売り切れた後も大盛況 … もつ焼き「牛太郎(ぎゅうたろう)」(武蔵小山)
(前編からの続き)
私の周りに座っているみなさんは、それぞれに常連さんの様子。
「目の前でモツを焼いている女将が、店の中では絶対的な権限を持っていて、彼女が終わり、と言ったら、のれんも入るんだよ」とか、
「『宇ち多゛』のホネに匹敵する、この店の名物がガツ酢(110円)で、開店後10分くらいでなくなってしまうんだ。俺も何回も来てるけど、ガツ酢は2~3回しか食べたことがないなあ。土曜日や祝日だったら1時ごろに並べば大丈夫かな」といったことを教えてくれます。(ちなみに土・祝は午後1時半開店だそうです。)
他のネット上の書き込みを見ても、この店の常連さんは、一見さんに対しても親切で、こうやってすぐに仲間に入れてくれると書かれています。これはこの店だからなのか、それとも武蔵小山というお土地柄なのか。いずれにしても非常に居心地のいいお店であることは確かです。
のれんが入ってからも、常連らしきお客さんたちは続々と入ってきて、そのたびに女将さんが「食べるもん、ないよ! 飲むだけでいい?」と声をかけ、入ってくる常連さんたちは一様に「それでいいよ~」と言いながら、壁際の順番待ちベンチシートに腰掛けていきます。「食べるもん、ないよ」の声に、あきらめて帰る人がいないというのがすごいですねえ。のれんが入っているのを見た時点で、そんなことは了解済みで入ってきてるんでしょう。
続いては、これも名物だという“とんちゃん”(110円)をお願いすると、
「これから作るところだから5分ほど待ってね」という返事。このメニューも、普段はあっという間に出てくる料理のひとつなんだそうです。
出された“とんちゃん”は、丸皿に盛られたモツの炒め物。軟らかさからみて、一度煮込んだものを炒めているのかもしれません。ニンニクの効いたスパイシーなゴマ味噌が添えられていて、これがまたうまい!
となりのおじさんが飲んでいる、その透明な飲み物はなに?
「これ? これはスピリッツって言って、寝かせてない若いウイスキーらしいよ。なにしろこれ1杯が100円だからねえ。にいさんも飲んでみたらいいよ。水割りでもらうといい」
「へえ~。さっそくたのんでみます。すみません。スピリッツを1杯。水割りでください」
すぐにロックグラスに“ブルーリボン”という銘柄のスピリッツが注がれ、それとは別に金属製のマグカップ1杯の水が出されます。アルコール度数は37度。けっこう効きますねえ。
ほとんどのつまみはなくなったものの、まだお新香(=きゅうり、1本80円)は残っているようで、私も1本いただきます。
それにしても、食べ物はもうほとんどないのに、席はちっとも空かないのがすごいなぁ。みんなワイワイと楽しそうに飲み進んでいて、お店の人たちは店内の片付けに入っています。
土曜日の閉店時刻は午後7時らしく、その時間が近くなると、みんなの伝票がとりあえず計算されます。これでもうラストオーダーってことですね。
ちょうどスピリッツも飲み終わったので、私はこれで腰を上げますか。どうもごちそうさま。1時間半ほどゆっくりと飲んで、お勘定は1,030円。安っ!
「それじゃ、みなさん、お先に!」と、まだまだ飲み続けている周りの常連さんたちに声を掛けて店を後にしたのでした。
この店はすごいぞ。絶対にまた来なきゃね!
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