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2010年8月

〔お知らせ〕 11月11日は「立ち飲みの日」

東京新聞朝刊


 「酔わせて下町」のFさんが企画立案し、私も発起人の一人に名前を連ねさせていただいて、日本記念日協会に申請した「立ち飲みの日」が認定され、来る11月11日に栄えある第1回目の「立ち飲みの日」を迎えることになりました。

 そのことを取り上げてくれたのが「東京新聞 8月13日(金) 朝刊」(上の写真)です。

 そして、今日、8月31日(火)付けの「中日新聞夕刊」にも掲載されることになったというご連絡をいただきました。記事は上のものに比べると、ちょっと短縮されているそうです。「中日新聞」エリアのみなさん、ぜひお読みいただけるとありがたいです。

 この取材は、8月30日に発売された「古典酒場 Vol.9」(三栄書房、933円+税)のブロガー座談会のあと、引き続いて行われたので、「東京新聞」の記事の中には「古典酒場 Vol.9」のことや、座談会メンバーの写真、「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本先生や「Y-TABEのレミング2」のワイタベさんのコメントなども載っています。

 逆に「古典酒場 Vol.9」の中にも、この日の取材のことや、立ち飲みの日のことが載っていて、期せずして新聞とムックのコラボレーションとなったのでした。

 第1回立ち飲みの日に向けて、何かおもしろい企画がないかなぁ、とみんなで話しているところです。おもしろいアイデアがありましたら、ぜひお聞かせください。

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〔お知らせ〕 「古典酒場 Vol.9」(ホルモン酒場特集号)発売

古典酒場 Vol.9


 8月30日(月)、「古典酒場 Vol.9」(三栄書房、933円+税)が発売されました。

 今回の特集は「本当に旨いホルモン酒場」。女性にもオススメの店や、店主も常連も味のある老舗店、今行っておくべき名店などなどがずらりと並んでいるほか、ブロガー座談会のテーマも「ホルモンがおいしい酒場」。例によって脱線しまくりの“よもやま話”ながら、けっこう奥深い内容になっています。

 「宇ち多゛」の紹介では、宇ち中さんが「宇ち多゛徹底ガイド」という記事を書かれていて、「宇ち多゛」への入店からお会計まで、怪しい呪文のような注文方法も含めて「なるほど!」と納得の手引書になっています。

 「安西水丸の今夜も女将にほろ酔い酒」、「成田一徹の商店街エレジー」、「きき酒師 葉石かおりが案内する裏京都酒場」などの連載に加えて、「大竹聡の多摩川飲み下り」や「伊丹由宇の豪飲豪食」、そして不肖・私の「浜田信郎の呉酒場さんぽ」という新連載も始まりました。

 毎号楽しみな「名物酒場店主のホッピー子育て奮闘記」(漫画)では、東十条の「埼玉屋」を取り上げています。

 そして「新・居酒屋談義」は坂崎重盛さんです。これが笑える!

 倉嶋編集長入魂の一冊。各書店に並んでいると思いますので、ぜひご覧ください。安西水丸さんのイラストの表紙が目印です。

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〔この一品〕 白金高輪「鈴木屋」の煮込み

煮込み


 どうですか、この透明感のある煮込みのスープ。表面に浮いて光る脂の粒々までが実においしそうではありませんか。実際、このスープだけでも十分にいい酒の肴(さかな)になるし、すっかり飲み干してしまえるほどの上品さです。

 今日は白金高輪にあるもつ焼きの老舗、「鈴木屋」に来ています。老舗とはいうものの、建物は新しく、店内も清潔できれい。若者や女性客にも人気があります。

 ここは「古典酒場ほろ酔いと~く」でもご一緒させていただいている、日経BP局長で作家でもある渋谷和宏(しぶや・かずひろ)さんの行きつけのお店の1軒。なにしろ日経BP社がすぐそこですもんね。

 四の橋商店街を「鈴木屋」に近づくにつれて、どんどん強くなってくる美味しそうなもつ焼きの匂い。この匂いだけで一杯やれそうなくらいです。

「いつも満員の鈴木屋ですが、開店から1回転した午後7時過ぎに、一度チャンスがやってきます。そこをねらって入りましょう」

 という渋谷さんの読みどおり、倉嶋編集長と3人で、待つこともなくするっとカウンターに座ることができたのでした。

 カウンター席に座ると、店主が気合を込めて、ていねいに、ていねいにもつ焼きを焼く様子がよく見えます。仕上げにトプンと浸けるタレも、もつ焼きの種類にあわせて数種類。へぇ、こんなふうになってたんですね。ひとりで来ても、カウンター席でこの様子を見ながら飲んだら、飽きることがないですねぇ。

 「お品書き」はとてもシンプル。串焼きは、もつ焼きが各140円、つくねのみ160円。他に煮込み(350円)、「つくねと一緒にどうぞ」と書かれた生ピーマン(130円)、そしてホワイトボードに書き出される「本日のおつまみ」です。

 もつ焼きは、ぺてん(頭肉)、たん(舌)、はつ(心臓)、レバー(肝臓)、なんこつ(食堂)、チレ(脾臓)、はつ下(牛心臓血管)、ひも(大腸)、がつ(胃袋)、てっぽう(直腸)、子袋(子宮)、わっぱ(膣)、つくねの13種類。このうち、レバー、ひも、がつ、つくねの4種類に「お勧め」マークが付いています。

 飲み物は生ビールがジョッキで650円、グラスなら430円。瓶ビールは530円、黒ビールは460円。サワーはレモン、ウーロン、アセロラ、チューハイ、水割りがそれぞれ420円で、ゆず、生グレープフルーツ、青野菜ジュース割りがそれぞれ520円。その他に鈴木屋カクテル(420円)、日本酒(冷酒・燗・ひや、650円)、ワイン(ミニボトル赤・白、650円)に、ソフトドリンクが各300円です。

 この店での注文は「おまかせで」とお願いして、自分の好きなもの(たとえば煮込みや、つくねとピーマンなど)は「入れてね」とお願いしておけば大丈夫。サッと飲んでスッと帰るのがこの店の流儀です。

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レバ(手前)とガツ / つくねとピーマン / つくねはピーマンにのせて

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タン(手前)とハツ / なんこつ / はつ下

店情報前回

《平成21(2010)年3月23日(火)の記録》

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〔この一品〕 赤羽「まるます家」2階のスッポン鍋

すっぽん鍋(2階)


 1階のダブル「コ」の字のカウンターで飲むと、いかにも『元気な大衆酒場』という雰囲気を満喫できる「まるます家」ですが、2階は2階で、これまた捨てがたいのです。

 「まるます家」の2階にはド~ンと広い座敷席があって、なんとこちらは予約も可能。グループでの飲み会のときなどにも利用できます。

 そして『2階にしかないメニュー』というのも存在します。

すっぽん鍋(1階) たとえばスッポン鍋。1階にもスッポン鍋(750円)というメニューはありますが、1階のスッポン鍋は小さなアルミ鍋で出される一人用のもの。汁を残して食べ終えると、プラス200円でスッポン雑炊も作ってもらえます。

 では2階のスッポン鍋はどうなのか。グループでしか上がることができない2階座敷席用のスッポン鍋は3~5人用の大鍋で3千円(参考価格、詳細は後述)。しかも最後の雑炊も追加料金なしで含まれています。

 さらに1階ではできあがったスッポン鍋を目の前に持ってきてくれますが、2階では加熱前の土鍋が出されます。これを一緒に出してくれる卓上コンロで、目の前でクツクツと仕上げていくのです。

 ここでひとつお断り。「まるます家」の2階席には、今年(2010年)に入ってからも2回ほど行っているのですが、いつも大勢でわいわいと楽しんでいたので、2階席用メニューの値段チェックができていません。上で書いた3千円という値段は、3年前、2007年2月頃の値段です。1階でいただく一人用のスッポン鍋も当時は700円(現在は750円)だったと記憶していますので、現在の値段は3千円よりも上がっているかもしれません。しかし、まぁ、びっくりするほどは値上がりしていないと思います。そんなわけで、2階席用メニューの値段については、このあとの情報も含めて『参考価格』(2007年2月頃の価格)ということでお願いします。(現在の価格を知っている方は、ぜひコメントください。)

 1階で食べるスッポン鍋にも、いかにもコラーゲンたっぷりのスッポンの身は数切れ入っているのですが、2階の大鍋で見ると、それがゴロリゴロリと入っていて、しかもまだ火がついていないときは、すべの具在が独立的に並んでいるので、何が入っているのか、とてもわかりやすい。

 2階のもうひとつの目玉は、大きな正方形のお皿に、ずらりと10種類くらいの刺身を盛り合わせて出してくれる「刺身盛り合せ」(参考価格: 3,150円)。1階にも刺身3点盛り(800円くらい)はあるのですが、刺身盛り合せは2階だけだろうと思います。

 スッポン鍋ができあがるまでは、みんなで刺身盛り合せをつつきながら、北区のお酒「丸眞正宗」を飲んだり、ジャンチュー(=ジャンボ・チューハイ)を飲んだり。

 スッポン鍋を食べ終わると、ごはんと生卵を投入して、まる雑炊(=スッポン雑炊)を作ります。

 このスッポン鍋、3~5人前というものの、それはスッポン鍋だけをつまみにした場合の人数。「まるます家」ならではの他の料理も食べたいし、スッポン鍋も食べたいし、という場合は、その倍くらいの人数(6~10人前)で考えても大丈夫です。この鍋、10人で食べると、まる雑炊まで付いて、ひとりあたり300円ですからねぇ。信じられない。

 スッポン鍋は1階でも2階でも年中食べられます。

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「まるます家」 / 刺身盛り合せ / すっぽん雑炊

店情報前回

《平成21(2010)年3月20日(土)の記録》

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〔この一品〕 森下「三徳」の純レバ

純レバ


 「三徳」の純レバ(500円)は、鶏もつをもつ焼き用のタレで煮たもの。仕上げに刻みネギをトッピングして出してくれます。鶏もつの中でも、レバーまわりの部位しか使わず、玉ひも(体内卵や輸卵管)や砂肝などは使わない、またニラレバなどのように野菜も使わないことから“純レバ”と呼ぶんだそうです。

 もともとは浅草あたりで発祥したらしく、現在もこのあたり(浅草~墨東エリア)では比較的ポピュラーな食べ物として、ラーメン屋などにもあるメニューなんだそうです。

「純レバには絶対にビールなんです。仕事を終えて、この近くの銭湯(ときわ湯)でひとっ風呂浴びて、そしてここに来る。この濃厚な甘辛さの純レバをつつきながら、プハァーッとやる冷たいビールがいいんです」

 そう話してくれるのは、この近くに住んでいる常連のかぶきさん。

 たしかになぁ。すき焼きの割り下をもっと濃厚にしたような濃い味付けが、ここの純レバの特徴なので、チューハイだと飲み物があっさりし過ぎてて負けちゃうんだろうなぁ。

「ごはんにのせて食べるのもいいですよね」

 と、ごはん派の祝さん。さっそくごはんを注文して、手作りの純レバ丼です。これもまた、ごはんが進むおかずですねぇ。

 浅草のほうでは純レバ丼が正式メニューのお店も多いらしいので、この純レバ・オン・ザ・ライスも決して亜流ではなくて、正統派の丼と言えます。(ここ「三徳」のメニューにはありませんが…。)

 ここ「三徳」のもうひとつの名物メニューがニコ玉(580円)。ニコ玉というのは“煮込み玉子入り”を略した呼び方なのですが、メニューにも“にこ玉”と書かれているので、この店ではこれが正式な呼び方です。

 近くの「山利喜」と同じように、小さな平たい土鍋で煮立たせて、その土鍋ごと出してくれます。

 ただし「山利喜」の玉子がゆで卵を煮込んだ、いわゆる“煮たまご”なのに対して、こちら「三徳」は最後に生卵をポトンと落とし、白身が固まったくらいの状態で出してくれます。当然、中は半熟で、箸でプツンとつつくとジワッと黄身が広がる状態。この黄身に煮込みをからめながらいただくのがいいんですねぇ。

 「三徳」は大衆酒場 兼 大衆食堂のようなお店で、家族連れで食事に来ているお客さんも多いのが特徴。そのため店内の雰囲気もゆる~い感じで居心地がいい。

 メニューの幅も広く、冬場には湯どうふ鍋(500円)、水たき鍋(650円)、肉どうふ鍋(650円)、三徳鍋(700円)、かき鍋(750円)などのひとり鍋も楽しめます。

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純レバをごはんにのせて / にこ玉 / 玉子は半熟

店情報前回

《平成21(2010)年3月6日(土)の記録》

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〔この一品〕 西大島「こん平」のもつ刺身盛り合せ

もつ刺身盛り合せ


 「こん平」のもつ刺身盛り合せは、長円形の皿に、コブクロ、タン、牛レバ、ホーデン、ハツ、ガツの6種類が盛り合されて1,100円。これをショウガ醤油、ニンニク醤油でいただきます。

 もつは部位ごとに色も違えば、食感も味わいも違う。刺身で食べると、その違いが際だちます。

 白い筒状で、中心部だけがピンクのコブクロ。やわらかいんだけど、噛みしめるときにプリッとした弾力感があるのが特徴です。

 赤い肉の周辺を、ピンクの表皮が薄く覆っているのがタン。やわらかく感じるんだけど、強い力で噛むほど、それに反発する弾力感も強くなる。これがタンの特徴ですよねぇ。刺身だと、より一層その感じが強くなります。

 濃いエンジ色は牛レバです。プツンとすぐに噛み切れるような、はかない弾力感の中に秘められた濃厚なコク。これがレバですねぇ。単品メニューには豚レバの刺身もありますが、盛り合せには牛レバが使われます。味わいの濃厚さ(コクの強さ)は、牛レバのほうが豚レバよりもあるので、牛レバが採用されたんじゃないかと思います。逆に、そのあっさりとした味わいが豚レバの特徴でもあるんですけどね。

 そして全体がピンクのホーデンは、豚の睾丸の刺身です。これまた、牛レバとは別の方向性を持った濃厚なコクが特徴。ちょっとでも鮮度が落ちると臭みが出るんですが、ここ「こん平」のホーデンは、いつも新鮮です。ただ、こうやって置いている間にも鮮度は落ちてくるので、出てきたらなるべく早めにいただくのがいいのではないかと思います。

 ピンクのハツ。なにしろ心臓ですので、筋肉100%というプリプリ感が味わえます。味もまったくクセがなく淡白なので、たとえモツ嫌いの人であっても、ハツであれば大丈夫なんじゃないでしょうか。

 白く細切りされているのはガツ。豚の胃です。これまたプリッとした食感が身上。これまたクセがなく、万人に愛されるモツのひとつです。

 このもつ刺身、もちろん単品でも注文することは可能で、豚のもつ刺身は、タン、ハツ、ガツ、コブクロ、ホーデン、レバ、シロの7種類がそれぞれ400円。牛はレバ刺(740円)と、もつではないけれどユッケ(530円)があります。

