毎日来れる値段の安さ … もつ焼き「一力(いちりき)」(小岩)
「ここはやっぱり刺しと焼き。レバ刺しは、ニンニク醤油の独特のタレが美味しいんです。2階が居酒屋になっていて、そこのメニューも頼めるのもいいところかな」
ここは昭和32(1957)年創業のもつ焼き屋、「一力」。子供の頃から小岩に住んでいたというぼあ子さんは、お使いでもつ焼きを買いに来たりしていたんだそうです。
「焼き鳥を買ってきて、って買いに行かされて。今思えば、そのとき買ってたのがもつ焼きだったんです」
と、ぼあ子さん。下町の子供たちは、そうやって知らず知らずのうちに、もつ焼きの英才教育(?)を受けていたんですね!
「テレビや雑誌を見て来る人は、ほとんどレバ刺し(380円)と、煮込み(380円)を注文するね。『入りたいんだけど入りにくい』と言われることが多いんだけど、入ってしまうと『もっと早くから来ればよかった』といってるよ。びびらないで入ってきてほしいね。1階がいっぱいでも、2階が空いてるからさ」
そう話してくれるのは、焼き台のところでもつ焼きを焼いている、店主の鈴木順次(すずき・じゅんじ)さん。
この店は1階が弟・順次さんが経営するもつ焼き屋、2階が兄の鈴木武明(すずき・たけあき)さんが営む居酒屋になっていて、どちらのメニューも、どちらでも食べることができるんだそうです。
1階は、お持ち帰り用の販売もしている焼き台を店の正面にして、奥に向かって伸びる「コ」の字カウンター15席。奥の階段から上がる2階は、「ヘ」の字のカウンターに、長いすが何脚か並んだベンチシート式のカウンター席で、こちらも15人ほど入れる大きさです。
もつ焼きは1本が90円。午後4時に店が開くと同時に、焼き台をフル稼働させて焼き始めるんだそうです。
「ある程度まで下焼きしておいて、注文が入ってから仕上げるんだよ。下焼きをはじめると、その煙につられてお客さんも来てくれるしね。下焼きをして置いておく間もないほど注文が入ることが多いんだよ。今日も下焼きを置いておくための皿は、一度も使ってないよ」と店主。
もつ焼きは、午後8時過ぎには売り切れるものが出始め、それ以降は「あるもんでいいよ」と言ってくれるお客さんしか入れないようにしてるんだそうです。
「2階のメニューもあるから、もつ焼き以外のつまみなら出せるんだけどね」
2階のメニューとしては、子持ちししゃも焼(400円)、あじ干物(400円)、お新香(300円)、冷奴300円)、冷しトマト(300円)、ポテトサラダ(450円)、ジャガ玉(300円)などがホワイトボードに書き出されていて、注文すると2階から運んできてくれます。お新香(300円)をもらうと、皿にたっぷりと3列分のキュウリの漬物が出されました。
飲みものの一番人気は、やっぱりチューハイ(350円)で、レモン風味と梅風味が選べます。電気ブランを炭酸で割ったカミナリハイボール(380円)や、ウイスキーハイボール(400円)などのメニューもあります。
「カウンターの幅(奥行き)があるし、カウンターの下には足載せもあるので、ゆったりと感じるんですよ。年齢層も広いし、平日の夕方の雰囲気が大好きです。毎日来れる値段の安さも魅力です」と、ぼあ子さん。
人気の煮込み(380円)は、シロを中心にガツなども入っていて、白味噌で味付けされています。「酔わせて下町」のFさんは、この煮込みがとても気に入ったらしく、もう1杯、おかわりを注文です。ちなみに煮込み豆腐も380円です。
最後に、2階でもちょっと飲ませてもらうと、こちらは1階と違って、外の世界からも隔離された雰囲気で、くつろぐこと。1階は弟・順次さんのほかに、若いおにいさんが手伝っているのに対して、2階は兄・武明さんが、カウンターの中でおひとりで切り盛りされているのも、ゆったりと感じるところでしょうか。昔の戦闘機のプラモデルがあったりするのもおもしろいなあ。
「これで2階の雰囲気もわかったから、今度からひとりで来ますね」と、ぼあ子さん。
1階のみならず、ぜひ2階にも行ってみることをおすすめします。小岩駅南口から、まっすぐに歩いて5分ほど。1階、2階ともに、火曜日が定休日です。
・店情報
| 固定リンク | 0
コメント
毎回、更新を楽しみにしている一人です。
お初コメントさせていただきます。
なぜなら・・・週1〜2は必ず立ち寄るので。わたくしの場合は2階がメイン。たけあきさんの写真が載っていたので思わず爆笑。ここは『じゃが玉』がオススメです。お新香も漬かりがほどよいんです。たまにこれをお土産に帰ります。冬には『カレーもち』が出ます。食パン持参OKってのもオモシロいです。
これからも色々な情報を楽しみにしております。
投稿: bluedog | 2009.08.01 16:56