさんにも出されてましたので、スープは、飲む、飲まないに関係なく、サービス的に出されるもののようです。

 このスープを1品目と数えて、3品目として出されたのはガンモの煮物。やや経って、4品目はアジの開き(干物)です。アジの干物は、私の分で終わったようで、次のお客さんからはサンマの干物が出されていました。

 ビールをもう1本もらって、5品目は豆腐サラダ。塩昆布や枝付き干しぶどうなんかもトッピングされていて、おもしろい味わいです。

 6品目。「七味をかけて食べてください」と出されたのは、もつ煮込みですが、ここのもつ煮込みは、鶏のレバや皮を、じゃが芋、玉ねぎ、にんじんなどと一緒にミルクで煮込んだもの。仕上げに刻みネギがトッピングされています。もともとミルクワンタンにも、この鶏モツが入るらしいので、それと同じもののモツの部分だけなんでしょうね。鶏モツは大好きなので、この煮込みはもっと多くてもいいなぁ。

 7品目は月見(とろろ芋+生卵の黄身+刻み海苔)です。醤油を回しかけて、ぐりぐりとかき回していただきますが、とろろが濃厚で、いい食感。

 これは日本酒が合うかな、なんて思っていたら、向こうで日本酒を飲んでいたおじさんが、「にいさんも日本酒を飲んでみるか?」と「寒仕込み・桜の雫」という日本酒を瓶(720ml瓶)ごとこちらに渡してくれます。カウンター内のオヤジさんが、さっとグラスを出してくれます。

後編に続く)

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スープと白菜漬 / がんも煮 / アジ開き

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豆腐サラダ / もつ煮込み / 月見

店情報前回

《平成21(2009)年4月21日(火)の記録》

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〔コラム〕 呉・松山フェリーの天玉うどん

天玉うどん


 本州と四国を結ぶ海の道、フェリー。そのフェリーの船上でいただく「うどん」が、なんとも言えず美味しいのです。

 かつての宇高連絡船で出されていた讃岐うどんや、桜島フェリーのうどんなどが有名ですが、私がよく利用する呉・松山フェリーのうどんも、多くのお客さんが楽しみにしている人気の品。

 今日も、船に乗るなり注文するお客さんが続出で、しばらく待って行列が途切れたところで注文に向かいます。

 選べるメニューは、基本のうどん(350円)に始まって、きつねうどん(400円)、月見うどん(400円)、天ぷらうどん(450円)、カレーうどん(500円)、肉うどん(500円)の7種類。おでん以外にはカレーライス(500円)と、おでんが並んでいます。

 今日は天ぷらうどん(450円)に、追加で生玉子(50円)をトッピング。天玉うどんになりました。

 東京の天玉そばに入っているかき揚げ天は、野菜などがけっこうたっぷりと入っている場合が多いのですが、広島方面では、具よりもむしろ衣が主役のようなかき揚げ天が多いのです。その衣が汁(つゆ)の中でほぐれていくときの食感と、汁に加わる油のコクを楽しむんですね。しかし、このフェリーのかき揚げ天ぷらは、エビもけっこう入っています。

 麺は、呉(くれ)風の細い麺。呉では、出汁(だし)がよく絡むように、昔からうどんには細い麺が使われているだそうです。とろろ昆布がひとつまみ入っているのも呉風なのかな。呉の社員食堂のうどんにも、とろろ昆布が入ってました。

 今から25年ほど前、就職してすぐに独身時代に過ごしたのが呉の町。実家のある愛媛県に帰るのに、よくこのフェリーを利用したものでした。

 今回は、木・金と呉に出張したついでに、週末を実家で過ごそうと、ちょいと足を伸ばして松山に向かったのでした。

 そんな呉・松山フェリーですが、燃料費高騰による運賃値上げや、瀬戸大橋のひとつである「瀬戸内しまなみ海道」の全線開通、さらには最近の高速道路の休日割引制度などの影響で、利用者がピーク時(1995年度)の半分以下(43%)にまで落ち込み、今月(2009年6月)いっぱいで廃止(会社も解散)と決まったのだそうです。

 つい先ごろ(2009年4月末)、同じく広島県と愛媛県を結ぶ中四国フェリー(竹原~波方)も廃止されたばかり。続々と続くフェリーの廃止が止まらないようです。

 この天玉うどんをいただくのも、これが最後だと思うと悲しいですねぇ。

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うどんの売店 / フェリーの船内 / 松山に到着

 今回の出張では、水曜日の夜、新横浜駅で崎陽軒のお弁当、「横濱チャーハン」(550円)を買い込んで広島に向かいました。仕事も終わった金曜日、フェリーに乗る前に、おでんの「あわもり」に立ち寄って、この店ならではの皮や肝(きも)のおでんで、梅割り泡盛をいただいたあと、船上の人となったのでした。

