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2010年1月

〔コラム〕 「千円台で楽しむ おとなの居酒屋」連載終了

千円台で楽しむ おとなの居酒屋

 2007年10月以来、続いてきた「ダイヤモンド・オンライン」の連載、「千円台で楽しむ おとなの居酒屋」が1月22日付けの記事をもって無事に終了いたしました。穴をあけることなく、最後まで務めることができてホッとしているところです。

 最終回、第55回の紹介店は、阿佐ヶ谷の「川名」でした。

 最終回の記事の中にも書きましたが、この連載を通して、『2杯程度のお酒と2品程度のつまみをいただいて、ちょうどいいホロ酔い加減になって、千円台で済む酒場』が、都内各所にたくさんあることを改めて知ることができました。

 なるべく地域が散らばるように書いたため、同じ地域の店(最寄り駅が同じ店)は、多くても2軒しか紹介できていません。しかしながら、今週1週間のブログ記事を見ていただいてもわかるとおり、立石エリアだけでも軽く10軒を超える「千円台で楽しめる酒場」があることはみなさんもご存知のとおりです。

 連載は終わりましたが、これからも「千円台で楽しむ おとなの居酒屋」を探して、各地に出かけて行きたいと思います。

 連載のすべての記事には、こちらのリンクからたどれますので、興味のある方はぜひよろしくお願いします。

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牛レバー刺身発祥の店 … 「丸好酒場(まるよしさかば)」(八広)

牛レバー刺身


 「ゑびすや食堂」を出て、みなさんと解散し、detchさん、出版社のSさんと一緒に向かったのは八広(やひろ)の「丸好酒場」です。

 今から11年前、1998年10月に出版された名著「下町酒場巡礼」の冒頭(第1章の第1話)を飾る店が、ここ「丸好酒場」です。それを読んで以来、ずっと来てみたかったのですが、なかなか機会がなくて、やっと今日、常連のdetchさんさんに連れてきてもらうことができました。この店でdetchさんの奥さんのm蔵さんとも合流です。

 まずは丸好ハイボール(300円)をもらって乾杯し、この店に来たならぜひ食べないと、という1品目、牛モツ煮込(400円)をいただきます。

『この店に来たら忘れてはならないのが牛もつ煮込みだ。注文すると、カウンターの内側の大鍋でぐつぐつ音を立てている煮込みを器に盛って、レバー刺しなどにも使われる特製のニンニク醤油だれをかけて出される。他の店に比べて、もつの脂分が多いのが特徴だ。うどんにモヤシやネギを乗せ、このもつ煮込みをぶっかけたホルモンうどんもおすすめ。客の注文によって玉子を加えることもある。』

 件(くだん)の「下町酒場巡礼」では、そう紹介されている牛モツ煮込は、こってりと濃厚で、ハイボールとの相性も抜群です。

 detchさんおすすめのニラ玉子焼(250円)は、女将さんがフライパンでふんわりと焼き上げてくれて、仕上げに特製ニンニク醤油ダレです。このタレが決め手だな。

 そして、もうひとつの名物、牛レバー刺身(400円)。この店は、日本で初めて牛レバー刺身を出した店なんだそうです。もちろんこれにも特製ニンニク醤油ダレがかけられます。

「どれを食べても美味しいんですよ。ご飯や丼ものもあるので、がっつりと仕上げることもできます」

 とdetchさん。すすめられるままにナスピーマンあんかけ(250円)や、意外にあっさりとしている豚足ヤサイスープ(300円)、ウスターソースが一緒に出されるポテトサラダ(350円)、おふくろの味・いか大根煮(250円)と食べ進みますが、本当にはずれがない。

 ここでちょいとトイレに立ちます。「下町酒場巡礼」で、『日本一小さい』と紹介されているトイレにもぜひ行っておきたかったのです。いったん店を出て、店の裏手に回ったところに、トイレの入り口扉があります。その扉を開けると、すぐ目の前が小便器。扉の中には入れないので、扉を開けたまま、目の前の小便器に向かって用をたします。ほとんど立ちしょんのような気分です。

 キュウリ古漬(250円)で口中をリフレッシュしたら、最後はdetchさん一押しの野菜炒(400円)です。モヤシたっぷりの野菜炒めには、味噌と白ゴマがトッピングされていて、それを絡めながらいただきます。シャキッと仕上がった野菜炒めがいいですねえ!

 本日の5軒目にも関わらず、美味しさのあまり、ついこんなにたくさんの料理をいただいてしまいました。超満腹で家路に着いたのでした。

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。>Sさん、detchさん、そしてm蔵さん。

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丸好ハイボール / 牛モツ煮込 / ニラ玉子焼

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ナスピーマンあんかけ / 豚足ヤサイスープ / ポテトサラダ

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いか大根煮 / キュウリ古漬 / 野菜炒

店情報

《平成21(2009)年10月24日(土)の記録》

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店情報: 「丸好酒場(まるよしさかば)」(八広)

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  • 店名: 丸好酒場
  • 電話: 03-3611-2420
  • 住所: 131-0032 東京都墨田区東向島6-63-6
  • 営業: 16:00-22:30(日は12:00-20:00)、当分の間、月・火・金定休(2009年10月の店内張り紙)
  • 場所: 八広駅(京成押上線)を出て、鐘ヶ淵通りを鐘ヶ淵駅(東武伊勢崎線)方面に北上すること約300m。水戸街道(国道6号線)との交差点の左手前角。
  • メモ: 名物の牛レバ刺しは日本で初めて出したという噂。牛煮込みは脂こってりでうまい。いろんな料理の仕上げに、先代が考案したという特製醤油ダレが使われる。 〔食べもの〕牛レバー刺身400、牛レバー焼650、牛モツ煮込400、牛ハツ刺身300、牛ハツ塩焼450、豚足350、どぜう丸煮500、どぜう(玉子入)鍋800、ニラ玉子焼250、ポテトサラダ250、野菜炒め400。 〔飲みもの〕丸好ハイボール300、ウーロンハイ350、ライムハイ350、梅干入酎ハイ400、梅酒ハイボール350、生ビール中500・小350、瓶ビール大550、ギネスビール500、清酒(千寿舞)350、ウィスキー(サン白)ハイボール400、ビタミンC抹茶割り350。 〔丼もの〕ホルモン丼500、牛丼550、ジャジャめん450、ホルモンめん550、肉うどん600。 〔ホワイトボードの手書きメニュー〕どぜう鍋玉子入800、どぜう皿500、自家製いか塩辛300、豚バラしょうが焼700、ニンニク正油漬350、野菜炒400、ポテトサラダ350、牛肉ニンニク煮350、豚足350、松前漬300、キュウリ古漬250、冷ヤッコ250、冷トマト250、ニラ玉子焼250、いか丸焼450、サバミソ煮400、赤タイ焼450、鮭かま焼350、いか大根煮250、ジャガカレー250、ナスピーマンあんかけ250、里いも煮300、しいたけバター焼350、春菊ゴマ合250、マグロ刺身650、マグロブツ400、しめさば350、キュウリぬか漬250、ナメコ汁300、しじみ汁250、とうふ汁200、豚足ヤサイスープ300、あんず酒、牛千枚(センマイ)300、牛ハツ焼450、牛ハツ刺身300、牛レバ焼650、牛レバニラ炒650、どぜう丸煮500、どぜう鍋玉子入800。(2009年10月調べ)

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食堂の皮を被った酒場 … 「ゑびすや食堂(えびすやしょくどう)」(立石)

湯豆腐


 「ミツワ」を出て、今日の4軒目は「ミツワ」から見てイトーヨーカドーの反対側。「ゑびすや食堂」です。この店も来たいのに、まだ来れていなかった課題店です。

 朝から開いてる大衆食堂ながら、店内にずらりと並ぶメニューは大衆酒場そのものだし、ほとんどのお客さんは飲んでいるという、立石らしい(?)大衆食堂なのです。

 しかも、「東京 居酒屋名店三昧」(東京書籍)を読みながら「ミツワ」に来ていた若い美女4人連れを、Fさんが「私たちが著者です!」と(かなり強引に)誘ってくれて、彼女たちも一緒に「ゑびすや食堂」なのでした。

 酎ハイ(300円)を注文すると、厚手のグラス1杯の焼酎と、それとは別に瓶入り炭酸1本と、氷とレモンスライス、マドラーの入ったサワーグラスが出されます。これらを使って自分で酎ハイを作るという、昔ながらのスタイルです。

 土鍋で出される湯どうふ(350円)は、真ん中に一緒にあっためられたポン酢醤油も付いていて、思いっきり呑ん兵衛好みするタイプ。これだけでもただの大衆食堂ではない! って感じです。

