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2009年10月

餃子&ホルモンMIX … ラーメン「タンタン」(高円寺)

ホルモンMIX


 「眉山亭」を出たところで、この近くにお住まいのQちゃんと別れ、荒木又右衛門さんと二人、トコトコと歩いて鷺ノ宮(西武新宿線)方面に向かいます。荒木さんの家と私の家は、直線距離で200mほどという近さ。自宅に着く直前まで一緒に帰れるのです。

「ここがちょっと美味しいんでゲスよ」

 そう荒木さんが教えてくれたのは、高円寺駅北口の庚申通りから早稲田通りに抜けようかという辺りにあるラーメンと餃子の店、「タンタン」です。

 金曜日の夜2時(というか、日付けが変わって土曜日の午前2時)にもかかわらず、こうこうと黄色く目立つハデなファサードテント。お世辞にもキレイとは言えない外観ですが、それゆえになにやらB級グルメ好みな雰囲気をかもし出しています。

「もう1軒、寄って帰りますか!」

 と、さっそく店内へ。直線カウンターのみの店内は、ウナギの寝床という言葉がぴったりの細長~い造り。先客は奥のほうに一人しかおらず、我われはカウンター中央部に陣取って、生ビール(380円)をもらって乾杯です。

 それにしても、レモンハイやウコンハイ、抹茶割りなどが400円なのに、生ビールが380円というのは驚きですねえ。メニューの生ビールのところは、もともと500円と書かれていた値段にバッテンが付けられて、その横に380円と書かれています。他の場所には「夏のサービスメニュー! 生ビール380円」とも書かれているので、夏だけのサービス価格なのかもしれません。

 つまみは荒木さんおすすめの餃子(麺類とセットなら5個150円)とホルモンMIX(350円)をもらいます。

 看板メニューの餃子もさることながら、けっこう濃い目の味付けのホルモンMIXが生ビールによく合います。大きくカットされたホルモンの弾力感もいいですねえ。このホルモンMIXだけを食べるために、ここに来てもいいくらいの一品です。

 最後のシメに、とんこつラーメン(500円)をもらうと、たっぷりのモヤシに、キクラゲと背アブラ、そして大きなチャーシューが1枚のっています。とんこつスープの濃厚さがすごいっ。ちょっと箸を休めると、表面に膜ができるほどです。

 さっきのホルモンMIXといい、このとんこつラーメンといい、この店のキーワードは“濃厚”ですね。こってり好きにはぴったりかも。

 1時間ほどの滞在は二人で2,790円(ひとりあたり1,395円)でした。どうもごちそうさま。

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「タンタン」 / ギョーザ / とんこつラーメン

店情報

《平成21(2009)年9月4日(金)の記録》

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店情報: ラーメン・餃子「タンタン」(高円寺)

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  • 店名: ラーメン・餃子「タンタン」
  • 電話: 03-3339-2461
  • 住所: 166-0002 東京都杉並区高円寺北3-35-24
  • 営業: 19:00-05:00、日休(祝は営業)
  • 場所: JR中央線・高円寺駅北口を出て庚申通り商店街を北上。早稲田通りに出る少し手前、左側。(大衆酒場「バクダン」の少し高円寺駅寄り。)
  • メモ: 〔壁の短冊メニュー〕味付玉子(2個)100、オニオンスライス150、もろきゅう200、きゅうりナムル250、キャ別ナムル250、もやしナムル250、ナスみょうが刻み和え250、マーボーなす350、レバーぶつ切にんにく焼350、あぶりチャーシュウ350、チャーチュウエッグ350、焼豚&もやしポン酢冷菜350、ホルモンMIX350、レバニラ炒め450、ネギチャーシュウ350・(小)250。 〔ラーメン〕とんこつラーメン500、とんこつ正油ラーメン500、みそラーメン550、おろちょんラーメン550、みそおろちょんラーメン600、とんこつつけメン(1~3玉)650、おろちょんつけメン(1~3玉)700、とんこつタンメン680。冷し肉みそメン味玉付(1玉)650・(2玉)700。冷しザルつけ麺1枚380・ザル追加1枚100・おろちょん+50。セットぎょうざ(5個)+150。ラーメン類は替え玉1回無料。 〔トッピン具〕チャーシュー250、ねぎチャーシュー250、コーン100、辛味玉ネギ100、味付玉子50、もやし50。 〔ドリンク〕生ビール380、タルハイ(ウォッカサワー)350、ウーロンわり350、抹茶わり400、レモンハイ400、グレープフルーツハイ400、ウコンハイ400、梅酒ハイ400、ホッピーセット450、中身焼酎200、梅酒ロック400、日本酒350、黒豆マッコリ400、いいちこ/白波400、ウーロン茶/抹茶200。(2009年9月調べ)

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しっとりと落ち着ける … 酒処「眉山亭(びざんてい)」(高円寺)

酒処「眉山亭」


 「兵六」の閉店後は、帰り道が同じ方向の荒木又右衛門さん、Qちゃんとともに電車に乗り込んで、高円寺の「眉山亭」に向かいます。

 私自身は「眉山亭」に行くのは初めてですが、荒木さん、Qちゃんがそろって推薦してくれる店なので楽しみです。呑ん兵衛同士の口コミほど正しい情報はありませんもんね。

 目指す「眉山亭」は、高円寺駅南口を出て、ガードにそって中野方面に200mほど行った右手の路地の中にありました。

 店は路地からちょっと奥まったところにあり、路上に「酒処 眉山亭(びざんてい)」と、ふりがなつきで書かれた電灯看板が出ているのが目印です。

 店主がけっこう厳しくて、変なお客は入れてくれないらしいのですが、大丈夫かな?

 まず常連のQちゃんが、眉山亭と白字で染め抜かれた、紺地の縦に長いのれんをくぐります。ややあって店から出てきたQちゃんから、OKのサインが出されます。

 やぁ、良かった良かった。店が凛(りん)と厳しいお店というのは、変なお客にとってはイヤなお店でしょうが、穏やかな時間を過ごしたい普通の客にとっては、非常にありがたいのです。

 「眉山亭」の店内は右手が直線のカウンター席7席ほど。左手が小上がりの座敷席になっています。金曜日、午後11時15分のこの時間でも、カウンター席は満席。我われ3人は、小上がりの4人掛け座卓のひとつを囲みます。

 店は店主ご夫妻が二人で切り盛りしている様子で、ご主人がカウンターの中の厨房で調理を担当し、奥様がお運びなども含めてホール全般を担当されています。

 さっそく焼酎をロックでもらって乾杯すると、すぐに出されるお通しはモヤシ、ニラ、オクラなどの酢の物に、ハムをひと切れ添えたもの。それとは別に、小さな袋入りの珍味が出されます。

 カウンター上部にずらりと並ぶ短冊メニューは、とり唐500円、油揚げ焼500円、いかボール揚げ500円、笹カレイ焼500円、エボ鯛開き450円、銀鱈塩焼500円、鯖塩焼500円、はたはた丸干500円、鯵開き450円、いわし開き450円、いわし丸干450円、冷し焼なす400円、トマトとチーズのサラダ500円、ひじき煮400円、里いも煮450円、手羽先煮500円、あら煮500円、豆アジ唐揚500円、ほや酢500円、〆さんま600円、まぐろづけ650円、たい刺700円、たこ刺650円、鰤刺700円、もずく酢400円、生しらす500円、冷奴400円、冷トマト400円、お新香400円など、30品ほど。

 高くても700円止まりで、4桁(千円以上)のものがないというのが嬉しいではありませんか。

 さっそく〆サンマ(600円)とホヤ酢(500円)の2品を注文します。

 Qちゃんによると、この店には中野の「北国」の常連さんも大勢いらっしゃってるんだそうです。「北国」は午後10時閉店なので、その後、こちらにいらっしゃるんですね。

 店内の壁には、絵画などが飾られていて、しっとりと落ち着く感じ。さらに、店独自に「Cinema この一本」というA4サイズ1枚もののミニ新聞のようなものも作っていて、店に来るお客さんが、毎回1点ずつ映画に関するエッセイを寄稿されています。「来生えつこさんも書いてくださったのよ」と、来生さんのエッセイが載った2009年5月号を見せてくれました。このミニ新聞、2001年4月から始めて、2009年7月号が第54号。100人に繋ぎたいそうです。