 もつ刺身はビジュアル的にも美しいので、「こん平」の場合ももつ刺身が取り上げられることが多いのですが、普通の串焼き(もつ焼きや焼き鳥、野菜焼きなど)も自慢の品。もつ焼きは1本120円で1本ずつから注文可能です。

 串焼きにも、串焼き7種類(1,250円)、串焼き9種類(1,750円)、もつ焼き10本セット(1,150円)、野菜焼き盛り合わせ(650円)といったお勧めセットがあるので、おまかせであれこれ食べてみたいときは、これを注文するのがいいのではないでしょうか。

 日替りの黒板メニューには魚介類の刺身やサラダ類などの、普通の居酒屋メニューも並んでいるので、もつ以外の料理が食べたい場合でも大丈夫です。

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ぬか漬けと白菜漬け / ポテトサラダ / 特製スタミナ焼き

店情報前回

《平成21(2010)年3月6日(土)の記録》

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〔この一品〕 中野「第二力酒蔵」の豆腐煮

豆腐煮


 中野の魚好きに古くから愛されている1軒が、中野駅北口近くにある「第二力酒蔵」です。『高いものは高く、安いものは安い』と言われるこの店ながら、たいていのものは高い(爆)。ここで安く手軽に飲むにはメニュー選びが肝心です。

 この店に、ひとりでふらりとやってくる常連さんたちは、向かって右側の入口(角に近い入口)から入ってきて、すぐ正面の、小さな島のようになったカウンター席に座ります。

 「第二力酒蔵」の店内は、右手にゆったりと座れる大きなカウンター席があり、正面にこの小さなカウンター席、そこから左側はテーブル席がずらりと並び、一番左のほうは小上がりになっています。2階には座敷席もあって最大50人の宴会も可能。1階、2階を合わせた席数は200席にもなる大規模なお店なのです。

 なぜ入口正面のこのカウンター席が常連さんたちに人気なのか。それはこのカウンターの中が燗つけ場になっていて、店のおねえさんがここにいることが多いということと、運良く縦の辺に座れると、入口横に置かれたテレビを見るのにもベストポジションとなるということの2点が大きいと思います。

 右側の大きなカウンター席だと、テレビが背後になってしまう上、中にいる板前さんたちは話し相手になってくれないので、ひとり酒には居心地が悪いんですね。主としてカップルなど、二人連れの人たちに使われることが多い席になっているようです。

 席に座ると、いよいよ注文です。肝心なメニュー選びで、私のオススメは豆腐煮(450円)です。この豆腐煮の豆腐は、魚のあら煮の鍋で一緒に煮込まれたもの。その4切れ分(豆腐半丁分ほど)を一皿に盛り、刻みネギをのせて出してくれます。この豆腐が、魚以上に魚の味わいが濃くて、とてもいいつまみになるのです。

 合わせるのはやっぱり日本酒がいいですねぇ。キンシ正宗は小徳利が350円、大徳利なら820円。小さなカウンターの中の燗つけ器に並んでスタンバイされている1本を、スッと出してくれます。

 あら煮(650円)そのものも、常連さんたちに人気のつまみのひとつです。大きなお皿にたっぷりと出してくれるので、これだけで十分なくらいの量があるのもうれしいところ。あら煮には、豆腐煮と同じく一緒に煮込んだ豆腐が1切れ添えられます。ただしこの1切れ、大きさは豆腐煮の2切れ分ありますので、豆腐の量としては豆腐煮の半分です。

げそわさ もうひとつ、常連さんに人気があるつまみが、げそわさ(450円)。私もげそわさを追加注文すると、今日のはアオリイカのゲソです。げそわさ自体は印刷メニューにも載っている定番の品ながら、どのイカのゲソかは季節によるんですね。

 今日は豆腐煮(450円)とげそわさ(450円)で、キンシ正宗の大徳利(820円)を1本いただいて、お勘定は2,220円。ということは、最初に出されたお通し(キャベツ、キュウリ、ニンジンの塩もみ)が500円なんですね。う~む。豆腐煮もげそわさも、お通しよりも安かったんだ。

店情報前回

《平成21(2010)年2月26日(金)の記録》

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〔この一品〕 都立家政「竹よし」のイカ塩辛

イカ塩辛と燗酒


 どうしてこんなにお酒が進むんでしょう、というつまみの代表格がイカの塩辛ですよねぇ。発酵してより旨みが増したイカの弾力感に、酒の甘さをリフレッシュする心地よい塩味。よくぞこの塩辛という手法を考え出したものだと、遠い祖先に感謝したい。

「イカはやっぱりスルメイカを使わなきゃ、といったようなこだわりはあるんですか?」

「いや、そういうのは特にないね。市場に行って見てるとね、これは塩辛だな、ってイカが目に入ってくるんだね。プックリと肝がたっぷりしてそうなやつ。それを買ってきて塩辛にするんですよ」

 そう話してくれる店主。自家製のイカ塩辛(350円)は、ここ「竹よし」の人気メニューのひとつです。

 特にオススメなのは、店が込みあっているとき。「竹よし」の料理は、基本的には店主ひとりが調理するので、何人かのお客さんから一度に注文が入った場合は、店主が一生懸命がんばっても料理の出が渋滞してしまいます。そんなときに、イカの塩辛を出してもらって、それをつまみながらお酒をチビチビやりつつしのぐのが「竹よし」通のやり方です。

 あらかじめ仕込が終わって冷蔵庫にスタンバイされている塩辛は、店を手伝ってくれている女性陣も出すことができる一品。店主が忙しい場合でも、塩辛はサッと出してもらうことができるのです。

 ここの塩辛には「初日」とか「三日目」という、仕込んでから何日目の塩辛なのかという表記もあります。1種類しかない場合は自動的にそれが出されるのですが、2種類ある場合は、どちらがいいかを選べるほか、両方を半分ずつ盛り合わせたミックスも出してもらえます。

 塩辛としては、発酵が進んで旨みが十分に出た、三日目か四日目くらいのものがおいしいらしいのですが、初日、二日目のフレッシュ感もこれまた捨てがたい。ぜひいろいろと試してみてください。

店情報前回

《平成21(2010)年2月20日(土)の記録》

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〔この一品〕 呉「山口山」の皿うどん

皿うどん


 看板に「本場長崎の味、皿うどん、長崎ちゃんぽん」と書かれているこのお店。新入社員時代(今から25年ほど前)にもよく行っていたお店です。当時はれんが通りが蔵本通りに突き当たったまだ先の堺川沿いで、夜遅くまで営業していて、ひとしきり飲んでから最後の締めに長崎ちゃんぽんを食べに行ったりしていたものですが、今は和庄中学校の近くに移転しちゃったんですね。

 ここは名物のちゃんぽん、皿うどん以外にも料理の品数が多くて、普通の居酒屋としてもいけるほど。飲んで食べて仕上げにちゃんぽん、皿うどんという楽しみ方ができるのです。

 味の特徴は、本場長崎のちゃんぽんや皿うどんがそうであるように、甘い。

 私の故郷・愛媛県北条市(現・松山市)なども含めて、中四国・九州方面は、全般的に甘ぁ~い味付けをするところが多いように思いますが、ここ呉の料理は、それほど甘みの強さを感じない。東京などの味付けと比較的近い印象です。

 これはおそらく、呉の町ができあがってきた歴史にあるんじゃないかなぁと思っています。

 もともとは小さな農漁村だった呉が都会化したのは、明治22(1989)年にこの地に海軍鎮守府が置かれてから。それから昭和20(1945)年の終戦までの50年ちょっとの間に、全国第9位の人口を誇る都市にまで、一気に駆け上ったのです。

 新しい町には全国から人がやってきて、料理の味も各地の味付けが混ざり合った標準的なものになったんだろうというのが私の推測です。

 夏場には、夏季限定の冷麺(750円)も登場します。ここ「山口山」の冷麺は白味噌ベースのスープなのが特徴です。

 呉の名物に「細(ほそ)うどん」がありますが、冷麺もまた呉の名物のひとつ。最近は「呉冷麺」と地域名を冠して呼ばれるほどです。一番有名なのは「珍来軒」。行列必至の人気店ながら、年中、冷麺が食べられます。

 ただし、「珍来軒」も含めて、けっこうストイックに呉冷麺を極めている店が多いので、なかなか飲んで食べて、締めに冷麺なんてわけにはいきにくい。ガッと食べて、並んで待っている人たちに席を譲らないといけません。その意味でも、ここ「山口山」はありがたいよなぁ。

店情報

《平成21(2010)年2月16日(火)の記録》

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店情報: 長崎ちゃんぽん「山口山(やまぐちやま)」(呉)

    山口山
  • 店名: 山口山
  • 電話: 0823-23-9982
  • 住所: 737-0032 広島県呉市本町11-8
  • 営業: 11:00-14:00 & 17:00-23:00、不定休
  • 場所: 本通を北上し、本通4丁目の先の「呉市役所入口」信号交差点を右に入り、3ブロック先の右手角。
  • メモ: 長崎ちゃんぽん750、とんこつラーメン500(みそ50、バター100、ワカメ100、にんにく100、ニラ100、キムチ200、焼豚200、シーフード300、角煮500)、皿うどん750(ニラ100、シーフード300)、焼めし550(バター100、にんにく100、焼豚200、キムチ200、イカキムチ300、レタス300、シーフード300)、みそラーメン550、みそちゃんぽん800、玉子丼600、親子丼700、カツ丼900、中華丼750、マーボ丼900、焼そば600、焼うどん600、マーボラーメン900、特製餃子450、えだ豆250、冷奴250、白菜キムチ250、イカキムチ350、チャンジャ400、キムチ盛合せ500、にんにくからあげ350、豚のからあげ400、牛すじ煮込み450、とり串400、とり串カツ450、若とり唐揚700、手羽先唐揚700、とんかつ700、ヒレかつ800、えびフライ900、(冬のみ)カキフライ700、エビマヨ850、豚の足550、豚の耳550、特製コロッケ550、ベーコンエッグ400、ニラもやし炒め500、ニラ卵とじ550、ニラレバー600、ニラホルモン700、ニラバラ800、牛レバー600、牛バラ800、牛ホルモン700、にんにく芽炒め600、芽とレバー600、芽とホルモン700、芽とバラ800、揚げ出し豆腐400、揚げ餃子450、手羽めんたい600、白身魚フライ700、野菜炒め600、牛肉入り野菜炒め900。 八宝菜800、酢豚850、マーボ豆腐750、とりチリソース950、エビチリソース1,050、豚角煮1,050、ホルモン入り野菜炒め1,050、ホルモン入り焼そば1,050、博多風もつ鍋900(とうふ150、ちゃんぽん麺150、うどん150、キムチ250、やさい250、ぞうすい300、もつ450)ラーメンセット(ラーメン+半焼めし)800、焼めしセット(焼めし+半ラーメン)850、ちゃんぽんセット(ちゃんぽん+半焼めし)1,050、皿うどんセット(皿うどん+半焼めし)1,050、中華丼セット(中華丼+半ラーメン)1,050、スタミナセット(焼めし+半ラーメン+餃子+キムチ)1,150、(夏季限定)特製冷麺750。 すべてのメニューはお持ち帰りできます。ケース代50円。 〔のみもの〕ビール(中)550、生ビール(中)550・(小)450、ノンアルコールビール450、焼酎(麦・いも)500、ウイスキー500、ハイボール450、酒(1級)500、冷酒500、ジュース250、コーラ250、ウーロン茶250、カルピス250、トマトジュース300、焼酎ボトルキープできます(900ml)。(2011年11月調べ)

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〔くれ便り〕 お隣りの“キラリストたち”

くれえばん2010年9月号より


くれえばん2010年9月号 8月21日(土)に発売された、呉のタウン誌「くれえばん」(2010年9月号)の特集「お隣りの“キラリストたち”」。職業とは別に、何かで輝いている人たちを紹介しよう、というコーナーのひとりとして、なんと私のこともご紹介いただきました。

 日本全国、“隣りは何をする人ぞ”という無関心社会になるなか、街の規模が大きくもなく小さくもない呉地域は、ゆるい隣りづきあいができるちょうどいいコミュニティ。そこで、呉地域に住む私たちの隣りの人で、地域から全国に向けて発信している人たちを集めた特集が企画されたのだそうです。

 この特集のなかでは、人気漫画「カバチタレ!」の原作者・田島隆さんや、ベストセラーになったホラー小説「王様ゲーム」の作者・金沢伸明さんをはじめとする、10組12名のキラリストたちが取り上げられています。みなさん、呉に住んでたんですねぇ。

 この「お隣りの“キラリストたち”」の私の部分の取材は、おでんの「魚菜や」で行いました。このとき生ビールと一緒にもらったつまみがメンパチの唐揚げ。本当に小さな、ほとんど食べる部分がないくらいの小魚を、小鉢にひとつかみ盛ってくれるのですが、この味のいいこと! 噛めば噛むほど旨味がどんどん出てくる感じです。

 こっちにくると、いつも小イワシの刺身や天ぷらをいただいていたのですが、「鳥八茶屋」でいただいた活アジの造りといい、「春駒」でいただいたタコの刺身といい、そしてこのメンパチの唐揚げといい、瀬戸内海の美味は小イワシだけではありませんねぇ。

 今日は取材を受けている側なので、あまり飲まないように気をつけようと思っていたのですが、メンパチのあまりの美味しさについつい、呉は仁方の地酒「宝剣(ほうけん)」の冷酒もいただいてしまったのでした。あぁ~あ。

 「くれえばん」は、Amazon等では取り扱っていないようですが、公式サイトのなかのバックナンバーのページから購入することができるようです。

 「お隣りの“キラリストたち”」の他にも、NPO法人「くれ街復活ビジョン」が仕掛けた「石段の家」の紹介や、連載が継続中の「新・呉うまいもん」(第51、52軒目)などが載っています。

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酒場通とめぐる呉酒場(5) … 「くわだ食堂」「森田食堂」(呉)

早朝の「くわだ食堂」


 夏休みの1日、「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんと、「酔わせて下町」のFさんのお二人が呉に遊びに来てくれて、日曜日ながらたっぷりと4軒の呉酒場をハシゴ酒。

 今回のコースが、おそらく呉の酒場めぐりの基本的なコースだろうと思います。ただし、開店時刻の都合もあって1軒目と2軒目は入れ替わった感じになっているので、通常は「オオムラ」からスタートして、生ビールを1~2杯飲んで景気をつけたあと、「鳥八茶屋」などの“とり屋”に行って、瀬戸内海の海の幸で、ぜひ呉の地酒を楽しんでみてください。