「ここに来たら、ふぐひれ酒も飲まなきゃ」

 という、立石通のみなさんたちの進めにしたがって注文したふぐひれ酒は、なんと290円。普通の日本酒だって、この値段では飲めない店が多いのに、価格破壊的な値段です。

 なにしろここはメニューの幅が広くて、しかも安い。

 たとえば刺身はカンパチやスズキ、カツオたたきなどが380円、甘エビが340円、そしてイカやタコ、〆サバは300円です。

 天ぷらだって穴子やメゴチが300円、エビ天やエビフライなら500円。この500円という価格が、ご飯もの以外の一品料理では最高価格で、他にはトンカツやポークソテーが500円です。

 逆に一番安いのは焼のりや梅干の100円で、納豆、冷やっこの150円がそれに続きます。

 今度はもうちょっとお腹がすいてるときに来て、もっといろんなものを食べてみたいお店です。

 お付き合いいただいた美女軍団のみなさん、本当にありがとうございました。

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酎ハイ / カレールー / ふぐひれ酒

店情報

《平成21(2009)年10月24日(土)の記録》

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店情報: 「ゑびすや食堂(えびすやしょくどう)」(立石)

  • 店名: ゑびすや食堂
  • 電話: 03-3692-1719
  • 住所: 124-0012 東京都葛飾区立石1-15-11
  • 営業: 08:30-20:30、月休
  • 場所: 京成立石駅2番出口(南口、仲見世側)の階段を下りて、右にUターンして直進。イトーヨーカドーの先を左に折れた先、右手。
  • メモ: 朝から開いてる大衆食堂ながら、店内はすっかり大衆酒場モードである。カウンター10席、座敷2卓、テーブル2卓。 〔本日の定食〕かつおたたき700、カキフライ750、豚肉生姜焼700、サーモンフライ700、マーボー豆腐600、どじょうやな川700、まぐろホホ肉ステーキ700、さんまひらき/あじひらき600、あじ/いか/若さぎ/フライ/天ぷら600、牛すじ煮込み600、穴子/野菜/めごち/天ぷら600、かんぱちさしみ700、煮魚(銀ムツあら煮/たら)680、焼魚(鮭かまみそ漬け/子持ちあゆ塩焼)680、チキンカツ700、メンチカツ700、牛焼肉700、えびフライ/天ぷら750、とんかつ750、まぐろさしみ800、うな丼800、納豆150、冷やっこ150、焼のり100、梅干し100、玉子100。 〔一品料理〕湯どうふ350、あんきも350、カレーライス600、お茶漬け450、紅鮭ハラス320、穴子天ぷら300、川エビから揚270、にんにく丸揚げ250、めごち天ぷら300、しめさば300、あまえびさしみ340、どじょうやながわ400、にこごり260、かんぱち刺身380、いか一夜干し280、子持ちあゆ塩焼400、かつおたたき380、ぶりかま塩焼450、すずきさしみ380、ぎんなん焼200。 (壁の短冊メニュー)生野菜300、いかさし300、酢だこ300、まだこ300、しめさば300、ハムサラダ300、月見いも300、山かけいも500、チーズ250、明太子300、ハムエッグ220、とんかつ500、ポークソテー500、えび天ぷら500、えびフライ500、チキンライス550、オムライス600、玉子丼650、かつ丼700、親子丼700、天丼700、カレーライス600、ライス(みそ汁付)大290・中230・小200。 〔飲み物〕ふぐひれ酒290、酎ハイ300、緑茶ハイ300、生ビール500など。(2009年10月調べ)

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奥の座敷でゆっくりと … もつ焼き「ミツワ(みつわ)」(立石)

頭赤身(アカミ)タレ


 立石の3軒目は、口開け(午後5時)の「ミツワ」です。

 奥の小上がり席に集まったメンバーは、宇ち中(うちちゅう)さん、出版社のSさん、歩く酒場データベースKさんやdetchさん、「酔わせて下町」のFさんに、この店から新たに、ぼあ子さんと、ミステリー作家の高田崇史さんのお二人も加わって、総勢8人です。

 ボール(焼酎ハイボール320円)をもらって乾杯すると、立石通のみなさんたちが、この店の名物を次々に注文してくれます。

 まずは、だんご塩に、だんごタレ。ふんわりと軟らかいハンバーグのように仕上がっただんご(つくね)は、ショウガの風味とミソ味がよく効いています。

 前回は売り切れていた、うなぎ串焼き(1本300円)も塩とタレでいただきます。もつ焼きが1皿2本で180円(1本あたり90円)という値段に対して、うなぎの1本300円は高いなあと思っていたのですが、出てきたうなぎ串焼きを見てびっくり。ひと切れ、ひと切れがずっしりと大きいうなぎの身が1串に3切れと、たっぷりです。これで300円なら納得(というか安い)です。

 ほとんどのお客さんが注文する刺身の三点盛り(500円)も、もちろんいただきます。今日はクジラ、マグロ、シメサバ、イワシ、カンパチ、ホタテ、ミル貝などがメニューに並んでいます。

 注文を受けてから豆腐を入れる煮込み豆腐(270円)。濃厚な煮込み汁が、なめらかな食感の豆腐によくからんで絶品です。

 もつ焼き(2本180円)は、舌(タン)塩、頭身(アブラ)タレ、軟骨(ナンコツ)タレ、舌(タン)ほぐし、心臓(ハツ)タレ、頭赤身(アカミ)タレ、大腸(シロ)タレ。

 今回は口開けとともに入ったので、売り切れている品物がなく、前回は売り切れていたタンやナンコツ、アカミなども食べることができました。

 しかしながら、「宇ち多゛」、「江戸っ子」、そしてここ「ミツワ」と、それぞれ近くにある3軒が、それぞれに独自の個性で、その店ならではのおいしいもつ焼きを出してくれているのがすごいですよねえ。

 こうなると立石ホルモン四大名店の残る一角、「ホルモン屋」にもぜひ一度行ってみたいので、ぜひよろしくお願いします! > 誰とはなく

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だんご塩 / だんごタレ / うなぎ串焼き塩

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うなぎ串焼きタレ / 刺身(鯨、〆鯖、鰯) / 刺身(鮪、〆鯖、帆立)

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煮込み豆腐 / 舌(タン)塩 / ハイボール+レモン汁

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頭身(アブラ)タレ / 刺身(勘八、ミル貝、鮪) / 軟骨(ナンコツ)タレ

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舌(タン)ほぐし / 心臓(ハツ)タレ / 大腸(シロ)タレ

店情報前回

《平成21(2009)年10月24日(土)の記録》

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味のついた絶品串揚げ … 立飲み「串揚100円ショップ(くしあげひゃくえんしょっぷ)」(立石)

串揚100円ショップ


 「宇ち多゛」を出て、歩く酒場データベースKさんやdetchさん、「酔わせて下町」のFさんも合流して向かったのは、線路のすぐ近くにある立ち飲みの店、「串揚100円ショップ」です。

 店名のとおり、串揚げ全品が1本100円。1種類2本からの注文になりますが、今日は人数も多いので大丈夫ですね。

 「串揚100円ショップ」の創業は平成15(2003)年6月。創業6年を過ぎて、7年目のシーズンに入っていますが、私自身、この店にやってきたのは、今日がはじめて。立石には行きたい店が多すぎて、私のようにときどきやってくるくらいでは、なかなかすべてを回りきれないのです。

 今日の同行者は、ほとんどの方がこの店のリピーター。酎ハイ(250円)をもらって乾杯したら、注文はみなさんにお任せします。

 他の関西風串揚げの店と同じく、カウンターの上段に油切りのバットが置かれ、下の段には「二度付け禁止」のソースと、食べ放題のキャベツ、そして各自の取り皿が置かれます。

「この店にやってきたら、これは絶対に食べなけりゃ!」

 と注文してくれた1品目は大根です。

「え!? 串揚げで大根なの?」

 と思いながらも、言われるままにソースも何もつけずに口に運んでみると、なんと、この大根、味が付いているんです。ものすごく上品にできあがったおでんの大根に、薄い衣をつけて揚げたような感じ。初めての食感ですねえ! これはおいしい。

 そしてコンニャク。これまた「なぜ、あえてコンニャクなの?」と思う一品ですが、これまたコンニャクにいい味がついてるんです。甘~く煮たコンニャクの串揚げです。おもしろいなあ。

 関西風串揚げ(串カツ)というと、小さいネタに、分厚い衣がついて、ネタもさることながら、もっちりとした衣もまた楽し、といったイメージだったのですが、この店の串揚げは衣が薄い。カリッと薄い衣の下から、ちゃんと味のついたネタが出てくるのです。

 続いて紅生姜ロール。これも何もつけないでいただきます。紅生姜を豚肉で巻いてるのかな。あっさりと食べやすい味わいです。

 うずら玉子はたっぷりとソースをつけて、里芋は塩をふっていただきます。

 店のおにいさん(店主)もユニークだし、串揚げもおいしいし、なにしろ安いし。今度は1軒目としてじっくりと来てみたいですね。

 ひとり千円ずつ出して、おつりは次の店(三次会)の会費となりました。どうもごちそうさま。

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「串揚100円ショップ」 / 大根 / コンニャクと紅生姜ロール(奥)

