〔くれ便り〕 がんすでがんす
どこの土地にも、その土地ならではの食品というのがありますが、呉と、広島市の一部で作られている“がんす”も、そういう食品のひとつ。
魚のすり身を、刻んだ玉ネギなどの野菜や一味唐辛子と一緒に練りこんで、長方形に整形し、表面にパン粉をつけて揚げたもの。見た目はカツなんですが、食べると中身はピリ辛のジャコ天というか、さつま揚げというか。表面のパン粉のカリッと感も心地よく、とてもいいつまみになります。
“がんす”というのは、この地方の言葉で、“~です”というような意味で、“そうでがんす”といったように使われます。なんで“がんす”という名称になったんでしょうね。
今宵、これまた仕事関係の飲み会でやって来たのは、広島県内を中心に何軒かの店舗を展開している居酒屋「和さび」の中通店。ちょっと広めの個室があって、15名前後の宴会で利用することが多いお店です。
ガンス(520円)の他にも、音戸のじゃこ天(570円)や小イワシの天ぷら(700円)などの地元の味が楽しめるほか、呉の地ビールのひとつ、鯨ビールもメニューに載っています。
この店に来ると、牛蒡(ごぼう)の唐揚げ(470円)もよくいただきます。斜めにスライスした牛蒡に、薄~く衣をつけて揚げたものに、塩をふって食べるだけの簡単なつまみなのですが、これがうまいのです。とり屋でもよく見かける品なので、こちら(呉)では比較的ポピュラーな料理なのでしょうか。
この「和さび」、東京にも池袋東口店があるようですので、ご興味のある方は、ぜひ食べてみてください。“がんす”も置いているようでがんすよ~。
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コメント
これまた、嬉しい呉ネタが登場しましたね。がんすは、この地方の、魚すり身フライの傑作!
戦後すぐに生まれた、庶民の味方。広島市草津誕生説など諸説ある中、呉市広町の某蒲鉾店で生まれ、
「こりゃあ、うまいもんでがんすのぅ」の一言が命名のきっかになったという有力情報も…
呉のがんすの特徴は、薄いこと、みじん切りタマネギの食感と唐辛子の辛さが特徴。
現在、広町の三宅水産が、がんがん飛ばしています。
情熱ほとばしる、娘さんのブログ「がんす娘。のスケジュール帳(http://gansumusume.sblo.jp/)」
があります。とにかく熱いです。
地元スーパーなどで、コンテナごと陳列され、好みの枚数をトングで掴み買うという、売り方も独特です。
一枚50円ほど、油が切れて、美味いです。オーブンやフライパンで温めると、揚げたての食感が味わえて、
更に美味(地元デパートの物産展で食べた、揚げたてがんすは、絶品だったなあ)。
島根県浜田市の「赤天」、大分県津久見市の「魚ロッケ」、徳島県の「フィッシュカツ」など、
各地には類似(中にはそっくりな)の傑作フライがあり、誕生時期もほぼ同じようです。
芋を洗って食べるサルが100匹を越えた時、遠く離れた地に芋を洗うサルが出現するという、
「百匹目のサル」現象だったのか!?と興味深いです。
投稿: 遊星ギアのカズ | 2010.06.04 23:13