〔くれ便り〕 自炊暮らしもまた楽し
横浜に居たときも単身赴任だったのですが、単身赴任寮に朝夕の食事が付いているほか、社員食堂も朝・昼・夕方に開いていたので、食事に困るということはありませんでした。
こちら呉では、一般のワンルームマンションとほぼ同じ感じの単身赴任社宅に入っているうえに、社員食堂も昼どきしか営業していないし、どういうわけかファストフードのお店も少ないとあって、ほとんどの単身赴任者は自炊生活を送っています。
この状況でいい酒場にめぐり合ってしまうと、夕食も兼ねてその店に入りびたりになってしまう可能性が高いので、まずは自炊生活を習慣化すべく、会社関係の飲み会のとき以外は、できる限り自炊をする生活を展開。ここにきてやっとその生活も軌道に乗ってきました。
4月にこちらに赴任してきた時点で、持っていた炊事用具は、一人用の小さな金属鍋と包丁のみ。それぞれ古いながらも未使用の箱入り状態でした。食器もごはん茶碗に、おわん、小さな小鉢にコーヒーカップがある程度。
そんなわけで、自炊とは言っても、パックご飯をチンして、インスタントみそ汁にお湯を入れ、納豆をかき混ぜて、味付け海苔を添える。納豆の代わりに豆腐のときもあり。味に飽きたらカップめんやレトルトのカレーなどもメニューに入れると、そんな食生活から始まりました。
4月のはじめごろのある1週間の食事は、次のようなものでした。(平日の昼食は、栄養士さんが献立を作った会社の弁当です。)
- 月(朝): 納豆、味付け海苔、パックご飯、インスタントみそ汁
- 月(夕): 若竹煮(市販)、マカロニサラダ(市販)、パックご飯、インスタントみそ汁
- 火(朝): 納豆、ごぼうサラダ(市販)、パックご飯、インスタントみそ汁
- 火(夕): レトルトカレー、パックご飯
- 水(朝): 納豆、味付け海苔、パックご飯、インスタントみそ汁
- 水(夕): 《仕事関係の飲み会》
- 木(朝): カップめん、野菜ジュース
- 木(夕): サンマ塩焼(缶詰)、フキ佃煮(市販)、パックご飯、インスタントみそ汁
- 金(朝): 豆腐、フキ佃煮(市販)、パックご飯、インスタントみそ汁
- 金(夕): 《仕事関係の飲み会》
- 土(朝): 豆腐、ふりかけ、パックご飯、インスタントみそ汁
- 土(昼): 巻寿司(市販)
- 土(夕): 《ひとりで飲みに出る》
- 日(朝): カップめん
- 日(昼): カツカレー(外食)
- 日(夕): 小女子とクルミの佃煮(市販)、パックご飯、インスタントみそ汁
う~む。かなりわびしい食生活ですねぇ。
単身赴任仲間から「鍋があるならシャブシャブっぽい料理を作ってみれば」と教えられて、最初に自分で作った料理は豚肉とキャベツの鍋物。単純に豚肉とキャベツを鍋でゆでて、ポン酢醤油で食べるという単純なものだったのですが、これが今一歩の味わい。
電話で東京のカミサンに相談すると、「昆布だしをとって、しょうがをひとかけ入れるとおいしくなるよ」というアドバイス。翌日、さっそくそのとおりに作ってみたところ(冒頭の写真)、見違えるようなおいしさ。ほんのちょっとしたことで大きく変わるものなんですねぇ、料理というものは。
その後はフライパンや片手鍋などの炊事用具も増え、サラダ油に砂糖、塩、酢、醤油、みりん、ソースなどの調味料も順次そろってきて、ジャガイモや玉ネギなどの常備野菜も常備される状態になってきました。
このところの食生活です。
- 月(朝): たらの芽天・玉子うどん、バナナ、牛乳
- 月(夕): 鶏肉と野菜のしょうが煮、ほうれん草ゴマ和え、パックご飯、野菜ジュース
- 火(朝): 玉子ごはん(ご飯はパック)、梅干あえ納豆、インスタントみそ汁、バナナ
- 火(夕): もやし炒め(魚肉ソーセージ、ピーマン)、豆腐・ワカメ・油揚げのみそ汁、パックご飯、牛乳
- 水(朝): スープ豆腐(野菜と鶏肉)、パックご飯、野菜ジュース
- 水(夕): 《仕事関係の飲み会》
- 木(朝): スープ豆腐(昨日の残り)、パックご飯、野菜ジュース
- 木(夕): 豚肉しょうが焼き(玉ネギ入り)、目玉焼き(レンジ)、カボチャのみそ汁、パックご飯
- 金(朝): みそラーメン(豚肉、玉ネギ)、バナナ
- 金(夕): 《職場の飲み仲間と飲みに出る》
- 土(朝): 肉うどん(豚肉、油揚げ)、バナナ
- 土(昼): 肉じゃがオムレツ弁当(市販)
- 土(夕): 《ひとりで飲みに出る》
- 日(朝): ちくわ納豆、長ネギのみそ汁、パックご飯、バナナ
- 日(昼): レトルトカレー、目玉焼き(レンジ)、パックご飯
- 日(夕): 「オオムラ」で生ビールを飲んで、帰り道にハンバーグ弁当を購入
一度ある食材を買うと、しばらくその食材が続いてしまうのが一人暮らしのネックですが、料理を作ることそのものは、ごくごく日常的な出来事になってきました。
水上勉氏が「土を喰う日々」(新潮文庫)にも書かれているとおり、『1日に3回あるいは2回はどうしても喰わねばならぬ厄介なぼくらのこの行事、つまり喰うことについての調理の時間は、じつはその人の全生活がかかっている一大事だ』ということが、少しだけわかってきたような気がします。
自分で作らなくても食事をすることができるということは、じつはとてもありがたいことなんですね。
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コメント
浜田さん、こんにちは。自炊は楽しいけど、毎日だと大変ですよね。
私は家族と一緒の生活ですが、気分転換に週末にわか厨房人になっています。
デザイナーフーズ・ピラミッドってご存知ですか?がんや生活習慣病の抑制効果がある高機能食品として3段階に分けてピラミッド状に分類したものです。それに関する私のブログをトラックバックします。何かのお役に立てば幸いです。
投稿: コディ | 2010.06.13 14:19
浜田さん、こんばんは。ずっと以前からブログは拝見しておりましたが、初めてコメントさせていただきます。
私は学生時代から料理が好きで、結婚してからは休日の晩飯は私が作っています。
もちろん好きでやっていることではありますが、もうひとつ別の理由として、自分の作った肴で酒を飲みたいという願望があるのです。
普段自分で作ることに慣れ親しんでない方には、めんどくさいことかもしれませんが、自分で作った肴で酒を飲むというのは、ホントに楽しいものです。理想の肴を求めて、一杯飲みながら包丁を握る、ということも一度体験されてはいかがでしょうか。
投稿: みやけん | 2010.06.13 20:58
うぅむ、リアル過ぎます。
家族を持つ方の独り暮らしは、独身とは違うと、ぼんやり思っておりましたが、今回読んで、やはり、と思いました。
水上勉先生の文章の引用が、ナイスです。
自炊は、慣れ(あるいは、しぶとい習慣)と、個人の調理センスの相乗と、常々思っております。
家呑みブログも、近々拝見できそうで、期待しておりますよ。
投稿: IVY | 2010.06.14 00:07