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紅生姜ロールの中身 / うずら玉子はソースで / 里芋は塩で

店情報

《平成21(2009)年10月24日(土)の記録》

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店情報: 立飲み「串揚100円ショップ(くしあげひゃくえんしょっぷ)」(立石)

    串揚げ100円ショップ
  • 店名: 立飲み「串揚100円ショップ」
  • 電話: (なし)
  • 住所: 124-0012 東京都葛飾区立石7-2-11 モナークマンション立石1F
  • 営業: 15:00-22:00頃(売り切れ仕舞)、火曜と、カレンダーの2・4列目の月曜休
  • 場所: 京成立石駅の改札を出て、左前方の階段を下り、踏切のところで左折。「鳥房」の先を右折し、「呑んべ横丁」に入る。道なりに左に折れると、ほぼ突き当りにある。向かいはもつ焼きの「江戸っ子」。
  • メモ: 平成15(2003)年6月、東京都葛飾区立石1-22-7にて創業。平成27(2015)年5月3日に現在の場所に移転した。お店のローカルルールが(冗談も含めて)明記されている。
    • ソースの二度漬けは禁止
    • おまかせセットは人数分で注文する。(百人のグループの場合、百人前注文する。)
    • 揚げ皿、ソース皿は勝手に動かさない。
    • 空いたジョッキや皿等は会計のときまで上段のカウンターに置かない。(空いたジョッキや皿の数でお勘定します。)
    • 竹串は絶対に食べないでください。(特に先週ご来店のパンダのお客様!)
    • タバコは床に落とす。(閉店時に親切なお客様が掃除します。)
    • マスターの男前に文句をつけない。(こわもてwwとか言わない。)
    • ミシュランの調査員は入店お断り。
    • ブログ、ツイッター等では、適当に大絶賛しておく。(特に食べログ♪)
    • 店内の掲示物(うさんくさいポスター)は、日付以外は本気にしないこと。
    〔串揚げ〕1本100円で2本からの注文。さつま芋、椎茸、エリンギ、カボチャ、にんにく、タマネギ、里芋、こんにゃく、大根、いか、ホタテ、ウズラ玉子、鳥ササミチーズ、鳥ネギマ、もちチーズ、ベーコンチーズ、新じゃがベーコン、アスパラベーコン、ウィンナー、ハムカツ、豚ヒレ、豚ねぎロール、紅生姜ロールなど。おまかせ6本セット(600円)もあり。
    〔飲み物〕生ビール450、日本酒450、芋焼酎450、ウイスキーハイボール450、酎ハイ300、れもんサワー300、うめサワー300、緑茶ハイ300、ウーロンハイ300、生グレープフルーツサワー400、グラスワイン400、オレンジジュース200、ウーロン茶200など。(2016年8月調べ)

    091024z2 紅生姜ロール、カボチャ、里芋、さつまいも、大根、ニンニク、シシトウ、コンニャク、豚ヒレ、ささみチーズ、つくね、鳥ネギマ、豚ロール、アスパラベーコン、うずら玉子、もちチーズ、ウインナー、ホタテ、イカ、海老しいたけ、豚ねぎロール、ベーコンチーズ、ハムカツ、ねぎ椎茸など。おまかせ6本セット(600円)もあり。キャベツはおかわり自由。お新香200円。酎ハイ250、ウーロンハイ250、レモンサワー250、うめサワー250、生グレープサワー350、生ビール400など。(2009年10月調べ)

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店内は6人で切り盛り … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

お新香とタン生、焼酎梅割り"


 先週の土曜日に引き続いて、今週も宇ち中(うちちゅう)さんと宇ち入りです。

 今週は出版社のSさん、Oさんも加わって4人で、宇ち中さんが「ニの字」と呼んでいる、表側の入口すぐ左手に2本並んだ細いテーブル席の奥のほうに、4人が並んで座ります。

 まずはまだ残っていたタン生(もつ焼きはすべて1皿2本で180円)とお新香(1皿180円)、そして煮込み(1皿180円)をもらって、飲み物は宇ち中さんと私がビール大瓶(540円)を分け合って、SさんとOさんは、最初から焼酎の梅割り(180円)です。

 「宇ち多゛」の創業は終戦直後の昭和21(1946)年。場所は今の場所のままですが、最初は仲見世通りに面した小さな店として創業し、徐々に徐々に広がっていって、裏側の入口があるほうまで突き抜けて、横にも広がって今の大きさになったんだそうです。だから店内の形状も、かっちりと四角形ではなくて、継ぎ足し継ぎ足ししたようなスタイルになっているんですね。

 現在の店内には約40人が入ることができますが、これを男性3人、女性3人の合計6人で切り盛りしています。

 常連さんたちの噂話によると、その6人の構成は次のとおりです。

 煮込み鍋の横、L字のカウンターの中にいるのが、マスターこと二代目店主で、客席は三代目のアンチャンと、九州出身のソウさん(男性)が担当しています。お新香を出してくれるお女性が、二代目店主の奥さんで、アンチャンのお母さんです。焼き台を担当しているのは、マスターのお姉さんと、その娘さんの母娘。もつ焼きが焼きあがると、この娘さんが、

「シロタレよく焼きぃ~っ!」

 と、とてもよく通る声で店内にアナウンスしてくれます。これをアンチャンやソウさんが、

「シロタレよく焼きはどこ?」

 と確認しながら、席まで持ってきてくれるのです。

 もつ焼きは、あらかじめ下ゆでしていることもあってか、ほとんど待つこともなく焼きあがってくるのが「宇ち多゛」の特長で、しかも間違いが少ないのです。私が知っている範囲では、味や焼き具合なども含めて、注文したものと違うものが出るのを見た記憶はありません。

 なお、焼き台の娘さんが大きな声で「レバ塩若焼きぃ~っ」とアナウンスしてくれる呼び方が、アクセントの場所やイントネーションなども含めて、「宇ち多゛」のもつ焼きを注文するときの呪文の唱え方の基本となります。慣れないうちは、この呼び方をよく聞いて覚えるのがいいのではないかと思います。

 お店の営業は平日は13:30ごろ開店の売り切れ仕舞い(19:30ラストオーダー)、土曜日は昼ごろ開店して売り切れ仕舞いというのが基本ですが、行列の状況などによって多少ずれることもあるそうです。

 本当は平日も土曜日も14:00開店だったらしいのですが、行列が周りのお店に迷惑をかけないようにしているうちに、今の状態になったようです。

 たっぷりと2時間ほどの滞在は、4人で5,940円(一人あたり1,485円)でした。どうもごちそうさま。

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煮込み / ハツ生・お酢 / レバ塩・若焼き

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アブラタレ / ガツ素焼き・お酢 / お新香・お酢

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シロタレ / シロ塩とガツ塩(2人前用の大皿で) / シロ味噌・よく焼き

店情報前回

《平成21(2009)年10月24日(土)の記録》

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やっと塩イカ胡瓜もみ … 酒処「吉本(よしもと)」(新宿)

塩イカ胡瓜もみ


 太田和彦さんの「精選 東京の居酒屋」(1993年4月、草思社)で、「吉本」の塩イカ胡瓜もみ(770円)のことを読んで以来、一度食べてみようと、この店に来るたびに注文していたのですが、いつも売り切れで、これまで食べたことがありませんでした。

 今日もダメもとで、「塩イカ胡瓜もみはありますか?」と聞いてみたところ、なんと今日はありました。そんなわけで初めていただく塩イカ胡瓜もみです。

 「精選 東京の居酒屋」には『いかの塩漬けで、ワタを抜いた腹に塩をつめこみ足(げそ)でふたをする。食べるときは裂いて塩出しして、きゅうりスライスと和える。新鮮な魚のなかった海なし県の長野県に昔からある塩蔵保存食』であると書かれています。

 その続編の「新 精選東京の居酒屋」(2001年12月、草思社)にも詳しい説明があります。

『薄く切り、水で塩出ししてきゅうりもみと和える。あまり塩出ししすぎないのがコツだ。あっさりした塩味に、いかのもちもち感ときゅうりのしゃきしゃきした歯応えは、日本酒にたいへんよく合う。事実私は帰省するたびにスーパーで大量に買い込み、晩酌の友にいつも重宝している。吉本では季節には刻み茗荷を加え、さらに爽やかな居酒屋の一品料理にしている。』

 今日の塩イカ胡瓜もみにも刻み茗荷(みょうが)が入っています。

『では長野の居酒屋にこれがあるかというと、まったくない。長野県では最も日常の安いおかずで、とても店で金をとれるものと見なされていないのだ。つまり日本中でこれを出す店は、この吉本だけなのである。』

