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二十三区内南端の名店(2/4) … もつやき「三平(さんぺい)」(雑色)

ワッパ(タレ)


 この店の料理のメニューは、基本的には、1本90円のもつ焼きと、1人前250円のガツ生しかありません。

 もつ焼きは、カシラ、タン、ハツ、ナンコツ、ワッパ、ナンナン、シロ、ガツ、レバー、アブラ、トントロ、コブクロ、アワピーの13種類で、それ以外にウズラ玉子、ネギ、ピーマンの3種類(これらも1本90円)があるのが、かろうじてサイドメニュー的な存在です。

 ただし、開店1時間後の現時点で、メニューに並んでいるもつ焼きは、ナンナン、ナンコツ、タン、レバ、カシラ、シロ、ガツ、ワッパ、ハツの9種類しかありません。

 8年前から、平均すると月に1回のペースでこの店に通っているというiiさんも、全メニューが並んでいる状態は、まだ見たことがないとのこと。なかなか口にすることができない、幻のもつ焼きも多いんですね。アワピーって、どこの部位なんだろうなあ?

 最初に「ゴマ油はかかってますから」と言いながら持ってきてくれたのはガツ生(250円)です。これはあらかじめ作ってあるものが冷蔵庫に保存されているので、すぐに出てくる一品。iiさんも、毎回、最初はこのガツ生からスタートするんだそうです。

 ガツ生といっても、本当の生ではなくて、ゆでて細く切ったガツ(豚の胃)を皿に盛り、刻みネギ、黒胡椒、そしてゴマ油をかけたもの。これに酢、醤油、青海苔で味付けしていただきます。好みで練りガラシ、七味唐辛子などを加えてもOKです。ちょいと練りガラシを付けて食べるのがiiさんのおすすめです。

 カウンター上、テーブル上には、これらの調味料(上で挙げたもの+ゴマ油、塩)がずらりと置かれていて、自由に使うことができます。

 レバ生、ハツ生が出てきました。

 これら2品は、ガツ生とは違って、もつ焼き用の串に刺したレバーとハツを、焼かずに生のまま出してくれるもので、刻みネギと、好みでおろしたショウガまたはニンニクをのせて出してくれる一品。

 値段ももつ焼きと同じく1本90円で「レバ生を2本、ニンニクで」と本数と味付けを指定して注文します。iiさんが注文したように、特に味の指定をしなければ、おろしショウガで出されるようです。

 このレバ生やハツ生。サッと醤油を回しかけて食べるというのが基本的な食べ方です。

 しかし、これもまた個々人のお好み次第。ここでもテーブル上にずらりと置かれた調味料が威力を発揮します。iiさんは、レバ生はいつもゴマ油+塩で食べるのだそうで、レバを串からはずし、チャチャッと味付けをしてくれます。ハツ生は、基本どおりに醤油をかけて、ショウガ醤油で、さっぱりといただきます。

「生は早めに無くなってしまうので、あればまず生を注文するのがいいですね。もつ焼き用と、生で出す用のものを分けている店もあるようですが、この店ではどちらも同じものです。もつ焼きも、この生で食べられる串がそのまま焼かれるんです。後でレバのチョイ焼きも注文しようと思いますが、これがムチャクチャうまいんですよ」とiiさん。

 ワッパは気管(ナンコツ)と、頭肉の脂の部分(アブラ)を交互に刺した串。一番人気のアブラに次ぐ、二番人気のもつ焼きです。

 しつこくない甘さのタレは、1週間に1度作って、継ぎ足し継ぎ足しで使っているんだそうです。

 頭肉がカシラとアブラに分かれていて、食道あたりの部位も普通のナンコツと、軟らかいナンナン、そしてアブラと混ぜたワッパに分かれているという、もつ焼き専門店ならではの分類も、人気の理由のひとつなんでしょうね。

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ガツ生 / レバ生2本 / ハツ生2本

店情報  ( 1 2 3 4

《平成21(2009)年9月19日(土)の記録》

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 最初にたのんだ品物が全部出たところで、「親父さん、レバちょい焼き2本、タレで」と、iiさんが予定どおりの品を追加注文してくれます。  iiさんが「親父さん」と呼ぶ、焼き台担当の初老の男性が、この店の二代目店主・戸嶋福三郎さん。  親父さんの父親である創業者(初代)がこの店を始めたのは、昭和27(1952)年のこと。当時、初代は60歳、親父さん(現店主)は小学校5年生だったそうです。その初代が15... [続きを読む]

受信: 2009.12.12 14:48

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