 初回なのに、すっかり羽を伸ばして、閉店時刻(午前1時)を45分ほど過ぎるまでの滞在は3人で4,500円(ひとりあたり1,500円)でした。どうもごちそうさま。

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「眉山亭」 / 焼酎ロックとお通し / 〆さんま

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ほや酢 / 「Cinema この一本」 / 最後にお茶とお菓子

店情報

《平成21(2009)年9月4日(金)の記録》

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店情報: 酒処「眉山亭(びざんてい)」(高円寺)

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  • 店名: 酒処「眉山亭」
  • 電話: 03-3314-4854
  • 住所: 166-0003 東京都杉並区高円寺南4-42-1
  • 営業: 18:00-01:00、日休
  • 場所: JR中央線・高円寺駅南口を出て左(中野・新宿方面)へ、中央線の高架の横を200mほど進んだ右手路地の先、左手。
  • メモ: お通し350。とり唐500、油揚げ焼500、いかボール揚げ500、笹カレイ焼500、エボ鯛開き450、銀鱈塩焼500、鯖塩焼500、はたはた丸干500、鯵開き450、いわし開き450、いわし丸干450、冷し焼なす400、トマトとチーズのサラダ500、ひじき煮400、里いも煮450、手羽先煮500、あら煮500、豆アジ唐揚500、ほや酢500、〆さんま600、まぐろづけ650、たい刺700、たこ刺650、鰤刺700、もずく酢400、生しらす500、冷奴400、冷トマト400、お新香400など。〔日本酒〕春鶯囀530、真澄480、初孫480、菊姫480、土佐鶴480、新政450、高清水430、菊正宗430。〔焼酎〕お春(ボトル)2500・(グラス)430、天孫降臨(ボトル)2500・(グラス)450、ウーロンハイ400、レモンハイ400、シークワーサーハイ400、梅酒ハイ400。〔他の飲み物〕ビール(サッポロ中瓶)500、紹興酒480、グラスワイン(赤・白)430など。(2009年9月調べ)

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店主を囲んで談論風発 … 居酒屋「兵六(ひょうろく)」(神保町)

三代目店主・柴山真人氏


 「こん平」を出て、西大島(にしおおじま)駅から都営新宿線で神保町(じんぼうちょう)へ。神保町と言えば「兵六」ですね。現在の時刻は午後8時40分。金曜日のこの時間でも入れるかな!?

 縄のれんをくぐって、おそるおそる覗き込んだ店内は予想どおり満席気味。

 しかし、そこはひとり酒のいいところ。店内のお客さんがキュキュッと詰めてくれて、なんとかひとり分のスペースができました。「兵六」のコの字のカウンター席は、2本の丸太を渡した長いすなので、ギュッと詰めるとけっこう入れるのです。

 ちなみにカウンター席の後ろ側に二つならんでいるテーブル席(それぞれ4人掛け)の椅子も、大きな丸太を立てたもの。長年使っているので、つややかに黒光りしています。

 さっそく芋焼酎「無双(むそう)」(680円)をもらうと、丸い徳利に、ゆるやかに燗がつけられた「無双」が。それとは別にアルマイトの急須(きゅうす)に白湯(さゆ)が出されます。この二つを、一緒に出されるチョコで混ぜて、湯割りを作ります。

 小皿で出されるお通し(サービス)は、ひじきと大豆の煮物です。

 最初のつまみには、このところはまっている兵六自家製ぬかづけ七種盛(530円)です。7種盛りとは「最低7種は入っている」ということなんだそうで、今日は、カブ、大根、オクラ、ニンジン、アスパラ、セロリ、山芋、ナス、ミョウガ、キュウリの盛り合せです。

 この漬物だけで、芋焼酎の1本を飲みきって、「無双」を半分(340円)おかわりするとともに、次なるつまみとして、つけあげ(530円)をもらいます。

 この店の焼酎は、ひとり3杯までしか飲めないルール。そのかわり、半分だけという注文の仕方もできるのでした。

 つけあげは、さつま揚げのこと。鹿児島ではさつま揚げのことをこう呼びます。ちょっと甘めの味付けが、芋焼酎によく合うんですよねえ。

 カウンター席に座る常連さんたちは、そのほとんどが一人客としてやってくるのですが、ほとんどのみなさんが毎日のようにやって来るため、この店が集会所のようになっています。木場の「河本」や、中野の「北国」、「路傍」なども同じような感じですね。高校時代の放課後の部室のような感じで、ここでワイワイと飲んで話して、それぞれ自宅へと帰っていくのです。

 午後10時半にはピッタリと閉店。2時間弱の滞在は2,080円でした。どうもごちそうさま。

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「兵六」 / 無双の湯割り / 自家製ぬかづけ七種盛

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店主を囲んで談論風発 / つけあげ / テーブル席は丸太の椅子

店情報前回

《平成21(2009)年9月4日(金)の記録》

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ホーデン刺と生ビール … もつ焼き「こん平(こんぺい)」(西大島)

ホーデン刺とおつかれ生ビール


 金曜日です。横浜での仕事を終えて、自宅に向かう途中で、どこかにちらりと立ち寄って飲んで帰るのが金曜日のならわし。

 横浜市磯子区にある職場から、横浜→品川→渋谷→新宿と経由して、東京都中野区の自宅まで帰ってくるので、その立ち寄り先は京浜東北線沿線であったり、東急東横線沿線であったり、あるいはグルッと遠回りして、東京の東側(下町エリア)に行ったり、中央線沿線に行ったりと、その選択肢は実に広いのです。

 今日はJR横須賀線から、馬喰町(ばくろちょう)で都営新宿線に乗り換えて、西大島(にしおおじま)のもつ焼き屋、「こん平」にやってきました。

 「こん平」といえば、もつ刺身の盛り合わせ(たん、はつ、がつ、こぶくろ、ホーデン、牛レバの6種盛りで1,100円)がつとに有名ですが、ひとりで来たら、そんなにたくさんは食べられません。

 そこで、まずはひとり1杯限定のおつかれ生ビール(250円)をもらって、もつの刺身は単品でホーデン刺(400円)を注文します。

 ホーデン(豚の睾丸)は刺身で食べるのが一般的ですが、鮮度が悪いとすぐに臭みが出て、とても食べられたものではありません。ところが、この店のホーデン刺には、そんな臭みがほとんどなくて、仕入れのよさ、下ごしらえのよさを感じます。

 ホーデン刺にしてそうなので、他のタン刺、ハツ刺、ガツ刺、コブクロ刺、レバ刺、シロ刺(それぞれ1人前400円)もまた鮮度抜群で、はずれはありません。

 もつ刺身にはゴマ油がかけて、ゴマと刻みネギをトッピング。薬味はニンニクかショウガが選べます。これを別に出される小皿の醤油につけていただくのです。

 グラスで出されるおつかれ生ビールは、グイッと喉を潤すのにちょうどいいサイズ。あっという間に飲み干して、酎ハイ(320円)に切り替えます。コクのあるもつ料理には、酎ハイやホッピーなどの、ドライな(=糖分のない)飲み物がよく合うように思います。

 ホーデン刺も食べ終えて、次はもつ焼きを注文します。もつの刺身が有名すぎるので、その影に隠れがちなもつ焼きですが、実はもつ焼きもこの店の自慢の品。今日は、この店の大常連・かぶきさんおすすめの、かしら(120円)、にんにくはさみ(150円)、そして自家製つくね(180円)を、それぞれ1本ずつ注文します。

 焼き上がりを待つ間にもらったのは、“ひとり一皿無料サービス”のキャベツ千切りです。味つけはマヨネーズかドレッシングが選べます。このキャベツ千切り、二皿目以降も、一皿100円でおかわりができます。

 もつ焼きも焼き上がってきました。つくねは、小さなハンバーグ状に、平たい円形に整形した肉団子が2個。間にネギをはさんで焼き上げられます。常連さんたちから“ニンバサ”と呼ばれる、にんにくはさみは、鶏肉とニンニクを1本の串に交互に刺したものです。