 ここ「吉本」の創業者(先代)が、長野県の出身なんだそうです。

 ずらりとそろった珍味類も「吉本」の名物のひとつ。かき塩辛(三重、600円)、ホタルイカ沖漬(富山、600円)、子の綿(能登、660円)、塩ウニ(礼文島、660円)、鮎うるか(岐阜、660円)、生からすみ(長崎、660円)、蟹味噌(鳥取、660円)、ホヤ塩辛(宮城、660円)、蜂の子(長野、600円)、ままかり酢漬(岡山、660円)、氷頭(北海道、660円)、かつお酒盗(和歌山、600円)、蟹内子(釧路、660円)などが並んでいて、それらの中から好みの3点を選べる珍味三点盛は880円とお得です。

 今宵は蟹味噌と、かつお酒盗、子の綿の三点盛をいただきました。

 合わせる日本酒は、店主おすすめの長野・志賀高原・小布施の「ソガ ペール エ フィス(Soga pere et fils)」(グラスで770円)。まるでワインのようなボトルです。

 日本酒の品ぞろえは常時70種以上と豊富で、3銘柄を飲み比べることができる利き酒セット(880円など)もいろいろと用意されているので、あまり日本酒に詳しくなくても楽しめます。

 ゆっくりと2時間ほど楽しんで、お勘定は二人で8千円弱でした。どうもごちそうさま。

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「吉本」 / 珍味三点盛 / 「ソガ ペール エ フィス」

店情報前回

《平成21(2009)年10月23日(金)の記録》

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お皿までピッカピカに … 大衆食堂「つるかめ」(新宿)

ソイの頭


「バカコンポジャ。バカが牛肉で、コンが英語で言うとwith、ポジャは鶏肉だから、beaf with chiken ってことですね」

「えぇ~っ! すごいっ。なんでそんなことわかるの?」

「学生時代にスペイン語を取ってましたから」

 と話してくれるのは、ホッピービバレッジおたマイクカレラさん。

 これまた名物の、バカでアホでフラメンキン(牛肉のガーリック味天ぷら、500円)にしても、バカが牛肉、アホがニンニク、フラメンキンはいろんな具材を巻いて揚げたコルドバ発祥の料理と、これまた極めて真面目なネーミングです。

 カレラさんは、「古典酒場」の記事も書かれているコピーライターの齋藤利也さんとともに、タレ部というミニ同好集団も作っています。タレ部というのは「最後に残ったタレだけで十分につまみになる」というタレ好き集団のことで、カレラさんにかかると、ソイの頭(ソイ丼の具の部分だけをつまみにしたもの、400円)のお皿もごらんのとおり、ピッカピカに食べ切ってしまいます。

「割り箸に染み込んだタレを、チュパチュパ吸いながらホッピーが飲めますよ」

 と笑いながら話してくれるカレラさんですが、高級な割り箸は、タレの吸い込みが悪くてダメなんだそうです。

 私自身、コノワタだとか、豆腐ようなどの、チビッとなめるだけでお酒が飲めるようなつまみが大好きなので、タレ部の人たちの気持ちがよくわかります。

 ちなみに、このチビッとだけなめる系統のつまみのことを、私は『一本ばし系のつまみ』と呼んでいます。普通に1膳(2本)のはしでつまむと、たくさん取れすぎるので、おはしを1本だけ使って、その先っぽにちょっとだけつけるようにしていただくからです。

 それにしても、ソイの頭をここまできれいに食べた人は、はじめて見たなあ。すばらしい!

店情報前回

《平成21(2009)年10月22日(木)の記録》

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南房総名物さんが焼き … 割烹「味とめ(あじとめ)」(三軒茶屋)

サンマのさんが焼き


 「味とめ」の壁全面にずらりと並んだメニューは、その数ざっと350種類以上。あれやこれやと、ないものはないんじゃないかと思うくらい。

「今日はサンマのさんが焼きがあるわよ」

 という女将(おかみ)さんのおすすめに従って、さっそくそのサンマさんが焼きをいただくと、くるりと大葉に包まれたさんが焼きが、陶板焼きの状態で登場です。

 鯨のメニューだって、くじら刺(1,050円)、くじら立田揚(890円)、干くじら(630円)、くじら天ぷら(890円)、くじら皮刺(1,030円)、さらしくじら(630円)という品ぞろえ。干くじらや、くじら天ぷらなんて、食べたことがないでねえ。

 干くじら(630円)をいただいてみると、これは味付けした鯨の干し肉をさっと炙ったもの。干しても軟らかいのが鯨ならではでしょうか。

 この干くじら、千葉県南房総に江戸時代から伝わる伝統的な食べ物なんだそうで、「くじらのたれ」とも呼ぶんだそうです。

 ここの女将さんが千葉(南房総)出身なので、なめろうや、さんが焼き、くじら料理などはまさに地元の味なのです。

 女将さんは70代だというのに記憶力抜群で、今日も、店に入る前、まだ通りを歩いている段階で「あら、久しぶり」と、たまたま店の外に出ていた女将さんに声をかけられたのでした。

「新聞や雑誌を見てね、おいしそうだな、と思うものはすぐに取り寄せるのよ。食べてみておいしかったら、すぐにメニューに加えてたら、こんなにたくさんになっちゃったのよ」と笑う女将さん。

「そこの席はね」と、私が座っていた、入り口から見て一番手前の、一番左端の席を指して、「太田和彦さんがはじめていらしたときに座った場所なのよ。それを何かの本に書いてくださってね。お客さんがたくさん来てくれるようになったのよ。この横丁も、どんどんお店が入れ替わってるんだけど、うちはなんとかがんばってます(笑)」と話してくれます。

 さらにウツボのたたき(980円)や、もずくの天ぷらをいただきながら、ホッピー(430円)をぐびぐび。もずくの天ぷらが、これまたうまいですねえ! これも初めていただきました。

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干しくじら / ウツボのたたき / モズクと野菜の天ぷら

店情報前回

《平成21(2009)年10月22日(木)の記録》

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殻付ガキを純米燗酒で … 「栄屋酒場(さかえやさかば)」(横浜・日ノ出町)

殻付ガキと純米燗酒


 寒くなってくると食べたくなるのがカキですね。

 今日の「栄屋酒場」には、殻付カキ(5個、750円)のほか、カキ天(650円)もメニューに載っています。

 あなご天(630円)が名物の「栄屋酒場」だけに、カキ天にも非常に引かれるものがありますが、今シーズンの初カキは、やっぱり生の殻付カキにしましょう。合わせる飲み物は純米酒「東龍」(550円)の燗です。

 出てきたカキは、お皿からはみ出さんばかりの大きさのものが5個。この大きさで1個あたり150円というのが、さすが「栄屋酒場」ですねえ。リーズナブルに魚介類を楽しむことができるお店です。

 くし形切りのレモンが添えられていますが、最初の1個はそのままツルリ。

 片側の殻をはずしてくれてるだけかと思いきや、ちゃんと貝柱の切り離しもしてくれていて、カキの身、全体がするりと口の中に入ってきます。

 ん~~~。身そのものの塩加減がちょうどいい。調味料いらずです。

 冷たい生牡蠣を食べたところで、お猪口の燗酒をグビリ。あぁ、うまい。生牡蠣と純米酒(しかも燗酒)は絶妙の相性です。

 今日の1軒目は「福田フライ」。店の外側の、フライヤー横のカウンターに陣取って、チューハイ(400円)をもらって、カボチャ(140円)と串カツ(140円)を揚げてもらいます。

 週末ならば辛いソースでいただくところですが、まだ火曜日なので、今日は普通のソースに、たっぷりと練りガラシを付けていただきます。

 チューハイ(400円)をおかわりして、つまみにはタラ煮付(500円)をもらいます。「福田フライ」は魚介類もおいしいのです。

 1時間ほど立ち飲んで、お勘定は1,580円。

 2軒目として「栄屋酒場」にやってきたのでした。

 燗酒(純米酒、550円)をおかわりして、キヌカツギ(350円)を注文すると、しばらくして出されたキヌカツギはできたての熱々。しかも一皿に10個も盛られているではありませんか!

