パターンをつけ麺風に … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(横浜市・日ノ出町)
昭和34(1959)年創業、今年で創業50年の台湾料理の店、「第一亭」にやってきました。
昼の11時半から、夜の11時半まで、12時間通しで営業しているこのお店。88歳になる創業者・中山富夫(なかやま・とみお)さんを中心に、桜田冨美枝(さくらだ・とみえ)さん、木村雪枝(きむら・ゆきえ)さんの娘さん姉妹。その弟さんの中山政彦(なかやま・まさひこ)さんの4人で交代しながら切り盛り中で、午後6時から9時のピークタイムには、さらに手伝いの女性も入っています。
ずらりと並んだ料理の中で人気があるのは、ホルモン炒め(600円)、チート(豚胃)生姜炒め(600円)、レバニラ炒め(600円)、そして青菜炒め(500円)の4品。
ひとりで来ると2品くらいしか食べられなくて悔しい思いをするのですが、今日は3人なので、人気の4品をすべて注文します。この店には少なくとも4人くらいできて、いろんなものを食べるのがいいのではないかと思います。
瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)をもらって乾杯し、飲み始めたところへ、まず出てきたのは青菜炒め(500円)です。今日の青菜はチンゲン菜。季節ごとに青菜は変わって、豚肉とともにシャキッと炒められます。何人かで来たときは、青菜炒めは必ず注文する一品です。
続いてチート生姜炒め(600円)。出てきたとたんに、ビジュアル的にもいかにもうまそうで、もつ嫌いな人でも必ず食べられる一品です。
横浜にもつ焼き屋が少ないのは、昔からこうやって中華のもつ料理があったからに違いないと私は思っています。横浜では、もつは決して“放るもん”ではなかったんですね。
カウンター内の厨房で、ゴォ~~ッと炎が立ち上って、出てきたのはホルモン炒め(600円)です。普通のもつ焼き屋の腸はゆでて仕入れているが、ここの腸は生で仕入れて下ごしらえしているので、プリプリ感がまったく違うのです。
「豚から取り出したままの状態で入って来たホルモン(腸)を、アク抜きするためにビールで洗って、その後、塩もみしながら2回洗って、時間をかけてゆすいだら下ごしらえが終わるんです。これを毎日、開店前に弟がやっています」
とお姉さんが教えてくれます。この店に来はじめてから、個人的にはずっとチート生姜炒めにはまっていたのですが、あるとき、このホルモンの下ごしらえの話を聞きました。で、1度食べみると、これがうまいこと! 以来、ずっとこのホルモン炒めをいただいているのでした。
レバニラ炒め(600円)は、お姉さんが一番得意な料理。レバとニラのほかに、モヤシやニンジンなどもたっぷりと入っています。
これら4品の他では、呑ん兵衛にはシジミ醤油漬(600円)も人気です。それ以外の料理もとても美味しそうなんだけど、これら4品+シジミもはずすわけにいかないので、これらの料理から抜け出せずにいるのでした。
紹興酒をボトル(2,000円)でもらって、飲み方はロック+レモンスライスです。冷たい紹興酒にレモンを入れると、いくらでも飲めるお酒になってしまって、とても危ないのですが、今日は呑ん兵衛3人だから大丈夫かな。
料理のほうは、野菜入りもつみそ煮(400円)を追加注文します。あらかじめ煮込みを終えて、冷まして置いているもつみそ煮を1人前、中華なべに取り、強力な火力でガァーッと熱々に仕上げて出してくれます。
そして最後は、つまみにもなる締めの麺、メニューに載っていない隠れメニューのパターン(冷たい麺のニンニク醤油和え、600円)をもらいます。
「うちのスープは、開業したときからずっと同じ作り方で、豚と鳥と野菜を何時間も煮込んで作っているんです。だから栄養もコラーゲンもたっぷり。だからね、うちに来るお客さんにはこのスープも味わってもらおうと思って、パターンにもスープを付けるようにしたんです。そのまま飲んでもいいんですけど、つけ麺のように、パターンをつけて食べるのも美味しいですよ」
へぇ~。その食べ方ははじめて知ったなぁ。どれどれ。
さっそくつけ麺風にスープにつけて食べてみると、ニンニクのパンチは減るものの、これもこれでとても美味しい。1品で2つの味わいが楽しんで、今日の締めとしたのでした。どうもごちそうさま。
紹興酒 / ロックでレモンを入れて / 中華鍋で仕上げるみそ煮
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