 「こん平」は、基本的にもつ焼き屋ながら、ホワイトボードに並ぶ日替りメニューには、魚介類や野菜ものなども多く、普通の大衆酒場と同じような楽しみ方もできます。

 たとえば今日のホワイトボードメニューは、たこぶつ480、まぐろぶつ480、さんま刺480、帆立刺480、ししゃも270、鮭ハラス焼480、サバ焼580、アスパラ肉巻270、ささ身しそ巻270、じゃが芋串160、辛口さつま串140、野菜さつま串140、牛すじ鍋790、新さんま塩焼480、うずら串140、帆立串270、めかぶ270、豆もやし210、白菜漬210、きゅうりぬか漬270、エシャレット320、フカヒレにこごり320、小松菜おひたし320、ナムル風小松菜320、ほうれん草320、キムチ320、青唐味噌漬320、グリーンアスパラ320、長なす焼320、豚足400、豚足塩焼400、せんまい刺530、牛レバ刺740、枝豆420、キムチ納豆370といった品々が並んでいます。

 酎ハイ(320円)をもう1杯おかわりして、1時間ほどの滞在は1,740円でした。どうもごちそうさま。

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「こん平」 / 自家製つくねとキャベツ千切り / にんにくはさみ(手前)とカシラ

店情報前回

《平成21(2009)年9月4日(金)の記録》

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パターンをつけ麺風に … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(横浜市・日ノ出町)

弟さん、お父さん、お姉さん


 昭和34(1959)年創業、今年で創業50年の台湾料理の店、「第一亭」にやってきました。

 昼の11時半から、夜の11時半まで、12時間通しで営業しているこのお店。88歳になる創業者・中山富夫(なかやま・とみお)さんを中心に、桜田冨美枝(さくらだ・とみえ)さん、木村雪枝(きむら・ゆきえ)さんの娘さん姉妹。その弟さんの中山政彦(なかやま・まさひこ)さんの4人で交代しながら切り盛り中で、午後6時から9時のピークタイムには、さらに手伝いの女性も入っています。

 ずらりと並んだ料理の中で人気があるのは、ホルモン炒め(600円)、チート(豚胃)生姜炒め(600円)、レバニラ炒め(600円)、そして青菜炒め(500円)の4品。

 ひとりで来ると2品くらいしか食べられなくて悔しい思いをするのですが、今日は3人なので、人気の4品をすべて注文します。この店には少なくとも4人くらいできて、いろんなものを食べるのがいいのではないかと思います。

 瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)をもらって乾杯し、飲み始めたところへ、まず出てきたのは青菜炒め(500円)です。今日の青菜はチンゲン菜。季節ごとに青菜は変わって、豚肉とともにシャキッと炒められます。何人かで来たときは、青菜炒めは必ず注文する一品です。

 続いてチート生姜炒め(600円)。出てきたとたんに、ビジュアル的にもいかにもうまそうで、もつ嫌いな人でも必ず食べられる一品です。

 横浜にもつ焼き屋が少ないのは、昔からこうやって中華のもつ料理があったからに違いないと私は思っています。横浜では、もつは決して“放るもん”ではなかったんですね。

 カウンター内の厨房で、ゴォ~~ッと炎が立ち上って、出てきたのはホルモン炒め(600円)です。普通のもつ焼き屋の腸はゆでて仕入れているが、ここの腸は生で仕入れて下ごしらえしているので、プリプリ感がまったく違うのです。

「豚から取り出したままの状態で入って来たホルモン(腸)を、アク抜きするためにビールで洗って、その後、塩もみしながら2回洗って、時間をかけてゆすいだら下ごしらえが終わるんです。これを毎日、開店前に弟がやっています」

 とお姉さんが教えてくれます。この店に来はじめてから、個人的にはずっとチート生姜炒めにはまっていたのですが、あるとき、このホルモンの下ごしらえの話を聞きました。で、1度食べみると、これがうまいこと! 以来、ずっとこのホルモン炒めをいただいているのでした。

 レバニラ炒め(600円)は、お姉さんが一番得意な料理。レバとニラのほかに、モヤシやニンジンなどもたっぷりと入っています。

 これら4品の他では、呑ん兵衛にはシジミ醤油漬(600円)も人気です。それ以外の料理もとても美味しそうなんだけど、これら4品+シジミもはずすわけにいかないので、これらの料理から抜け出せずにいるのでした。

 紹興酒をボトル(2,000円)でもらって、飲み方はロック+レモンスライスです。冷たい紹興酒にレモンを入れると、いくらでも飲めるお酒になってしまって、とても危ないのですが、今日は呑ん兵衛3人だから大丈夫かな。

 料理のほうは、野菜入りもつみそ煮(400円)を追加注文します。あらかじめ煮込みを終えて、冷まして置いているもつみそ煮を1人前、中華なべに取り、強力な火力でガァーッと熱々に仕上げて出してくれます。

 そして最後は、つまみにもなる締めの麺、メニューに載っていない隠れメニューのパターン(冷たい麺のニンニク醤油和え、600円)をもらいます。

「うちのスープは、開業したときからずっと同じ作り方で、豚と鳥と野菜を何時間も煮込んで作っているんです。だから栄養もコラーゲンもたっぷり。だからね、うちに来るお客さんにはこのスープも味わってもらおうと思って、パターンにもスープを付けるようにしたんです。そのまま飲んでもいいんですけど、つけ麺のように、パターンをつけて食べるのも美味しいですよ」

 へぇ~。その食べ方ははじめて知ったなぁ。どれどれ。

 さっそくつけ麺風にスープにつけて食べてみると、ニンニクのパンチは減るものの、これもこれでとても美味しい。1品で2つの味わいが楽しんで、今日の締めとしたのでした。どうもごちそうさま。

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「第一亭」 / キリンラガービール中瓶 / 青菜炒め

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チート生姜炒め / ホルモン炒め / レバニラ炒め

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紹興酒 / ロックでレモンを入れて / 中華鍋で仕上げるみそ煮

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野菜入りもつみそ煮 / パターン / パターンをつけ麺風に

店情報前回

《平成21(2009)年9月2日(水)の記録》

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夕食の前に、晩酌散歩 … 焼鳥割烹「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

鯛刺


 日曜日は、家族との夕食の前に、近くの酒場に晩酌散歩。わが家は高校生の娘、息子はもちろん、カミサンもお酒を飲まないので、みんなと一緒に食事を始めると、お酒を飲む私だけ、みんなが食べ終わってもひとり飲んでいるような状態になってしまうのです。

 そこで思いついたのが晩酌散歩。わが家から徒歩圏内にあって、午後4時に開店する「川名」や「秋元屋」、午後5時開店の「竹よし」などに行って、先にちょっとした肴(さかな)をつまみながら軽くお酒を飲んで帰宅し、最後の仕上げに家族と食事をするのです。

 こうすれば、私だけフライングスタートしてので、食事が終わる時間は他の家族と一緒になって、ちょうどいいのでした。

 今日は、午後4時ちょうどに「川名」へ。ネタケースをじっくりと観察することができる、カウンターの真ん中あたりに座り、まずは生グレープフルーツサワー(336円)を注文します。

 この1杯目の飲み物がやってくるまでに、最初に注文する品を決めておくのが「川名」の小さなルールです。

 ハルカさん(=店を手伝っている女性)が飲み物をトンと置きながら、「おつまみは?」と聞いてくれるので、ここで間髪入れずに「○○と、△△ね」と注文するのが、常連さんたちのやり方なのです。

 目の前のネタケースに並ぶ今日の魚は、マグロぶつ(420円)、鯛刺(420円)、タコ刺(420円)に、鮭のカマ焼(294円)。鯛刺をもらいましょうか。愛媛県出身ということもあってか、メニューに鯛があると、ついついたのんでしまうことが多いんですよね。

 420円という値段からは信じられないような立派な鯛刺身を食べているところにやって来たのは、常連の熊さんです。さっそく合流して奥の座敷へと移ります。

 手前側のカウンター席はなるべくひとり客向けに。そして手前のテーブル席は、それぞれひとりでやって来るんだけど、店の中でいつも合流される大常連さん向けに空けておいて、普通のグループ客は奥の座敷に入るのです。

 野菜好きの熊さんは、生グレープフルーツサワー(336円)に、ウリ漬(168円)と新生姜(168円)にマグロぶつ(420円)をもらってスタートです。

 野菜メニューが多いのも、ここ「川名」の特徴で、今日のホワイトボードにも、セロリ漬(168円)、枝豆(168円)、ぶなしめじバター(294円)、パイナップルコールスロー(294円)、水菜サラダ(294円)、とうがんサラダ(294円)、ゴーヤサラダ(294円)、おくら納豆(294円)などの品々が並んでいます。この他に定番の野菜メニューもずらりとそろっているので、全体ではかなりの数になります。

 この店のチューハイ類はかなり濃いので、熊さんも私も、ほぼ1時間に1杯のペース。二人とも生グレープフルーツサワー(336円)をおかわりして、私は鳥中おち串(168円)と鳥軟骨つくね串(168円)を追加注文します。

 いつも魚や野菜ものを食べることが多いのですが、ここ「川名」は、本来は焼き鳥の店。炭火で焼いてくれる焼き鳥やもつ焼きもおいしいのです。

 ゆっくりと2時間ほどの晩酌散歩。お勘定は1,554円でした。どうもごちそうさま。熊さん、お先に!