 お腹が仕上がったところで、3軒目はスタンドバーです。スタンドは呉の街なかに、それこそ山のようにあるのですが、あまり土地勘がないあいだは、やっぱり老舗酒場が安心できますね。「シロクマ」や「どん底」であれば安くはありませんが、ビックリするほど高くもありません。

 そして最後は堺川沿いの屋台です。スタンドでは、ちょっとした乾き物しか出てこない場合が多いので、どちらかというと飲むのが中心。“とり屋”で仕上げたお腹もちょうどすいてくるころに、屋台がちょうどいいのです。飲むのはもう十分という場合には、ラーメンやワンタンメン、屋台によってはお好み焼きなどを食べて帰るだけでもOKです。

 まだ飲み足りない場合は、ビール、日本酒、焼酎などの飲み物が用意されているので、それらをどうぞ。つまみにはおでんや豚足、ホルモン炒めなどがある屋台が多いです。

 一夜明けて、今日月曜日は、宇ち中さん、Fさんのお二人が呉を出発する日。お二人とも、出発前に「森田食堂」か「くわだ食堂」に寄って帰りたいというご希望です。

 「森田食堂」が朝8時に開店するのに対して、「くわだ食堂」の開店時刻は朝6時。

 宇ち中さんの呉出発予定時刻が午前7時50分なので、残念ながら「森田食堂」の開店時刻には間に合いません。昨夜は出発前に「くわだ食堂」に行ってみるつもり、と言いながらホテルへと帰っていきました。

 一方、私も今日・月曜日は普通に仕事。朝7時半ごろには会社に着いていたいので「森田食堂」は無理。「くわだ食堂」で朝食を取るようにすれば、宇ち中さんと会えるかな。そんなわけで、宇ち中さんにも内緒で、朝6時半ごろに単身赴任寮を出発し、徒歩5分ほどの「くわだ食堂」を目指します。

「くわだ食堂」で朝食 店内はすでに朝食タイムに向けてスタンバイされていて、先客も4人ほど。私も含めてみんなオジサンで、おかずを1~2品に、ごはんとみそ汁で朝食中。私もガラスケースにずらりと並ぶおかずの中から、目玉焼きとハム、ポテトサラダにキャベツの千切りが盛り合わされた、いかにも朝食のおかずという感じの小皿(200円)を取ってきて、店のおじさんに小ごはん(140円)とアサリ汁(180円)を注文します。これで合計520円の朝食となります。普通のみそ汁ならば100円なので、普通の朝ごはんなら440円なのですが、この時期、やっぱりアサリ汁を注文する人が多いですね。

 しばらくすると入口の引き戸が開いて、宇ち中さんがちょっとビックリされた様子で入ってこられました。へへへ。黙ってたけど私も来ちゃったんですよ~。

 宇ち中さんは入口近くの冷蔵庫からビール(キリンラガー大瓶)を1本取ってきて、つまみはポテトサラダとイワシ煮付けです。朝のビールが実においしそうじゃのぉ。

 私は7時過ぎにお先にお勘定をして「くわだ食堂」を出発。すぐ近くの呉駅前バス停から会社へと向かいます。

「森田食堂」の鯛刺身 それから数時間後。いつものように仕事をしているところへピピピとメールはFさんです。Fさんは「森田食堂」が開くのを待って、「森田食堂」で朝食(朝ビール)をして、今、東京へ向かっている途中とのこと。念願の鯛(たい)の刺身(瀬戸内海の鯛は、これまたうまいのです!)は『午後から入荷』ということで食べられなかったものの、他のメニューでのんびりと過ごしたあと、締めとして食べたラーメン(400円)がものすごく美味しかったのだそうです。

「出汁に瀬戸内の小魚を使っているのと、塩がいいのでしょう。超美味です。都内の塩ラ-メンの名店も敵わないかも。最後に半ライスを入れると最強です。是非というか絶対に食べてみて下さい。」

 という興奮気味のメールからも、その感動っぷりが伝わってきます。これは近いうちに行ってみなきゃいかんですねぇ。楽しみがまたひとつ増えました。

 Fさんと宇ち中さんの来呉で、爆発的に楽しく過ごすことができた1日+翌朝でした。本当にありがとうございました。

 古典酒場編集長も、「Fさんと宇ち中さんもいらっしゃるなら、私もぜひ呉に!」とおっしゃって、がんばって「古典酒場 Vol.9」の仕上げをされていたのですが、他の案件なども重なって、結局いらっしゃることができませんでした。しかし、今回は残念だったものの、また次の機会に呉酒場めぐりができる可能性が残ったということなので、これまた楽しみな状況です。秋以降、寒くなってカキがおいしくなってくる季節がいいかも!

 それまでにいい店を見つけてお待ちしてますね~。>編集長&呑ん兵衛のみなさま

(おわり)

・「くわだ食堂」の店情報前回)/「森田食堂」の店情報前回

《平成22(2010)年8月9日(月)の記録》

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酒場通とめぐる呉酒場(4) … 屋台「富士さん(ふじさん)」(呉)

屋台で中華そば


 「酔わせて下町」のFさんと、「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんのお二人が呉に遊びに来てくれて、呉の酒場めぐりです。スタンドの後の4軒目は、呉の締めの定番、屋台です。

 呉の街なかを突っ切るように流れる堺川(さかいがわ)。その堺川の西岸(呉駅寄り)にずらりと並ぶ屋台はおよそ15軒。ここは赤ちょうちん通りと呼ばれる、全国でも珍しい、地方自治体(呉市)が管理する屋台通りなのです。

 ずらりと並ぶ15軒のうち、今日は北の端近くにある「富士さん」に入り、あらためて瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)をもらって乾杯です。

「あ、おでんがある。おでん食べたいなぁ」

 とさっそく屋台中央に置かれたおでん鍋に目が行くFさん。ここ「富士さん」のおでんは全品100円。まわりの屋台と比べても(すべてに行ったことがあるわけではありませんが)安いのではないかと思います。おでんはFさんがもらったものを横からつつくことにして、それ以外のつまみとしてホルモン炒め(700円)とガンス焼き(300円)を注文します。ガンスというのは、ピリ辛のさつま揚げに衣をつけて揚げたような、この地方の食べ物です。

 他の多くの街と同様に、呉の屋台も戦後の闇市時代に端を発しています。そして、これまた他の街と同様に、東京オリンピック(1964年)をひとつのきっかけとして、屋台営業を規制する方向へ法律・条例や地方自治体の政策などが向かっていきます。

 呉市の場合も1965年に、市内のあちこちに存在している屋台を、堺川西岸の蔵本通りへ集約する(それ以外の場所については営業許可を出さない)調整に乗り出し、翌1966年には28軒の屋台が現在の堺川沿いに集まってきました。

 1983年に呉市が、建設省の都市景観形成モデル事業地に指定されたことで、再び蔵本通りの再開発が行われ、歩道沿いに屋台専用の電源や上下水道の設備が22台分、市の費用で準備されることが決まりました。

 この工事が完了した時点(1987年)で20軒あった屋台も、配偶者や子に営業を引き継ぐ以外の、他人への譲渡はいっさい認められていなかったため、店主の高齢化や後継者難によって徐々に減っていき、2000年ごろには、その数わずか8軒になってしまったのです。というか、もともと自然消滅を狙いとした市の政策だったので、予定どおりに絶滅に向かっていたというところなんでしょうね。

 しかし、その絶滅に危機に及んでやっと屋台の観光的な価値が見直されてきます。呉市も営業を認めるかわりに、屋台の管理も行う方針を打ち出し、新たな屋台営業者の公募も行いました。このときに、お好み焼きやイタリア料理、アジア料理など、今までにはなかった屋台が選ばれて、現在の全15軒の体制になったのでした。

 何本かのビールを飲んだ後、締めにはやっぱり中華そば(500円)をもらいます。ここの中華そばは、呉市内に比較的多い、とんこつ醤油系。麺は市販の中華麺と同じようなやや太めの麺。たくさん飲んだあとにコクのあるスープが胃に染みわたります。

 ちょうど1時間ほど楽しんで、お勘定は4,350円(ひとりあたり1,450円)でした。どうもごちそうさま。

(なぜかまだつづく)

100808j 100808k 100808l
おでん / がんす焼き / ホルモン炒め

100808m 100808n 100808o
中華そば / 屋台のお客さんたち

店情報

《平成22(2010)年8月8日(日)の記録》

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店情報: 屋台「富士さん(ふじさん)」(呉)

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  • 店名: 富士さん(屋台)
  • 電話: 090-1017-6707
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央3丁目周辺の蔵本通り(赤ちょうちん通り)
  • 営業: 19:00-02:00、火休
  • 場所: JR呉駅から徒歩または市バス「中央三丁目」下車
  • メモ: 昭和49(1974)年創業。現在は二代目が切り盛りする、中華そばとおでんと鉄板焼きの屋台。ビール中瓶550、ホルモン炒め700、ラーメン500(半盛400、大盛600)、おでん全品100、焼きそば600、ホルモン焼きそば900、豚足600、豚耳500、豚キャベツ串2本250など。(2011年2月調べ)

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酒場通とめぐる呉酒場(3) … スタンド「シロクマ」(呉)

シロクマ


 貴重な夏休み中の1日をさいて、「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんと、「酔わせて下町」のFさんのお二人が呉に遊びに来てくれています。

 3軒目は、“とり屋”と並び立つ呉の特徴的な酒場文化、“スタンド”を味わいに「シロクマ」です。

 “スタンド”は正式にはスタンド・バー。スタンドという名前が付いているものの、決して立ち飲みではなくて、スタンド(=カウンター)の向こう側で女の子数人がサービスしてくれるバーのこと。女性の多いスナックのような感じでしょうか。

 ただし、女の子たちは基本的にカウンターの外側に出てきてはいけないことになっていて、せいぜいお酒を作ってくれたり、お酌をしてくれたりする程度なのですが、こちらの話に上手にのってくれる女の子たちが多くて、話が弾み、飲みも弾むという仕組み。カラオケがある店も多く、中にはお客さんたちがみんなで歌ってばかりのようなスタンドもあります。

 そんなこともあって大きくぼられるような店はなくて、ひとり3~5千円ほど。キープボトルを入れるとプラス8千円ほどといった値段で楽しめる店が多いようです。(ぼられないけど、けっして安くはありません。)

 経営する側から見ると、小さな店でも開業できる手軽さがいいのか、呉の街なかでも、中通(なかどおり)というエリアには昔からスタンドが密集。大きなビル全体に、何十軒ものスタンドがひしめいているというところもあり、タクシーで移動する場合のランドマーク的な場所にもなっています。VSビルやダイヤモンドビル、黄ビル(ビル全体が黄色いからそう呼ばれる)などがその一例です。

 ここ「シロクマ」は、“呉で2番目に古いスタンド”というお店(昭和32年創業)。1番目はおそらく「どん底」(昭和28年創業)だろうと思います。

 入口左側に、店の奥までを貫く直線カウンター十数席、右側は奥のほう半分だけが数席分の直線カウンターになっていて、左側のメインカウンターがあふれたときに使われます。これだけでみると比較的小さい規模の店ながら、実は2階に宴会場もあるそうで、大人数で訪れた場合も大丈夫。個人利用にも、会社利用にも耐えられる懐(ふところ)の深さをもっているのです。

 日曜日の午後7時半過ぎという時刻は、スタンドにとってはまだまだかなり早い時間帯。店内には先客はふたりくらいしかおらず、我われもどこにでも座れる状態。先客がそれぞれ左側のメインカウンターの奥のほうに座っているので、我われは手前のほうに座ります。

 この時間帯に入ったのは、実は絶妙のタイミングだったようで、これから30分くらいの間に店内は満席状態になってしまいました。日曜日でもみなさん飲みに来るんですねえ!

 飲み物は焼酎(麦焼酎「二階堂」)のボトルを入れて、水割りで飲み始めると、二つの平皿に乾きもののセットが盛りあわされて、3人の間に置かれます。つまりFさんのグラス、つまみの皿、私のグラス、つまみの皿、宇ち中さんのグラスという5つの食器が並んでいる形ですね。

 焼酎を作ってくれたおねえさんが、そのままカウンターの向こう側で我われの話し相手になってくれます。満席になっても20席くらいの店なのに、対応してくれるおねえさんの数は6~7人ほど。クルクルと上手に入れ替わりながら、気がつくと誰かが目の前にいて話し相手になってくれているという状況を作り出します。

 首都圏でおねえさんのいる店に行くと、お客の側が一生懸命おねえさんのご機嫌を伺っているような、どちらが客かわからないようなお店が多いように思うのですが、呉のスタンドではまったく違います。まるで新婚当時のお嫁さんのように、こちらの話を文句も言わずに一生懸命聞いてくれたり、励ましてくれたりするのです。どの店でも、聞き上手で、話も上手なおねえさんが人気者のようです。

 呉のスタンドは、昔から続いている酒場の形態なので、新入社員時代にもよく通っていました。ここ「シロクマ」(旧店舗時代)と、当時はその2階にあった「白婉(びゃくえん)」、向かいのビルにあった「エスカルゴ」(現在は閉店)の3軒によく行ってたなぁ。その当時は、おねえさんたちがほとんど年上の女(ひと)だったのに、今はほとんどが年下。まさに隔世の感があります。かわいい人やきれいな人が多いように感じるのも年齢(とし)のせいだろうか……(爆)。

 東京で飲むときには居酒屋→居酒屋→居酒屋→……と流れて、最後に1軒、バーにも、といったハシゴ酒が多いように思いますが、こちら呉では、居酒屋(多くの場合は“とり屋”)→スタンドとなることが多く、ハシゴをする場合はスタンド→スタンドと、スタンドのハシゴとなることが多いのです。

 その流れを見越してか、とり屋などの居酒屋は午後10時くらいに閉店してしまう店も多い。それより遅くまで開けていても、二次会の客は流れて来にくいのです。

 スタンドをハシゴすることはそれほど多くはないのですが、会社関係の飲み会の場合にたまに発生します。スタンドは、「だれそれさんの行きつけのお店」というのが決まっていることが多いのです。Aさんの行きつけのスタンドは「ラ・ブランシェ」で、Bさんの行きつけのスタンドは「バンカー」といったような場合、同じ飲み会にAさんもBさんもいると、どちらにもちょっとずつ顔を出そうかということになったりするのでした。

 2時間ほど楽しんで、お勘定は3人で16,800円(ひとりあたり5,600円)。店主夫妻が扉の外まで出てくれて、ていねいに見送ってくれました。どうもごちそうさま。

(つづく)

店情報

《平成22(2010)年8月8日(日)の記録》

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店情報: スタンド「シロクマ(しろくま)」(呉)

