今宵は1杯で売り切れ … ビアホール「オオムラ(おおむら)」(呉)
広(ひろ)の「あわもり」をあとに、呉駅に戻ってきたのは午後7時前。まだちょっと早すぎるので、あと1~2軒、回ってみますか。
呉駅からトコトコと歩いて、酒場が密集する中通(なかどおり)地区へと向かいます。広島もそうですが、呉も駅と繁華街が離れてるんですよねぇ。呉の場合は歩いても10分ほどでたどり着くのでそうでもないのですが、広島の場合は路面電車で10分ほどかかるので、ちょっと大変です。
どちらの町も戦後、まったくの焼け野原状態から復興したのに、どうして繁華街が駅から離れちゃったんでしょうね。不思議だ。もともとあったところへ、元のように再建して、戦前と同じような町ができたということなのかなぁ。
中通に到着して『どこに入ろうかなぁ』とウロウロ。「オオムラ」をのぞくとまだ開いているようなので、まずはここで生ビールを飲みながら、この後の展開を決めることにしますか。
うなぎの寝床のように細長い店内は、縦に長~い“コ”の字カウンター10席程度のみといっていい(奥に小さなテーブル席があるんだけど、使われているところを見たことがない)状態。
その“コ”の字の入口近くに座ると、すぐに生ビール(500円)が出されます。
飲み物メニューはなくて、生ビールしかないので、私はいつも「こんちは」と言いながら座るだけ。そうすると黙ってても生ビールを出してくれるのです。でも律儀(りちぎ)に「生ビールを1杯、お願いします」と注文しているお客さんも多いんですよ。
生ビールを受け取ったついでに、いかり豆(そら豆を揚げて塩をからめたもの。200円)ももらいます。それを殻ごとポリポリと齧りながら、生ビールをスゥ~ッとのどの奥へ。ここのビールは喉越しが良くて、スイスイと入ってくるのです。
生ビールと簡単な乾き物しかないという、まるで立ち飲み屋のようなお手軽感もこの店のいいところなんでしょうねぇ。ちょいと立ち寄って、クイッと生ビールというのに本当に適している。
やってくるお客さんも飲み始めの1軒目としてここにやってきて、20~30分ほどの間に生ビールを2杯ほど飲んでスッと出ていく人がほとんど。
そういうサックリ派が多い一方で、『とにかくここの生ビールが大好き』というジックリ派もいて、そっちの人たちはじっくりと腰を据えて、少量のつまみでたっぷりと5~6杯の生ビールをやっつけています。
すでに午後7時を回っているのですが、私のあとからもまだお客さんはひとり、またひとりと入ってきます。ひとりで来る人が多いんですね、この店は。
最後に入ってきたお客さんの生ビールを作っているときに、シュワァ~ッという感じで泡が多く出てきて、本日の生ビールが売り切れです。すぐ横の大ジョッキに、泡や液体の部分を微調整するための生ビールが入っているので、それも使って最後のお客さん用の生ビールは無事に完成。
そのあとから入ってこようとするお客さんには、「ごめん、今日は売り切れた」と入店を断る店主。だいたい午後7時前後に売り切れるんですね。
生ビール1杯とイカリ豆で、今日のお勘定は700円でした。どうもごちそうさま。
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