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新生姜とウリ漬 / マグロぶつ / 鳥中おち串と鳥軟骨つくね串

店情報前回

《平成21(2009)年8月30日(日)の記録》

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〔ご紹介〕 「古典酒場 Vol.8 -日本酒酒場特集-」発売中

古典酒場 Vol.8


 10月16日(金)、「古典酒場 Vol.8」(838円+税)が出版されました。

 今回の特集は「日本酒酒場」。「鍵屋」(鶯谷)や「浅七」(門前仲町)、「伊勢藤」(神楽坂)、「岩手屋」(湯島)、「鈴傳」(四ツ谷)をはじめとする31軒が、ずらりと紹介されています。

 これからまさに燗酒の季節を迎えますが、日本酒酒場特集の中には、『お燗の達人「神田新八」佐久間達也さんに訊く 燗酒の魅力』という記事も載っています。

 そして、毎号楽しみな漫画、「名物酒場店主のホッピー子育て奮闘記」。今号は、なんと横浜・野毛の「ホッピー仙人」です。16ページもあるので読み応えたっぷりです。

 私も、今号でも「ホッピー×お取寄せ酒肴座談会SPECIAL in ホッピー調布工場」に、「呑兵衛の輪 新・居酒屋談義」の冒頭部分、「今夜の書棚」、「第四回 古典酒場ほろ酔いと~く開催!」、「居酒屋通ブログ四人衆よもやま話」に登場させていただいています。

 ぜひ手にとってお読みいただけるとありがたいです。

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おすすめオンパレード(下) … もつ焼き「ホルモン」(沼袋)

やっこ


 飲み物を焼酎(230円)に切りかえると、冷蔵庫で冷しているサッポロ焼酎を、受け皿付きのコップになみなみと注いでくれます。これに、カウンター上に置いている梅割りの素をちょろりと垂らしていただくのです。

 焼酎は、初期のころは宝焼酎だったのですが、途中からキッコーマンの万上焼酎に変わり、その万上焼酎が数年前に、中身はそのままで銘柄がサッポロ焼酎に変わり、現在に至ります。ちなみに、日本酒は福島の「金宝(きんぽう)」です。

 梅割りの素(梅シロップ)の正体(?)は、三友飲料株式会社製の梅酒風味清涼飲料水(希釈用)「紅梅」です。これをちょっと入れることで、無味無臭に近い甲類焼酎に、梅酒風の香りと甘みが加わるのです。

 そしてもつ焼き(1本110円)。まずは店主にオススメのものを焼いてもらうと、出されたのは、メニューにはない、コブクロの硬いとこ(リンゲル、膣)、ハツモト、タンモトの3種。塩焼きで、それぞれ2本ずつ焼いてくれました。

 もつは、かたまりのまま仕入れて、朝9時ごろから仕込みを始めます。その過程で、今回出してくれた、コブクロの硬いとこや、ハツモト、タンモトなども数本分取れるのですが、本数が少ないためにメニューには載せていないんだそうです。

 続いては、ヒモ、ヒラ、テッポウという、豚腸の三兄弟(?)をタレで焼いてもらいます。ヒモ(シロ)は普通の豚の腸、テッポウは直腸、ヒラはヒモとテッポウの中間的な部分です。

 メニューに並ぶもつ焼きは15種類。それぞれの品に、効能書きのような文句が書かれています。これはどこかの大学教授が作ってくれたものだそうで、あながちウソでもないらしいそうです。

  • はつ(しんぞう): ビタミンABに富み、精力増進

  • がつ(胃袋): ペプシン豊富、消化増進

  • たん(した): ビタミンA豊富、若返りホルモン

  • たま(こうがん): 性欲増進、多食すべからず

  • かしら(ほほ肉): 美味にしてタンパクに富む

  • なんこつ(のど骨): カルシウムに富み、人体構造のホルモン

  • こぶくろ(子宮): アンチ・サンガーリズム

  • ひも(腸): 消化整腹のホルモン

  • れば(かんぞう): 栄養の宝庫。精力増進のホルモン

  • てっぽう(直腸): 「ジ」に良く、保健の源

  • まめ(じんぞう): 精力増進、不老の秘訣

  • オッパイ(ミルクタンク): 人体構成のホルモン

  • あぶら(アブラ): 保温の秘訣。酎と夫婦的

  • チレ(ひぞう): 血液増進、栄養保存に効果的

  • ヒラ(中間): 消化補強のホルモン

 この店のメニューは、もつ焼き中心のシンプルな構成で、もつ焼き以外のメニューは串もの(1本110円)が、ピーマン、ハンペン、シイタケ、ネギ、生揚げ、うずらの6種類。その他には、最初にもらった、お新香(110円)、煮込み(310円)に、やっこ(260円)とトマト(260円)だけ。

 やっこや生揚げは、この近所にある尾張屋豆腐店製。尾張屋豆腐店(03-3386-4477、中野区沼袋1-45-5)は、明治30(1897)年創業という老舗で、国産大豆とミネラルウォーター、そして海水から作った純正本にがりを使った手造り豆腐が特長です。この店でも、やっこや生揚げは大人気です。

 トマトも人気で、いつも大きくて真っ赤なものが出されます。仕入先に秘密があるのかと思いきや、これまたすぐ近所のお店で、店主が厳選した桃太郎トマトを買ってきてるんだそうです。

 焼酎もおかわりしながら、3時間近く楽しんで、今日のお勘定は二人で3,010円(一人当たり1,505円)でした。やぁ、美味しかった。どうもごちそうさま!

090829g 090829h 090829i
梅割りの素 / 焼酎(梅割り) / コブクロ硬いとこ、ハツモト、タンモト(塩)

090829j 090829k 090829l
ヒモ、ヒラ、テッポウ(たれ) / トマト / 「ホルモン」外観

店情報前編(上)

《平成21(2009)年8月29日(土)の記録》

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おすすめオンパレード(上) … もつ焼き「ホルモン」(沼袋)

ほぐしたチョイ焼き(レバ、コブクロ)


 この店にやって来るのは初めてというO野さんと、沼袋の「ホルモン」にやってきました。

 昭和39(1964)年創業のこの店は、今年で創業45年。現在は、創業者の息子さんで二代目店主の菊池正彦(きくち・まさひこ)さんが、奥さんと二人で、カウンター12席(6席×2列)+テーブル8席(4席×2卓)の店を切り盛りされています。

 その昔、中央線沿線には今の「四文屋」グループと同じように、「ホルモン」グループのチェーン店が数多く店を出していたんだそうです。

 その「ホルモン」グループの創始者は、三瓶町(愛媛県)の出身。グループ展開も多くなってきたので、故郷の知り合いに「手伝ってくれないか」と声をかけました。店主のお父さんも、そのときに上京されて、お父さんは「阿佐ヶ谷ホルモン」で修業した後、「高円寺ホルモン」へ。お母さんもその「高円寺ホルモン」から一緒に働き始めました。同じ頃に三瓶町から上京して、「ホルモン」グループの店で働いていたのが、練馬の「金ちゃん」の店主や、今はなき鷺ノ宮の「鳥芳」の女将だったのです。

 東京オリンピックの昭和39年、ここ沼袋に、新たに「ホルモン」グループのチェーン店が作られ、店主のご両親に新店の運営が任されました。それ以来、順調に営業を続け、昭和53(1978)年に「有限会社 もつ焼き ホルモン」として、チェーン店から独立。今から14年前の平成7(1995)年に、それまでサラリーマンをされていた現店主も店を手伝い始め、現在に至ります。