    シロクマ
  • 店名: スタンド シロクマ
  • 電話: 0823-23-4690
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通4-1-6
  • 営業: 18:00-01:00、火休
  • 場所: 本通3丁目バス停近くの和庄中学校入口交差点をれんが通り方向に入り、次の角を右に曲がった先、右手。
  • メモ: 昭和32(1957)年創業。呉市出身の鶴岡一人さんが率いた南海ホークスの選手たちが、かつて通い詰めたことでも知られるスタンドバー。平成20(2008)年6月2日に発生した、呉市の繁華街で起きた火事で被災したが、翌月下旬には旧店舗のすぐ近くに再建・再開。旧店舗の内装など、使えるものは極力使って、以前のイメージを保っている。公式サイトあり。(2010年8月調べ)

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酒場通とめぐる呉酒場(2) … ビアホール「オオムラ」(呉)

サッポロ生ビール


 「酔わせて下町」のFさんと、「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんのお二人と行く呉酒場。2軒目は生ビールの「オオムラ」です。

 本当は「オオムラ」に来て、2~3杯のビールを飲んでから「鳥八茶屋」などの“とり屋”に行くというのが順当なコース。しかしながら、「オオムラ」が開店するのが午後5時なので、4時から飲み始めた今日は、逆順になってしまったのでした。

 日曜日の今日は、「オオムラ」の店内も比較的すいていて、入口近くのカウンター席に3人並んで座ると、すぐに生ビール(500円)が出されます。

 戦後比較的すぐに開店したこの店は、開店当初から60年以上、生ビール1本。初期のお客さんは進駐してきた米兵さんたちだったそうです。

 この店で特徴的なのは、生ビールサーバーが大型の氷冷式であるということ。冷蔵庫くらいの大きさの金属箱が二つ並んでいて、右側の箱には生ビールの樽が置かれています。左側の箱が生ビールを冷却する箱で、ここに専用の氷が入っていて、その中を細いパイプで通り抜ける間にビールがちょうどいい温度まで冷やされるのです。

「仕組みとしては、今の生ビールサーバーと同じよのぉ。大きいだけじゃ」

 と店主。たしかに、細いチューブが冷却機を通過する間に生ビールが冷却されるのは今のサーバーと同じですが、その冷却のされ方がやわらかいんですよねぇ。冷たすぎなくて、ちょうどいい喉越しになるのです。

 つまみには、いかり豆(200円)とピーナッツ(200円)。塩がたっぷりとふられた豆類をポリポリとかじりながら、生ビールをクイクイと飲んで、すぐにみんなでおかわりです。

 追加のつまみはウインナー(200円)。このウインナーは、伊藤ハムポールウインナーが1本。真ん中で斜めにカットしただけの簡単なつまみですが、これにクレイジーソルトをちょっとつけて食べると、これまたいい生ビールのつまみになるのです。

 ポールウインナーは、関西、中四国では比較的ポピュラーなソーセージ。もしかすると魚肉ソーセージよりも有名かもしれません。このポールウインナーは魚肉ではなくて、蓄肉でできているので、生ビールにもよく合うのです。

「このウインナーが大好きで、自分でもポールウインナーを買って帰って、ビールのつまみにしてるんですけどねぇ」

「ここで食べるほうがうまいじゃろ。みんなそういうんじゃ」

 と笑う店主。そうなんですよねぇ。この店の雰囲気のなせる業(わざ)なのか、それともこのクレイジーソルト(ハーブ入りの塩)のせいなのか。

 Fさんは、となりのお客さんとクラシック音楽の話ですっかり意気投合。この店に来たのがはじめてとは思えないほど盛り上がっています。店主もオーディオファンで、昔のコンポーネントステレオの機器について、3人(店主、となりの客とFさん)であれやこれやと専門的な話に花が咲いています。

 そうこうしているうちに、もう7時半。ぼちぼちと「オオムラ」が閉店する時刻です。名残惜しくも、他のお客さんたちとともにここでお勘定。

 1時間半ほどの滞在は3人で4,600円(ひとりあたり1,530円ほど)でした。どうもごちそうさま。

(つづく)

100808g 100808h 100808i
「オオムラ」 / いかり豆とピーナッツ / ポールウインナー

店情報前回

《平成22(2010)年8月8日(日)の記録》

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酒場通とめぐる呉酒場(1) … 「鳥八茶屋(とりはちちゃや)」(呉)

活アジの造り


 「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんと、「酔わせて下町」のFさんのお二人が夏休みで呉に遊びに来てくれています。

 3人で出かける1軒目は「鳥八茶屋」。呉特有の酒場文化である“とり屋”の1軒です。

 “とり屋”というのは以前も書いたとおり、基本的には焼き鳥屋。ただし、ほとんどの店に生簀(いけす)が設置してあって、新鮮な瀬戸内海の海の幸も食べることができるのです。ここ「鳥八茶屋」の看板にも『活魚と焼き鳥』と書かれています。

 “とり屋”を始めたのは、呉市の瀬戸内海側にある倉橋島出身の上瀬稔さん。上瀬さんは終戦後、呉、大阪で四年間修業し、昭和27(1952)年に、呉市中通で活魚も食べられ、焼き鳥もあるという「鳥好」を創業しました。この「鳥好」が当たったことで、市内には同様な形式の店が増えていき、のちに“とり屋”と総称されるほどになったのでした。(その後の取材で得られた「鳥好」創業に関する新しい情報は→〈こちら〉 2012.02.19追記)

 ここ「鳥八茶屋」は、平日は午後4時開店ですが、週末の土日は、なんと正午開店。昼間っからグイグイと飲むことができるのもうれしいところ。

 奥の座敷の1卓を3人で囲み、まずは生ビール大ジョッキ(740円)で乾杯し、「“とり屋”ならではのおすすめ料理をひと通り注文するから、足りなかったら追加注文してね」と断って、一連の料理を注文します。

 みそ煮(160円)は、鶏の皮とコンニャクを、少し甘めのみそ味で煮込んだもの。小鉢で出されます。東京のもつ煮込みの、もつが鶏皮に代わり、砂糖が加わってやや甘めに仕上がった料理、と考えれば近いでしょうか。

 どこの“とり屋”にもたいていあるメニューですが、「鳥好」などでは、串に刺したみそ煮が出されます。これも東京のもつ煮込みに、串刺しのものと、鍋で煮込んで小鉢に盛られるものがあるのと同じですね。

 ここ「鳥八茶屋」をはじめ、最近はどこの“とり屋”でもお通しが出されるので、“まずは取り急ぎ”という一品は特に必要ないのですが、昔は“とり屋”に入ると、まずは生ビールとみそ煮をたのんでサッと飲み始めるということが多かったのです。

 活アジの造り(1,050円)は、生簀(いけす)で泳いでいるアジを網ですくって、その場でお造り(刺身)にしたもの。夏が旬のアジ。特に瀬戸内海でとれるアジは、この時期、弾力感もあって、身の味も濃く、最高の味わいとなります。食べ終わると、中骨の部分はカラリと揚げて持ってきてくれます。

 こうなると日本酒ですね。ここ「鳥八茶屋」には「美和桜」辛口(三和)、「誠鏡」純米(竹原)、「華鳩」辛口(音戸)、「久保田」(新潟)、「千福」吟松(呉)といった日本酒が、それぞれ一合半の徳利(各630円)で出されます。冷やでも燗でも出してくれるのですが、私のおすすめは音戸の「華鳩(はなはと)」の燗。アジや小イワシなど、瀬戸内海の味の濃い魚によく合います。

 今は夏なのでアジにしましたが、冬場には活ハゲの造り(時価で2,000円前後)がおすすめです。ハゲというのはカワハギのこと。一緒に出してくれるハゲの肝を醤油に溶かして、肝醤油にして、それに薄く造った身をからめるようにしていただくのがいいんですねぇ。

 天ぷらは、これまた夏においしい小イワシ天婦羅(530円)と地物タコ天婦羅(630円)をもらいます。タコは絶対に天ぷらで食べるのがうまいと思うのですが、東京あたりではタコ天を出してくれるお店があまりないんですよねぇ。

 小イワシ(カタクチイワシ)は刺身や天ぷら、煮物など、いろんな料理にして楽しみます。こんな小さいのに、味わいが深いんですよねぇ。あれば必ず食べたい一品です。

 そして忘れてはならないのが焼き鳥です。メニューには“串物”という表記になっていて、串(鶏肉とネギを交互にさしたもの)、カツ(鶏肉とネギの串に衣をつけて揚げたもの)、キモ(鶏肝)、ズリ(砂肝)、モツ(玉ひも)、つくね、ボンボチがそれぞれ2本1人前で320円。皮(鶏皮)のみ1本210円です。今日は盛り串(5本790円)を注文すると、カツ、つくね、モツ、串、ズリの5本が出されます。

 “とり屋”のおすすめ品は、他にもササミ天(320円)やスープ豆腐(420円)など、いくつかあるのですが、今日は盛り串まででもう満腹。

 2時間ほどゆっくりと楽しんで、お勘定は3人で8,970円(ひとりあたり2,990円)でした。どうもごちそうさま。

(つづく)

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「鳥八茶屋」 / みそ煮 / 地物たこ天婦羅

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小いわし天婦羅 / 盛り串 / カウンター席

店情報前回

《平成22(2010)年8月8日(日)の記録》

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〔くれ便り〕 「酔わせて下町」「宇ち中」両氏が来呉

大和ミュージアム


 各企業での夏休みシーズンが始まった日曜日、「酔わせて下町」のFさんと、「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんのお二人が呉に遊びに来てくれました。

 Fさんご自身は先週が夏休み。奥様のご実家のある四国に帰省されたあと、もうしばらく夏休みを楽しむご家族を田舎において、ひとりで帰京される途上、わざわざ呉に立ち寄ってくれたのです。

 Fさんは、四国・今治(いまばり)から高速船に乗り、午前10時過ぎには呉市・川尻(かわじり)港に上陸。これは早々と飲み会スタートかと思いきや、『昨日飲み過ぎたので、しばらく休憩して夕方から合流します』とのこと。奥様のご実家が近かったり、呉市内に友人がいたりすることもあって、Fさんご自身は呉には何度もいらっしゃっており、もう庭のようなもの。大浴場のついた定宿に早々とチェックインして、くつろがれるそうです。

 一方、宇ち中さんは昨日からが1週間の夏休み。今朝東京を発って、新幹線でこちらに向かいつつある様子が、twitter@uchidaholic)で刻々とつぶやかれていておもしろい。宇ち中さんは、新幹線で一気に呉に来られたあと、明日の朝から青春18切符で東京へと向かいながら、神戸、和歌山、名古屋、静岡と、各地で酒場めぐりをするんだそうです。呉を、日本縦断酒場ツアーの出発地点に選んでいただいて感謝感謝です。

 午後2時前には宇ち中さんが呉駅に到着。改札口で合流して、二人で「大和ミュージアム」から「てつのくじら館」へと向かいます。私自身、呉に来て5ヶ月目に入りましたが、「大和ミュージアム」にも「てつのくじら館」にも行ったことがなかったので、今回が初訪問です。

 「大和ミュージアム」(呉市海事歴史科学館)は、ここ呉で建造された世界最大の戦艦「大和」を中心に、呉の歴史や、その礎となった造船・科学技術を紹介する施設。入館料は大人ひとり500円ながら、夏休み中の日曜日とあって、館内は多くのお客さんでにぎわっています。

 「大和ミュージアム」の館内には大和の1/10模型が置かれているほか、外庭にある桟橋は実物大の大和の甲板を模したもの。炎天下の中を舳先(へさき)の部分まで歩いていくと、あらためて大和の大きさを感じます。

 道路を挟んで向かい側にある「てつのくじら館」(海上自衛隊呉史料館)は入場無料。こちらは海上自衛隊の施設なので、館内では制服姿の自衛官も働いていて、庭に本物の潜水艦がどんと置かれているのが大きな特徴。その潜水艦の中も見学することができます。

 ひとしきり見学を終えたところで、午後4時前。さぁ、ぼちぼちと呉酒場めぐりを開始しますか!

 今日は日曜日なので、私自身がこのところ足しげく訪れている「あわもり」や「どん底」、そして大衆食堂ながら大衆酒場的な要素も兼ね備えている「森田食堂」、「くわだ食堂」はそれぞれ定休日。これらをはずしたコースを考えないといけません。でも大丈夫。呉には日曜日にも開いている酒場がたくさんあるのです。

 さぁ、練りに練った日曜日の呉酒場めぐりコース。酒場通のお二人は気に入ってくれるでしょうか。楽しみ楽しみ。

(つづく)

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呉駅前のスクリュープロペラ / 大和甲板を模した公園 / てつのくじら館

《平成22(2010)年8月8日(日)の記録》

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小イワシ天にタコ刺身 … 宣伝酒場「春駒(はるこま)」(呉・新広)

瀬戸内のタコ刺身


 「あわもり」を出て、広(ひろ)での2軒目はつい先日初めて行った宣伝酒場「春駒」です。

「こんばんは」と入った店内には、カウンター手前側に男性3人連れの先客。私はその3人の先、カウンターの一番奥から2番目、といっても全6席ほどなので先客3人との間も1席分空いているだけの場所に腰をおろします。

「え~と。冷酒の賀茂鶴(かもづる)のほうをください」

 前回は、「春駒」の名物、鳥足骨付(500円)の“親”を塩とタレでそれぞれ1本ずつもらって満腹になり、他のものが食べられなかったので、今日はぜひ鳥足骨付以外のメニューを食べてみようと思っているのです。

 なので、飲み物も日本酒。さっき「あわもり」でも日本酒をいただいたので、今日は日本酒デイですね。この店の日本酒メニューは、熱燗2合(500円)、冷酒・さわやか(500円)、冷酒・賀茂鶴(700円)の3種類。せっかくならば、広島のお酒を飲もうと賀茂鶴を選んだのですが、出された賀茂鶴を見てビックリ。特別純米酒の300ml瓶です。これで700円は安いなぁ!

