美人三姉妹がお手伝い … うなぎ「丸富(まるとみ)」(青物横丁)
田町(たまち)あたりでの仕事が午後5時ごろに終わり、「ヨシッ!」とばかりに急いでやって来たのは、京急本線・青物横丁(あおものよこちょう)駅の近くにある、昭和43(1968)年創業のうなぎ料理屋、「丸富」です。
ここ「丸富」は、午後4時半から7時半までの、たった3時間の営業。しかも午後6時過ぎには、人気のうなぎの串焼きは、すべて売り切れてしまうことも多いという、ほとんどの人はうなぎ串焼きにめぐり合うことができないかもしれない、幻のうなぎ店なのです。
大急ぎでやってきたものの、店に到着したのは午後6時前。
鋭角の三角形の敷地に建つ「丸富」の店内は、大きく二つの部分に分かれていて、手前の狭い部分が厨房と、お持ち帰り用のうなぎを販売する部分。奥の少し広い部分には、10人ちょっと座れるコの字カウンターがあって、店内で飲み食いすることができるようになっています。
この時間帯、先客は7人。手前の3人ほどはうな丼など、食事のお客さん。奥の4人はうなぎの串焼きをつまみながら、お酒を飲んでいます。
私もさっそく、そのカウンターの一角に座り、「串焼きをひと通りと、お酒をあったかいのでお願いします」と大急ぎで注文します。
が、しかし。「ひれ焼きは売り切れました」と、残念ながらすでに1種類は売り切れ済み。うーむ。やはり6時前では遅すぎましたか。メニューに並ぶ串焼きは、〔ひれ焼〕(220円)と〔きも焼〕(220円)に、一口大のうなぎ蒲焼である〔串焼〕(200円)の3種のみ。(この他に、メニューにはない〔れば焼〕があるという噂もあるのですが、真偽のほどは定かではありません。)
「それじゃ、〔きも焼〕と〔串焼〕を、それぞれ2本ずつにしてください」
〔ひれ焼〕は売り切れていたものの、残り2種類にはありつけたので、まずは一安心です。
すぐに小皿で出されるお通し(サービス)は、キャベツとキュウリの漬物です。
燗酒(320円)は薬缶(やかん)であっためられて、そのまま大きなグラスに注がれます。
「このグラス、大きいですねえ!」と驚いていると、
「1.3合(240ml弱)入ってるんですよ」と店主。
お酒の銘柄は、千葉の「花の友」で、冷酒を注文すると、冷凍庫でシャリシャリに凍結させている「花の友」が注がれます。
店は店主夫妻と、若い娘さん3人の、合わせて5人で切り盛り中。
「3人とも、店主の娘さんなんだよ」
となりで飲んでいる、いかにも常連さん風のおにいさんがそう教えてくれます。いやあ、美人三姉妹と一緒に仕事ができるとは、なんとうらやましいご両親でしょう。
焼きあがってきた串焼きに、カウンター上に置かれた山椒粉をパラリと振って、うなぎを齧っては、燗酒をチビリチビリ。うーむ。蒲焼やうな丼もいいけれど、やっぱり呑ん兵衛好みするのは、うなぎの串焼きですよねぇ。
燗酒をおかわりする頃には、焼き台も少し空いてきたのか、店主もこちら(コの字カウンターの中)に来て、我われ呑ん兵衛たちの会話に加わってくれます。
「この店を開店したのは、私が7歳のときでした。周りにはビルなんかひとつもなくてね。平屋の家ばかりがずらっと並んでました。その辺の水路に、よくザリガニを取りに行ってたんですよ」と店主。
「この缶もその頃のものです。当時はうな丼だけを売ってて、1杯が450円か、500円か。そんな値段でした」
と言いながら、古いマーガリンの缶を見せてくれます。現在は、普通の〔うな丼〕が1,300円。〔うな丼(大)〕が50円高い1,350円なのは、ご飯が大盛りってことなんでしょうか。
入口近くのカップルが食べている〔うな丼(W)〕は2,350円で、こちらも〔うな丼(大W)〕は50円高の2,400円。この他に〔みそ汁〕(200円)と〔お新香〕(200円)に、〔冷奴〕(250円)がメニューに並びます。
うなぎの串焼きは6時過ぎにはなくなることが多いそうですが、うな丼は大丈夫なようです。
1時間ほど楽しんで、今日のお勘定は1,480円でした。どうもごちそうさま。
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