 実家で、たっぷりの地魚と、これまたたっぷりの地酒でしこまた酔って、日曜日の今日、昼過ぎに実家を出発して、瀬戸大橋線(児島~坂出ルート)経由で、岡山駅で三好野本店の「祭ずし」を買って、現在、新幹線の車中です。新幹線(N700系)にはAC電源もあって、インターネットも使えるのが嬉しい限り。こういう便利さはどんどん拡大してくれるとありがたいですね。

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とんぺい焼でホッピー … やきとん「みつぼ」(江戸川橋)

とんぺい焼


 都内での仕事のついでに、先日、はじめてやって来た、江戸川橋のやきとん「みつぼ」に再びやって来ました。

 今日もまた、もつ刺身盛り合わせの小サイズ(480円)をもらって、黒ホッピーのセット(450円)からスタートです。(価格はすべて税抜き表記。以下同じ。)

 ここ「みつぼ」は、看板にも“つぶしたて”とあるほど、鮮度のいいモツが売り。

 もつ刺身盛り合わせ(小)は、レバ、タン、ガツ、ハツ、コブクロ。それぞれ2切れずつ盛られています。お皿のまん中の刻みネギの上には、おろし生姜とおろしニンニクがのせられて、レモンスライスが半枚、添えられています。

 普通サイズの刺身盛り合わせは700円。同じ5品がたっぷりと盛られます。

 この普通サイズの刺身盛り合せを注文すると、お店の人から、「5品ですか? 7品ですか?」と確認が入ります。こう聞かれると、ほとんどのお客さんは7品を注文し、店内では「刺しなな、ひとつぅ~っ!」という符丁で通されます。

 普通サイズの刺し盛りを注文するのは、二人以上のグループ客。ひとりでは、ちょっと食べ切れそうにない量なのです。

 近くでじっくりと見たことがないので、“刺しなな”に盛られる、5品からの追加の2品が何かは未確認ですが、メニューの「ホルモン刺身」の項目から推測すると、馬刺とセンマイ刺か和牛ハラミ刺ではないかと思います。値段も不明。情報をお持ちでしたら、ぜひ教えてください。

 ちなみに、となりのお客さんが注文した単品のガツ刺(350円)は、お皿に8切れが盛られていました。単品もまた、いいボリュームなんですね。

 ナカ(ホッピーの焼酎おかわり、250円)をもらって、2品目のつまみには、“関西風玉子焼き”と注記された、とんぺい焼き(350円)を注文します。

 しばらくして、カウンター内の厨房からバチバチと油がはじける音が聞こえてきて、出されたとんぺい焼きは、広島風お好み焼きのような外観で、丸皿に薄焼きの玉子焼がこんもりと盛り上がっています。

 広島風お好み焼きであれば、この玉子焼の下には、たっぷりのキャベツと、そば(中華麺)が入っているところですが、とんぺい焼きの玉子の下は、たっぷりのレタスです。玉子焼には具材として豚バラ肉が入っています。

 バチバチと音がしていたことからもわかるとおり、多めの油(豚バラ肉の脂?)で炒めた玉子焼なのですが、その油分はレタスに染み込んで、玉子焼は油っぽくなく、また油を吸ったレタスはしんなりといい感じで、両者をセットでいただくと、いくらでも食べられそうです。

「油とレタスは相性がいいのよね」とカウンター内の女性(女将さんなのかな?)。

 最後に、シロ(腸)とキク(腸のまわりの脂身)を1本ずつ(各1本90円)、タレで焼いてもらって、1時間強の滞在は、1,790円でした。どうもごちそうさま。

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もつ刺身盛り合わせ(小) / とんぺい焼の中はレタス / キク(左)とシロ

店情報前回

《平成21(2009)年4月20日(月)の記録》

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そんな食べ方、あり? … おでん「二毛作(にもうさく)」(立石)

カリーライス


「これに、おでんの汁(つゆ)を入れてもらえる?」

 ちょうど前を通った店員さんを呼び止めて、そうお願いする「酔わせて下町」のFさん。

 うそぉ~っ! これってカレーライス(メニューの表記はカリーライス、500円)ですよ!