 最近は、もつ焼き屋と言いながらも、もつ焼き以外のメニューが多い店が増えているなか、この店はもつ焼き中心のシンプルなメニュー構成。昔ながらのもつ焼き屋というところが魅力のひとつなのです。

 常連さんたちは「先代も、今の店主も、人柄がいいから、店の雰囲気がいいんだよ。値段が安いのもいいところだね」と店の魅力を語ってくれます。

 前置きが長くなりましたが、さっそくO野さんにも、この店のおすすめの品の数々を味わっていただきましょうね。

 サッポロラガービール(赤星)とサッポロ黒ラベル生の2種類が選べる大瓶ビール(500円)は、ラガーを指定して乾杯し、お新香(110円)、煮込み(310円)に、レバとコブクロのチョイ焼き(1本120円)を2本ずつ注文します。

 お新香(110円)は、キュウリ、白菜、カブなどの季節の野菜を自家製で漬けたもの。季節の野菜だけに日によって内容は異なり、今日はキュウリと白菜の2種類が混ざっています。これを添えられた爪楊枝でつついていただきます。値段が安いこともあって、ほとんどの人が真っ先に注文する一品です。

 煮込み(310円)は、モツだけを煮込んで、刻みネギをトッピングして出してくれます。毎朝10時頃に、レバ以外の残モツ(もつ焼き用に下ごしらえした残りの部分)を煮込み始めて、開店直前の午後5時ごろ、味噌で味付けをします。このモツだけのシンプルな煮込みがうまいんですねえ。年中食べられるのもいいところです。

「煮込みの中に入ってるオッパイが、歯応えがよくていいのよ」と、向かいのカウンターに座っている女性常連客が教えてくれます。この店は女性の常連客も多く、特に最近は女性の2人連れ、3人連れも増えているんだそうです。

「先代の頃は、飲み物も焼酎、ビール、日本酒だけだったんですが、女性のお客さんも増えてるので、今は焼酎のウーロン割り(370円)や、くわ茶割り(370円)なども出すようになりました。飲み物はどれかに集中ということはなくて、どの飲み物も満遍なく出ますね」と店主。

 そして出てきたレバとコブクロのチョイ焼き(1本120円)は、もつ焼き用のレバとコブクロを、文字どおりちょっとだけ炙(あぶ)る程度に焼いたもので、刻みネギをトッピングして醤油をかけ、おろし生姜を添えて出してくれます。この店にはモツの刺身はないので、このチョイ焼きが最も生に近い状態です。好みで、醤油のかわりにポン酢醤油をかけてもらうこともできます。

 チョイ焼きを注文すると、割り箸も出してくれるので、全体を串からはずして、レバ刺しやコブクロ刺しを食べるように箸でいただくのがいいですね。

(つづく)

090829a 090829b 090829c
開店直前の「ホルモン」 / サッポロラガービール大 / 煮込み

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お新香(キュウリと白菜) / チョイ焼き(レバ、コブクロ) / もつを焼く店主

店情報前回

《平成21(2009)年8月29日(土)の記録》

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やきとりは1種2本で … やきとり「たつや」(恵比寿)

ハラミ


 自由が丘の「とよ田」を出て、中目黒経由、日比谷線で恵比寿です。今日の3軒目はやきとりの「たつや」です。

 なにがすごいって、この店は朝8時から、翌朝5時までの21時間営業。たった3時間休憩したら、もう翌日の営業が始まってしまいます。

「こんばんは。ふたりです」

 と店内に入ったのは、金曜日の午後10時。この時間帯でもお客さんが多いなあ。

「はい、いらっしゃい。こちらにどうぞ」

 コの字カウンターの一角が指し示されます。やった! 久しぶりの1階だ。この店は、1階が空いていることはすくなくて、たいていの場合「地下に行って」と、地下の店に案内されるのです。

 指し示された場所にここっとさんと並んで座ると、我われの左側は若い女性の二人連れ、右側は中年の男性ひとり客です。店内を見渡しても、まさに老若男女いろとりどり。この客層の広さが名店の証ですね。

 ホッピー(450円)をもらって乾杯し、さっそく大好物のガツ刺し(360円)を注文すると、「すみません。売り切れました」という返事。ガビーン。21時間も営業している店でも、次の仕入れまでの間に売り切れることがあるんですね。

 それではやきとりを。ここのやきとりは物によって1本170円か180円で、1種類2本以上注文しなければなりません。もうちょっと安いとうれしいんだけど、恵比寿という土地柄、仕方ないんでしょうねえ。

 私はハラミ(180円×2本)を、ここっとさんはギンナン(180円×2本)とニンニク(170円×2本)を注文します。

 あらら? そういえば以前は席に座るとサッとお通し(200円)が出されたのですが、今回は出されません。まわりを見ても、特にお通しは出てない様子。もしかすると選択性になったのかな? それとも、こうやって遅い時間帯は出さないようにしてるのかもね。

 真相のほどは不明ですが、今日はお通しはなく、クイクイとホッピーを飲みながら焼き上がりを待ちます。先ほどの「とよ田」の満腹がまだ続いているので、これはこれでちょうどいい状態です。

 やきとりを食べて、1杯目のホッピーを飲み干す頃には、またまたいろいろ食べられそうな状態になってきて、ここっとさんの瓶ビール(サッポロ黒ラベル大瓶、640円)と私の黒ホッピー(450円)とともに、川エビ(420円)とウルメイワシ(400円)も注文します。

 会社の同僚に、川エビを揚げたのがとても好きなやつがいて、この店に来るたびに川エビを注文していたのを思い出したのでした。ここっとさんも、こういうクリスピーな感じのつまみが大好物なので、ちょうどいい選択です。

 結婚されてもう2年。すっかり主婦業も板に付いてきた様子のここっとさんですが、久しぶりにこうして一緒に飲んでみると、酒の強さは変わってないですねえ。むしろ前よりも強くなったかも!?

 さあ。11時半も回ったので、そろそろ帰りますか。2時間弱の滞在は二人で4千円弱(一人当たり2千円弱)でした。どうもごちそうさま。

 店を出たところで「すみませぇ~んっ」という女性の声。おろっ? 何か忘れ物でもしたかな…、と思って振り返ると、なんと若い女性の二人連れ。

「いつもブログを拝見してます~」

「えっ? どっち?」とここっとさん。

「両方です~」という、うれしい返事。

 一緒に「たつや」の店内にいて、私たちが店を出たので追いかけて来てくれたんだそうです。本当にありがとうございます。とっても励みになります。

090828p 090828q 090828r
「たつや」 / ギンナン / ニンニク

090828s 090828t 090828u
黒ホッピー / 川エビ / ウルメイワシ

店情報前回

《平成21(2009)年8月28日(金)の記録》

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新しい店になりました … ひな鳥から揚「とよ田(とよだ)」(自由が丘)

食べやすく解体した手羽


 せっかくの「金田」を40分ほどでさっくりと切り上げたのには訳がある。実は先にひな鳥から揚の「とよ田」に行ったところ、予想どおりの満席で、席が空いたら電話してもらうようにお願いしていたのです。

 「とよ田」は、基本的には予約できず(開店直後の一巡目だけは予約できるかも)、店に行って、人数と携帯の連絡先、そして注文の品を渡されるメモ用紙に書いて、近くで電話連絡を待つ仕組みです。

 ここっとさんと私も、このメモを記入してから、「金田」に引き返して、ちびちびとお酒を飲みながら電話連絡を待っていたのでした。ウェイティング・バーとして「金田」に行くなんて、なんて贅沢な…。

 昭和37(1962)年創業の「とよ田」は、前にいたビルの建て替えに伴い、同じ自由が丘ながら、地名で言うと緑が丘2丁目に移転して、今年(2009年)2月に新装開店。真新しいお店になりました。店内はカウンター席とテーブル席が数卓。前よりも大きくなった分、厨房も広くなり、から揚げ用の鍋もひとつ増えました。

 前の店ではメニューは明記されてなかったのですが、新店では木製の短冊メニューがずらりと並びます。基本的に「砂肝」「手羽」「もも」という3種類のから揚げに、「お新香」という構成は変わっていませんが、「焼きおにぎり」と「焼きおにぎり茶漬け」の2種類が新たにメニューに加わっています。

