« 〔この一品〕 呉「山口山」の皿うどん | トップページ | 〔この一品〕 中野「第二力酒蔵」の豆腐煮 »

〔この一品〕 都立家政「竹よし」のイカ塩辛

イカ塩辛と燗酒


 どうしてこんなにお酒が進むんでしょう、というつまみの代表格がイカの塩辛ですよねぇ。発酵してより旨みが増したイカの弾力感に、酒の甘さをリフレッシュする心地よい塩味。よくぞこの塩辛という手法を考え出したものだと、遠い祖先に感謝したい。

「イカはやっぱりスルメイカを使わなきゃ、といったようなこだわりはあるんですか?」

「いや、そういうのは特にないね。市場に行って見てるとね、これは塩辛だな、ってイカが目に入ってくるんだね。プックリと肝がたっぷりしてそうなやつ。それを買ってきて塩辛にするんですよ」

 そう話してくれる店主。自家製のイカ塩辛(350円)は、ここ「竹よし」の人気メニューのひとつです。

 特にオススメなのは、店が込みあっているとき。「竹よし」の料理は、基本的には店主ひとりが調理するので、何人かのお客さんから一度に注文が入った場合は、店主が一生懸命がんばっても料理の出が渋滞してしまいます。そんなときに、イカの塩辛を出してもらって、それをつまみながらお酒をチビチビやりつつしのぐのが「竹よし」通のやり方です。

 あらかじめ仕込が終わって冷蔵庫にスタンバイされている塩辛は、店を手伝ってくれている女性陣も出すことができる一品。店主が忙しい場合でも、塩辛はサッと出してもらうことができるのです。

 ここの塩辛には「初日」とか「三日目」という、仕込んでから何日目の塩辛なのかという表記もあります。1種類しかない場合は自動的にそれが出されるのですが、2種類ある場合は、どちらがいいかを選べるほか、両方を半分ずつ盛り合わせたミックスも出してもらえます。

 塩辛としては、発酵が進んで旨みが十分に出た、三日目か四日目くらいのものがおいしいらしいのですが、初日、二日目のフレッシュ感もこれまた捨てがたい。ぜひいろいろと試してみてください。

店情報前回

《平成21(2010)年2月20日(土)の記録》

| |

« 〔この一品〕 呉「山口山」の皿うどん | トップページ | 〔この一品〕 中野「第二力酒蔵」の豆腐煮 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〔この一品〕 都立家政「竹よし」のイカ塩辛:

» 締めは戻りカツオ刺身 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政) [居酒屋礼賛]
「ハーミテイジきくや」の店主ご夫妻、古典酒場編集長と4人で野方を巡っています。(「ハーミテイジきくや」を手伝っている若い店員さんは、明日の引っ越しに備えて早めに帰られました。)  居酒屋「乃がた」、イタリア料理「ぢりお」と回って、3軒目は、少し野方駅の近くに戻って、串かつ「若菜」です。店のスタッフは全員が関西方面の人なのか、店内には関西の言葉が飛び交っています。串かつの値段もリーズナブルで、客層も... [続きを読む]

受信: 2010.09.20 18:00

« 〔この一品〕 呉「山口山」の皿うどん | トップページ | 〔この一品〕 中野「第二力酒蔵」の豆腐煮 »