8タンの角ハイボール … バー「露口(つゆぐち)」(松山市・大街道)
1週間の夏休みを利用して、故郷・松山に帰省しています。松山に帰ってくると、ぜひ立ち寄りたい酒場の1軒が、昭和33(1958)年8月15日創業のバー「露口」です。
松山在住の旧友と二人で「露口」に入り、「この店と言えば」のこの1杯、角ハイボールです。
8オンス(240ml)のタンブラーに、50mlのサントリー角瓶。氷を2個入れて、ソーダ(炭酸水)を満たしたら、やわらかく上下にステアしてできあがり。
ウイスキーの琥珀色がはっきりと出た、濃い味わいが「露口」の角ハイボールなのです。
「この8オンスのタンブラーは、神戸の工房で作ってもらったもので、創業時からずっと使ってるものなんです。もう新しいのが作れないから、残っている分しかないんですよ」
とマスターの露口貴雄(つゆぐち・たかお)さん。それは大変。酔っ払ってパタンと倒したりしないように気をつけなくっちゃ。
「最近は10オンス(300ml)のタンブラーを使って、30mlのウイスキーに氷をいっぱい入れて薄めに作るハイボールが多いようなんですが、味的には、この8タン(はちたん=8オンスのタンブラー)が一番いいと思いますねぇ」
そして、レモンの皮をキュッと搾って香りをつけるレモンピールについても、
「レモンピールもね、トリハイ(=トリスのハイボール)が流行った時代に、トリス独特の臭みを消すためにやってたんですよ。角にはレモンピールはしなかったですねぇ。今は、レモンそのものを搾って、角ハイボールの中に果汁を入れるやりかたもあるようですが…」
と、ちょっと残念そうに話してくれます。それだけ、この8タンで作る、この店の角ハイボールの味を愛されてるんですね。そんな話を伺いながらいただく角ハイボールの美味しいこと。もちろんもう1杯、おかわりです。
今日は、店にやってくるのが遅かったこともあって、そうこうしているうちに閉店時刻の午前0時が近づいてきて、お客さんたちが席を立ちます。
なんと! 一番奥の席に座っている我われ二人より入口側は、みんな一緒のグループだったんですね。そのグループがお勘定を終えて店を出ると、ポツンを我われ二人だけという、「露口」にしては、とても珍しい状態になりました。
「それじゃ、そろそろ我われも…」
なんて話をしていると、
「久しぶりに来たのに、もうちょっとゆっくりしていったら。かまんよ、うちは」
とニッコリ笑顔の朝子ママ。今回、何枚か店内の写真を撮らせていただいたのですが、朝子ママが写っている写真を見ると、どれもニッコリ笑顔なのです。カウンター上の空いたグラスを片付けているときまで、顔はニッコリ。ママさんの笑顔もまた、まもなく創業51年となる「露口」の名物のひとつなのです。
最後に50周年記念のときに開けたという、この店の創業年と同じヴィンテージの「マッカラン1958」(非売品)を1杯いただいて、終了です。
お勘定は二人で4,000円(ひとりあたり2,000円)でした。どうもごちそうさま。
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コメント
うっわ~ 浜田さん行かれたんですね~!!私も今月の4日と5日にお邪魔させていただきました。
浜田さんの記事をみて以前から行きたかったんですが、これまた赤丹さんで知り合った地元の方に紹介いただいて前回7月の旅行の時からお邪魔させていただいています。お父さんもお母さんもすっごく暖かくて、松山にいったときは必ず寄るお店がまたまた増えてしまいました。(笑)
投稿: ajari | 2009.09.18 09:42
私は中東に居ますが
松山に帰って朝子さんの笑顔を見るのが楽しみです。
ちなみに都立家政、妻の実家の近くの駅です。
投稿: ドーハ鯛 | 2009.09.29 05:29