 さてつまみ。この店では紙に印刷された定番メニュー(詳細は店情報にて)のほか、奥の黒板に手書きされたメニューと、その横の壁に並ぶ5個ほどの短冊メニューがあります。

 今日の黒板メニューは馬刺600、マグロ刺500、カマ塩焼500、タコ刺500、イカ焼500、イカ刺500、ミソ皮450、小イワシ天400、〆サバ400、サンマ400、塩サバ400、手羽先400、このしろ400、ササミ天400、アジ干物380、ポテトサラダ280、キムチ280。短冊メニューは枝豆280、ししゃも350、スルメいか380、鳥みそ400、とん平450です。一番高いメニューが600円(馬刺)というところからも、この店の安さがわかります。

 夏の時期においしい小イワシ天(400円)とタコ刺(500円)をもらいます。

 小イワシ天はカラリと10尾ほど。できたて熱々のところをシャクシャクといただくと、口の中に広がる小イワシの旨味。こんな小さな魚なのに、旨味が強いんだよなぁ。いや、小さな魚だからこそ旨味が強いのかもしれませんね。熱々小イワシと、冷たい日本酒がいい相性です。

 そしてタコ刺。生タコではなくて茹でたタコの足を刺身にしたものなのですが、これまた味が濃いなぁ。タコの旨味がギュッと濃縮されています。

 今はなくなりましたが、前に呉にいたころ(22年ほど前)には音戸ロッジという国民宿舎が、音戸大橋を望む丘の上にありました。そこの名物料理として、タコ飯やタコ天があったほど、タコはこのあたりで好まれる食材なのです。

 ふーむ。こうやって書いてみると、改めて呉と横須賀の食べ物に共通点があることがわかりますねぇ。

 呉の小イワシに対して横須賀のシコイワシ。呉のツブ貝、横須賀のシッタカ。呉のタコ、久里浜のタコ。どちらも旧海軍の時代から軍港なので、老舗洋食屋も多いし。両方の軍港を軍艦が行き来するうちに、食べ物が似てきたのでしょうか。それとも、海軍ができるよりも昔から同じような食習慣だったのでしょうか。

 同じく旧軍港であり、今も海上自衛隊の基地がある佐世保や舞鶴はどうなんでしょうね。とても興味深いテーマです。

 ところでこの店は、なんで宣伝酒場というんですか?

「昔はいろんな酒造会社が、自分のところで造ったお酒を宣伝するために直営の店を作ったらしいのよ。それが宣伝酒場で、あちこちにいっぱいあったらしいですよ。今はもう宣伝酒場じゃないんだけど、表の看板が昔のままになっているんです」

 ひとりで切り盛りしている女将が、そう教えてくれます。

 タコ刺を食べ終えても、もうちょっと日本酒が残っているので、焼き鳥ももらってみようかな。焼き鳥は、もも、せせり、かわ、つくね、きも、ずり(砂肝)の6種類で、それぞれ1本100円。1本から注文可能ということなので、ももとせせりを1本ずつ、塩で焼いてもらって、1時間半ほどの滞在は1,800円でした。いやぁ、鳥足骨付以外も美味しいですねぇ。どうもごちそうさま。

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賀茂鶴・特別純米酒 / 小イワシ天ぷら / もも、せせり

店情報前回

《平成22(2010)年7月8日(木)の記録》

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猛暑でもおでんに燗酒 … おでん「あわもり」(呉・新広)

今宵は御酒(燗)


 猛暑、猛暑。今年の夏は暑いですねぇ!

 こんなに暑いと、おでんしかない「あわもり」はさぞ空(す)いているだろうと思って出かけてみると、まったくそんなことはないんですねぇ。いつもの常連さんが、いつもと同じような席に座って、いつもと同じものを食べています。この店には猛暑も関係ないんだなぁ。

 そうは言いつつも、やっぱり暑いので最初はビール(大瓶が500円)からスタート。おでん(すべて90円)はいつものようにカワとキモです。私自身もいつもほぼ同じものを食べてるような気がします。

 最近、会社からここまで、直通で来ることができるバスがあるのを発見。会社の前のバス停が午後5時32分というバス1本だけなのですが、これに乗れば「あわもり」に到着するのは6時10分。なんとかまだ空(あ)きがある時間帯なのです。帰り道は、呉の市街地方面に向かうバスのほとんどが、単身赴任社宅の近くに止まるので、あまり気にしないでも大丈夫。5時32分にさえ間にあえば、楽に「あわもり」のおでんが堪能できるのです。

 次なるおでんは、空腹を満たすための厚揚げ。ドンと大きいのを皿にのせてくれるのを、ひと口大に切り分けてから、ゆる~く溶かれた練りガラシをかけます。

 そして、ぼう天を注文したところで、“御酒 200円”(メニュー表記のまま)を注文します。

 目の前にトンとコップが置かれ、ポットで保温されている燗酒がトクトクとすり切りいっぱいまで注がれます。

 店名が「あわもり」ということもあって、私自身、新入社員の頃から、この店に来るといつも泡盛を飲んでいたのですが、よ~く観察してみると、日本酒を飲んでいるお客さんもけっこういるのです。

 呉もそうですが、広島県内には酒造会社が多く、しかも瀬戸内海の味の濃い魚に日本酒がよく合うということもあって、会社の飲み会などでも最初から日本酒を飲む人も多いのです。私も呉に来てから、燗酒比率がより上がったように思います。

 日本酒に練り物はよく合うので、このぼう天もいいつまみですね。続いてはイワシ団子。これはもう、合わないはずがありません。

 3個並んだイワシ団子が、残り1個になったところで、ネギマを注文しておきます。ネギマと玉ネギは、注文を受けてからおでん鍋に投入されるので、出てくるまでに少し時間がかかるのです。

 ネギマの“マ”は、マグロの“マ”。3~4センチの長さにカットされたネギが、筏(いかだ)状に8個ほど串に刺されてるなか、先っぽから2個めと3個めの間、そして4個めと5個めの間に、薄くスライスされたマグロの身が、それぞれひと切れずつ挟まっています。

 つい先日、「ネギマって、どうしてネギマって言うんですか?」という初歩的な質問を店主にぶつけてみたところ、「マグロが挟まっとるじゃろう。ネギマの“マ”は、マグロの“マ”よのぉ」と笑いながら教えてくれたのでした。

 ネギマの終了とともに、御酒もちょうど飲み終えて、1時間ちょっとの滞在は1,240円でした。どうもごちそうさま。

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「あわもり」 / かわ、きも / あつあげ

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ぼうてん / いわしだんご / ねぎま

店情報前回

《平成22(2010)年7月8日(木)の記録》

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〔この一品〕 呉「いせ屋」の特製カツ丼

特製カツ丼


 呉市中通(なかどおり)にある田舎洋食の「いせ屋」の創業は大正10(1921)年。来年で創業90年を迎えます。

 この店の創業者は、日露戦争でも活躍した装甲巡洋艦「浅間」でコックを務めたあと、この店を開店。現在でも、昔懐かしい和風の洋食メニューが並びます。

 そんな「いせ屋」の大きな名物が特製カツ丼(1,100円)。丸皿につがれたご飯を覆いつくすビーフカツは芳ばしくてやわらか。まったくと言っていいほど油っぽくありません。このビーフカツには縦横に包丁が入り、ちょうど一口で食べられるくらいの大きさの正方形のカツが並びます。その上にたっぷりとデミグラスソースをかけて、グリーンピースを5粒ほどのせたら特製カツ丼のできあがり。

 これをフォークでいただくと、ちょっと甘めの「いせ屋」のデミグラスソースの味わいもよくて、けっこうなボリュームなのにするっと食べることができます。

 別皿(小皿)で大根と胡瓜(きゅうり)のお新香が出されるのが、いかにも「いせ屋」らしいですよねぇ。

 実は昨日、今日と、二日連続で夕食は「いせ屋」。

 昨日はひとりでやってきて、大好物のポークチャップ(800円)と、おひたし(200円)をつまみにキリンラガー大瓶(700円)で晩酌です。

 ここのポークチャップは、ブロック状(大きめのひと口大)にカットした豚肉を炒め、自慢のデミグラスソースをからめたもの。千切りのキャベツと焼きポテトが添えられます。熱々のうちにハフハフといただくのがいいですねぇ。これまたちょっと甘めのデミグラスソースが光ります。

 おひたしはホウレン草。削り節と白胡麻がたっぷりとトッピングされています。おひたしをはじめ、大根おろし、冷やっこ、湯豆腐、きゅうりもみ、味付け海苔などのサイドメニューが、それぞれ200円で並んでいるのも“田舎洋食”が看板の「いせ屋」ならでは。飲み物には菊正宗(600円)、白牡丹(300円)といった日本酒もあって(というか飲み物は日本酒とビールのみ)、洋食をつまみに燗酒をチビリチビリ、なんてこともできるのです。

 ビールを飲み終わったところで小ごはん(おしんこ付き、160円)と豚汁(300円)をもらって、本日の晩酌付き夕食は2,160円なり。

 となりのテーブルのおじさん(ひとり客)は、おろし(大根おろし)に豚汁、そしてカツカレーの「小」を注文。メニューには「小」なんて書かれていないのですが、豚汁にも「小」があるようです。

 明けて今日は、会社の先輩と二人で「いせ屋」で夕食。ふたりでビールを1本(キリンラガー大瓶、700円)もらっておいて、私は特製カツ丼(1,100円)、先輩はカツカレー(1,100円)です。

 カツカレー(1,100円)は、外観的には特製カツ丼とほとんど同じスタイル。最後にかけるデミグラスソースが、カレーのルーに変わっただけで、見かけ上は色合いがちょっと違うくらい。このカツカレーも、この店の人気の品です。

 というか、呉の街なかにはカツカレーが自慢のお店が多いように思います(たとえば喫茶「バンビ」)。カツカレーもまた、海軍さん由来の呉名物のひとつなのかなぁ。

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「いせ屋」 / ポークチャップ / 豚汁と小ごはん

店情報前回

《平成21(2010)年2月16日(火)の記録》

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郷土料理・はぶて焼き … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

さばのはぶて焼


 生ビールの「オオムラ」を出て、今日の3軒目は、先日くれえばん」編集長とご一緒させていただいた「魚菜や」です。

 いいなと思う店があったら、すぐに裏を返して店の人にも覚えてもらい、自分が通いやすい環境を作らないといけないのに、ご紹介いただいてからすでに2ヶ月がたとうとしています。いかんですねぇ。

 「こんばんは」と入った店内には先客は5人。L字カウンターの縦の辺の一番奥に男性一人客。L字の角を挟むように二人ずつ座っている男性客は、4人が1グループなんですね。

 この店のカウンターはL字の縦の辺も、横の辺もほぼ同じ長さで、それぞれ4人ずつ座れる形。それとは別に2人がけの小さなテーブルがひとつ、壁際に置いてあります。

 私が入口右手の、L字の横の辺の一番端っこに座ります。

 丸太を割ったカウンターは、カウンターの付け根の辺り両端でぐんと広がっているので、今座った端っこの場所は、自分の身体がカウンターに取り巻かれるような感じで、なんだか居心地がいい。前に来たときにも「カウンターが丸く広がっている端っこの席に座ってみたいなぁ」と思っていたので、今日はこの席が空いていてちょうどよかった。

 「いらっしゃいませ」と出されたおしぼりで、手や顔を拭いたところで生ビールを注文します。さっきの「オオムラ」で生ビールが1杯しか飲めなかったので、まだなんとなくビール不足なのです。ちなみに、ここ「魚菜や」には、ビールは生ビールしかありません。

 お通しは、ゆでたそら豆。「オオムラ」が生ビールにいかり豆(揚げたそら豆)だったので、組み合わせ的には似ているなぁ。

 さてつまみ。店の外にある自然木の看板には「おでん 魚菜や」と書かれていて、店内には確かにおでんもあるんだけど、それ以外に、ひとりで店を切り盛りする女将の手料理も日替わりで並んでいて人気の様子。手書きの“おしながき”には、地ダコの刺身・天ぷらや、小いわし天ぷら、さばのはぶて焼、小イカの煮物、小芋の衣かつぎ、野菜の南ばん漬、ふきの煮物、メンパチの唐揚などが並んでいます。

 飲み物も食べ物も値段表記がないのがこの店の特徴。しかし、もともとは屋台で営業されていただけあって、高くはないようです。店の外には、ある程度値段の目安も書かれていて、それによると『刺身は時価、おばんざいは1品400円から、揚げ物は600円から、おでんは1個150円から』とのことです。

「さばのはぶて焼き、ってどういう料理なんですか?」

「煮たサバを焼き魚にしたものなんですよ。この辺(広島)の郷土料理です。」

「へぇ~。じゃ、それください」

 「はぶてる」というのは、「すねる」とか「ふてくされる」といった意味合いの広島弁。煮た魚は身が崩れやすくなっていて焼くのがむずかしい。ふくれっ面をして焼いたので「はぶて焼き」という名前が付いたのだそうです。

 そのはぶて焼きが出たところで、お酒をおまかせで注文すると、地元・仁方(にがた)の「宝剣(ほうけん)」を出してくれました。

 はじめて食べたはぶて焼きは、煮魚の旨みと、焼き魚の芳ばしさを兼ね備えたような料理で、日本酒にもよく合います。こんな料理があったとは、ちっとも知らなかったなぁ。

 はぶて焼きのあとは、おでんをもらいます。カウンターの中にはおでん鍋が二つ並んで置かれていて、ひとつは関西風、もうひとつは関東風のおでんが入っています。おでんのネタのなかにがんすがあるのを発見し、さっそくそれを注文。

「がんすは、おでんのネタとしても使われるんですか?」

「店では使うけど、一般の家庭ではあまり使わんかもしれんねぇ」と女将。

 がんすは、魚のすり身に、刻んだ野菜や一味唐辛子を加えて練り、パン粉をつけて揚げたもの。これがおでん鍋に入ると、外のパン粉の部分がふやけて、赤い平天のような感じに仕上がっています。

 さらに、大根、しらたきといった、「あわもり」のおでんにはない具材を、ここぞとばかりに楽しんで、2時間ほどの滞在は2,250円でした。どうもごちそうさま。

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店内の様子 / がんす / しらたきと大根

店情報前回

《平成22(2010)年7月7日(水)の記録》

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店情報: おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

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  • 店名: 魚菜や
  • 電話: 0823-24-7409
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通4-1-24
  • 営業: 16:00-21:30、日月休
  • 場所: 本通3丁目バス停のすぐ近くにある「和庄中学校入口」信号交差点を中通・堺川方面に入り、れんが通りを横切った先、右手にあるウォンツ呉パルス通り店(向かいがイズミ/ベスト電器)の奥、タバコの自動販売機のある路地を右に入った左手。
  • メモ: 和服に割烹着姿の女将がひとりで切り盛り。L字型の自然木のカウンター8席ほどと、壁際に小さな2人卓。日替わりで出される手書きのメニューには値段表記はなく、刺身は時価、おばんざいは1品400円から。揚げ物は600円から。おでんは関西風/関東風があって1個150円から。飲み物は生ビール、各種焼酎、呉を中心とした広島県の地酒など。
    〔おしながきの一例(2010年7月7日分)〕地ダコの刺身、地ダコの天ぷら、小いわし天ぷら、島ラッキョ、さばのはぶて焼、冷奴、小イカの煮物、ポテトサラダ、じゅんさい、小芋の衣かつぎ、インゲンのごまあえ、大いわしの梅煮、野菜の南ばん漬、ふきの煮物、メンパチの唐揚、豚耳、ちりめんおろし。《おでん》アキレス、ロールキャベツ、しらたき、豆腐、こんにゃく、厚あげ、ウインナー、こんぶ、ごぼう天、じゃが芋、玉子、がんす、大根。
    〔おしながきの一例(2016年9月10日分)〕お刺身(地ダコ、〆さんま、アジ)、たこ天、小いわし天、れんこん、冷しトマト、めざし、焼さんま、サザエ、エビとなすの煮物、ずいきの煮物、小いわしの煮物、ピーマンの揚げひたし。《おでん》牛すじ、がんす、ロールキャベツ、玉子、ちくわ、ごぼう天、しらたき、こんにゃく、じゃが芋、厚あげ、はんぺん、こんぶ、ウィンナー。(2010年7月調べ、2016年9月確認)

