酒場通とめぐる呉酒場(2) … ビアホール「オオムラ」(呉)
「酔わせて下町」のFさんと、「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんのお二人と行く呉酒場。2軒目は生ビールの「オオムラ」です。
本当は「オオムラ」に来て、2~3杯のビールを飲んでから「鳥八茶屋」などの“とり屋”に行くというのが順当なコース。しかしながら、「オオムラ」が開店するのが午後5時なので、4時から飲み始めた今日は、逆順になってしまったのでした。
日曜日の今日は、「オオムラ」の店内も比較的すいていて、入口近くのカウンター席に3人並んで座ると、すぐに生ビール(500円)が出されます。
戦後比較的すぐに開店したこの店は、開店当初から60年以上、生ビール1本。初期のお客さんは進駐してきた米兵さんたちだったそうです。
この店で特徴的なのは、生ビールサーバーが大型の氷冷式であるということ。冷蔵庫くらいの大きさの金属箱が二つ並んでいて、右側の箱には生ビールの樽が置かれています。左側の箱が生ビールを冷却する箱で、ここに専用の氷が入っていて、その中を細いパイプで通り抜ける間にビールがちょうどいい温度まで冷やされるのです。
「仕組みとしては、今の生ビールサーバーと同じよのぉ。大きいだけじゃ」
と店主。たしかに、細いチューブが冷却機を通過する間に生ビールが冷却されるのは今のサーバーと同じですが、その冷却のされ方がやわらかいんですよねぇ。冷たすぎなくて、ちょうどいい喉越しになるのです。
つまみには、いかり豆(200円)とピーナッツ(200円)。塩がたっぷりとふられた豆類をポリポリとかじりながら、生ビールをクイクイと飲んで、すぐにみんなでおかわりです。
追加のつまみはウインナー(200円)。このウインナーは、伊藤ハムのポールウインナーが1本。真ん中で斜めにカットしただけの簡単なつまみですが、これにクレイジーソルトをちょっとつけて食べると、これまたいい生ビールのつまみになるのです。
ポールウインナーは、関西、中四国では比較的ポピュラーなソーセージ。もしかすると魚肉ソーセージよりも有名かもしれません。このポールウインナーは魚肉ではなくて、蓄肉でできているので、生ビールにもよく合うのです。
「このウインナーが大好きで、自分でもポールウインナーを買って帰って、ビールのつまみにしてるんですけどねぇ」
「ここで食べるほうがうまいじゃろ。みんなそういうんじゃ」
と笑う店主。そうなんですよねぇ。この店の雰囲気のなせる業(わざ)なのか、それともこのクレイジーソルト(ハーブ入りの塩)のせいなのか。
Fさんは、となりのお客さんとクラシック音楽の話ですっかり意気投合。この店に来たのがはじめてとは思えないほど盛り上がっています。店主もオーディオファンで、昔のコンポーネントステレオの機器について、3人(店主、となりの客とFさん)であれやこれやと専門的な話に花が咲いています。
そうこうしているうちに、もう7時半。ぼちぼちと「オオムラ」が閉店する時刻です。名残惜しくも、他のお客さんたちとともにここでお勘定。
1時間半ほどの滞在は3人で4,600円(ひとりあたり1,530円ほど)でした。どうもごちそうさま。
(つづく)
「オオムラ」 / いかり豆とピーナッツ / ポールウインナー
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