 飲み物も、瓶ビール、生ビール、麦焼酎、芋焼酎、レモンハイ、ウーロンハイ、緑茶ハイ、日本酒、ワイン、ウイスキー、角ハイボール、コーラ、オレンジジュース、ウーロン茶と並んでいて、「へぇ~。こんなに種類があったんだ」と改めて驚きました。

 食べ物も、飲み物も、値段は明記されていません。

 瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶)をもらって乾杯し、定番のお通し「玉ネギ・ポン酢醤油」と「お新香」(キュウリ)をつまみながら待つこと約20分。まずは砂肝のから揚げが出てきます。粒の大きさがそろうように下ごしらえした砂肝を、からりと素揚げして塩を振っているだけなのに、これがもう「なんで!?」と思うほどうまいのです。

 他のから揚げもそうですが、砂肝も熱いうちに食べるのが一番うまい。合いの手にビールをクイッといただきながら、ひとつ、またひとつと砂肝に手を伸ばしていきます。

 カウンター上には塩や七味唐辛子などが置かれていて、好みで味を加えます。熱いうちは、そのまま食べるのが一番ですが、ちょっと冷めてきたら、お通しの「玉ネギ・ポン酢醤油」のタレをつけて食べるのもまた美味。毎回の楽しみのひとつでもあります。

 砂肝も食べ終わり、入店から35分ほど経ったところで手羽の登場です。ひな鶏の半身を、上半身と下半身に分割した上半身側がこの店の手羽。下半身側がももとして出されます。したがって、手羽とは言っても、あばら骨の周辺や、胸肉などの肉の部分もたっぷりなのです。

 出されたばかりの熱々のものを、「アチチ、アチチ」と言いながら、バキバキとひと口大にむしっておいて、ギュッとレモンを搾りかけたら、骨ごとバリバリと噛み砕いていきます。じっくりと時間をかけて揚げられたから揚げは、小骨まで美味しくいただけるのです。

 骨まで食べられるほどよーく火が通っているのに、肉は硬くない。この絶妙なバランスが「とよ田」のから揚げなのです。

 店内はずっと満席が続いていて、厨房でから揚げを担当する二代目店主・豊田和矢さんと、そのお母さん、妹さんの3人も、大忙しの状態。揚げても揚げても切りがないといった状態です。

 もものから揚げが出てきたのは、入店から75分後。私自身は小骨がたくさんあって、骨ぎわの身がおいしい手羽が好物なのですが、ここっとさんのご主人はもものほうが好きで、いつもひとりで2人前は食べるんだそうです。たしかに、ももも、ももならではの味わいがあって、手羽好きの私も、ももの注文をはずすわけにはいかないんですよねえ。

 ももを食べ終わったところで、新メニューの「焼きおにぎり茶漬け」をいただきます。

 「焼きおにぎり茶漬け」は、焼きおにぎりに鶏スープをたっぷりとかけて、あられと刻み海苔を、表面を覆いつくすほどたっぷりとトッピング。横にワサビが添えられます。鶏スープの旨みがいいですねえ。いいメニューが加わったと思います。

 最後にサービスの鶏スープをいただいて、久しぶりの「とよ田」を堪能!

 お通し2人前に、お新香1人前、砂肝1人前、手羽2人前、もも2人前、焼きおにぎり茶漬け1人前に、瓶ビールを4本ほどいただいて、2時間ちょっとの滞在は、ふたりで7,310円(ひとり当たり3,655円)でした。どうもごちそうさま。

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「とよ田」全景 / のれん / お通しとお新香、瓶ビール

090828g 090828h 090828i
砂肝 / 砂肝をポン酢醤油で / カウンター上の調味料

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手羽 / もも / 裏から見たもも

090828m 090828n 090828o
焼きおにぎり茶漬け / 中に焼きおにぎりが1個 / 締めの鶏スープ

店情報前回

《平成21(2009)年8月28日(金)の記録》

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生シラスで燗酒を一献 … 居酒屋「金田(かねだ)」(自由が丘)

生シラス


 久しぶりにここっとさんと待ち合わせて、これまた久しぶりに東京の居酒屋の雄、「金田」にやってきました。

 まずは瓶ビール(サッポロラガー大瓶、650円)をもらって乾杯すると、お通し(サービス)は定番の小鉢の冷奴です。この店では、夏場は小鉢の冷奴が、冬場は小鉢のスープ豆腐がお通しとして出されるのです。

 「8月28日(金)」と日付け入りでA3サイズの用紙にコピーされた今日のメニューは次のとおり。

〔お造り〕(活〆)コチ薄造り1,600、(天然)カンパチさしみ1,350、マグロさしみ1,600、関アジさしみ(大分)900、(活〆)白イカさしみ(日本海)900、北海つぶ貝(オホーツク)900、マグロ中おち1,000、ヒラメ昆布じめ900、さしみ盛合わせ4,000、(旬)ハモ落し1,600。〔蒸し物〕アマダイ酒むし950、アマダイ信州むし(ソバ入り)1350、里いも満月むし850。〔鍋物〕肉ドーフ750、柳川(どぜう)900、とうがん汁500、冷しトロロ汁450。

〔煮物〕釣りキンキ煮付3,200、メバル煮付1,800、トコブシ煮付(地物)1,200、小アユ含め煮(子持ち)800、コンニャクピリピリ煮500、(美味)射込みトマト650、炊合せ650、東寺ユバ含め煮550、豚角煮550。

〔酢物〕タコポン酢(地物)650、小肌酢600、モズク酢(能登)450、ホヤ酢500、ジュンサイ酢(秋田)650。〔串焼〕あい鴨串焼1串300、ひな焼鳥1串180、つくね串焼1串180、ウナギクリカラ焼1串300、ウナギきも焼1串300。

〔焼き物〕(新)サンマ塩焼1,000、タカベ塩焼1,200、生シシャモ塩焼700、アユ塩焼800、アユ風干焼750、焼ハマグリ(地物)2個1,500、ハモ照焼1,000、(活〆)アナゴ白焼(愛知)900、ウナギ白焼・かば焼1,500、あい鴨ロース焼1,500、アマダイカブト焼900。

〔揚げ物〕カレイ唐揚げ(青森)1,500、アナゴ唐揚げ(愛知)750、豆アジ唐揚げ(地物)500、海老しんじょう揚げ(芝エビ)950、サクラエビかき揚げ750、カニ奉書あげ(ズワイガニ)1,050、カニ団子(ズワイガニ)800、さつま揚げ(当店製)550、なすいんろう揚げ550、銀杏つつみ揚げ450、手羽先立田揚げ550、砂肝立田揚げ500、小アユ天ぷら750、メゴチ天ぷら700、キス天ぷら700、ハモ天ぷら900。

〔その他一品料理〕生ウニ(小箱、オホーツク)1,200、ウニ煮凍り750、たこぶつ切り(地物)800、シメサバ(大分)750、サバタタキ(大分)750、山かけ(マグロ)800、ぬた(マグロ)700、白エビ(富山)600、生シラス(富山)450、シャコ(愛知三河)700、だし巻玉子450、チャーシュー(当店製)600、胡麻ドーフ(当店製)550、枝豆(茶豆)600、(旬)とうがんあんかけ700、ニガウリカニサラダ550、なす胡麻みそあえ500、冷しなす450、冷しトマト400、オクラ梅肉あえ450、伏見とうがらし煮びたし450、万願寺ししとう焼450、里いも煮付450、かも茄子揚げだし650、とうがらし味噌400、おしんこ(ぬか漬)450。

〔飲物〕酒420、ビール(大)650、エビスビール(小)550、ギネスビール650、生ビール550、スーパーニッカ(ミニチュア)550、焼酎(180ml)950、冷酒(300ml)樽酒950・生酒950、ジュース210、ウーロン茶210。

 料理だけで、ざっと90品というのが素晴らしいではありませんか。

 メニューに並んだ品が売り切れるたびに、各席に置かれたメニューに赤鉛筆で線を引いていきます。

 金曜日、午後7時のこの時間帯、すでにヒラメ昆布じめ、釣りキンキ煮付、小アユ含め煮、小アユ天ぷら、炊き合せ、シャコ、里いも煮付など、7品ほどの品が売り切れています。赤鉛筆で線を引いているだけなので、なにが売り切れたか見えるのがまたくやしいですねえ。