「いやいや、これが美味いんですよ」とニヤリと笑うFさん。

 立石での2軒目(堀切菖蒲園の「金子酒店」での立ち飲みからカウントすると、今日の6軒目)として、Fさん、ぼあ子さんと一緒に、立石仲見世商店街にあるおでん屋、「二毛作」にやってきています。

 タクシーで立石に着いてすぐに、ここ「二毛作」をのぞいたのですが、満席で入れなかったのです。で、先に「さくらい」に行って、もう一度来てみたところ、まだまだ続く満席状態。「今日はダメかな」とあきらめかけたところを、2列平行に並んだカウンターの、奥側に座る4人連れがお勘定をして、席を譲ってくれたのでした。

 「さくらい」でたくさん日本酒をいただいたので、まずはビールから。ぼあ子さんは生ビール(アサヒプレミアム熟撰、550円)を、Fさんは缶ビール(アサヒスーパードライ350ml、350円)を、そして私はギネス(500円)をもらって乾杯し、おでんを何品かいただいたあと、Fさんおすすめのカリーライス(500円)を注文したのでした。

 出てきたカリーライスを、普通に食べるのかと思いきや、ほんの一口ほどいただいたところで、冒頭の注文になったのです。

 ここ「二毛作」もまた、Fさんの行きつけのお店の1軒。「汁を入れて!」と注文された店員さんのほうも、Fさんが来るといつものことなのか、ちっとも驚かずに、おでんの汁をサッと入れてくれます。

 う~む。カレー(ルー)の部分は汁が入る前とあまり変わらないのですが、ご飯の部分は、たっぷりの汁の中でフヤフヤっとした感じです。見た目はあまり美味しそうじゃないのになぁ。。。

「まぁまぁ。食べてみてくださいよ」とFさん。

 恐る恐る、ルーとご飯を一緒にスプーンですくうと、おでん汁もまた、スプーンにたっぷりと入ってきます。ど~れどれ。

 あれっ!? うまいっ!

「そうでしょう。こうするとカレー雑炊みたいになって、たくさん飲んだあとでも食べやすいんですよ」

 おでんの汁に甘みがあって、カレーが辛くてスパイシー。なのに一緒に食べると美味しいのが不思議ですねぇ。

 改めて手書きの黒板メニューを見てみると、〔腹減りの方へ〕というコーナーがあって、「うでん」(700円)とか「おじん」(500円)といった品が並んでいます。

 「うでん」というのは、おでんの出汁(だし)で作ったうどん。うどん+おでんなので、「うでん」です。

 「おじん」のほうは、牛スジのスープで作ったおじや。おじや+おでんなので「おじん」なんだそうです。

 Fさんの「カリーライス+おでん」も、定番になってくると、名前が付けられて、このメニューに並ぶかもしれません。どんな名前がいいでしょうね?

 午後11時過ぎまで、1時間ちょっとの滞在は、3人で4,250円(ひとりあたり1,420円ほど)でした。どうもごちそうさま。Fさん、ぼあ子さん、長時間おつきあいいただき、ありがとうございました。

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諏訪泉・満天星 / おでん / カリーライス+おでん汁

店情報前回

《平成21(2009)年4月18日(土)の記録》

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銘酒酒場も立石価格! … 小料理「さくらい」(立石)

衣かつぎ芋


 堀切菖蒲園の「小島屋」を出て、明日が早いというSさんも戦線を離脱。

「次は立石に行こう!」

 ということで、「酔わせて下町」のFさんと、その飲み仲間で小岩在住のぼあ子さんと私の3人でタクシーに乗り込みます。電車で行くと、青砥まで行って折り返して京成立石に出るところを、タクシーだと直線的に走って、すぐに立石に到着。Fさんが、私の知らない酒場の数々を教えてくれながら、「どこにしましょうかね」と候補店を探しながら、「ここが「さくらい」ですね」と「さくらい」の前までやって来ました。

「あのね、Fさん。またまた“実は”なんですけど、私、「さくらい」にも来たことがないんですよ」

「えっ!? まじで? じゃ、入りましょう」

 とその場で決定して、店の中へと入ります。

 ここ「さくらい」は美味しい日本酒が味わえる店として有名で、店主の手作り料理も評判です。この店もまた、Fさんたちと共著で出版した「東京 居酒屋名店三昧」に載っている店(記事担当はjirochoさん)なのに、来たことがなかったのです。

 Fさんもぼあ子さんも、すでにこの店の常連さんで、おふたりで店主に紹介してくれます。

 店内は、入口は狭いものの奥に行くと広がっていて、入口入ってすぐ左手が、厨房前の直線カウンター7席ほど。右手奥に4人掛けのテーブル席が3卓並んでいて、全部で20人弱のキャパシティ。この店内を店主ひとりで切り盛りされています。

 日本酒は店中央部の冷蔵ケースの中に常時8~10種類そろっていて、そのうち3本の封が開けられています。1本空いたら、1本開けてと、常に3本がスタンバイされることで、日本酒の劣化(酸化?)を防いでいるのだそうです。どのお酒がスタンバイされているかは店のホームページでも紹介されているほか、店の入口横に出された黒板にも掲示されています。普段提供している日本酒は、一律正一合が700円なんだそうです。

