秘伝・しじみ醤油漬け … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(横浜・日ノ出町)
「シジミの作り方はお父さんしか知らないのよ」
横浜での仕事を終えて、横須賀在住のMさんと二人、ここ「第一亭」にやってきて、シジミの醤油漬け(600円)をつつきながら、紹興酒をいただいています。
「生のようなんだけど、生じゃない。かといって火が通っているようでもない。どうやって作るんだろうねぇ、この醤油漬け」
と不思議そうにMさんと話していたら、カウンターの中のお姉さん(店主の娘さん姉妹のお姉さん)が、冒頭のように話してくれたのです。
この店の中華料理は、中華の中では台湾料理の系統。店主であるお父さんが台北の出身で、亡くなったお母さんが台南の出身。お二人ではじめた店なので、台北の料理や、台南の料理があるのです。
「若いころのお父さんは、それはもう飲む打つ買うで、お母さんを困らせたのよ。今は一所懸命お店で働いてくれてねぇ。これまでの人生で、一番働いているかも! お母さんが見たらきっと驚くわ」
と笑うお姉さん。お父さん(店主)は大正10年生まれ。今年で89歳になります。
「今日はチマキもあるけど、食べてみますか。台南風のこのチマキは、お母さんの自慢料理だったのよ」
できたてのチマキは、あら熱を取るために天井からずらりとぶら下がっていて、その中から1個を取ってくれます。
「ニンニク醤油を出してあげなきゃ」と店主。この台南風チマキにはニンニク醤油がよく合うんだそうです。
生の豚腸を強力な火力で一気に炒めたホルモン炒め(600円)や、豚胃(チート)生姜炒め(600円)などのホルモン料理が人気の「第一亭」ですが、青梗菜(チンゲンサイ)を炒めた青菜炒め(500円)などの野菜メニューや、豚と鶏と野菜を何時間も煮込んで作る昔ながらのスープを使った麺類なども自慢の品。
このスープを使って作る“おじや”(600円)は、量もたっぷりで、飲んだ後の締めにも最適です。
「第一亭」でたっぷりと食べた後は「ホッピー仙人」へ。今日も満席の店内で、久しぶりの生ホッピー(500円)とハーフ&ハーフ(500円)を飲んで、都内の自宅へと帰ったのでした。
「第一亭」 / 台南風ちまき / ずらりとぶら下がったちまき
| 固定リンク | 0
コメント
浜田さんとゆっくりお話させて頂いて楽しい時間が過ごせました。有難うございました。
息子さんが季節によって仕入れ先の産地を変えるシジミを、お父様がプリッップリに料理するシジミ漬けは絶品でした
投稿: 横須賀のM | 2010.07.25 11:12