 そんな大量のメニューの中から、どれにしようかと案を出し合いつつ、最終的に富山の生シラス(450円)と万願寺ししとう焼(450円)を注文。

 すぐに出された生シラスは、細切り大根に、大葉を敷き、その上に、ふんわりと団子のようにまとめた生シラス。横には、たっぷりの大根おろしと山葵(わさび)が添えられ、小さな菊の花があしらわれています。ここの料理は、食べるのがもったいないくらい見た目も美しいのです。

 小皿の醤油をちょっとつけていただくと、こんな小さい魚なのに、その味わいの濃厚なこと! これは日本酒ですね。菊正宗(420円)の燗酒をもらいます。

 万願寺ししとう(=万願寺とうがらし)は、舞鶴(京都府)の万願寺地区特産の大きな唐辛子で、一口大にカットしたものは、ピーマンかと思うほどの肉厚です。焼いて鰹節をのせたものに、サッと醤油を回しかけていただきます。

 唐辛子といっても、辛くはないのが万願寺とうがらしのおもしろいところ。ときどき当たり(辛いもの)があるらしいのですが、今日の万願寺には当たりはありませんでした。

 さっくりと40分ほどの滞在は、ふたりで1,970円(ひとり985円)でした。どうもごちそうさま。今度はゆっくりと来ますね。

090828a 090828b 090828c
「金田」 / お通しの冷奴 / 万願寺ししとう焼

店情報前回

《平成21(2009)年8月28日(金)の記録》

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こってり系もつ煮込み … もつ焼き「ほ志乃(ほしの)」(北品川)

煮込みは牛シロ、ハチノス、豆腐


 築地王さん華麗叫子さんと行く2軒目は、北品川にある、もつ焼・煮込みの人気店、「ほ志乃」です。

 G.Aさんの「至高のはらわた」の中でも紹介されていて、この店も、前から一度来てみたかったお店なのです。

「ここに来たら、煮込みを食べなきゃ」

 すでに何度もいらっしゃっている築地王さんも一押しの煮込み(500円)は、牛シロ(腸)とハチノス(牛の第二胃袋)を、豆腐とともに煮込んだもので、仕上げに刻みネギがトッピングされています。

 とろりとやわらかく、脂がたっぷりと付いた牛シロに、弾力感の残るハチノス。昭和34(1959)年の創業以来、継ぎ足し継ぎ足ししてきたという濃厚なみそ味の煮汁にチューハイもすすみます。

 実はこのお店、「東京 居酒屋名店三昧」でも、取材候補恬としてリストアップされていたのですが、その昔、アド街ック天国に出たら、お客が殺到。常連客からのクレームで、それ以来、一切取材を受けないことにしたということで、お断りされたのでした。

 たしかに、あまり大きくない店内(カウンター6席ほどに、4人掛けのテーブルが4つ)は、今日も近所のビジネスマンらしきお客さんたちでいっぱいです。この店内を、ご夫婦ふたりで一所懸命切り盛りされているので、これ以上、ドンと増えると困っちゃうんでしょうね。

 ここ「ほ志乃」には、看板メニューのもつ煮込み(500円)や、もつ焼き(1本120円)のほかに、アジたたき(豊後産、750円)やシメサバ(600円)、マグロブツ(650円)といった魚介類や、ラビオリ(470円)、フライドポテト(470円)、ちくわ揚げ(430円)などの揚げ物などもあって、大衆酒場風に、腰を据えてくつろぐことができそうです。

 メニューに肉ウドン(600円)もあるのがおもしろい。浅草の「正ちゃん」のように、煮込みをのせてくれるのかなあ??

 築地王さんおすすめのもう一品、ハンペン刺身(480円)は、八つに等分したハンペンの上に、“ダシ”という山形の漬物をのせたもの。添えられたワサビもちょいとのせていただきます。これまた、他では食べたことがない味ですねえ。

 1時間ちょっとの滞在は、3人で6千円ちょっと(ひとり2千円強)でした。どうもごちそうさま。噂にたがわぬいいお店でした。

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「ほ志乃」 / 天井の蛍光灯 / 煮込

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もつ焼・塩 / 肉じゃが / もつ焼・タレ

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ちくわ揚げ / 明太ウメキュウ / ハンペン刺身

店情報

《平成21(2009)年8月21日(金)の記録》

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店情報: もつ焼き「ほ志乃(ほしの)」(北品川)

    090821z2
  • 店名: もつ焼・煮込み「ほ志乃」
  • 電話: 03-3471-2596
  • 住所: 140-0001 東京都品川区北品川1-3-20-101
  • 営業: 17:00-23:00、土日祝休
  • 場所: 京急本線・北品川駅改札を出て左(横浜方面)へ。すぐ先を左に折れて、踏切を渡り、突き当たり(旧・東海道)を左折して、80mほど先、右手。改札を出て、徒歩4分(200m)ほど。
  • メモ: 〔もつ焼〕カシラ120、タン120、ハツ120、レバ120、シロ(てっぽう)130、ナンコツ120、ネギ120、ピーマン120、つくね150、上ミノ串300。〔飲物〕ビール650、仁勇(日本酒)650、芋・麦焼酎450、あさ開(冷酒)800、レモンハイ400、ライムサワー400、ウーロンハイ400、サッポロ生ビール600、ホッピー(白・黒)400。〔一品料理〕煮込500、肉豆腐600、揚げ出しドーフ550、ニラたまご炒め500、チーズスクランブル500、納豆オムレツ500、ラビオリ470、フライドポテト470、ちくわ揚げ430、さつまあげ500、お新香400、冷奴380、肉ウドン600。〔ホワイトボード〕アジたたき(豊後産)750、シメサバ600、するめいか沖漬け500、なまだこポン酢650、マグロブツ650、イワシ酢ジメ600、ハンペン刺身or焼480、メカブマグロ650、明太おろし400、かまあげしらす380、かんぱちカマ、ししゃも480、サバ塩焼650、穴子ホネせんべい400、タコときゅうり酢のもの480、ネギとマグロ串焼180、明太ウメキュウ450、冷しトマト380、いか一夜干し580。(2009年8月調べ)

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名物・活穴子踊り焼き … 割烹「牧野(まきの)」(新馬場)

名物・活穴子踊り焼き


 京急本線・新馬場(しんばんば)の駅から歩いて3分ほどの古い商店街の中に、おいしい海の幸が味わえる店、割烹「牧野」があります。

「名物の活穴子踊り焼き(1,650円)は必ず食べましょう」

 と注文してくれるのは、築地王さん。

 築地王さん、jirochoさん、「酔わせて下町」のFさんと一緒に、共著で出版した「東京 居酒屋名店三昧」でも、ここ「牧野」は紹介されていて、それを書かれたのが築地王さんなのでした。ぜひ一度来てみたかったお店です。

 活穴子は、注文を受けてからさばかれ、1尾分が、長さ方向に17分割ほどに切られて、お皿の上に整然と並べられて出てきます。

「わっ。すごいっ!」

 と驚きの声を上げるのは、もう一人、今日ご一緒させていただいている華麗叫子さん。なにがすごいって、切ってお皿に並べられている身が、ピクピク、ピクピクと元気よく動くのです。

 身の端っこのほうに、櫛(くし)切りのレモンがのっているのですが、そのレモンまでビクビク動いてしまうほどの元気よさです。

「皮のほうから焼いてくださいね」と、お店のスタッフが声をかけてくれます。

 その指示に従って、最初の数切れを、七輪の網の上にのせると、炙るにつれて、ジワァ~ッとUの字型に身が丸まってきます。

 皮の方に丸くなるかと思いきや、身がある側に丸くなって、なんとはなしに元の穴子の姿に戻っていきます。

 ふんわりと焼きあがったところで、添えられたワサビをのせて、ちょっと醤油をつけていただくと、とろりととろける脂ののった身が美味しいこと。

 飲み物は、四合瓶で出される冷酒「緑」(純米吟醸、3,500円)。焼きたて熱々の穴子と、よく冷えた冷酒の相性も良くて、お酒もクイクイ進みます。

「皮が香ばしくなるほどよく焼くのもうまいんですよ」

 という築地王さんの教えに従って、じっくりと焼き上げてみると、たしかにこれもうまい。身のプリプリ感は少なくなるものの、冷酒には、むしろこっちのほうが合いますね。

 今日は、まずメンチカツや、豪華な刺身盛り合せでスタートした後、ハタハタ焼き(3尾500円)と活穴子踊り焼き(1尾1,650円)をいただいたのでした。

 いろいろと打ち合わせもしながら、2時間弱の滞在は、3人で12,270円(ひとりあたり4,090円)でした。どうもごちそうさま。

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お通しの冷奴 / メンチカツ / 刺身盛り合わせ

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七輪が出されて、冷酒「緑」 / ハタハタ / 焼き上がり

