昭和の町並みが残る広 … おでん「あわもり」(呉・新広)
週半ばの水曜日。会社の仕事を終えて、仁方方面に帰宅する同僚の車に便乗させてもらって、広(ひろ)の町にやってきました。
「広交差点の近くで、停(と)めやすいところでいいよ」
とお願いしたところ、たくさんの車で渋滞する広交差点のすぐ手前を左折した路地で降ろしてくれました。
おぉ~っ。なんとも見事な建物が残っていることか。
“宣伝酒場”と書かれたいかにも古そうな酒場や小料理屋、古い造りの雑貨屋に、看板建築の魚屋さんと、まさに歴史ある町並みが、手付かずのままで残っている感じです。
呉には海軍鎮守府や海軍工廠が設けられましたが、山を越えたここ広の町にも、広海軍工廠が開かれ、そこが後に海軍航空廠になり、飛行艇の試作などが行われたのでした。戦後は、ここ広にも英軍などが進駐したこともあって、街も栄えていたんでしょうね。
広の町を少し散策した後で「あわもり」に入ります。
最初はビール(キリンラガー大瓶、500円。サッポロ黒ラベルもあり)をもらって、おでん(1本90円)は厚揚げとジャガイモからスタートです。
ふんわりとやわらかく煮込まれた、熱々の厚揚げ。ボリュームもあるので、飲み始めの空腹時にもピッタリです。前回話題に上った煮崩れないジャガイモは、やや小ぶりのものが丸ごと、あるいは大きなものは半分にカットされた状態で串に刺されています。
3個めは煮縮むほどよく煮込まれたコンニャク。ここのおでんは、平皿で汁は添えずに出されるのですが、その状態で食べてもしっかりと味わえるほど、よく味の染み込んだコンニャクです。
泡盛の梅割り(160円)をもらって、おでんはいつもの皮(豚)と肝(牛の肺)です。コラーゲンたっぷりの皮は、35度の泡盛とベストマッチです。
そして平天(ひらてん)。この近くでは愛媛のジャコ天が有名ですが、瀬戸内海沿岸であれば、どこでもこういった平天は作られていて、それぞれにいい味わいなのです。
泡盛の梅割りをおかわりすると、2杯目の泡盛がグラスに注がれるとともに、青くて小さな丸タイルが2個、カウンターの上に置かれます。これは、「現在2杯目ですよ」ということを示すタイル。2杯目をおかわりしたときから置かれ、おかわりするたびに1個ずつ増えていきます。
おでんは、ぎっちりと身が詰まったイワシ団子に、注文してから鍋に入れてくれる玉ネギ。つまみはおでんしかないこの店ながら、それで十分おいしくお酒が飲めるんですよねぇ。季節に関係なく、夏場でも大人気です。
3杯目の泡盛には、やわらかいスジ肉をもらいます。かたいスジ肉は、噛むとバリバリ音がするくらい硬いのですが、やわらかいスジ肉は、もつ焼きにたとえるとアブラっぽい感じ。どちらも捨てがたい味わいです。
4杯目の泡盛をもらって、つまみはウインナー。ちょいちょいと切り目を入れて煮込んだウインナー。これもおでん出汁(だし)と合うんですねぇ。
約2時間の滞在。ビール大1本に泡盛4杯、おでんが10本で、大満腹。お勘定は2,040円でした。どうもごちそうさま。
店の近くのバス停からバスに乗ると、20分ほどで単身赴任社宅のすぐ脇にあるバス停まで帰り着けるのもうれしいところなのです。
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