〔この一品〕 都立家政「竹よし」のイカ塩辛
どうしてこんなにお酒が進むんでしょう、というつまみの代表格がイカの塩辛ですよねぇ。発酵してより旨みが増したイカの弾力感に、酒の甘さをリフレッシュする心地よい塩味。よくぞこの塩辛という手法を考え出したものだと、遠い祖先に感謝したい。
「イカはやっぱりスルメイカを使わなきゃ、といったようなこだわりはあるんですか?」
「いや、そういうのは特にないね。市場に行って見てるとね、これは塩辛だな、ってイカが目に入ってくるんだね。プックリと肝がたっぷりしてそうなやつ。それを買ってきて塩辛にするんですよ」
そう話してくれる店主。自家製のイカ塩辛(350円)は、ここ「竹よし」の人気メニューのひとつです。
特にオススメなのは、店が込みあっているとき。「竹よし」の料理は、基本的には店主ひとりが調理するので、何人かのお客さんから一度に注文が入った場合は、店主が一生懸命がんばっても料理の出が渋滞してしまいます。そんなときに、イカの塩辛を出してもらって、それをつまみながらお酒をチビチビやりつつしのぐのが「竹よし」通のやり方です。
あらかじめ仕込が終わって冷蔵庫にスタンバイされている塩辛は、店を手伝ってくれている女性陣も出すことができる一品。店主が忙しい場合でも、塩辛はサッと出してもらうことができるのです。
ここの塩辛には「初日」とか「三日目」という、仕込んでから何日目の塩辛なのかという表記もあります。1種類しかない場合は自動的にそれが出されるのですが、2種類ある場合は、どちらがいいかを選べるほか、両方を半分ずつ盛り合わせたミックスも出してもらえます。
塩辛としては、発酵が進んで旨みが十分に出た、三日目か四日目くらいのものがおいしいらしいのですが、初日、二日目のフレッシュ感もこれまた捨てがたい。ぜひいろいろと試してみてください。
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