コテでいただく広島風 … お好み焼き「大福(だいふく)」(広島)
明日の広島での仕事に向けて、横浜での仕事終了後に新幹線で広島に移動です。
例によって、N700系のぞみの窓際席に陣取って、まずは新横浜駅で仕入れてきた缶ビールで喉を潤します。あぁ~、今日も仕事が終わったなあ。
つまみは、これまた駅で仕入れてきた崎陽軒のシウマイ。このシウマイが6個で270円とお手軽なのがうれしいんですよね。
いつもはシウマイ弁当(780円)などで、ビールも飲みつつ、腹ごしらえもしつつ、といった移動が多いのですが、今日は軽くシウマイ6個だけ。広島に着いてから、お好み焼きで一杯やろうと思っているのです。
広島駅に着いたのは、午後9時ごろ。今日の宿にチェックインしたら、すぐにお好み焼屋を探しに出ます。駅の近くにも、ずらりとお好み焼き屋がありますもんねえ。さすが広島です。
そんな中に、ちょっと小さくて、ちょっと古くて(失礼!)、いかにも呑ん兵衛らしい喧騒がワイワイと聞こえてくるお店を発見。さっそくその「大福」という店ののれんをくぐります。
角地の角を落した形の店内は、カウンターもL字の角を落したような造り。このカウンターの全面が鉄板というのが、広島風お好み焼き屋ならではですねえ。
その10席ほどのカウンターに、ずらりと6人ほどのグループ客が座って、ひとりに1個ずつのお好み焼きを前に生ビールを飲んでいます。女性もいて、年齢層も広いところを見ると、きっと職場の飲み会の流れでやってきたんですね。
私も生ビール(450円)をもらって、お好み焼きは、“そば・肉・玉子入り”(450円)を注文します。
関西風のお好み焼きや、東京のもんじゃ焼きなどは、自分たちで焼くことが多いのですが、広島風のお好み焼きは必ずお店の人が焼いてくれます。
まず鉄板の上に、溶いた小麦粉を薄く丸く広げ、クレープのように焼きながら、そのとなりでそばを炒めておいて、クレープのような生地の上に載せます。
となりのお客が「こうやって、そばを先にのせるのが、この店のスタイルなんですよ」と教えてくれます。普通は、そばは最後にのせるんだそうです。
こうやって、クレープの上にのせたそばの上に、キャベツとモヤシを山のようにこんもりと盛り上げて、肉を載せ、ふたつのコテでくるりと返します。手づかみで積み上げたキャベツとモヤシが飛び散らないのが、さすがプロだなあ。
天地が逆になって、上になったクレープ状生地の上には、丸い鉄板のような重しをのせます。こうすると全体に火が通りやすくなるんだそうです。
ひとしきり火が通るのを待って、すぐとなりに生玉子を割って、これまた小麦粉生地のときと同じように、コテで丸く広げたら、お好み焼きを横に滑らせるようにして玉子の上にのせ、またまたくるりと天地を返したら焼きあがり。
「うちのお好み焼きは、胡椒、ガーリック、唐辛子、青海苔をかけるんだけど、全部かけていい?」と店主。
「はい。全部お願いします」
初回は、その店のおすすめの食べ方がいいですよね。生ビール(450円)もおかわりします。
できあがったお好み焼きは、鉄板の上を滑らせて目の前においてくれます。
鉄板は店主の立っている奥のほうが熱くなっていて、お客が座る手前のほうはほんのりと温かい程度。これでお好み焼きが焼け過ぎることなく、うまく保温されるんですね。
これを一緒に出されるコテ1本で切り分けて、このコテのまま食べるのも広島流。
なにしろ、下から小麦生地、焼きそば、キャベツとモヤシ、肉、薄焼き玉子と層を成しているので、切り分けたものを箸でつまもうとすると、各層がバラバラになってしまったりするんですね。
コテを垂直に当てて、きれいな断層になるように切り分けて、その断層が崩れないようにそのままコテの上にのせ、そのコテの端から、切り分けたお好み焼きを食べるのです。
慣れない私のコテ使いはたどたどしいものの、地元のお客さんたちは老いも若きも、男性も女性も、実にうまく1本のコテを操りながら、上手に食べています。
6人組みの団体さんが帰った後も、店内には続々とお客さんがやってきます。ひとしきり飲んで来た人たちが、帰る前のシメタン(締めの炭水化物)でやってきてるんでしょうね。
1時間ほどの滞在。お勘定は1,350円でした。どうもごちそうさま。
シウマイと缶ビール / お好み焼き「大福」 / 鉄板のカウンター
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