ていねいな仕事が人気(前編) … やきとん「すっぴん酒場(すっぴんさかば)」(野方)
平成18(2006)年11月15日に創業した「すっぴん酒場」は、今年で創業3周年。地元の常連さんたちに愛される、商店街の人気店です。
この店の特徴は、品質が高く、鮮度のいいモツの仕入れと、店主のていねいで一所懸命な調理です。
店主・徳宿克治(とくしゅく・かつじ)さんは、洋食屋で働いた後、神田にあるやきとりの「三政(さんまさ)」(03-3251-2518、千代田区神田多町2-7)で修業をして、この店をオープンしました。その「三政」と同じ仕入先からモツを仕入れ、「三政」仕込みの調理法でていねいに仕上げてくれます。高級もつ焼き店「三政」の味と技が、ここ「すっぴん酒場」ではよりリーズナブルに楽しめるのです。
うなぎの寝床のように、奥に向かって細長い店内には、奥に向かって長く立ち飲みカウンターが伸びます。一番手前と、一番奥は直角に曲がって短いカウンターになっているので、全体としては、上下に引き伸ばした「コ」の字型です。15~6人立てる店内を、店主夫妻がふたりで切り盛りします。
人気の飲み物は黒ホッピー(セットで400円)で、チューハイ(セットで350円)がそれに続きます。特筆すべきは焼酎の量の多さで、1杯あたり120~130mlと、横須賀ホッピー並みの濃さを誇ります。この濃さで、ジョッキには氷も入っているので、ソト(瓶入りホッピー)1に対して、ナカ(焼酎、200円)が3~4は行けてしまいます。
「立ち飲みですので、泥酔してしまったり、寝ちゃったりする人はいませんね」
と店主。これも立ち飲みならではのいいところです。なにしろ自分で立っていられる限度までしか飲めませんものね。
今日のお通し(100円)はキュウリ、トマト、ネギのマリネ。洋食屋さんでも修業されてたことがあるだけに、こういう料理もお手のものです。もつ焼き用の串2本が箸(はし)代わりです。
つまみのほうはピンコロ大根(150円)からスタート。ピンコロ大根は、生の大根を一口大に切って、醤油とサラダ油をかけたもの。ピンっと新鮮で、コロっとしているからピンコロ大根と名付けたんだそうです。一口大の大根が15個ほど入っているので、もつ焼きの合いの手にもぴったりです。
もつ料理の1品目はレバ刺(400円)。注文を受けてから、冷蔵庫に保存している金属ケースのレバーのかたまりが取り出され、筋っぽい部分や、端っこの部分などを切り落としながら、ていねいに、ていねいに調理が始まります。ひと切れ、ひと切れが小さく、食べやすく、ほぼ同じ大きさにカットされるのが「すっぴん酒場」のレバ刺の特長。薬味にはニンニクかショウガが選べますが、店主におまかせすると、粗く砕いたニンニクとがトッピングされ、横に刻みネギと練りガラシが添えられて、醤油がかけられています。全部をグリグリとかき混ぜて食べるのが私のおすすめです。
もつの刺身は、レバ刺以外に、ガツ刺(400円)とコブクロ刺(400円)があります。
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