待ちわびた再開のとき … 酒亭「武蔵屋(むさしや)」(横浜・桜木町)
しばらくお休みしていた「武蔵屋」が今日から再開するという話を聞いて、横浜から都内の自宅へと帰る途中で、桜木町駅で途中下車です。
「野毛ちかみち」を抜けて、ちょっと早足になりながらトポスの裏側の路地を曲がると…。やあ、灯りがついてますねえ。
ガラリと引き戸を開けて店内へ。
なぜかは知りませんが、「武蔵屋」では「いらっしゃいませ」という声はかけません。
「おひとり? こちらにどうぞ」
と笑顔で迎えてくれるおばちゃん。半年以上のブランクがあっという間になくなる瞬間です。
示された席に座るとすぐに、手伝っている若い男性が湯呑みに入った塗りばしを持ってきてくれます。
「お酒になさいますか?」
「最初に小瓶をください」
あぁ。このやり取りも、前となんにも変わらないなあ。
「お酒になさいますか?」とか「お酒でいいですか?」と聞かれたときに、「はい」と答えると、「桜正宗」の燗酒が土瓶からコップに注がれます。
1杯目の燗酒とともに玉ネギの酢漬けと、おから、そしてお客が来てから作りはじめるタラ豆腐が出され、2杯目と一緒に納豆が、3杯目のときにお新香が出されて終了となります。3杯以上の燗酒は飲めないことから、「三杯屋」という通称でも呼ばれているほどです。
もちろん絶対に3杯飲まなければならないわけではなくて、3杯以内なら、どこで止めてもかまいません。
1杯と、それに付いてくる3品の肴(さかな)で終えた場合のお勘定は1,100円。2杯目をもらって納豆までで飲み終えた場合は1,700円。しっかりと3杯と5品をいただいた場合は2,200円となります。だから「自分は弱いから、3杯も飲めないや」と思っている人でも安心してどうぞ。
お酒は3杯以上飲めませんが、肴が足りない場合は、コハダの酢の物や、ニシンの煮付け、煮貝、キヌカツギなど、何種類かのつまみが、それぞれ1品400円でそろっています。店内にメニューはありませんので、定番以外の料理が欲しい場合は、おばちゃんや、手伝いのおにいさん、おねえさんにたずねてみてください。
私が「最初に小瓶をください」と注文したのは、燗酒を飲む前に、まずビールの小瓶をくださいということです。キリン一番搾りの小瓶と、小皿に盛られた塩豆や落花生などのセットで500円。大瓶ならば700円です。
あぁ。ビールもうまいし、燗酒もうまい。よかったなあ、再開して。
今後は、おばちゃんたちの体調を見ながら、週に3日、火・水・金の営業を目標に店を開けていきたいそうです。休み休みでもいいので、いつまでも長く続いてもらいたい名店です。
ビールの小瓶と3杯セットで、お勘定は2,700円でした。どうもごちそうさま。
「なるべくまっすぐお帰りください」と見送られながらも、ついついハシゴしてしまうのも、これまた以前とまったく同じです。
まっすぐに「ホッピー仙人」に行き、桜木町駅まで出る道すがらで「福田フライ」でもう一杯。自宅近くまで電車に揺られているうちに、ちょっと酔いもさめてきて、最後に「満月」でトマトハイ。「武蔵屋」からはじまった、楽しい夜になりました。
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