 できたて熱々のキヌカツギは、こんなにもホクホクとおいしいんですね。はじめて知りました。

「うちの近所でできたんだけど、これも食べてみて」

 と出してくれた茹でピーナツは、なんと大人の親指ほどもある大きなもの。店主夫妻の近所の人が開発した、新種のものなんだそうです。

 1時間ほどくつろいで、「栄屋酒場」のお勘定は2,200円。

 JR桜木町駅へと戻りつつ、今日の3軒目はバー「」に入ります。

 ジントニックを飲んだ後、スティンガー、サイドカーと、ブランデーベースのショートカクテルを続けざまに2杯いただきます。きっちりと作られた、本格的なカクテルを楽しめるバーで締めて、お勘定は3,400円。火曜日にしては、ちょっと飲みすぎたかな。

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「福田フライ」のカボチャと串カツ / タラ煮付 / 「栄屋酒場」

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お通しの漬物 / きぬかつぎ / ゆでピーナツ

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「R」 / スティンガー / サイドカー

・「栄屋酒場」の店情報前回

《平成21(2009)年10月20日(火)の記録》

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飲み仲間が続々と集結 … 居酒屋「とっちゃんぼうや」(立石)

オムライス


 宇ち中さんdetchさん、U先生、そして「宇ち多゛」の店内で合流した「酔わせて下町」のFさんや、歩く酒場データベースのKさんと向かう2軒目は、このところ立石あたりの飲み仲間の口によくのぼる「とっちゃんぼうや」です。

 本来の開店時刻は午後5時半ながら、detchさんが「宇ち多゛」にやってくる道すがら、「とっちゃんぼうや」の奥さんに出会って、「みんなで早く来るからね」というお話をしておいてくれたそうなのです。

 そんなわけで、店に入ったのは午後3時半。店内にはすでに、なおとんさんやふじもとさんも到着されていて、合流です。

 さらにm蔵さん(detchさんの奥さん)、Kさんの奥さん、ぼあ子さん、Kちゃん、Yちゃんといった女性陣も続々と合流して、カウンター6席、テーブル8席で全14席の店内もけっこういっぱいになってきました。

 ここ「とっちゃんぼうや」の特徴は、とにかくメニューが多いこと。入口の引き戸の表にも裏にも、そしてその周りにも、そして店内の壁という壁はもちろんのこと天井にまでもメニューがずらりと張り出されています。

 普通のつまみ類はもちろんのこと、スパゲティーやカレーライスといった食事系のメニューが多いのも大きな特徴です。

 店頭の立て看(たてかん)にも、『洋食屋。お食事をしながら軽く一杯』と書かれているとおり、まさに食事までもが楽しめる居酒屋で、しかもほとんどのメニューが600円以下というのがうれしいではありませんか。

『お店用語、BHK(黒ホッピーください)、WHK(白ホッピーください)』

 という張り紙があったり、「トバ一郎」(380円)、「明日食わずにコンニャク煮」(350円)なんていうメニューがあったりと、店主ご夫妻が二人で切り盛りする「とっちゃんぼや」は遊び心もたっぷりです。

 みんなでワイワイと飲んでるうちに、普通の開店時刻(午後5時半)になり、ガラリと引き戸が開いて入ってきたのは、なんと「居酒屋ジャンキー」のジャンキーさん&マーブルさんご夫妻です。うーん。すごすぎる。

 私自身、初の「とっちゃんぼうや」だったのですが、豪華なメンバーとの飲み会に、ゆっくりと3時間以上も楽しんで腰を上げます。

 こんなにいっぱい食べたのに、さらにみんなと一緒に「蘭州」の餃子をいただいたあと、歩く酒場データベースKさんご夫妻と北千住に移動して、古い店舗での最終営業日となる「酒屋の酒場」でちょっと飲んで、最後に「龍馬」でもちょっと飲んでから帰宅したのでした。

 長時間お付き合いいただき、ありがとうございました。>みなさん

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ずらりと並んだメニュー / イカリングと生キャベツ / テッポウ刺

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グラタン / ポーチドエッグ(ミートソースがけ) / シーザーサラダ

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カリカリたこ焼き / ナポリタンスパ / アジ刺

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ポークソテイジンジャー(生姜焼) / 野菜天ぷら / アジの中骨も唐揚げに

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「蘭州」 / 水餃子 / 焼餃子

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「酒屋の酒場」 / 焼あなご / げそ焼き

店情報

《平成21(2009)年10月17日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「とっちゃんぼうや」(立石)

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  • 店名: とっちゃんぼうや
  • 電話: 080-3511-0818
  • 住所: 124-0012 東京都葛飾区立石4-26-2
  • 営業: 17:30-24:00(日祝は16:00-23:00)、火休
  • 場所: 立石駅の北側の階段(「宇ち多゛」のある仲見世商店街とは逆側)に降りて、Uターン。駅の下を抜けてくる地下道のところで右折して、駐輪場を左に見ながら、レンガ通りを直進すること約60m。右手の焼肉「アリラン」の先の路地を右に入った先、右手。
  • メモ: カウンター6席、テーブル8席の14席。〔もつ焼き〕タン、ハツ、カシラ、ナンコツ、レバー、テッポウ、シロ各1本100。〔焼き鳥〕カワ100、ネギマ120、手羽先260、つくね120、ぼんじり200。〔スパゲティ〕ナポリタンスパ500、インデアンスパ500、バジリコスパ500、ペペロンチーノスパ550、ミートソーススパ580、明太子スパ600。〔ピラフ〕ハムピラフ500、ドライカレーピラフ500、エビ(ハンガリー風)ピラフ580、チキンピラフ550、オムライス(生野菜添え)600。〔カレー〕田舎風カレーライス500、焼き土鍋カレーライス650。〔魚料理〕鮭ステーキメンドテールバター500。〔肉料理〕ポークソテイジンジャー(生姜焼)600、ポークソテイ田舎風(野菜入りソース)600、ポークピカタ(黄金焼)650。〔馬肉料理〕霜降馬刺900、馬タンスモーク850、さくらユッケ700、さくら串1本180。〔玉子料理〕ハムエッグ400、スクランブルエッグ400、ポーチドエッグ(ミートソースがけ)400、プレーンオムレツ400、マレンゴ(ミートソースがけ)400。〔サラダ〕グリーン420、ダイコン480、シーザー480、イタリアン550。〔その他〕さんま刺250、あじ刺又はタタキ450、ナメロウ500、生ガキポン酢400、鮭の白子ポン酢400、牛・豚モツ煮込み豆腐400、ハツ唐揚げ(四川風)350、若鶏の唐揚げ480、さつま揚げ350、ちくわ磯辺揚げ300、ウインナーベーコン巻500、生キャベツ(特製みそ)180、イカ姿焼き480、カリカリたこ焼き300、焼きとんそく450、まぐろ竜田揚450、とっちゃんぼうや巻480、馬鹿(うましか)巻500、フランスパン(ガーリックトースト)350、一口ソーメン250、梅おろしそば300、スパニッシュライス(スペインのおかゆ)450、塩ラーメン380、みそラーメン400。〔鍋物〕湯豆腐鍋(ポン酢)450、水炊き鍋(ポン酢)700、石狩鍋(みそ味)700、ちゃんこ鍋(しょうゆ味)800。〔飲み物〕サワー350、カミナリハイボール400、カシスオレンジ450、カシスグレープ450、カシスウーロン450、カシスソーダ450、デイタオレンジ500、デイタグレープ500、ジンフィーズ450、ジンライム450、ジントニック450、スクリュードライバー450、ソルティドッグ450、モスコミュール450、キンミヤボトル1,800。(2009年10月調べ)

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宇ち中さんと土曜日に(後) … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

レバたれ若焼き


 飲み物を焼酎梅割(180円)に切り換えて、もつ焼き(1皿2本で180円)に突入です。もつ焼きはシロ、レバ、ガツ、アブラ、ナンコツ、ハツ、カシラ、ツルの8種類。このうち遅い時間(土曜日は午後2時前ですでに遅い時間なのです!)でも残っている確率が高いのはシロ、レバ、ガツ、アブラの4種類です。

 その4種類もだんだん減ってきて、最後はシロとレバの2種類程度。それでも十分に楽しめるのが「宇ち多゛」のすばらしいところです。毎日、売り切れ仕舞いとなります。

 まずは「アブラ多いとこタレ」。アブラは頭肉の脂の部分ですが、その中にも脂の多い部分、少ない部分があります。常連さんたちは、この脂の量も指定するんですね。

 宇ち中さんが初めて「宇ち多゛」にやってきたのが平成5(1993)年のこと。そのときに、このアブラタレを食べて大いに感動し、それ以来、少なくとも週に3日程度はこの店に通いつめ、後に「宇ち多゛中毒」を自称した「宇ち中」というブログを立ち上げるほどの「宇ち多゛」フリークになったのだそうです。このアブラタレは、宇ち中さんの思い出の一品でもあるんですね。

 続いてガツ塩。「宇ち多゛」のガツは、ひと串に白い部分と黒い部分が刺さっていて、味はもちろん、ビジュアル的にも楽しめるが特徴です。

 レバタレ若焼き。土曜日は食肉市場が休みなので、レバ生はありません。そこでレバ生好きの人たちは、レバ塩(超)若焼きや、レバタレ(超)若焼きなどの、軽めにあぶったレバを注文します。

「ガツとシロ、1本ずつ」という宇ち中さんの注文で出てきたのは、ガツ生とシロ生が1本ずつのったお皿。焼き物は1種類2本1皿で1人前(180円)となりますが、生のときだけ1種類1本ずつ注文可能です。逆にガツとシロを「1本ずつ」と注文したことで、それぞれが生であるということも伝わるんですね。大忙しの中で、間違えなく注文が伝わるためのルールのひとつです。