 今日の3本の中から、まずは「義侠」(山田錦・純米、愛知)をいただきます。

 さて料理。ホワイトボードに「本日のお肴」として、ずらりと書き出された品々は30品以上。串焼きの1本150~200円というのをのぞくと、衣かつぎ芋の400円から始まって、菜の花おひたしや天豆(そらまめ)などが450円と続き、一番高くても馬刺の850円です。

 そんな中から、太刀魚の刺身(600円)に、同じく太刀魚の塩焼き(700円)、そして、たらこ(450円)を「焼いて!」とお願いするFさん。

 なにしろ店主ひとりが、注文を受けてから一品一品、丁寧に作るので、料理が出るまでには時間がかかりますが、はずれのない美味しさです。

 我われが入ったときに、すでにカウンターに居た、武部元幹事長似のお客さんは、以前、築地「ねこ屋」でもお会いした方。料理が美味しく、地酒に力を入れて。「さくらい」と「ねこ屋」に共通するキーワードですね。

 次なる日本酒は「あぶくま」(山田錦・純吟、福島)です。

 この店では、徳利やグラスは、お酒が変わっても同じものを使います。『店主一人のみの店に付き、徳利、グラスは、数量と手間の関係上お酒が変わっても取替えませんので、別にお出しするチェイサーを上手に使ってください。ご理解の程ヨロシクお願いします』とのこと。私自身は、ぜんぜん不都合は感じませんでした。

 入口引き戸がガラリと開いて、入ってきたのは「居酒屋一人旅」のショテマエさんです。ショテマエさんも、この店の常連さんなんですね。

 3種目の「上喜元」(純吟・生原酒、山形)もクイッと飲み干すと、

「初めていらっしゃったんだから、1本、好きなお酒を開けてください」と店主。

「ありがとうございます。不勉強で、どの銘柄のお酒がどんな味というのは分からないんですが、旨くて、コクのある日本酒はどれでしょう?」

 と店主に相談したところ、「賀茂金秀」(千本錦・純吟、広島)を選んでくれました。

 このお酒に合わせて、最後に大好物の衣かつぎ芋(400円)を注文すると、できたて熱々で出された衣かつぎ芋のホクホクと美味しいこと!

 1時間40分ほど楽しんで、お勘定は3人で6,900円(ひとり当たり2,300円)ほどでした。料理の美味しい銘酒酒場も立石価格なんですね。すごぉ~いっ。

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太刀魚刺身 / たらこ(焼) / 太刀魚塩焼

店情報

《平成21(2009)年4月18日(土)の記録》

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店情報: 小料理「さくらい」(立石)

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  • 店名: 地酒・小料理 さくらい
  • 電話: 03-5670-7188
  • 住所: 124-0012 東京都葛飾区立石8-1-17
  • 営業: 18:00-23:30、日休(ただし第1日曜日は営業)
  • 場所: 京成立石駅の改札を出て、右側の階段を下りて右へ。立石駅前通りのアーケードを抜けて左折。150mほど進む。交差点をわたって左側2軒目。
  • メモ: カウンターとテーブルで計19席。地酒は日替わりの3種類。今日の地酒(1杯700円)は、毎日、公式サイトで紹介されているほか、店の入口横に出された黒板にも掲示される。びんビール(中)450、生ビール(中)550、酎ハイ300、レモンハイ350、生レモンハイ400、梅干ハイ400、ウーロンハイ400、ウイハイ450、梅酒ハイ400、ウイスキーS350・W650、バーボンS400・W700、乙類焼酎S250・W450、泡盛S300・W550。ボトルキープもあり。ホワイトボードに「本日のお肴」が書き出される。ある日のメニュー例は、太刀魚刺600、太刀魚塩焼700、目鯛刺600、ヤリイカ刺600、馬刺850、白海老と山うどかき揚げ600、串揚4本(串カツ、うずら玉子、肉巻ねぎ、ホタテ)550、厚切りロースハムカツ600、厚切りロースハムステーキ600、アスパラ豚肉炒め700、豆腐ステーキとろろのせ500、鳥と竹の子・里芋・厚揚煮550、浅利酒蒸し500、しいたけ肉詰天(餃子風味)500、鰻にら玉とじ650、金目鯛中華風蒸し物600、鶏もも塩焼おろしポン酢500、アボガドとねぎとろわさび正油600、厚揚野菜あんかけ550、厚切りベーコンエッグ500、銀だら煮付650、銀だらホイル焼650、あこう粕漬550、鮭ハラス焼550、鳥わさ450、たらこ450、鳥皮串150、手羽先串150、笹身チーズ串200、天豆450、衣かつぎ芋400、菜の花おひたし450。(2009年4月調べ)

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