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今宵は1杯で売り切れ … ビアホール「オオムラ(おおむら)」(呉)

今宵は1杯で売り切れ


 広(ひろ)の「あわもり」をあとに、呉駅に戻ってきたのは午後7時前。まだちょっと早すぎるので、あと1~2軒、回ってみますか。

 呉駅からトコトコと歩いて、酒場が密集する中通(なかどおり)地区へと向かいます。広島もそうですが、呉も駅と繁華街が離れてるんですよねぇ。呉の場合は歩いても10分ほどでたどり着くのでそうでもないのですが、広島の場合は路面電車で10分ほどかかるので、ちょっと大変です。

 どちらの町も戦後、まったくの焼け野原状態から復興したのに、どうして繁華街が駅から離れちゃったんでしょうね。不思議だ。もともとあったところへ、元のように再建して、戦前と同じような町ができたということなのかなぁ。

 中通に到着して『どこに入ろうかなぁ』とウロウロ。「オオムラ」をのぞくとまだ開いているようなので、まずはここで生ビールを飲みながら、この後の展開を決めることにしますか。

 うなぎの寝床のように細長い店内は、縦に長~い“コ”の字カウンター10席程度のみといっていい(奥に小さなテーブル席があるんだけど、使われているところを見たことがない)状態。

 その“コ”の字の入口近くに座ると、すぐに生ビール(500円)が出されます。

 飲み物メニューはなくて、生ビールしかないので、私はいつも「こんちは」と言いながら座るだけ。そうすると黙ってても生ビールを出してくれるのです。でも律儀(りちぎ)に「生ビールを1杯、お願いします」と注文しているお客さんも多いんですよ。

 生ビールを受け取ったついでに、いかり豆(そら豆を揚げて塩をからめたもの。200円)ももらいます。それを殻ごとポリポリと齧りながら、生ビールをスゥ~ッとのどの奥へ。ここのビールは喉越しが良くて、スイスイと入ってくるのです。

 生ビールと簡単な乾き物しかないという、まるで立ち飲み屋のようなお手軽感もこの店のいいところなんでしょうねぇ。ちょいと立ち寄って、クイッと生ビールというのに本当に適している。

 やってくるお客さんも飲み始めの1軒目としてここにやってきて、20~30分ほどの間に生ビールを2杯ほど飲んでスッと出ていく人がほとんど。

 そういうサックリ派が多い一方で、『とにかくここの生ビールが大好き』というジックリ派もいて、そっちの人たちはじっくりと腰を据えて、少量のつまみでたっぷりと5~6杯の生ビールをやっつけています。

 すでに午後7時を回っているのですが、私のあとからもまだお客さんはひとり、またひとりと入ってきます。ひとりで来る人が多いんですね、この店は。

 最後に入ってきたお客さんの生ビールを作っているときに、シュワァ~ッという感じで泡が多く出てきて、本日の生ビールが売り切れです。すぐ横の大ジョッキに、泡や液体の部分を微調整するための生ビールが入っているので、それも使って最後のお客さん用の生ビールは無事に完成。

 そのあとから入ってこようとするお客さんには、「ごめん、今日は売り切れた」と入店を断る店主。だいたい午後7時前後に売り切れるんですね。

 生ビール1杯とイカリ豆で、今日のお勘定は700円でした。どうもごちそうさま。

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《平成22(2010)年7月7日(水)の記録》

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〔この一品〕 八重洲「三州屋」のぶりあら煮

ぶりあら煮


 東京駅あたりでチラリと時間が空いたときの飲食にちょうどいいのが、八重洲口から徒歩5分くらいのところにある八重洲「三州屋」です。

 昼前(午前11時)から夜(午後10時)まで中休みなしにやっているのも都合がいいし、ほぼ年中無休(盆や正月は休みなのかな?)というのもありがたいし、どの時間帯でも飲みでも食事でもOKというのが我われ呑ん兵衛にとってはうれしいですよねぇ。

 もちろん東京駅構内にも飲食店はたくさんあるんだけれど、オジサンがひとりでふらりと立ち寄るのに適した店が見つけにくい。また夕方以降だと八重洲「三州屋」のすぐ近くの「ふくべ」も開くんだけれど、有名すぎていつも満席。ひとりでも入れないこともあったりするので、空いた時間がちょっとしかない場合は特に、探したり待ったりする時間も惜しんで八重洲「三州屋」に入るのでした。

 店内は入口から奥までをズド~ンと貫く長いテーブル席の両側に、6人がけのテーブル席がずらりと並ぶスタイル。長テーブルを魚の中骨にたとえると、両側の6人がけテーブルがそれぞれの魚骨のような感じですね。テーブルはすべて白木で落ち着きます。

 昼も夜も、これらのテーブルに相席で座っていくのですが、込み合う前であればグループはなんとなく両側のテーブル席。ひとり客は長テーブルの空いたところに座るようです。

 ビール大瓶は650円、小瓶なら440円。知らない店に行った場合、瓶ビールの値段を見ると、その店が高いか安いかほぼわかるのですが、ビール大瓶650円というのは、まずまず中庸といったところでしょうか。中瓶の場合は500円くらいが中庸だろうと思います。

 日本酒は白鶴で小徳利が370円、大徳利は710円。これは「三州屋」グループ(のれん分けらしい)の中でも安いほうかもしれません。

 どこの「三州屋」にもある“とり豆腐”はここにもあって440円。

 この店はお通し(160円)も出されるので、本当にか~るく飲むのであれば、とり豆腐とお酒の小だけ注文するのでもいいかもね。これでお勘定は970円です。

 とり豆腐は、どこの「三州屋」でたのんでもハズレはないと思います。

とり豆腐と大徳利 今日は大徳利(710円)をもらって、とり豆腐のほかに、ぶりあら煮(550円)も注文。このぶりあら煮や、たいあら煮(570円)は印刷されたメニューに載っている定番の品です。

 出てきたぶりあら煮は、煮汁がよく絡んでいて照り照りのツヤツヤ。しかも盛られている身の1個1個が、あらというよりは、普通の身。ただブリの中央部ではなくて、端々の部分の身ので、大きな刺身にはなりにくいという程度。ブリの照焼きを食べてるような感じです。メニューには“ぶり照焼”もあって、こちらも630円とそれほど高くはありません。

 ご飯(お新香付きで230円)と、アサリ汁(200円)かナメコ汁(200円)をもらって、普通の夕食として締めることもできるのです。

店情報前回

《平成21(2010)年2月12日(金)の記録》

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店情報: 大衆割烹「三州屋(さんしゅうや)八重洲店」(日本橋)

    八重洲 三州屋
  • 店名: 三州屋 八重洲店
  • 電話: 03-3271-8395
  • 住所: 103-0028 東京都中央区八重洲1-4-7
  • 営業: 11:00-22:00、無休
  • 場所: 東京メトロ日本橋駅A3出口を出たところにある八重洲ファーストフィナンシャルビルの裏。「ふくべ」の並び。
  • メモ: 〔お飲み物〕白鶴辛口370・大徳利710、(冷)白鶴辛口(500ml)1,370、(冷)生酒(300ml)950、ビール大瓶650・小瓶440・エビス黒(小瓶)460、生ビール大820・中680・小500、ワイン(赤・白)1,260、ウィスキー1本4,200・グラス420、芋焼酎1本2,780・グラス440、麦・米・大麦焼酎1本2,730・グラス430、蕎麦焼酎1本2,960・グラス430、玉露ハイ470、ウコンハイ470、酎ハイ440、レモンサワー440、グレープフルーツ酒サワー440、梅酒サワー440、巨峰酒440、杏酒サワー440、烏龍ハイ430、梅酒ロック420、烏龍茶260、サイダー260、ジュース260、タンサン240、ミネラルウォーター240。 〔刺身物〕まぐろ刺身1,370、たい刺身1,210、かんぱち刺身1,210、めじ鮪刺身1,210、刺身盛合せ950、あじ刺身840、いか刺身840、あじたたき840、帆立貝わさ530。〔焼き物〕若鶏もも塩・照焼810、いか塩・照焼680、ぶり照焼630、西京焼580、塩さば焼550、焼蛤(やきはまぐり)550、さんま塩焼550、にしん塩・照焼550、帆立貝塩・照焼530、ししゃも530、茄子焼440、茄子しぎ焼440、たら子焼440。 〔酢の物〕〆さば680、たこ酢580、帆立貝酢530、いか酢420、いか酢味噌420、たら子酢410、もずく酢390。〔煮物〕柳川鍋840、たいあら煮570、ぶりあら煮550、あさり酒蒸550、肉じゃが490。 〔その他の物〕たこわさ580、特製塩辛560、茶碗蒸550、山かけ530、月見490、まぐろぬた490、このわた470、すじ子470、とり豆腐440、いかわさ420、いかぬた420、ねぎぬた420、明太子410、たら子わさ410、トマト400、なめこおろし390、しらすおろし390、湯豆腐370、お新香340、冷奴320、春菊おひたし320、もろきゅう290、板わさ250、焼のり230、お通し160、納豆130。 〔季節の物〕新銀杏塩焼560、あんこう肝710。 〔ご飯・汁物〕まぐろ茶づけ680、たい茶づけ680、のり茶づけ500、ご飯(お新香付き)230、蛤つゆ240、なめこ汁200、あさり汁200、赤出し200、おわん200。(2010年2月調べ)

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秘密のほろ酔いと~く … おでん「あわもり」(呉・新広)

店主夫妻


 去る7月10日(土)、市ヶ谷の「ハーミテイジきくや」で、第6回目となる「古典酒場 ほろ酔いと~く」が開催されました。

 いつもは「古典酒場」の発売後に行われる「ほろ酔いと~く」ですが、直近の「古典酒場 Vol.8」(2009年10月発売)からずいぶん間があいたこともあって、今回は「古典酒場 Vol.9」(2010年8月30日発売予定)の発売前イベントとして開催されたのです。

 出演者は、日経BP局長で作家でもある渋谷和宏(しぶや・かずひろ)さんに、この春、ホッピービバレッジ株式会社の三代目社長に就任されたホッピーミ~ナこと石渡美奈(いしわたり・みな)さん、そして新たな会社を立ち上げて独立された古典酒場編集長の倉嶋紀和子(くらしま・きわこ)さんと私の4人。ただし、今回は1日1回だけのトークショーです。

 いつもは直近に発売された「古典酒場」の内容を紹介したりするトークイベントとなるのですが、今回はまだ本を作成中の段階なので、その概要や進捗状況などがチラリと紹介された程度。メインとなったのは「ここに行けば泥酔の編集長に会える」と題した、動画による酒場紹介です。

 この一連の酒場紹介の中で、私も呉の酒場を2軒ほど紹介するということになりました。お気に入りの酒場の写真を何枚か送っておいて、「ほろ酔いと~く」の当日、その写真をプロジェクタで投影しながら説明を付け加えるというのが、みんなに公式に知らされていた計画です。

 その計画を聞いた後、しばらくして、イベント担当の須藤さんから「サプライズ企画として、呉の酒場も動画取材に行きます」というご連絡をいただきました。このことを知っているのはイベントを企画している須藤さんや斎藤さんなど、ほんのひと握りのメンバーだけなので『くれぐれも内密に』というご指示。取材にいらっしゃる日は、「ほろ酔いと~く」開催まで間もない7月7日(水)、七夕の日と決まりました。

 バリバリのツイッター・須藤さんも、今日は行き先も何もつぶやかずに呉にやって来られました。しかも呉に滞在できる時間は、ほんの1時間ちょっとの予定。私も、事前に示し合わせておいた電車に呉駅から乗り込み、車中にて広島からこの電車に乗って来られた須藤さんと合流。新広駅で降りたあとは、タクシーを飛ばして「あわもり」へと向かいます。

 お店には、先日来たときにビデオでの撮影許可をもらっているので、まずはビールで乾杯して、すぐに動画撮影に入ります。

 ここ「あわもり」のキラーコンテンツである、カワ(豚の皮)のプリプリ感は、普通の写真(静止画)では伝わりにくいのですが、動画だと串を持ち上げると自重でじわっと垂れ下がるやわらかさや、プルンと口の中に入ってくる弾力感がとてもわかりやすいですねぇ。こりゃいいや。

 順調に動画取材を終えたあとは、須藤さんと二人で、泡盛(160円)を飲みながら、かわ、きも、あつあげ、ぼうてん、たまご、たまねぎ、ねぎま等々(おでんは各90円)、時間の許す限り「あわもり」のおでんを満喫し、お勘定は二人で2,600円。

 東京行き最終の新幹線に間に合うように店を出て、新広駅から電車に乗り、来たときとは逆に、ここから広島に向かいます。私は途中の呉駅で下車。ホームで「それでは三日後に!」と須藤さんを見送ったのでした。

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おでん鍋 / 入口から店の奥側を見る / 店の奥から入口側を見る

店情報前回

《平成22(2010)年7月7日(水)の記録》

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氷冷のビールサーバー … ビアホール「オオムラ(おおむら)」(呉)

氷冷のビールサーバー


 部屋の掃除やアイロンがけなど、たっぷりと家事に追われたこの週末。せっかくきれいになったシンクを汚すのもしのびなく、さらにはなんとなく焼魚が食べたくなったこともあって、今宵は自炊をやめて焼魚弁当を買ってくることに決定。

 午後5時過ぎに家を出て、まずは「オオムラ」で生ビールです。

 氷冷の生ビールサーバ前に陣取ると、注文することもなく1杯目の生ビール(500円)が出されます。ここ「オオムラ」の飲み物は生ビールしかないので、だまって座れば生ビールなのです。

 っかぁ~っ、うまいっ。ここのビールは冷えすぎてなくて、かといってぬるいわけでもない。エアコンのない穴倉のような店内で飲むこのビールがいいんですねぇ。

 つまみにはウインナー(200円)をもらいます。

 この店のつまみは、むかし駄菓子屋にあったような、透明な容器に入った、ノシ天や、スルメ、イカゲソ、カワハギなどの乾き物のほか、ピーナッツや、えんどう豆、いかり豆などの豆類、そして冷蔵庫のチーズやソーセージといった、角打ちでも出てきそうな簡単なものばかりが、それぞれ200円。昔からずっと、そうだったんだそうです。