 「酔わせて下町」のFさんや、歩く酒場データベースのKさんもやってきて、たまたま空いていた近くの席に入りました。我われも焼酎梅割(180円)をおかわりです。

 普段、この店にひとりでやってきたときの宇ち中さんの楽しみ方は、焼きを2皿、生を1皿もらって、梅割焼酎を2杯半。これでジャスト千円になるんだそうです。

「煮込みも好きなんですけど、あまりたくさんは食べられないほうなんで、泣く泣く煮込みを我慢して、焼き2皿、生1皿にしてるんです。3皿でちょうどいいくらいです」

 と宇ち中さん。ちなみに梅割焼酎2杯半の「半」というのは、半分ということで100円。一番最後にだけ注文することができるもので、「半分」を注文したあとに焼酎のおかわりはできません。

 逆に、普通に焼酎のおかわりをしたときに、お店の人から「あと半分ね」と言われて、半分しか注いでもらえないこともあります。これは、「あなたはもう飲み過ぎだから、これを飲んだら帰りなさい」ということです。梅割焼酎は、飲みやすいんだけど、けっこう効きがいいので、飲みすぎ注意です。

 最後に注文したもつ焼きは「シロタレよく焼き」です。ここのシロは、しっかりと弾力感のある食べ心地です。

 食べるものもほぼ売り切れて、ゆっくりと1時間半ほどの滞在。かなりたっぷりと飲み食いしたのに、ひとりあたり千円ちょっとというのがうれしいではありませんか。やあ、おいしかった。どうもごちそうさまでした。

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アブラたれ / ガツ塩 / ガツ生、シロ生

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焼酎梅割 / シロたれよく焼き / 閉店直前の「宇ち多゛」

店情報前編

《平成21(2009)年10月17日(土)の記録》

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宇ち中さんと土曜日に(前) … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

タン生


 土曜日の今日は、宇ち中(うちちゅう)さんと「宇ち多゛」です。

 店に着いたのは午後1時半。合流したdetch(でっち)さん、U先生とともに、表の行列に並ぶこと15分。大きな鏡の下のテーブルに4人並んで入ることができました。

 いっけん怖そうに感じる「宇ち多゛」ですが、実は非常にホスピタリティにあふれていて、行列の先頭に来たときに「4人です」と申告しておくと、なるべくその4人が近い席になるように配慮してくれるのです。

 とはいうものの約40人のキャパシティの中に、ひとり客からグループ客まで混在していますので、そう都合よく4人分が空くとは限らない。

 ポコっと空いた席に、ひとり、またひとりと入っていって、4人全員が入れる状態になったときに、ひとり客のみなさんに場所を移動してもらったりして、近くに寄せてくれたりするのです。(もちろん、必ずうまくいくというわけではありませんので、多大なる期待はしないようにお願いします。)

 ただし! 店内での待ち合わせは禁止で、必ずグループ全員がそろってから列に並ぶことがルールです。

 まずは大瓶ビール(キリンラガー、540円)をもらって乾杯し、おかず(←「宇ち多゛」では肴のことをこう呼びます。各180円)には煮込みと、お新香、タン生をもらいます。

 「宇ち多゛」の煮込みは、具はシンプルにもつのみ。ただし、そのもつがいろんな部位が入っていて、早い時間帯であれば、好みの部位を多めに入れてもらったりすることも可能です。

 口開け直後であれば、ホネと呼ばれる豚の顎(あご)の骨の部分が10人前程度あることも有名ですね。私も1~2回、いただいたことがありますが、よく運動する口のまわりの、骨ぎわの身が美味しいことは言うまでもありません。

 お新香は大根とキュウリのぬか漬け。普通にお新香と注文すると、これに紅生姜をちょっとトッピングして、醤油をかけて出してくれます。

 もつ焼きや煮込みに、いろんなオプションの指定があるのと同じように、お新香にもオプションがあります。

 有名なのは「お新香お酢」や「大根」でしょう。お新香のあとに「お酢」と指定すると、醤油をかけたあとにお酢もかけて出してくれるので、さっぱりとした味わいになります。「大根」は、キュウリなしで、大根だけ(紅生姜のトッピングはあり)を出してくれるものです。こちらも「お酢」という指定ができます。

 今日の注文は「お新香、生姜のっけてお酢」という長いフレーズ。こう注文すると、トッピングの紅生姜を増やしてくれるのです。

 常連さんの中には、醤油もお酢もかけないで、シンプルにぬか漬けそのもの味を楽しみたい人もいらっしゃるようです。この場合の注文は「お新香、かけないで」となります。

 もちろんこれらはあくまでもオプションで、通常は「お新香ください」と注文するだけでOKです。

 逆にオプションの呪文と唱えるときは、必ず約束事にしたがって唱える必要があります。まるで戦場のように大忙しの状況の中で、普段とは違う注文の仕方をされると、みんなが混乱してしまうのです。オプションの呪文は、お店に何度か通って、十分慣れてから唱えたほうがいいのではないかと思います。私もまだ呪文はうまく唱えられなくて、今日の注文もすべて宇ち中さんが唱えてくれています。

 そしてタン生。「宇ち多゛」には焼いたタンはなくて、タンはすべて生になります。

 生といっても、本当に生なのはレバだけで、ほかのもつは、すべて下ゆでを終えた状態のものが生と呼ばれます。

 タン生も、きれいなピンク色のみごとなゆで加減。丸ごとゆでた舌を、縦方向にスライスしてから、ひと口大にカットするのが「宇ち多゛」の特徴で、お皿の上には三日月形のタン生が並びます。プリップリの弾力感がたまりませんねえ。

(つづく)

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煮込み / お新香 / タン生

店情報前回

《平成21(2009)年10月17日(土)の記録》

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待ちわびた再開のとき … 酒亭「武蔵屋(むさしや)」(横浜・桜木町)

「武蔵屋」のタラ豆腐


 しばらくお休みしていた「武蔵屋」が今日から再開するという話を聞いて、横浜から都内の自宅へと帰る途中で、桜木町駅で途中下車です。

 「野毛ちかみち」を抜けて、ちょっと早足になりながらトポスの裏側の路地を曲がると…。やあ、灯りがついてますねえ。

 ガラリと引き戸を開けて店内へ。

 なぜかは知りませんが、「武蔵屋」では「いらっしゃいませ」という声はかけません。

「おひとり? こちらにどうぞ」

 と笑顔で迎えてくれるおばちゃん。半年以上のブランクがあっという間になくなる瞬間です。

 示された席に座るとすぐに、手伝っている若い男性が湯呑みに入った塗りばしを持ってきてくれます。

「お酒になさいますか?」

「最初に小瓶をください」

 あぁ。このやり取りも、前となんにも変わらないなあ。

「お酒になさいますか?」とか「お酒でいいですか?」と聞かれたときに、「はい」と答えると、「桜正宗」の燗酒が土瓶からコップに注がれます。

 1杯目の燗酒とともに玉ネギの酢漬けと、おから、そしてお客が来てから作りはじめるタラ豆腐が出され、2杯目と一緒に納豆が、3杯目のときにお新香が出されて終了となります。3杯以上の燗酒は飲めないことから、「三杯屋」という通称でも呼ばれているほどです。

 もちろん絶対に3杯飲まなければならないわけではなくて、3杯以内なら、どこで止めてもかまいません。

 1杯と、それに付いてくる3品の肴(さかな)で終えた場合のお勘定は1,100円。2杯目をもらって納豆までで飲み終えた場合は1,700円。しっかりと3杯と5品をいただいた場合は2,200円となります。だから「自分は弱いから、3杯も飲めないや」と思っている人でも安心してどうぞ。

 お酒は3杯以上飲めませんが、肴が足りない場合は、コハダの酢の物や、ニシンの煮付け、煮貝、キヌカツギなど、何種類かのつまみが、それぞれ1品400円でそろっています。店内にメニューはありませんので、定番以外の料理が欲しい場合は、おばちゃんや、手伝いのおにいさん、おねえさんにたずねてみてください。

 私が「最初に小瓶をください」と注文したのは、燗酒を飲む前に、まずビールの小瓶をくださいということです。キリン一番搾りの小瓶と、小皿に盛られた塩豆や落花生などのセットで500円。大瓶ならば700円です。

 あぁ。ビールもうまいし、燗酒もうまい。よかったなあ、再開して。

 今後は、おばちゃんたちの体調を見ながら、週に3日、火・水・金の営業を目標に店を開けていきたいそうです。休み休みでもいいので、いつまでも長く続いてもらいたい名店です。

 ビールの小瓶と3杯セットで、お勘定は2,700円でした。どうもごちそうさま。

「なるべくまっすぐお帰りください」と見送られながらも、ついついハシゴしてしまうのも、これまた以前とまったく同じです。

 まっすぐに「ホッピー仙人」に行き、桜木町駅まで出る道すがらで「福田フライ」でもう一杯。自宅近くまで電車に揺られているうちに、ちょっと酔いもさめてきて、最後に「満月」でトマトハイ。「武蔵屋」からはじまった、楽しい夜になりました。

