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〔コラム〕 連休三日目はモツ三昧

「ホルモン」のアブラ、カシラ、オッパイ、タンシタ、ハツシタ


 立石から朝帰りして、わが家でちょっとくつろいだらもう夕方。それじゃ、今日も飲みに行きますかと、トコトコと歩いて出かけてきたのは、野方(のがた)の「秋元屋」です。

 連休中の土曜日だし、午後5時だしということで、店内はギッチリと満席模様。旧店舗側の入口横テーブルに陣取る常連さんたちが「ここでよければどうぞ」と声をかけてくれて、なんとか座ることができました。

 さっそく三冷の白ホッピー(380円)と、レバ、カシラ、テッポウをそれぞれ味噌焼きで1本ずつ(各100円)注文します。

 東京から離れて改めて知るのが、豚のもつ焼きが食べられる店が少ない(ほとんどない?)こと。さらに味噌焼きとなると、元祖の「喜よし」(蕨)か、ここ「秋元屋」、もしくは「秋元屋」で修業した人たちが開いた店々でしか食べられないという、かなりレア物です。

 焼く前に液体状の味噌ダレに浸けて、じっくりと味噌ダレを染み込ませながら仕上げる味噌焼きは、冷めてもうまいもつ焼きなのです。

 今日はヨッちゃん(開店当初から手伝っている女性)も奥にいるようなので、ポテトサラダ(300円)をもらって、ちょっとご挨拶。もつ焼きや煮込み、揚げ物以外の料理は、奥の厨房で用意して出してくれるのです。

 三冷ホッピー(380円)を、今度は黒でもらうと、目の前の常連さんがエノキ肉巻き(150円)を味噌焼きで注文。常連さんの間で流行っている食べ方なんだそうです。そう聞くとちょっと食べてみたいですよねえ。

「マッちゃん、私にもエノキ肉巻きを味噌で1本!」

 焼き台を担当しているマッちゃんに追加注文です。

「前は満席で入れないことも多かったんだけど、店が広がってから、どっかには入れるようになったのが嬉しいね。」

 と話す常連さんたち。たしかにそうですね。込みあった時間帯を避ければ、一人ならなんとか滑り込めるようになりました。

 出てきたエノキ肉巻きをさっそく一口。なるほどなぁ。ここの味噌ダレはピリッと辛みも効いているので、エノキの味わいが一段と引き立ちます。野菜もうまいなぁ。そういえば、ここの玉ネギ(120円)も美味しかったよなぁ。そんなことを思い出して、最後に玉ネギを1本焼いてもらって終了。

 1時間ほどの滞在。席料100円が入って、お勘定は1,730円でした。ごちそうさま。

 「秋元屋」を出て、さらに歩くこと20分弱。となり駅の沼袋(ぬまぶくろ)に出て、もつ焼き「ホルモン」です。「ホルモン」は、この連休中は今日までの営業(5/2~5は休み)なので、どうしても今日、来ておきたかったのです。

 2列平行カウンターの駅から遠い側の奥のほう(テレビの下あたり)がかろうじて空いているので、そこに入り、サッポロラガービールの大瓶(500円)と自家製お新香(110円)と煮込み(310円)からスタートです。

「今日の煮込みは、まだちょっと若いよ。」

 と言いながら煮込みを出してくれる店主。ここ煮込みは、その日ごとに作るタイプなので、夕方早い時間帯には、もつらしいプリプリした食感が味わえる若めの煮込みが楽しめ、遅い時間になると濃厚なコクが楽しめるようになるのです。

 ひとしきり煮込みを楽しんだあと、アブラ、オッパイ、カシラを1本ずつ(各110円)塩焼きでお願いすると、「タンシタとハツシタを付けといたから」と、その2本をおまけで出してくれました。

 これらの部位は数が取れないので、メニューには載せず、常連さんにチョロっと出してくれたりするのです。どうもありがとうございます。

 もつ焼きが出たところで、飲み物も焼酎(230円)の梅割りに切り換えます。

 ここ「ホルモン」も、もつ焼き以外の串物も美味しいんですよねぇ。5本のもつ焼きを食べ終えたところで、生揚げ、シイタケ、ウズラ(各110円)を1本ずつ注文すると、残念ながら生揚げは、ないとのこと。代わりにハンペン(110円)を焼いてもらいます。

 この店の生揚げや豆腐は、すぐ近所の老舗豆腐店から仕入れているのです。その店が休みの場合は、この店の生揚げや豆腐もお休みになるのでした。

 1時間ちょっと楽しんで、お勘定は1,480円でした。やぁ、美味しかった。ごちそうさま。

 沼袋駅から電車に乗って、ビューンと鷺ノ宮(さぎのみや)へ。今日の3軒目は「ペルル」です。

 マスターは再入院されていて、店は山田さんと手伝いのヒトミちゃんの二人で切り盛り中。キープしているニッカ・ウイスキーの水割りを飲んだり、他のお客さんが開けたワインのご相伴に預かったりしながら、1時間半ほどの滞在は500円(水・氷代のみ)でした。どうもごちそうさま。

〔入院治療中だった「ペルル」の店主・古川実さんは、2010年5月5日(水)に、享年83歳で永眠されたそうです。先日、「ペルル」の常連さんたちから「あまり状況が良くない」というお話を伺ったばかりだったのですが、こんなにも早くその日がやってくるとは…。もう一度、お店でお会いしたかったです。合掌〕

100501a 100501b 100501c
「秋元屋」のレバ味噌 / テッポウとカシラの味噌 / ポテトサラダ

100501d 100501e 100501f
エノキ肉巻き味噌 / 玉ネギ / 「ホルモン」

100501g 100501h 100501i
お新香と煮込み / はんぺん、しいたけ、うずら / 「ペルル」で水割り

・「秋元屋」(前回)/「ホルモン」(前回)/「ペルル」(前回

《平成22(2010)年5月1日(土)の記録》

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コメント

本日、無事に告別式も終わった様子。
堀之内からお店に移動してマスターを偲ぶ会が行われた模様。

投稿: さぎのみや散歩人 | 2010.05.09 19:26

何年か前に浜田さんと初めてお会いさせて頂いたのが
ペルルでした。気になって、憧れていたお店で
やはりブログで拝見して憧れていた浜田さんにお会いできて、少しの時間でしたが楽しい思い出のひとつです。
あれから数回しかお店には行けませんでしたが
寄らせて頂くたびに、マスターから伺った面白いお話や
常連さん達との会話を思い出します。

「笑うせぇーるすまん」の実写版は、私の父の友人が監督をさせて頂いていたようです。

古川マスターのご冥福を心からお祈りしたいと思います。

きっと、天国でもワインのコルクをナイフっで
シュっと開けているのかもしれませんねー。

投稿: yuka-.-yuka | 2010.05.11 15:44

『明日からあの世の一年生。
 居なくなっても笑ってね。

 楽しい人生に
 お手伝いいただき
 ありがとう。』

 店主・古川さんが亡くなった日に、愛用のベストのポケットから見つかった手書きのメモだそうです。

 亡くなられてから今日で24日。天国までの道半ば(四十九日のちょうど半分)といったところでしょうか。

 向こうで美味しいワインが飲めるといいですね。

投稿: 浜田信郎 | 2010.05.29 21:55

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