iiさんはこう楽しむ(後編) … 豚料理「味珍(まいちん)」(横浜)
尻尾と豚足をいただいたところで、サイドメニューの辣白菜(ラーパーサイ、300円)です。辣白菜は白菜の漬物。中華料理の辣白菜は、白菜の甘酢+唐辛子漬けで、白い色合いですが、ここ「味珍」の辣白菜は、それに醤油が加わっているので、淡~く褐色がかっています。
「昔は夏場は白菜がなくて、キュウリやキャベツを漬けたりしてたんですよ。今は夏でも、信州の高原や北海道で作った白菜が入るので、年中ありますけどね」と店長。
この辣白菜にも、iiさんおすすめの食べ方があります。それは、テーブル上のおろしニンニクを入れて、豚料理用に作ったタレをちょいと付けて食べるというやり方。ピリッと辛みが加わって、口中がよりリフレッシュされます。
続いては、みんなから猪肚(チュートウ)と呼ばれる豚の胃(700円)をもらいます。
「あと、腐乳(フニュウ)を1個だけもらえますか」と追加注文するiiさん。
腐乳というのは、香港から輸入された発酵豆腐で、本当は小さな2個に刻みネギがトッピングされたものが1人前で150円。豆腐の塩辛とでも言うべきしょっぱさとコクで、お酒がどんどん進む一品です。
iiさんは、この腐乳を1個だけもらって、その小皿にお酢を入れて、腐乳を溶かします。これを猪肚を食べるときのタレにするのです。
コラーゲンたっぷりの尻尾や豚足と比べると、弾力が決め手の猪肚は、あっさりとした味わい。これを腐乳+お酢ダレでいただくことで、濃厚なコクが加わって、いい味わいになるのです。タン(豚の舌、700円)にもこの腐乳ダレがよく合います。
2個1セットの一人前の腐乳をもらって、1個はそのままつまみにし、残る1個をお酢で溶いてタレにするのがいいのではないかと思います。
カシラ(700円)には、くらげサラダ(400円)とピータン(300円)です。
カシラは、豚の頭肉をチャーシュー状に巻いて、プレスハムのようにかためたもの。「味珍」の豚料理の中では、普通の豚肉にもっとも近く、初心者にも安心してすすめることができます。
くらげサラダは、レタスの上に、くらげ、玉ネギ、コーン、紅生姜などを置き、ドレッシングをかけたサラダ。
薄くスライスされたカシラで、このくらげサラダを巻くようにして食べるのも、iiさんのおすすめの食べ方です。ワシワシと食べることができます。
そしてピータン。「味珍」のピータンは、黄身のところが(特に今日のは)トロトロの上物。中華街などでは8つに切って出すお店が多いのですが、ここ「味珍」のものは、トロトロなので、4つにしか切り分けられません。
塩をパラリとふって食べるのもいいのですが、お酢とラー油をかけて食べるのがiiさんのおすすめ。
「いつもは、くらげサラダの上に、ピータンものせて出してもらうんですよ」とiiさん。常連さんたちはいろんた食べ方を楽しんでるんですね。
iiさんがこの店に来はじめた15年ほど前は、ほとんどが男性ひとり客で、お皿2枚に焼酎を2杯くらい飲んで、40分くらいでスッと帰っていく人が多かったんだそうです。今や若い女性客も大勢いて、隔世の感があります。(トイレは狸小路の共同トイレで、女性用は鍵を借りて行きます。)
iiさんがこの店に通い続ける魅力は、お客と一体で作り出した店の雰囲気にあるんだそうです。4店舗ある各店で、それぞれ雰囲気が違うのもおもしろいところ。各店の店長さん、店員さんに、それぞれお客さんがついて、各店の雰囲気を作り出しているのです。
料理が残った場合は、持ち帰り可能なのも「味珍」のいいところです。どうもごちそうさま。
2階の店に入った場合は、帰りに急な階段を転げ落ちないように気をつけましょうね!
| 固定リンク | 0
コメント
浜田様
居酒屋探偵DAITENです。
先月、こちらのお店に始めて行って参りました。
本当に雰囲気のあるお店です。
生まれ故郷の路地裏にそっくりなので、
さらに愛着を持ってしまいました。
投稿: 居酒屋探偵DAITEN | 2009.12.25 00:36