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「ホッピー仙人」 / 「福田フライ」 / 「満月」

店情報前回

《平成21(2009)年10月16日(金)の記録》

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生ホッピーと多くの肴 … 酒処「秀(ひで)」(立石)

「秀」の生ホッピー


 「ミツワ」を出たところで、近くの「毘利軒」で飲んでいるという「酔わせて下町」のFさんとも連絡がつき、detchさん、m蔵さんご夫妻と4人で向かったのは、生ホッピーの飲める店、「秀」です。

 ここには白・黒両方の生ホッピーがそろっていて、それぞれ450円。両方の生ホッピーがあるということは、ハーフ&ハーフもできるわけですね。

 よく冷えた三冷(さんれい)の生ホッピーをもらって乾杯し、つまみは豚なんこつ煮(280円)やマカロニサラダ(280円)などを注文します。

 この店には、豚なんこつ煮以外にも、豚もつ煮込み(300円)、和牛スジ煮込み(380円)と何種類かの煮込みがそろっている他、豚もつ刺身もレバ、タン、ハツ、子袋、ガツの各種がそれぞれ1人前280円。そしてもつ焼き(タン、ハツ、レバ、テッポー、カシラ)もそれぞれ1串110円で2串から注文できます。

 とここまでのメニューはもつ焼き屋さん風ですが、「秀」にはマグロぶつ(350円)やタコぶつ(350円)、ホタルイカ沖漬け(250円)などの魚介類。ジャガイモとソーセージ炒め(450円)やコーンバター炒め(390円)などの炒め物。若鳥から揚げ(480円)や川エビから揚げ(300円)、鳥ヒザなんこつ揚げ(380円)といった揚げ物なども並んでいて、とにかく守備範囲が広いのです。

 もともと焼肉屋だった店を居抜きで使っているという話を聞いたことがありますが、そのせいか、1つ1つのテーブル席も比較的独立していて、グループで飲むにも最適です。

 こうやって、それぞれに独自の個性を持ったいろんなタイプの店が、小さなエリアにギュッと密集しているところが、立石が「大人の遊園地」と呼ばれる所以(ゆえん)なんでしょうね。

 たっぷりと楽しんだ火曜日でした。

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豚なんこつ煮 / マカロニサラダ / ジャガイモとソーセージ炒め / 厚揚げ炒め

店情報前回

《平成21(2009)年10月13日(火)の記録》

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ガツとアブラを混ぜて … もつ焼き「ミツワ(みつわ)」(立石)

ガツとアブラ、混ぜタレよく焼き


「レバ刺しと、だんごタレ。あとガツとアブラを混ぜタレよく焼きで。それとレバのほぐしをお願いします」

 魚の刺身三点盛り(500円)に続いて、もつを注文してくれるdetchさんですが、筋向いの「宇ち多゛」ほどではないものの、こちらもまた専門用語的な注文が飛び交います。

 まず、もつ生(刺身)ですが、肝臓(レバ)、大腸(シロ)、舌(タン)、胃袋(ガツ)、頭身(アブラ)の5種類が選べ、それぞれ1皿1人前が270円。ツヤツヤと光るレバ刺しには刻みネギと、おろしニンニクがたっぷりとトッピングされ、皿のふちには練りガラシも添えられています。醤油をサッと回しかけて、つるりといただくレバーの甘いこと。お好みで、さらにお酢をかけてもおいしいそうです。

 もつ焼きは2串1皿で180円(1串あたり90円)と、「宇ち多゛」と同じ値段で、肝臓(レバ)、心臓(ハツ)、大腸(シロ)、軟骨(ナンコツ)、舌(タン)、胃袋(ガツ)、頭赤身(アカミ)、頭身(アブラ)の8種類が選べます。中でも人気があるのはアカミだそうですが、この時間帯(平日の午後7時半過ぎ)には、すでに売り切れていました。

 ここ「ミツワ」の大きな特徴のひとつが、このもつ焼きを1種類1本ずつ混ぜて1皿にすることができること。先ほどのdetchさんの注文の中で「ガツとアブラを混ぜタレよく焼き」と注文していたのがそれで、ガツ1本とアブラ1本とを1皿に入れてくれます。

「混ぜて、という注文ができるから、ひとりで来てもいろんなものが食べられるんですよ。どれでも、全部、混ぜて注文することができます」とdetchさん。

 detchさんの奥さんのm蔵さんが「一番好き」という肉だんごのタレ焼き(1串150円)も出てきました。これはいわゆるツクネなんですが、1串に3個刺さっているツクネが大きいこと! まさに肉だんごという呼び名がぴったりと合います。

 ここ「ミツワ」も、「宇ち多゛」同様に、焼き手はおかあさん。女性ならではの丁寧な焼き方でフンワリ、ふっくらと仕上がった肉だんごは、その食感も抜群です。中に練りこまれているショウガの風味がよく効いてますねえ。隠し味は味噌なのかな。タレはほどよく甘いさっぱり系です。

 レバのほぐしというのは、やや深めの皿の底に塩コショウを入れ、その上に串からほぐした素焼きのレバー2本分を置き、おろしニンニクにおろしショウガ、そして刻みネギをトッピングして、皿のふちに練りガラシを添えた料理。串からほぐすから“ほぐし”と呼ぶんですね。全体をかき混ぜていただくと、そのスパイシーなこと。

「レバのほかに、アカミやナンコツ、ハツなどを“ほぐし”で注文することが多いですね。塩コショウの風味が、ボールやビールなどの炭酸系の飲み物によく合います」

 うなぎの串焼き(1串300円)も名物らしいのですが、これまた今日はすでに売り切れ。肉よりもむしろネギが主役じゃないかというほどネギの甘みがよく味わえるネギ間や、肉だんごの塩焼きなど何種類かのもつ焼きを追加で焼いてもらったあと、煮込み豆腐(270円)も注文します。

 煮込み豆腐は、注文を受けてから豆腐を入れるので、5分ほど待つ必要がありますが、その分、出てきた煮込み豆腐の豆腐はなめらかで、濃厚な煮込み汁ともよく合っています。具はシロ、ガツなどの残もつ(もつ焼き、もつ生用に仕込んだ残りの部分)とコンニャクです。

 ここの店も、「宇ち多゛」などと同様に、注文したお皿は下げずに置いておいて、それでお勘定をしてくれる仕組みなので、たくさん注文した人のところにはお皿が積み上がっています。

 1時間20分ほどの滞在は3人で4,110円(ひとりあたり1,370円)でした。どうもごちそうさま。

 くつろぎの「ミツワ」、いいですねえ! どうもありがとうございました。>detchさんご夫妻

091013a 091013b 091013c
レバ刺し / 肉だんごタレ / レバほぐし

091013d 091013e 091013f
煮込み豆腐 / 肉だんごとネギ間、混ぜて塩で / レバとナンコツ、混ぜてタレで

店情報前編

《平成21(2009)年10月13日(火)の記録》

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刺身三点盛りも大人気 … もつ焼き「ミツワ(みつわ)」(立石)

刺身三点盛り


 下町酒場のすばらしさを世に伝えた「酔わせて下町」のFさんが、〔立石のもつ焼き四天王〕と呼ぶのが「宇ち多゛」、「江戸っ子」に、「ミツワ」と「ホルモン屋」。Fさんが「酔わせて下町」を作ろうと決意したときに、立石の名店として真っ先に浮かんだのが、これら4店だったのだそうです。

 同じ都内でも、西部エリアに住む私にとって、立石のある東部エリア(下町エリア)は意外と遠くて、出かけていくにはひと気合いが必要となります。

 そんなわけで、〔立石のもつ焼き四天王〕の中でも行ったことがあるのは「宇ち多゛」と「江戸っ子」の2店のみ。他の2軒は、行きたくて行けていない課題店なのです。

 そこで今日は、立石在住で、「ミツワ」にもよく訪れるという「丁稚飲酒帳」のdetchさんご夫妻にお願いして、「ミツワ」にご案内いただきました。

 平日(火曜日)ながら、午後6時40分の「ミツワ」の前には10人を超える行列ができていて、我われ3人もその後ろに並んで順番を待ちます。

 ところがこの行列がまったくと言っていいほど進まない。やっと店に入れたのは午後7時半。50分ほどの待ち時間でした。

「〔宇ち多゛〕を表す言葉がストイックだとすると、〔ミツワ〕はリラックス。ゆっくりとくつろげるのでついついみなさん長居するんですよねえ」

 そんな「ミツワ」の店内は、外から見て思っていたのよりはうんと広く、入口から右手に向かって広がるフロアには4人掛けのテーブル席が5卓。その奥の小上がりに4人掛けの座卓が2卓あるという造り。我われ3人は入口を入ってすぐの、厨房横の3人程度用のカウンター席に案内されました。これ以外に、店の外の焼き台前のカウンターにも8人ほどが座れるので、全体では40人ほどのキャパシティです。

 少し前までは、店の外にもテーブル席があって、そこでも飲み食いすることができたんだそうです。たしかに、私のイメージに残っている「ミツワ」の光景も、いつも大勢の人が外で飲んでいるといったものでした。

 私の想像に過ぎませんが、老舗に外で飲むことを許せば、新しく進出してくる酒場にも同じように許さないといけないので、みんなで自粛してるのかもしれないですね。

 まずはボール(焼酎ハイボール、320円)を注文して、料理のほうは、常連のdetchさんご夫妻におまかせします。

「え~と。刺身はブツとシメサバと、あとミル貝」

「ごめんなさい。ミル貝は売り切れ」

「あ、そう。じゃ、ホタテにしてください」

 え? え? え? ここって、立石を代表するもつ焼き屋の1軒なのでは?

