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やっぱり小イワシ刺身 … 大衆食堂「源蔵本店(げんぞうほんてん)」(広島市・広島)

小イワシ刺身


 呉出張の帰り道、新幹線の待ち時間にやって来たのは、広島駅のすぐ近くにある魚料理の「源蔵」です。

 盆や正月以外は、朝9時半から夜9時半まで休まず営業中という「源蔵」は、午後5時過ぎのこの時間にも10人以上のお客でにぎわっています。

 ずらりと並んだテーブル席のひとつに腰を下ろし、まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、570円)を注文しておいて、つまみは小イワシの刺身(530円)からスタートです。広島に来たら、やっぱり小イワシを食べなきゃね。

 すぐに出される小イワシ刺身は、千切り大根の上に、美しく放射状に二重(ふたえ)、三重(みえ)。すばらしい。この皿の上だけでも2ダース近くの小イワシが並んでいます。

 添えられたおろし生姜を醤油に溶き、箸を横から突っ込むようにして2~3尾分(片身が一切れなので刺身にして4~6切れ分)の小イワシを一気につまみ、ペロリと口中へ。ん~~。この冷たい食感が心地好い。そして広がる小イワシの濃厚なうまみ。こんなに小さな魚なのに、泣かせてくれますねぇ。

 テレビでは大原麗子さんが亡くなっていたり、行方不明かと思っていたのりピーが容疑者になっていたりと、昨日からの出張で、ちょっとテレビを見ぬ間にいろんなことが起こっている様子。

 近くにいる店のおばちゃんに状況を聞いてみると、昨日くらいからの状況を、上手にかいつまんで話してくれます。ここ「源蔵」のおばちゃんたちは、ずらりと並ぶテーブルのそこここに立って、注文を受けてくれたり、ひとり客の話し相手をしてくれたりするのです。

 小イワシの刺身に続いては、タコの天ぷら(630円)を注文。うちの故郷(いなか)・松山でも、こちら広島でも、タコは天ぷらでいただくことが多いのです。しかも、この夏場のタコの美味しさといったら!

 考えただけでよだれが出ているところへ、天つゆにつけたらジュンと音がしそうなほど、熱々、できたてのタコ天ぷらが登場です。

 ん~~~。予想どおりのタコの甘みがいいですねぇ。これは日本酒かな。

「日本酒の銘柄はなに?」と、おばちゃんに聞いてみると、

「一級(340円)が〔雨後の月(うごのつき)〕で、二級(320円)が〔富久娘(ふくむすめ)〕。300ml瓶の冷酒も同じ銘柄よ」と教えてくれます。

 なるほど。灘(兵庫県)の〔富久娘〕もいいですが、広島に来たらやっぱり広島(呉市仁方)の〔雨後の月〕でしょう。冷酒(特別本醸造300ml瓶、890円)でお願いします。

 ックゥ~ッ。このお酒も、うまいなあ。

 お酒に合わせて、今度はメバルの煮付け(680円)を注文します。肴(さかな)が酒を呼び、その酒がまた肴を呼び。とてもうれしい酒肴循環です。

 ちょうどタコの天ぷらを食べ終えたところへ、これまた見た目も美しいメバルの煮付けができあがってきました。添えられた大きな豆腐も、煮汁がよく染みていていいではありませんか。これで680円というのが、広島ですねぇ、「源蔵」ですねぇ。

 骨までしゃぶり尽くすように、メバルの煮付けをいただいて、〔雨後の月〕の最後の1杯を飲み干します。

 やぁ、大満足。1時間半ほどの滞在は3,300円でした。どうもごちそうさま。さあ、東京に戻りますか。

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「源蔵本店」 / タコ天ぷら / 「雨後の月」生酒

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店内の様子 / メバル煮付け / 歩道のマンホール

店情報前回

《平成21(2009)年8月7日(金)の記録》

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コメント

はじめまして、rum mentholと申します。
以前よりこちらのブログを楽しみに拝見しております。今回の記事で、俄然親しみを感じております。私は東京在住ですが田舎が呉で、女房が愛媛の中島だからです。
田舎に帰るときはまず新宿より高速バスで道後まで行き、朝風呂浴びて高浜より島に渡ります。何泊か過ごし松山観光港より呉に渡ります。
今年の4月に父を亡くし、帰省する機会が減ると思われます。
呉で私がよく行くお店を紹介させていただきます。
まずは、駅前(横)の「森田食堂}です。ここは戦前から工廠に働きに行く人に弁当を詰めてあげていたほど、歴史のある一膳飯屋です。よく冷えた華鳩(音戸の地酒)の冷酒で湯豆腐をつつくのが最高です。
次に、落ち着いて飲むには関白の通りを駅方向に向かうと左手にスタンド「どん底」があります。ここは多分ご存知だとは思いますが「呉にどん底あり」って感じの歴史在る名店ですね。無くなったマスターの粋が感じられるお店です。いまはママさん一人でやってますが体調が優れなく、お店の存亡が心配されています。ママさんは戦中戦後の動乱の呉を知る生き字引です(仁義なき戦いの舞台でもあったようです)。お店を閉める前に是非お立ち寄りください。
そうそう、この記事の「源蔵」は、私も新幹線待ちでよく利用してます。
これからもブログ楽しみしております。体調崩さないよう願っております。では。

投稿: rum menthol | 2009.09.29 16:25

初めてまして
いつも拝見しています。
今日は熊本から所要で広島に来ました。所要は昼に終えて源蔵本店で飲んでます。日曜日の昼間のですが、ゆっくりした時間が流れるのは堪らないですね。日曜日でイワシが無かったのが残念でしたが鯖が旨かったです。ぜひ、また来てみたい店です!

投稿: 猿渡 | 2010.12.12 13:47

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 呉駅で帰りの新幹線の座席指定。「N700系の窓際(100Vの電源がある席)がいい」と窓口で申し出ると、広島駅で1時間弱の待ち時間があってもいいのであれば取れるという。その瞬間、ピン! と頭をよぎったのが「1時間あれば源蔵で飲める」ということ。すぐに「その席でお願いします」と返事をして、心はもう小イワシの刺身に飛んでいる。  今も単線の呉線で広島へ。駅に着くなり小走りで「源蔵本店」である。なにしろ... [続きを読む]

受信: 2010.06.17 21:50

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