新スタイルの豚料理屋 … やきとん「豚小家(ぶたごや)」(小岩)
「仕事が終わってから、夜中近くにひとりでやって来て、レバ刺し(380円)を頼むことが多いかな。もつ刺し3種盛り(900円)にして、レバ、コラーゲン(コメカミ脂身)、リンゲル(産道)をもらうこともあります。もつの刺身がおいしいんですよ」
そう話してくれるのは、小岩在住の酒場通・ぼあ子さん。今日は、そのぼあ子さんと、「酔わせて下町」のFさんに、ここ小岩に3年前にオープンしたやきとん屋、「豚小家」を紹介してもらっています。
カウンター6席、テーブル席が2卓で8席の、合わせて14席の店を切り盛りするのは、店主の高松裕(たかまつ・ゆたか)さんと、その奥さんのお二人。
「うちは、もつ焼き屋と言うよりは、むしろ豚料理屋なんですよ。もつ刺しや、黒豚、岩中豚、イベリコ豚の串焼きを盛り合せた銘柄豚の三種盛り(880円)。夏季限定のスパイシーもつカレー(580円)や、冬季限定のもつ煮込み(480円)をはじめとする、季節ごとの期間限定のメニューや、通年で人気のある鉄板黒豚ギョーザ(480円)や、とろ玉白角煮(680円)がおすすめの料理です」と店主。
壁には〔人気メニューランキング〕が張り出されていて、今、聞かせてくれた、もつ刺し3点盛り、銘柄豚の三種盛り、鉄板黒豚ギョーザ、とろ玉白角煮が、それぞれ1~4位の位置につけています。
まずはその上位4品に、夏季限定のスパイシーもつカレー(580円)をプラスして、今日は人数が5人なので、もつ刺しは5点盛り(1,200円)に変えて注文します。
飲みものは、この店でもよく出るというホッピー(400円)を三冷でいただくと、お通しとして出されるのは煮玉子です。
ゆるやかにジャズが流れる店内は、カウンター席も、テーブル席もゆったりと作られていて、とてもくつろげます。
「お店が新しいのできれいだし、トイレもきれいです。店主ご夫婦のお人柄もよくて、居心地がいいので、ひとりでフラリと来ることも多いんですよ」と言うぼあ子さんに、
「ご家族連れや女性客も多いんですよ。たまにお客さんがすべて女性、なんてときもあります。おひとりでいらっしゃる女性客も多いですよ」と店主も相槌です。
そして出されたもつ刺しは、タン、リンゲル、レバ、ハツ、コラーゲンの5種盛りです。「コラーゲンは、コメカミの脂身です。これはポン酢で食べるのがいいと思います」と、もつ刺しを持ってきてくれた、店主の奥さんが説明してくれます。
「たん刺しだけ、ちょっと食べるのを待っててね」と言いながら、「生玉子の黄身をひとつと、あと胡麻油もください」と追加注文するのはFさん。その二つを小さな器で混ぜ合わせてから、「たん刺しは、ぜひこれをからめて食べてみてください」とFさん。ねっとりと、黄身のコクが加わって、そのまま食べるのと比べて味わいが濃厚になります。
続いては、とろ玉白角煮(680円)。読み方は〔とろたま・しろかくに〕で、岩中(いわちゅう)豚のバラ肉を、白醤油とダシで煮込んだ、あっさり系の角煮です。箸でも簡単に崩れるほどやわらかく煮込まれていて、口に入れるとチュルチュルととろけます。添えられている柚子胡椒との相性もよく、スープも残らず飲み干したい旨さです。
続いてはスパイシーもつカレー。「夏場はスパイシーなほうが食べやすいんじゃないかと思いまして」と言うスパイシーもつカレーは、数種類のもつと、ジャガイモ、にんじん、玉ねぎを4~5時間煮込んだもの。冬場のもつ煮込みは、野菜がキャベツ、玉ねぎ、にんじん、大根と、一緒に煮込む野菜がちょっと変わるんだそうです。
(後編に続く)
ホッピーと煮玉子(お通し) / とろ玉白角煮 / スパイシーもつカレー
・店情報
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