「ここには魚介類の刺身もあって、人気が高いんですよ。3点盛りが500円という立石価格です。1点盛りでも、2点盛りでも500円で、1点ごとの量が変わります。遅い時間になると、だんだんネタがなくなってきて、種類が指定できなくなってくるんですよ」

 ホワイトボードにはマダコ、カンパチ、ホウボウ、ブツ、シメサバ、ホタテの6品が書き出されています。ちょっと前までミル貝もあったので7品。それより前に売り切れちゃった品もあるのかもね。

 出てきた3点盛りは、3点それぞれが3切れ程度ずつ盛り合わされているのですが、その1切れ1切れがでかいこと! これで500円は安すぎる。

「ひとりでやって来て、この3点盛りを注文すると、もうお腹がいっぱいになって、あと1品くらいしか注文できなくなってしまうんですよ」とdetchさん。

「遅く(10時頃)までやっているので、仕事帰りにでも立ち寄ることができる店なんです。もっとも最近は8時過ぎに売り切れじまいになってしまうことも多くなってきて、その売り切れる時間が、どんどん早くなってきてるのが困りものなんです。どうしても〔これが食べたい〕というものがあるときには、早い時間にやってきて並びます」

 長引く不況のせいか、このところ安くて美味しい料理が楽しめる大衆酒場は、いずこも大人気で、以前にも増して入りにくい状況になっているのです。

(続く)

店情報

《平成21(2009)年10月13日(火)の記録》

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店情報: もつ焼き「ミツワ(みつわ)」(立石)

    091013z
  • 店名: もつ焼「ミツワ」
  • 電話: 03-3697-7276
  • 住所: 124-0012 東京都葛飾区立石1-18-5
  • 営業: 17:00-21:00、日・祝日の月・休
  • 場所: 京成立石駅南側の立石仲見世商店街の中。公衆トイレの手前。
  • メモ: 店内は4人×5テーブル、奥の座敷に8人分。カウンターは中が3人、外が詰めて8人ほどの約40席。
    〔もつ焼(1皿2串220、1本ずつ組み合わせ可、各種ほぐし350)〕肝臓(レバ)、心臓(ハツ)、大腸(シロ)、軟骨(ナンコツ)、舌(タン)、胃袋(ガツ)、頭赤身(アカミ)、頭身(アブラ)。
    〔焼きもの〕うなぎ1串430、肉ダンゴ1串150、ネギマ1串150。
    〔もつ刺(湯通し済、1皿350)〕大腸(シロ)、舌(タン)、胃袋(ガツ)、頭身(アブラ)。
    〔煮込み・一品(各320)〕煮込み、煮込み豆腐、冷奴、冷トマト、お新香、お浸し、塩らっきょう、もやしナムル、ミミガー、大根煮。
    〔飲みもの〕キリンビール(大)550・(中)480・(小)380、焼酎ストレート220、焼酎ハイボール350、日本酒(白鹿・超辛口)350、冷酒(白鹿・生)350、ウィスキーハイボール(ボストンクラブ)350、ウーロンハイ350、梅干ハイ450、リンゴ割り450、生グレープフルーツ割り450、レモンエキス150、梅エキス150、ソフトドリンク(ウーロン茶、サイダー、オレンジジュース)300。(2016年12月調べ)

    〔もつ焼(1串90、2串1皿180)〕肝臓(レバ)、心臓(ハツ)、大腸(シロ)、軟骨(ナンコツ)、舌(タン)、胃袋(ガツ)、頭赤身(アカミ)、頭身(アブラ)。〔もつ生(1皿270)〕肝臓(レバ)、大腸(シロ)、舌(タン)、胃袋(ガツ)、頭身(アブラ)。煮込み豆腐270、うなぎ串焼1串300、肉だんご1串150、ほぐし1皿270。〔飲み物〕キリンビール(大)520・(中)450、焼酎ストレート190、焼酎ハイボール320、日本酒(白鹿・超辛口)320、冷酒(白鹿・生)320、ウイスキーハイ320、ウーロンハイ320、梅干ハイ350、リンゴ割り400、生グレープフルーツ割り450、サイダー250、ジュース250、ウーロン茶250。もつ焼きは8種類が1皿2本で180円で、1本ずつ混ぜることもできるのが大きな特長。(2009年10月調べ)

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〔コラム〕 今年のテーマは「大衆酒場考」

丸山@阿佐ヶ谷


 つい先日、新しい世紀を迎えたかと思ったら、あっという間に10年がたって今年は2010年。平成時代も22年目に入りました。

 この年末年始は、ゆっくりと四国の実家に帰省して、インターネットからもトンと離れた生活を送っておりました。

 きびしい経済状況の下ではありますが、今年もなんとか趣味の酒場めぐりは続けながら、いい酒場に出会えたら、これまでと同様にこのブログや、機会があれば他のメディア(書籍や雑誌など)での情報発信をしていきたいと思っています。

 さてさて。ここ5年間ほど、毎年、年頭に「今年のテーマ」を決めて、なるべくそのテーマに沿った酒場めぐりを続けてきました。

 2005年のテーマは「人を広げる」。それまではどちらかというと、ひとりで酒場で飲むことが多かったのですが、この前の年(2004年)ぐらいから世の中にブログが浸透し始め、自分と同じように飲み歩きを趣味とするブロガーさんたちとの出会いも多くなってきました。そこで、いろんな人と一緒に飲みに行く機会もたくさん作ろうということで、「人を広げる」というテーマにしたのでした。オフ会などもたくさん行いました。

 2006年は「地域を広げる。西へ、東へ、まん中へ」として、それまで東京の西部エリア(中央線・西武線沿線)主体だった飲み歩きエリアを、湘南・横須賀エリア(西)や、上野以東のいわゆる「酔わせて下町」エリア(東)、そして名店がひしめいているのに行けていない品川~横浜間の京浜エリア(まん中)へと広げました。

 2007年は「原点回帰」。2年間に渡って、人、地域と拡張してきた路線を止めて、ひとり呑み主体の方向に回帰し、拡張路線の期間中にはあまり行けていなかった有名店にも再訪するように心がけました。

 2008年のテーマは「じっくりと」。スタンプラリーのようにあちこちの酒場をハシゴして回るのではなくて、行きたいのに行けていない、あるいはもう1度行きたいのに再訪することができていない店や、地元の店などで、じっくりと腰をすえて楽しみました。

 そして昨2009年は「課題の店に出かけよう」をテーマに、みなさんからご紹介されたのに行くことができていないお店、個人的に気になっているのにまだ行けていないお店、もう一度行こうと思いながらすっかりご無沙汰してしまっているお店などに出かけて行きました。そのおかげで、新規訪問店がうんと増えた1年となりました。新しい店をご紹介いただいたり、ご同行いただいたりしたみなさん、本当にありがとうございました。

 今年、2010年は「大衆酒場考」ということをテーマに掲げて、今一度、あえて大衆酒場そのものを見つめなおしてみたいと思っています。

 この不況で小遣いもカットされたのか、大衆酒場もここ1年くらいの間で客層が変わり始めたらしいのです。ある店の女将さんからは、「ちょっと上の層の人たちが来るようになって、今まで来てた人たちは来なくなったの」というお話もうかがいました。

 しかもみなさん、滞在時間が長いんだそうです。あちこちハシゴするんじゃなくて、1軒の大衆酒場でじっくりと腰をすえて飲むというスタイルになってるんですね。

 しかしながら、どんな時代にも我われオヤジにとっての息抜き場所であり続けた大衆酒場。今回の不況もきっと乗り切ってくれるものと信じて、今年のテーマを「大衆酒場考」としたような次第です。

 私の考える大衆酒場とは、普通に2品と2杯くらいを飲み食いして、2千円未満(千円台)で済むような酒場全般のことです。のれんに「大衆酒場」と書かれている店のみならず、居酒屋も、もつ焼き屋も、立ち飲み屋も、バーも、すべてをひっくるめて、「オヤジが自分の小遣いで足しげく通うことができる店」が大衆酒場だという考えです。

 そんな大衆酒場をめぐりながら、大衆酒場の在りようを考察していく1年にしたいと思っています。

 本年もよろしくお願いいたします。

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