炙ってうまいエリンギ … 樽酒「路傍(ろぼう)」(中野)
渋谷を後に、路線バス(京王バス:渋64系統)で中野へ。
時間的には、山手線で新宿まで行って、同じホーム向かい側の中央線各駅停車に乗り換えて中野に出るのが圧倒的に早い。しかしながら、渋谷駅前始発の路線バスにゆっくりと座って乗って、終点の中野駅前までの町の様子をながめながら、心地好いほろ酔い加減でうつらうつらしながら運ばれるという、この小さなバス旅行も捨てがたいのです。
赤羽駅~野方駅経由~高円寺駅路線(関東バス・国際興業バス:赤31系統)や、新橋駅~銀座、築地、月島、豊洲、木場、菊川、本所吾妻橋経由~業平橋駅路線(都バス:業10系統)なども好きなバス路線です。
地下鉄と違って景色が楽しめ、しかも電車よりもゆっくりと進むところがいいんですね。
中野駅に到着して、目指す樽酒「路傍」に到着したのは、午後9時過ぎ。
J字カウンター10席程度の店内には、先客の常連さんたちが4人ほどいて、店主夫妻と談笑中。たとえ一見さんであっても、店主夫妻がさりげなくふってくれる話題に返事したりしているうちに、知らぬ間に話の輪の中に入っているのが、この店のおもしろいところ。店主を中心にして、店全体に広がる会話が、この店の大きな特長なのです。
カウンター10席程度のみと書きましたが、実は店内には小上がりの座卓もあります。しかし、この座卓は、防犯ビデオのモニター用として、そしてやってくるお客さんたちの荷物置き場として使われているので、あまり座席としては機能していないのでした。もし、この座卓が活きていたとしても、ここに座ると、店内で展開される話題からは離れちゃいそうですもんね。やはりカウンターに座って、ワイワイと楽しむのがいいでしょう。
店の看板にも『樽酒』と明記されているとおり、この店の飲み物の売りは、広島・呉の「千福(せんぷく)」の樽酒(1杯800円)。注文を受けて、樽から一合升に注ぎ、粗塩(あらじお)を添えて出してくれます。
この粗塩をひとつまみ、一合升の角に盛って、そこからツ~ッと樽酒を呑むと、まるで水のようにやわらかい「千福」の甘い味わいと香りが口の中いっぱいに、そして鼻腔の奥からふんわりと漂ったあと、ゴクンと飲み込んで口腔を小さく閉じたところで、粗塩のしょっぱさを舌に感じます。酒の甘さと、粗塩のしょっぱさのいい相性。この組み合わせだけで、つまみ要らずでいくらでも呑めてしまうほどです。
J字のカウンターの中には囲炉裏が切られていて、カウンター上に並ぶ野菜類や、油揚げ、厚揚げなどを、ここで炙ってくれます。目の前に立派なエリンギがあるので、今日はこれを炙ってもらいましょうか。大きな1本が、そのまま囲炉裏の炭火の上にのせられます。
エリンギの焼き上がりを待つ間は、お通しの厚揚げと紫蘇をつまみながら、ちびりちびり。
囲炉裏の上では、あんなに大きかったエリンギが、炭火に炙られてちょっとしぼんだ感じになって焼きあがり。熱々のところを繊維にそって細く割いて、サッと醤油をかけ、レモンスライスを添えて出してくれます。
このエリンギがシャキシャキと実にいい食感で、レモン醤油の味わいも日本酒とよく合います。これはいい。すぐに樽酒(800円)もおかわりです。
エリンギというと、一口大にカットしたものを串に刺して焼いたものは、もつ焼き屋でよくいただくのですが、こうやって丸ごと焼いたものは初めて。この食べ方のほうがうまいなあ。
午後11時半まで、2時間半ほどの滞在は2,700円でした。どうもごちそうさま。
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コメント
こんにちは。
たまりませんね。
輪の中で盛り上がるうちに飲みすぎてしまいそう・・・
家の近所なら毎日でも。って感じですかね。
投稿: セラピストm | 2009.11.24 15:25