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2010年9月

〔お知らせ〕 原宿で一緒にホッピーを飲もう!(10月9日(土))

古典酒場 Vol.9


 来る10月9日(土)に、裏原宿の特設会場にて「古典酒場ほろ酔いと~く」が開催されることになりました。

 このイベントは、三栄書房から不定期に刊行されているムック、「古典酒場」が発売されるたびに開催されているもので、回を重ねて、今回が第7回目となりました。今回は8月30日に発売された「古典酒場 Vol.9」(933円+税)にあわせたイベントです。

 ホッピービバレッジさんのご協力もいただいて、毎回、鮮度の高い樽ホッピーが飲み放題で飲めるのも大きな特長になっています。

 「古典酒場編集長酔いどれブログ」に詳細が載っていますが、主要項目についてはこちらにも転記しておきます。

【トークショー概要】
 出演者も参加者も旨い酒と料理を堪能しつつ
 ほろ酔い加減で酒場談義に盛り上がる
 「古典酒場」恒例のトークイベント。
 「古典酒場検定」でさらに酒場談義に花を咲かせましょう!

【日時】
 10月9日(土曜日)

【時間】
 昼の回 13:00~15:00
 夕の回 16:00~18:00

【出演者】
 渋谷和宏さん(日経BP局長)、
 ホッピーミーナさん(ホッピービバレッジ社長)、
 倉嶋紀和子さん(「古典酒場」編集長)、
 浜田信郎(「居酒屋礼賛」運営人)
 ※ホッピーミーナさんは、昼の回のみのご出演となります。皆様方ご了承くださいませ。

【会場】
 原宿ピアザビル特設会場
 渋谷区神宮前4-26-18 原宿ピアザビルB1

【参加費】
 参加費 5000円
 (料理+ホッピー+古典酒場検定料含む)

【定員】
 各回先着50名様(先着順・定員になり次第締め切りとさせていただきます)

 応募は、こちらの記事の下のほうにあるリンクからお願いします。

 みなさんと一緒に裏原宿でホッピーが飲めるのを楽しみにしております。

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再開発エリアの名酒場 … 大衆酒場「やよ福(やよふく)」(広島)

とりレバ煮とお酒


 「源蔵本店」を出たのは午後6時40分。せっかくの広島なので、まだまだ帰りませんよぉ。もう1軒行きましょう。

 先日、広島在住の酒場ファン、Oさんから、広島駅前のパチンコ「ナショナル会館」の裏手にある「やよ福」のことをメールでご紹介いただいたのです。

 どこだろうなぁ、と思いながら横断歩道を渡って、出雲そば「大黒屋」を通り過ぎ、そのとなりの純喫茶「パール」の角を右に入ると……。

 おぉ~っ。すごいっ。こんな古びた路地が残ってるんだ。ずらりと並ぶどの建物も古いなぁ。いやぁ、この酒場も渋いじゃないですか。なんでもない引き戸の入口に、白無地ののれん。店の横には飲み物メニューの張り紙があって、酒300円、焼酎300円、酎ハイ300円、ビール(大)550円、ビール(小)350円という5品だけが並んでいる。その下に小さく書かれた店名が「やよ福」。な~るほど。ここが「やよ福」なのか。これはすばらしい。

 さっそく白のれんをくぐって店内へ。

 奥に向かって、うなぎの寝床のように細長い店内を貫く長~いカウンターは、入口近くでやわらかく丸みを帯びて曲がり、全体としては上下にとても長くて、短辺が極端に短いL字型をしています。そしてそのカウンターと平行に、曲がった部分までも同心円状に平行に、ズ~ンと長い、継ぎ目のないベンチシートです。そのベンチシートには人、人、人。年配のお客さんが多く、店内はいかにも老舗酒場らしい、落ち着いたざわめきです。

 どっかに座れるかなぁ、と入口のところで店の奥のほうまで見渡していると、入口近くのお客さんたちがちょっとずつ寄ってくれて、ひとり分の空席が現れました。これがベンチシートのいいところですねぇ。「すみません。ありがとうございます」と両側にお礼を言って、その空間に入れてもらいます。

 ひとりで切り盛りされている女将さんに瓶ビールを注文すると、アサヒスーパードライの大瓶(550円)が出されます。

 メニューはカウンター内中央部に掲げられた黒板に手書きされています。

 かつおさしみ(400円)、やず煮付(300円)、えい煮付(300円)、焼さんま(350円)、とり天ぷら(300円)、おでん(100円)、かぼちゃ煮(300円)、茶わんむし(250円)、ハスきんぴら(250円)、とりレバ煮(250円)、マーボーどうふ(250円)、すもの(200円)、トマト(200円)、冷奴(200円)、枝豆(200円)、ピーナッツ(200円)、大根おろし(150円)というのが今日の全ラインナップ。ただ、数箇所は消された跡があるので、開店直後はあと数品あったんでしょうね。