「うちで2~3杯ビール飲んだら、他の店に行くけぇのぉ。それでええんじゃ」

 と店主。飲み始めの「まずはビール」というところで、ここの美味しいビールを飲んでおいて、あとは“とり屋”などに繰り出してガッツリと飲む、というスタイルなんですね。

 そんな話をしているうちに、もう1杯目が終了。飲みやす過ぎて、どんどんなくなってしまうことが難点なんですよねぇ。何杯でも飲めてしまう。

 生ビールのおかわりと共に、いかり豆(200円)ももらいます。いかり豆というのは、そら豆を揚げて塩をふったもの。殻ごとボリボリと食べると、その芳ばしさと塩っけで、ビールがどんどん進みます。ただでさえ飲みやすいビールが、ますます進んでどうしましょう、というつまみです。

 そんなわけで1時間ちょっとの間に、生ビールを5杯も飲んでしまい、今日のお勘定は3,100円。晩酌というにはちょっと飲みすぎました。

 外に出ると、まだまだ昼間のように明るい午後6時半。心地よい酔いにユラユラと身を任せつつ、途中のスーパーで忘れずサバ塩焼き弁当(なんと263円!)を買って、今日の夕食としたのでした。

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生ビールとウインナー / いかり豆 / サバ塩焼き弁当

店情報前回

《平成22(2010)年7月4日(日)の記録》

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〔コラム〕 たっぷり呑んだ夏休み(その7)

土曜日のつづき

 番組収録も予定どおりに終了し、午後6時からの「古典酒場」の取材の前に腹ごしらえをしておこうと、古典酒場編集長宇ち中さんとともに有楽町駅方面へ。ガード下の「登運とん」にしようかという話も出たのですが、「登運とん」だと本気で飲んでしまいそうなのでやめて、「泰明庵」へと向かいます。

 普段は午前11時半から午後9時まで、中休みなしで営業している「泰明庵」ですが、なんと土曜日は午後3時に閉店。土曜日の今日は、残念ながらすでに閉まっていました。ちなみに定休日は日曜・祝日です。

「ロックフィッシュ」

 それではと向かったのは編集長行きつけのバー「ロックフィッシュ」です。「ロックフィッシュ」は午後3時開店なので、早い時間から飲むことができるのです。「3人です」と入った「ロックフィッシュ」は、なんとほぼ満員状態。店主の間口(まぐち)さんが、一番入口に近い椅子を2個片付けてくれて、そこで3人で立ち飲むことになりました。飲み物はもちろん角ハイボール。ここの角ハイボールは、よく冷えたサントリー角瓶と、これまたよく冷えたウィルキンソン炭酸で作る、氷なしのサンボア・スタイル。うまいんですよねぇ、これが。

オイルサーディン 今日の「ロックフィッシュ」は間口さんお一人で切り盛り中。編集長が「何か食べるものを適当に」とお願いし、出してくれたのはオイルサーディンとサンドイッチ。どちらも「ロックフィッシュ」の代表選手的なつまみです。

 サクッと切り上げて、赤坂のホッピービバレッジ本社へと移動。今日は「古典酒場」の取材として、味覚センサーで測定したホッピーの味わいを飲み比べ検証する予定なのです。味覚を数値化するというこの試み。ホッピーはどんな味わいと分析されるんでしょうねぇ。楽しみ楽しみ。結果は、8月30日(月)発売予定の「古典酒場 Vol.9」でご覧ください。

 取材のあとは、みんなですぐ近くの「時代屋」へ。さすがにホッピービバレッジのお膝元だけあって、さりげなく出されるホッピーの美味しいこと。ミーナさんおすすめのボタン鍋は、具もさることながら、汁がとてもよくて、汁だけでもいいつまみになります。

 いつものことながら、ミーナさんの実現力・実行力はものすごくて、ワイワイと話しながら、いい案が出てきたなぁと思ったら、次の瞬間にはもう実現に向かって携帯電話での調整が始まります。間髪を入れずに実現に向かった布石を打っていくという、このスピード感が大事なんですね。

「語彙(ごい)を増やすにはどうしたらいいんでしょうね」という話題には、日経BPの渋谷さん(シブチン)から、「自分が興味がある、あるいは勉強しようと思う新聞記事を、毎日ひとつずつでいいから声を出して読むことです。400字の原稿でも1分程度で読めるので、そんなに時間はかかりません。それを繰り返しているうちに、専門的な用語も自分の言葉として身についてくるんです」という、みんなをうならせる回答。ご自身でも毎日そうしているんだそうです。

 「古典酒場」の記事も書かれているコピーライターの齋藤利也さんも、「文章も同じですね。いい文章に出会ったら、それを自分で書き写すようにすると身についてきます。黙読しただけではダメなんですね」。声を出してみる、あるいは書き写してみるなどの行動をともなうことがいいんですね。飲み会の場なのに、とても勉強になるなぁ。

 お店を出たところで解散し、自宅が近い古典酒場編集長とともに、地下鉄丸ノ内線1本で荻窪へ。九州出身の編集長は、とんこつラーメンも大好きなので、ここから「じゃ最後に御天へ!」となることが多いのですが、さすがに今日は昼過ぎから飲んでいるので体力・肝力が続きません。おとなしく駅前からタクシーに乗って帰路についたのでした。

 いやぁ、今日もまた長くて楽しい1日であったことよ。改めてありがとうございました。


日曜日

 1週間(前後の土日も含めると9日間)の帰京を終えて、午後の新幹線で呉に向かいます。今回もたっぷりと楽しい帰省になったのですが、残念なことは「河本」「宇ち多゛」をはじめとする下町方面や、「まるます家」「斎藤酒場」などの北区方面、「武蔵屋」からはじまる横浜方面、そして飲み仲間がたくさん集う「兵六」などに行けなかったこと。行きたいところ全部に行こうとすると、1週間じゃ全然足りないなぁ。その分、つぎに帰ってきたときの楽しみがあっていいとするか。。。

 東京を出てしばらくの間は、次に帰ってきたらどこに行こうかとツラツラと考えていたのですが、名古屋も過ぎて時速300キロで広島に向かううちに、「さぁ、呉に帰ったら、次はどこに行くかな」と、今度は呉の酒場めぐりで頭がいっぱい。いろいろと呉の酒場の情報をいただいているのに、まだあまり行けてないんですよねぇ。

 呉もそこそこ大きな町だし、自衛隊や大きな工場に勤める人たちも多いので、毎日でも立ち寄れるような、日常生活の延長線上にある感じの大衆酒場がたくさんあるはずだと思うのですが、まだ「あわもり」くらいしか見つけられていないんですよねぇ。みんなどこに寄り道してるんだろうなぁ。大きな課題に向けて2学期(なのか!?)もがんばるか。

(おわり)

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〔コラム〕 たっぷり呑んだ夏休み(その6)

土曜日

 1週間(両側の土日も含めると9日間)の夏休みも、今日も含めて残すところあと二日。土曜日の今日は、ニッポン放送での「ホッピー・ハッピー・ツィッピー・バー」の収録見学で有楽町へ。

 これはtwitterでミーナさん(@hoppymina)をフォローしている方の中から50名を招いての公開録音で、月~金の夜9時57分から放送されている「看板娘ホッピー・ミーナのHOPPY HAPPY BAR」として放送される予定のもの。

 午後1時開場、午後2時開演の会場に、午後1時過ぎに到着すると、すでに入口ロビーのホッピーコーナーは、ホッピーファンのツイッターたちでいっぱい。みなさん手に手にホッピーを持って、すでに飲み始めています。

 この日用意されたのは、白生ホッピー、黒生ホッピーのほか、開発中の新商品サンプル版。すべてが無料でふるまわれています。私(@izakayaraisan)もさっそくその新商品サンプル版を注いでもらって、まわりの人たちと乾杯。会場で宇ち中(うちちゅう)さん(@uchidaholic)や、古典酒場編集長@kotensakaba)とも合流して、昼まっからグイグイとホッピーです。中にはすでに5杯目、6杯目という剛の者もいます。収録は4時まで続く予定なのに、大丈夫なのかなぁ、そんなの飲んじゃって。人ごとながら、ついつい心配になってしまいます。

「そろそろ収録を始めますので、ホッピーを置いてスタジオに入ってください」

 というアナウンスでスタジオに移動。「公開録音で、こんなにギリギリまで会場に入らなかった人たちはいませんよ。みなさんよほどホッピーがお好きなんですね」と、番組進行役の垣花正(かきはな・ただし)アナウンサー(@kakiradio)も笑っています。

 ふだんは電波が遮断されているスタジオながら、今日は特別にWi-Fiの設備が設置されて、ニッポン放送でも初の試みとなる、twitterとラジオのコラボレーションです。

「いつもは、これから収録を開始するから携帯電話の電源は切ってくださいと申し上げるところなんですが、今日は逆。電源は切らないで、収録中にもどんどんつぶやいてくださいね」と垣花アナウンサー。

 収録がスタートすると、会場のツイッターたちがいっせいに携帯でミーナさんの写真を撮ったり、twitterでつぶやいたり。会場の半数以上が下を向いて携帯を操作しているというのもおもしろいなぁ。しかもミーナさんご自身も、しゃべりながら卓上のiPadでtwitterしてるし!

 ミーナさん、垣花さんが座っている後方には大きなスクリーンがあって、そこにtwitterの画面を映しています。そこにどんどん出てくるみんなのつぶやき。「ミーナさん、きれい」「ホッピー最高!」「収録が始まりました」などなどなど。

 公開収録らしく、会場との触れあいもあるわけですが、「ミーナさんに質問のある方は手を上げてください」ではなくて、「質問がある方はつぶやいてください」っていうのがtwitterならではですねぇ。

 この公開録音は、2週間にわたって「看板娘ホッピー・ミーナのHOPPY HAPPY BAR」で放送される予定です。お楽しみに。

(つづく)

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〔コラム〕 たっぷり呑んだ夏休み(その5)

金曜日のつづき

 都立家政の「弐ノ十」で、冷蔵庫前Yちゃん、にっきーさん、F本さんや、ふらりと飲みに現れた黒ジャージさん、ガンちゃんらとひとしきり飲んだ後、「川名」でバッタリと出会った、お住まいがちょっと遠い美女たち(YさんとMさん)を都立家政駅まで送って行き、ひとりで午後11時の「竹よし」へ。

「先日は、遅い時間にやってきてすみません。ついさっき、F本さんにここの営業時間が午後11時までになったことを聞いたんです。12時までのままかと思ってました」

 お詫びだけ言ったら、みんなと再合流しようとおもっていたんだけど、店内にまだお客さんがいて、しかもまだ料理作りも進行中のようなので、またまた私もビールをいただくことに。ついでに何かチャチャっとできる料理も作ってもらうことになりました。ミイラ取りがミイラですね。

 出してくれたのはサワラ(鰆)の刺身とコチ(鯒)の刺身。それぞれ2~3切れずつのちょっと盛りだけど、一切れ一切れが大きいなぁ。岡山のほうではサワラは刺身で食べるのが普通らしいんだけど、こっち(東京)では珍しいですよね。

 先客が注文していたのは自家製天日干しのアジの干物(1尾600円)。「残ったのを干物にしたんじゃなくて、最初から干物用に買ってきたんだからね」と胸を張る店主。猫にやられないようにいろいろと対策を打っていたら、敵は空にいた。天日干しのアジをねらってカラスがやってくるんだそうです。「うまいものをよく知ってるねぇ、やつらは」。天日干しのアジは見るからに美味しそうですもんね。

 次はちゃんと営業時間内にやってきて、このアジを食べなきゃなぁ。「ためしに10尾だけ作ってみた」とおっしゃってたので、次に来たときにあるかどうか。しかも今、この暑い夏の間が、まさにアジの旬の時期ですもんねぇ。う~ぅ、食べたい。

 アジの干物ができあがって、空いたグリルに店主がなにやらクッキングホイルに包んだものを入れていたと思ったら、その中身が小皿に移されて「これ何だかわかるかい?」と目の前に出てきました。見れば魚の肝をさっと炙ったもの。こりゃまた立派な肝ですねぇ。

「このノドクロ(赤ムツ)の肝なんだよ」と見せてくれたノドクロのでかいこと。博多でとれたノドクロなんだそうです。このノドクロ1尾を刺身か焼魚で食べて1尾が4,500円。半身だと2,500円です。この大きさだと、それでも安いくらいかもなぁ。

ノドクロの肝

 紅葉おろしが添えられたノドクロの肝に、ポン酢醤油をちょっとかけて、まずひと口。

 うわぁ~っ。温められてトロリととろける肝の甘みが、口の中いっぱいにいっぱいに広がります。鼻の奥にのぼってくる濃厚な香りもいいですねぇ。これは……。

「日本酒だろう? これでどうだい」

 ドンと目の前に置かれたのは「浦霞」の本醸造生酒の一升瓶。おぉ~っ、さすがわかっていらっしゃる。すでに閉店している時刻なので言い出せなかったのですが、このノドクロの肝の濃厚なコクには日本酒がぴったり! 肝の旨みがさらに膨らみます。

 ガラリと入口引き戸が開いて、「お客さん、もう閉店ですよ」と笑いながら入ってきたのはF本さん。やきとん「弐ノ十」のあと、冷蔵庫前Yちゃん、にっきーさんと共に、都立家政に最近オープンした博多ラーメン「ばりこて」(3号店)で飲んで、これからみんなで「満月」に移動する(にっきーさんとYちゃんは、すでに向かっている)ので迎えに来てくれたとのこと。私もちょうど食べ終わったのでお勘定をお願いし(1,800円でした)、「竹よし」を後にします。

 「満月」ではいつものトマト割り(300円)をもらって、つまみもこれまたさっぱりとワカメとキュウリの酢物(300円)。先ほど「竹よし」で食べた、ノドクロの肝の濃厚なコクの余韻に浸るには、こういうさっぱりとしたものがちょうどいい感じ。

 どっぷりと地元酒場を堪能した1日でした。

(つづく)

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〔コラム〕 たっぷり呑んだ夏休み(その4)

金曜日

 夏休みも残すところあと3日。単身赴任中のお父さん(私)の部屋は、この夏休みが終わったら息子(高2)の部屋になる予定なので、今日は一所懸命お片付け。北東の角にあるこの部屋は、わが家で一番いい書斎空間なのです。

 今日の夕食は家族で「スタミナ苑」(阿佐ヶ谷の焼肉屋)の予定。なんとか早めに片付けを終えて「よじかわ」(開店時刻の午後4時に阿佐ヶ谷の焼鳥割烹「川名」に行くこと)してから焼肉屋に向かおうと思っていたのに、部屋はちっとも片付かず、結局「スタミナ苑」が1軒目になってしまいました。