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活穴子はピクピク動く / 皮のほうから焼くと / 身の側にくるんと丸まる

店情報

《平成21(2009)年8月21日(金)の記録》

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店情報: 割烹「牧野(まきの)」(新馬場)

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  • 店名: 活魚、ふぐ料理「牧野」
  • 電話: 03-3471-3797
  • 住所: 140-0001 東京都品川区北品川2-19-2
  • 営業: 17:30-23:00(22:30LO)(土は -21:30LO、祝は -20:30LO)、日・年末年始休(月が祝日の場合、日月連休)
  • 場所: 京急本線・新馬場(しんばんば)駅北口を出て、第一京浜沿いに北(品川方面)へ。次の信号を右に折れ、100mほど先、右手。駅から徒歩3分ほど。
  • メモ: カウンター、テーブルで55席。15人以上の宴会ならば日曜も営業可。「ぐるなび」あり。
    刺身盛り合わせ3品1800・5品2500・7品3500。地酒各種4合瓶3000~4500。
    平成21(2009)年8月21日(金)の「本日のおすすめ」(税別):活つぶ貝造り(北海道)1500、活朝〆かんぱち造り(鹿児島)1000、秋刀魚(さんま)造り(北海道)850、天然まぐろ(塩釜)赤身850・中とろ1000・大とろ1300、するめいか造り(宮城)700、〆さば造り(宮城)850、活鮑(あわび)造り(宮城)1200、活車えび造り3尾(奄美)950、活さざえ造り(大)(勝浦)1250、活夏がき2個(宮城・気仙沼)550、夏がきフライ3個850、江戸前穴子天900、江戸前白きす天700、ふぐ唐揚げ1200、アスパラガスゆでたて550・天ぷら550、つぶ貝にんにくバター焼780、いかの肝入りまるごと煮780、特製牛すじ煮込み450、だし巻き玉子焼600、冷しトマト加減酢ジュレがけ450、ダイコンあつあつ煮450、特製海鮮グラタン780、ハムとチーズの春巻き550、京菜はりはりサラダ550。〔酒肴〕ほうれん草ひたし480、いか肝ホイル焼き500、ポテトサラダ650、山形産えだまめ500、まるごと1丁揚げたて厚揚げ(注文いただいてから揚げますので15分ほどいただきます)450、三陸ほや酢の物500、茄子(なす)さっぱり煮450。〔磯の香り〕活穴子踊り焼き(当店一番人気です)1650、活さざえ焼き(大)1250、いか浜焼き680、げそしょうゆ焼き450、北海道ししゃも焼き(3本)600、はたはた焼き(3本)500、つぶ貝串焼き(2本)700、活車えび踊り焼き(3本)950、活たこ踊り焼き1300、ふぐ備長炭七輪焼き(日頃3000円のところ)1980。〔〆しめ〕特製大漁どんぶり(味噌汁付き)1250、漁師のまかない飯680、炙り〆さば飯700、ふぐ雑炊1000、もずく雑炊800、和風やきそば580、冷しさぬきうどん550、おにぎり各2個(鮭・おかか・しらす・のり・梅・たらこ・いくら)400、焼きおにぎり450、お茶漬け(鮭・梅・たらこ・青のり)550、どっさり青のり汁250。(2009年8月調べ)

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〔お知らせ〕 11月1日(日)、「ほろ酔いと~く」を開催します!

photo by Ebisu


 三栄書房から、『古典酒場』シリーズ第8弾となる「古典酒場・美酒揃いの日本酒酒場特集号」(10月16日(金)発売予定)が発売されるのを記念して、第5回となる「古典酒場ほろ酔いと~く」が開催されることになりました。

  • 日時: 平成21(2009)年11月1日(日)
      1回目: 女子会 (11:30開場)12:00~14:00 (定員20名・女子のみ)
      2回目: 初心者 (14:30開場)15:00~17:00 (定員40名)
      3回目: 上級者 (17:30開場)18:00~20:00 (定員40名)
  • 場所: ハーミテイジきくや(市ケ谷)
  • 会費: 5千円(料理+ホッピー飲み放題+ホッピービバレッジのお土産セット)

 お申し込みは、こちらからどうぞ。

 トークセッションの出演者は、前回と同じく、作家で雑誌編集者(ご趣味はランニングと大衆酒場巡り)の渋谷和宏(しぶや・かずひろ)さん、ホッピービバレッジ株式会社取締役副社長のホッピーミ~ナこと石渡美奈(いしわたり・みな)さん、古典酒場編集長の倉嶋紀和子(くらしま・きわこ)さんと、不肖、私でございます。

 こんなに長時間、飲み続けられるかなぁ……。その点がちょっと心配ながら、会場でお会いできるのを楽しみにしております!

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〔ご紹介〕 オヤジが通ってしまう店の条件 … 「日経レストラン」

「日経レストラン」


 10月1日(木)発行、「日経レストラン 2009年10月号」(税込み1,200円)では、「オヤジが通ってしまう店の条件」という取材を受け、記事にしていただいています。

 特集全体のテーマは「意外に知らない最後の“金脈” オヤジを狙え!」というもので、『オヤジ客の特徴は、客単価は低いが、来店頻度は高い』ので、そこが『不況下に残された最後の有望市場かもしれない』とした上で、老舗でなくてもできる「オヤジに受ける店の作り方」が提唱されています。

 オヤジ客は、これまで客単価が高いということでターゲットにされていた女性客とは正反対の客層なんだそうです。しかし、1ヶ月に1度4,500円を使う客と、1ヶ月に3回やってきて1,500円ずつ使う客が店に落とす金額は、実は同じ。

 呑兵衛の場合は、二日とあけずに通うことが多いので、1週間に3回くらいの頻度になりますもんね。

『気取らない料理と接客で勝負するオヤジ向けの店は、見栄を張らない若年層の男女にも支持を広げており、オヤジを狙うことは若年層の獲得にもつながる』

 オヤジ酒場の良さが見直されているのか、単なるビジネスチャンスとして捉えられているのかは微妙なところですが、オヤジ酒場が注目されてきてはいるようです。

 この「日経レストラン」。基本的に年間購読制のようなので、手に入れるのが難しいかもしれませんが、こちらもぜひご覧いただけるとありがたいです。

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〔ご紹介〕 呑んべぇフロンティア 野方 … 「東京通本」

「東京通本」


 去る10月2日(金)に発売された、京阪神エルマガジン社のムック(Meets Regional別冊)、「東京通本 ~TOKYO ADVENTURE~」(税込み780円)で、「呑んべぇフロンティア 野方」というページを担当させていただきました。

 この本は「こんな東京あったんや・・・」をキーワードに、『ターミナル駅の向こうにある、ごきげんなとなり街を探って、遊び心をクスグル、奇天烈な東京をまとめた1冊を作ろう』というコンセプトで作られたムックです。

 『ターミナル駅』というのは、たとえば東京、品川、渋谷、新宿、池袋、上野といった、いわゆる都心部の駅のこと。

 この本で目指した街は、その向こう側。東京であれば小岩。品川なら大井町。渋谷なら下北沢や三軒茶屋。新宿なら幡ヶ谷、高円寺、野方など。池袋なら江古田や十条。そして上野からは立石や北千住、といった、いわゆる『都内でも濃い街』なのです。

 私自身、自分が担当した部分以外は、誰がどこを書くのかということも知らなかったのですが、できあがった本は、全体としてとてもおもしろい仕上がりになっています。

 立石を書かれているのは、ミニコミ誌、「モツ煮狂い」でおなじみのクドウヒロミさん。鐘ヶ淵から八広を結ぶ「酎ハイ街道」のページも担当されています。

 新宿ゴールデン街や新宿二丁目の特集も濃いですねぇ!

 エルマガのムックで、いつも「すごいなあ」と感心しているのが、普通なら取材拒否のお店が、さらっと掲載されていること。今回の「東京通本」でも、私がふっと気づいただけでも「斎藤酒場」や「牛太郎」が載っているのがすばらしい。

 ぜひ手にとってご覧ください。

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