〔この一品〕 森下「三徳」の純レバ
「三徳」の純レバ(500円)は、鶏もつをもつ焼き用のタレで煮たもの。仕上げに刻みネギをトッピングして出してくれます。鶏もつの中でも、レバーまわりの部位しか使わず、玉ひも(体内卵や輸卵管)や砂肝などは使わない、またニラレバなどのように野菜も使わないことから“純レバ”と呼ぶんだそうです。
もともとは浅草あたりで発祥したらしく、現在もこのあたり(浅草~墨東エリア)では比較的ポピュラーな食べ物として、ラーメン屋などにもあるメニューなんだそうです。
「純レバには絶対にビールなんです。仕事を終えて、この近くの銭湯(ときわ湯)でひとっ風呂浴びて、そしてここに来る。この濃厚な甘辛さの純レバをつつきながら、プハァーッとやる冷たいビールがいいんです」
そう話してくれるのは、この近くに住んでいる常連のかぶきさん。
たしかになぁ。すき焼きの割り下をもっと濃厚にしたような濃い味付けが、ここの純レバの特徴なので、チューハイだと飲み物があっさりし過ぎてて負けちゃうんだろうなぁ。
「ごはんにのせて食べるのもいいですよね」
と、ごはん派の祝さん。さっそくごはんを注文して、手作りの純レバ丼です。これもまた、ごはんが進むおかずですねぇ。
浅草のほうでは純レバ丼が正式メニューのお店も多いらしいので、この純レバ・オン・ザ・ライスも決して亜流ではなくて、正統派の丼と言えます。(ここ「三徳」のメニューにはありませんが…。)
ここ「三徳」のもうひとつの名物メニューがニコ玉(580円)。ニコ玉というのは“煮込み玉子入り”を略した呼び方なのですが、メニューにも“にこ玉”と書かれているので、この店ではこれが正式な呼び方です。
近くの「山利喜」と同じように、小さな平たい土鍋で煮立たせて、その土鍋ごと出してくれます。
ただし「山利喜」の玉子がゆで卵を煮込んだ、いわゆる“煮たまご”なのに対して、こちら「三徳」は最後に生卵をポトンと落とし、白身が固まったくらいの状態で出してくれます。当然、中は半熟で、箸でプツンとつつくとジワッと黄身が広がる状態。この黄身に煮込みをからめながらいただくのがいいんですねぇ。
「三徳」は大衆酒場 兼 大衆食堂のようなお店で、家族連れで食事に来ているお客さんも多いのが特徴。そのため店内の雰囲気もゆる~い感じで居心地がいい。
メニューの幅も広く、冬場には湯どうふ鍋(500円)、水たき鍋(650円)、肉どうふ鍋(650円)、三徳鍋(700円)、かき鍋(750円)などのひとり鍋も楽しめます。
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