創業以来、定食ひと筋 … 大衆食堂「野方食堂(のがたしょくどう)」(野方)
野方での2軒目は、これまた久しぶりとなる「野方食堂」です。
昭和11(1936)年創業、今年で創業73年となる「野方食堂」は、創業以来、定食ひと筋。戦時中も民生食堂として、地域のみなさんたちに利用されてきました。
現在の店主は三代目。店も昨年(2008年に)建て替えてきれいになり、店の看板も、それまでの「乃がた食堂」という表記から、「野方食堂」に変わりました。
数あるメニューの中でも〔鯖の味噌煮〕(480円)、〔生姜焼き〕(420円)、〔ハンバーグ〕(420円)、〔里芋煮〕(210円)、〔かぼちゃ煮〕(210円)、〔肉じゃが〕(大320、小210)などは創業当時からの味を引き継いでいるメニューなんだそうです。
この店のいいところは、ほぼすべての定食メニューのおかずが単品でも注文できるというところ。〔とんかつ〕(590円)や〔ハンバーグ〕(530円)、〔アジフライ〕(500円)などの主菜となる品々が4~800円くらいで並び、さらに〔しらすおろし〕(140円)、〔おひたし〕(160円)、〔味付けのり〕(60円)、〔なっとう〕(140円)、〔生たまご〕(60円)などの副菜類もずらりとそろっていて、これにご飯と味噌汁、漬物がセットになった〔ごはんセット〕(260円)を付ければ定食のできあがりです。
手軽に食べられるようにと、日替りの〔680円定食〕も用意されています。今日の〔680円定食〕は、豚肉生姜焼き、野菜味噌炒め、五菜塩炒め、ケチャップハンバーグ、鶏からあげ、肉じゃが(やっこ付き)、あんかけ豆腐、とり玉雑炊、カレーライスの9品です。
店内は、いかにも大衆食堂らしく、すべてがテーブル席。店の中央部に4人卓が6つ、右手壁際に2人卓が6つ並んでいますが、実は中央部の4人卓も、2人卓をふたつくっつけたもの。つまり、すべて同じ2人卓が、1階フロア全体で18卓(36人分)です。グループの人数によって、これらをくっつけたり離したりして調節するんでしょうね。
私も、右手壁際の2人卓のひとつに座り、瓶ビール(サッポロ黒ラベル中瓶、520円)と〔季節の御膳〕(980円)をたのむと、奥の厨房に「ごぜん、ひとつ~」と注文が通されます。
5分ほどで出された〔季節の御膳〕は、その名のとおり季節変わりの定食。今の時期は、骨なし太刀魚塩焼、お刺身二点盛り(マグロと、数の子をまぶしたイカ)、わか竹煮という3品のおかずに、ご飯、お味噌汁、漬物が付いています。
まずはこの3品のおかずをチビチビとつまみながら、ビールです。
まわりはと、改めて見てみると、店中央部の4人用卓には、家族連れや夫婦連れ、若いカップル、若者のグループなどが、楽しそうに話しながら食事中。家族連れの親と、夫婦連れがビールを飲んでるくらいで、他の人たちは食事のみのようです。
一方、私がいる壁際の2人用卓は、今のところすべての卓がひとり客。みんな壁際側に座っているので、なんだかカウンター席のような風情でもあります。ひとり客は、私も含めてビールなどをもらって飲みながら食事をしている人も多いのですが、店に置かれた漫画や雑誌などを読みながら食事をしている人もいます。店の奥にはテレビもあって、それを見ながらの食事という人もいる。酒場との違いは、ひとり客同士が互いに話したりすることがない、というところでしょうか。
ビールがなくなったところで燗酒をお願いすると、「高の井」という銘柄の日本酒(1合370円)が徳利(とくり)と猪口(ちょこ)のセットで出されます。
焼いた太刀魚は大好きなのですが、中骨のみならず、背びれ、腹びれのところからずらりと伸びる骨が多いのがめんどくさいところ。しかし、ここの太刀魚は、メニューにも書かれているとおり、まさに〔骨なし〕で非常に食べやすい。
味噌汁や漬物もまた燗酒のいい肴(さかな)になるんですよねぇ。
最後の締めにご飯もしっかりといただいて、1時間ほどの滞在は1,870円でした。いやぁ、満腹、満腹。どうもごちそうさま。
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