 家族での夕食を終えたところで、お父さん一人が家族から離脱して「川名」へ。「こんばんは」と店内に入ると、「いらっしゃいっ」とカウンターの中から笑顔を見せてくれた店主から「奥、右にどうぞ!」という指示。「ん? だれが来てるのかな?」と思いながら店の奥へと進むと、そこにはなんとスリムな美女が二人。「おりょ!?」と戸惑っていると店主が「はい、ここに浜田さんも入れてあげてね」と美女の席に合流です。

「お忘れですか? 立石の「ゑびすや食堂」で本にサインしていただいたんですよ。「竹よし」でも、ちょっとだけご一緒させていただきました」

「あぁーっ! あのときの! これはたいへん失礼いたしました」

 お二人(YさんとMさん)は、ここ「川名」にもよくいらっしゃっていて、店主ともよく話をされるんだそうです。生グレープフルーツサワー(336円)をもらってお二人と乾杯し、お通しのスイカや、つまみにもらったポテトサラダなどをつまんでいるところへ、ピピピとメールは「秋元屋」冷蔵庫前のYちゃん。「午後9時ににっきーさんと都立家政で合流予定」とのこと。

やきとん「弐ノ十」

 9時ちょっと前に、美女お二人とともに「川名」を出てタクシーで都立家政へ。先日オープンしたばかりの「やきとん 弐ノ十(にのじゅう)」です。場所は「竹よし」のすぐ近くです。「弐ノ十」は、「秋元屋」のアキさんが独立して開いたお店。これで沼袋の「たつや」、野方の「秋元屋」、そして都立家政の「弐ノ十」と、「秋元屋」系のやきとん屋が3駅に連続して並んだ状態になりました。さらに野方には「すっぴん酒場」や「ヨシミ商店」といった新進気鋭のやきとん屋もできて元気いっぱい。2003年末に鷺ノ宮のもつ焼き「鳥芳」が閉店し、この近くでは西武線沿線でもつ焼きが食べられるのは沼袋の「ホルモン」か新井薬師前の「四文屋」のみといった感じの絶滅危惧種になっていたのが嘘のような発展ぶりです。この地域も美味しいもつ焼き(やきとん)が食べられるエリアになってきましたよねぇ。

 仕事を終えたF本さんも、中野の「石松」経由でスーツ姿で合流。F本さんは店内のお客さんたちからも次々と声がかかるほど地域の顔的な存在なのです。逆に考えれば、ここ「弐ノ十」もすでにこの地域の呑ん兵衛さんたちからの信頼を得ることができてる、ってことですね。「たつや」「弐ノ十」ともに、「秋元屋」のメニューをベースにしたメニュー構成ながら、ちょっとずつ違うものがあったり、味噌ダレの味もちょっと違っていたりと、まったく同じじゃないのがおもしろいですね。

(つづく)

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〔コラム〕 たっぷり呑んだ夏休み(その3)

水曜日

 1週間の夏休みも半分が終わった水曜日。今日は築地王・小関さんや、小関さんと交流がある編集者のみなさんたちと一緒に、神田にある塩ホルモンの店、「好ちゃん(よしちゃん)」です。看板メニューの塩ホルモンをはじめとする焼肉や、もつ鍋などなどをたっぷりといただきながら、最近の書籍の傾向などをうかがいます。とは言うものの、今日の編集者のみなさんとは、「ブロぐるめ!」が開催された「出版企画コンテスト」のときに初めてお会いし、その後も小関さんと一緒に何度かお会いさせていただいたり、拙著「東京飲み歩き手帳」の出版でお世話になったりいうこともあって、すでに見知った仲。なので、話の内容もけっして堅い話ではなくて、思わず笑ってしまうような楽しい話題ばかりです。あっという間に閉店時刻(24:00)になり、みんなでトコトコ神田駅へ。みんな電車に乗るのかと思いきや、ここで電車に乗るのは私ひとり。みなさん、これからさらに飲みに行くんですねぇ。すごいっ!

 最終の中央線快速電車に間に合ったので、ビュンと阿佐ヶ谷まで行って帰宅。


木曜日

「秩父錦」

 今日は「東京肉本」や「横浜本」、「東京通本」、「東京サク飲み!」などでお世話になりっぱなしの京阪神エルマガジン社のみなさんと、銀座の「秩父錦」でご一献。先に挙げた各ムックでもそうですが、地域の人たちと同じ目線に立って、地域の人たちしか知らないような隠れた名店を見つけ出して紹介してくれるのが、エルマガジン社の真骨頂。関西方面では、まだ他の人たちに知られていないお店を紹介するときに、「この店はまだミーツ(エルマガジン社の雑誌)に載ってへんで!」と言われるほどなんだそうです(関西出身の同僚談)。首都圏エリアでも、年間7冊ずつ程度のムック本を出していかれるご予定とのこと。今後、ますます楽しみですよねぇ!

築地「ねこ屋」

 「秩父錦」を出たところで解散し、私は今日も「ねこ屋」です。「秩父錦」から「ねこ屋」は、歩いて10分かかるかどうかという距離。銀座と築地はもともと近いし、「秩父錦」は東銀座にあるので、なお近いのです。美人女将の浴衣姿を愛でながら「しぼりたて夏吟醸・ゆきの美人・純米吟醸」などをいただくうちに、今日もやっぱり終電近くになってしまうのであった。

 そんなわけで、鷺ノ宮駅に到着したのは午前1時ごろ。締めに、先日おいしいと感じた「福しん」のタンメン(480円)をもう一度いただいてみたものの、今日のはあまりパッとしないですねぇ。調理人によって味が変わるのかもね。残念。

(つづく)

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〔コラム〕 たっぷり呑んだ夏休み(その2)

日曜日

 昨夜は、久しぶりに思いっきり飲んだので、今日は午前中いっぱい惰眠をむさぼる。こんなに眠ったのもこれまた久しぶりです。午後はあさって火曜日が締め切りの原稿の推敲。何度見直しても、毎回手直ししたいところが出てくるんだよなぁ。大学1年生になった娘に見せたら、朱書きの入った原稿を見ながら「ここは直す前のほうがいいよ」などと指摘してくれる。ブログは同好の士ばかりが見にきてくれるので専門的な用語などがあってもあまり問題ないんだけど、普通の雑誌や書籍用の原稿となるとそうはいかないんですよねぇ。けっして酒場ファンではない娘が見ても、わからないところがない文章になっているようなのでひと安心。これまた久しぶりの家族そろっての夕食で、今宵は休肝日。


月曜日

 昼から東武東上線沿線に住む知人の家にお呼ばれ。3家族が集まっての大宴会となりました。小さいときから知っている子供が、すっかり大人になっていることに、これまでの時の流れを感じます。

「ペルル」のハムスター


 家族とともに鷺ノ宮まで帰り、ここでひとり戦線離脱して、一昨日ちょっとしか寄れなかった「ペルル」へ。ハムスター(500円)やアーモンド(400円)をつまみに、ハイボール(ニッカのソーダ割り)をたっぷりといただいて、お勘定は1,700円でした。

 帰り道にふらりと駅前の「福しん」でタンメン(480円)。はじめて食べたけど、意外とうまいなぁ。(深夜に、最後の締めとしていただくラーメンは、たいていのものが美味く感じてしまうのですが……。)


火曜日

 土曜日の東京新聞の取材時に、「立ち飲みの記事なので、立ち飲んでいる写真がほしいですねぇ」という話があり、今日は「立ち飲みの日(11月11日)」の提唱者でもある「酔わせて下町」のFさん、飲み仲間のKちゃん(女性)とともに、御徒町(おかちまち)の「槇島商店」へ。ここは酒屋の店内で立ち飲みができる、いわゆる角打ちのお店。現在の店主ご夫妻が3代目で、角打ちは2代目のときに始めたのだそうです。

 カウンターに居並ぶ常連さんたち、最初は「なにぃ? 取材ぃ~?」というような目でチラリチラリとこちらを見ていたのですが、一緒にお酒を飲ませてもらったり、店主ご夫妻にお話をうかがったりしているうちに、特にKちゃんのことをすっかり気に入っていただいて、「こっちにビール出してあげて」とビールをいただいたり、缶詰をいただいたりと、すっかり打ち解けた和やかな取材となりました。お店のみなさん、飲みにいらっしゃっていたみなさん、本当にありがとうございました。

 『古典酒場』の編集長が、銀座のバー「ロックフィッシュ」で飲んでいるということで、ぜひ合流しようと思っていたのですが、「槇島商店」の取材が大きく盛り上がって長時間になってしまったため、すでに編集長はお店を出られたあと。残念ながら合流できませんでした。

 次なる候補は築地の「ねこ屋」。ここは土日祝日が定休日なので、単身赴任先から週末帰宅したときは開いていないのです。今のように平日にやってこれるときに行っておかないと!

築地「ねこ屋」


 電話をしてみると、いつも満席の「ねこ屋」は今日もやっぱり満席状態。入口の小さな座卓のところなら大丈夫とのことで、さっそくFさん、Kちゃんと3人で「ねこ屋」へ。到着することにはカウンター席にも空きができていて、ちょうど奥の角を挟む位置に座ることができました。ここはL字カウンターの短辺が店の一番奥側にあるという造りなのです。浴衣(ゆかた)姿の女将がいいですねぇ。

 「ねこ屋」を出て、東銀座駅で、下町方面に帰るFさん、Kちゃんと解散、……したはずなのに、すぐにFさんから携帯電話に連絡があり、「最後にもう1軒、新橋の「うさぎ」にも行きましょう!」とのこと。新橋駅前SL広場で再合流し「うさぎ」へと向かいます。「うさぎ」は日本酒と焼酎のバーというコンセプトのお店。ちょうど、かぶきさんが飲みに来られていて、店内で合流します。

 たっぷりと日本酒をいただいて、なんとか終電には間に合って帰宅。

(つづく)

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〔コラム〕 たっぷり呑んだ夏休み(その1)

金曜日
若鶏むすび


 今日から1週間の夏休み。会社の仕事を終えて、呉駅から広島駅経由で新幹線で帰京です。広島駅での乗り換え時間は15分ほど。1番線の立ち食いうどんを食べるには、ちょっと時間が短すぎるので、「むすびのむさし」で、若鶏むすび(780円)弁当を買って乗車。若者に人気の弁当ということで、この弁当を買ってみたのですが、おむすび2個(梅とゆかり)の他は、鶏唐揚3個、キャベツ(ざく切り)、揚げたウインナーとシンプル。う~む。丼がわりにお腹を満たすにはいいけれど、酒の肴として考えると、前回帰京するときに買った安芸むすび(1,000円)弁当のほうがいいかな。

 この時間に会社を出ても、自宅に着くのは日付が変わったあと。この夏休み中はたくさん飲む予定なので、今日は「満月」には寄らずにまっすぐ帰宅。さぁ、夏休みに突入だ!


土曜日
高田馬場「こうこ」


 夕方から、『古典酒場』の取材が行われている早稲田の「加賀屋」で、倉嶋編集長や、「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本先生、「酔わせて下町」のFさん、「Y-TABEのレミング2」のワイタベさん、「やなちゃんの大阪一人酒の日々」のやなちゃん、そして「宇ち中」の宇ち中さんと合流し、二次会はタクシーで高田馬場の「こうこ」へ。「こうこ」では、東京新聞の記者の方たちも合流して、立ち飲みの日(11月11日)の取材も受けます。

「立ち飲みの日の翌日が私の誕生日だわ」

ほねダルマ と和服に割烹着姿の女将さん。女将一人で切り盛りする「こうこ」は昭和60年に、同じ高田馬場の別の場所に開店。それから2度の引っ越しを経て、18年前からこの場所で営業しているんだそうです。ほねダルマ(300円)というメニューは、女将が命名。カタクチイワシの煮干を揚げて冷ましたほねダルマは、お酒がどんどん進むすばらしいつまみです。たっぷりと飲んで食べて、そして歌って、「こうこ」のお勘定はひとり3千円通し。

 次号の『古典酒場』は8月30日発売予定。立ち飲みの日のことが東京新聞(朝刊)に載るのは、8月上旬の予定だそうです。

 高田馬場駅で解散し、西武新宿線で鷺ノ宮駅に到着したのは午後11時過ぎ。すでに閉店間際の時刻ではありますが、最後にチラリと「ペルル」へ。すでに片づけを始めている店内で、常連さんから『バランタイン30年』を2杯ほどいただいたところで閉店。お勘定は水・氷代の500円のみでした。

 やめときゃいいのに、せっかくなのでもう1軒と向かったのは都立家政の「竹よし」。ここもすでに片付けモードに入り、手伝っているキティちゃんも帰り支度をしているところ。「最後に瓶ビールを1本!」と無理を言って、ビールを飲ませてもらいます。

 私は「竹よし」の閉店時刻は24時と思い込んでいたのですが、実は月・火が定休日になったときから、営業時間も23時までになっていたんですね。そのことを知ったのは、この日から数日後のこと。知らぬこととはいえ、閉店後に失礼いたしました。>竹よしマスター

 この日は瓶ビール1本のみで、お勘定は500円。どうもごちそうさま。

(つづく)

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同じ話を何度も何度も … バー「どん底(どんぞこ)」(呉)

バー「どん底」


 閉店時刻の午後9時に「あわもり」を出て、すぐ近くの二級橋(にきゅうばし)というバス停から呉市営バスに乗ると、約20分、運賃320円で四道路(よつどうろ)のバス停に到着。ここからちょいと路地の中に入ると、そこにあるのが昭和28年創業の老舗バー「どん底」です。

 高~い天井に、広~い店内。壁の多くが書棚になっていて、ずらりと古書が並んでいます。切り盛りするのは和服に割烹着姿の女将ひとり。

 いつものように女将が指し示してくれるカウンター席に座り、今日も竹鶴12年をロックでいただきます。

「あなたがよく飲んでくれるから、もう1本入れとこうと思ったんだけど、このお酒はもう売ってないんじゃね。今ある分だけ。他の人は飲まんから、あなたのキープみたいなもんじゃ」

 あとで調べてみると、ここ「どん底」の竹鶴12年は、ボトルの形状がちょっと前のタイプ。現在のものは12年も17年も21年も、そして35年も、すべて円筒形のボトルです。(→メーカーのサイト

 なるほどなぁ。心していただきましょう。

 今日のお通しは枝豆。夏ですねえ。

 この大きなカウンターに座って、女将が語る、この町の昔話を聞きながら飲むのが好きなんですよねぇ。いつも酔ってからこの店に来てるので、覚えてない部分も多くて、何度も何度も同じことを聞いてしまいます。

 それでも女将は何度も同じ話を聞かせてくれて、それを聞いている途中で「あれ? この話、前にも聞いた感じがするぞ」という部分が出てきて、やっと前にも聞いたことを思い出すのでした。あぁ~あ、情けない。

 今日もお勘定は3,000円。また同じ話を、何度も何度も聞きに来ますからね~。よろしくお願いします。

店情報前回

《平成22(2010)年7月2日(金)の記録》

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