 それにしても一番高い「かつおさしみ」でも400円というのは安いですよねぇ。これなら近くの呑ん兵衛は毎日でも来ることができそうだ。

 毎日でも飲みたい呑ん兵衛にとって、値段は重要なファクターです。軽く飲んで食べて1,000円以内に収まれば、毎日のようにやってくることができます。高くても1,500円未満というところが限度でしょうか。大衆酒場と銘打つ場合は、この辺がひとつの基準になるんじゃないかと思います。

 かといって『安かろう、まずかろう』という品を出す店には呑ん兵衛は寄り付きません。ただ呑んだくれているように見えて、意外と呑ん兵衛の舌はシビアです。好況・不況の荒波を乗り越えて長年繁盛を続けている酒場は『美味いのに安い』という店ばかりなのです。

 そんな中から枝豆(200円)を注文すると、女将さんが「はい。枝豆ね」とやさしく復唱してくれます。店の外観や内装は、極めつきの大衆酒場そのものの雰囲気なのですが、女将さんがやさしい。きっと居心地がいい店なんだろうなぁ、ということが瞬間にわかります。

 Oさんからのメールによると、女将はヨウコさんというお名前で、もともと普通の家庭の主婦だったのですが、ここ「やよ福」をやっていたお母さんが亡くなったあと、店を引き継いでいるのだそうです。

 そのヨウコさんが、平皿にたっぷりとついでくれた枝豆をつまみながら、よく冷えたビールを喉に流し込みます。クゥ~ッと飲み易すぎるのが、良くも悪くもスーパードライの特徴ですよねぇ。

 私の近くのお客さんは、かなり年配のベテラン呑ん兵衛さんばかりで、それぞれがこの店の大常連さんらしきひとり客。毎日、この店で顔を合わせて飲んでいるといった話しっぷりです。それでいて、一見(いちげん)の私もすぐに仲間に入れてくれて、

「この辺は再開発の話があるんで、建て替えたりすることができんのじゃ」

 と教えてくれます。建物も昔ながらのもので、さっきちょっとお借りしたトイレも旧態依然とした汲み取り式という背景には、広島駅界隈の再開発の問題がつきまとっているんですね。だとすると、あと何年かすると、この店はもうなくなってしまうかもしれません。それはまたつらいことだなぁ。

 お酒(300円)をもらって、つまみには「とりレバ煮」(250円)を注文します。

 チロリで燗をつけてくれたお酒は、ちょっと甘みがあっておいしい。清酒「やよ福」の一升瓶が並んでいるので、このお酒はその「やよ福」なんでしょうね。

 とりレバ煮は、煮冷まして鍋に入っているものの中から、いろんな部位が入るように一つ一つていねいに小鉢に取り分けてくれます。生姜煮らしいこのもつも、すっきりと実にいい味わいです。もつ類がおいしい酒場は信頼できる気がするなぁ。なにしろおいしく作るには、とても手間ひまがかかる食材ですからねぇ。

 午後8時過ぎまで、1時間半ほどの滞在は1,300円。なるほどこれはいい大衆酒場だ。ご紹介どうもありがとうございます。>Oさん

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大衆酒場「やよ福」 / 枝豆とビール / 店を貫く長いカウンター

店情報

《平成22(2010)年9月15日(水)の記録》

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店情報: 大衆酒場「やよ福(やよふく)」(広島)

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  • 店名: やよ福駅前店
  • 電話: 082-261-6737
  • 住所: 732-0822 広島県広島市南区松原町5-6
  • 営業: 11:00-13:00 & 17:00-21:00、日祝休
  • 場所: JR広島駅南口(在来線側)を出て左へ。ロータリーを回り込むようにして進み、広島駅前(東)信号交差点の横断歩道で路面電車の線路を渡って道路の向こう側へ。横断歩道を渡りきった出雲そば「大黒屋」を左に進み、そのとなりの純喫茶「パール」の先の路地を右に入る。数軒先の右手が「やよ福」。
  • メモ: 酒300、焼酎300、酎ハイ300、ビール(大)550、ビール(小)350。料理メニューは黒板に手書き。9月のある日は、かつおさしみ400、やず煮付300、えい煮付300、焼さんま350、とり天ぷら300、おでん100、かぼちゃ煮300、茶わんむし250、ハスきんぴら250、とりレバ煮250、マーボーどうふ250、すもの200、トマト200、冷奴200、枝豆200、ピーナッツ200、大根おろし150。ランチタイムは日替り定食600円。(2010年9月調べ)

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小イワシ天で雨後の月 … 大衆食堂「源蔵本店(げんぞうほんてん)」(広島)

小イワシ天で雨後の月

 

 

 昨日のコラムで、広島駅で途中下車して、駅近くで飲んだあと、呉に帰ったということを書きました。今日はその途中下車の部分の詳細です。

 

 今日はマツダスタジアムでカープの試合(対ドラゴンズ戦)がある日で、広島駅前は球場に向かう人たちでごった返しています。お弁当やビール、つまみを売っている屋台もたくさん出ています。

 

 そんななかを、ひとり向かったのは、駅から徒歩5分ほどのところにある大衆食堂「源蔵本店」です。

 

 午後5時半の「源蔵本店」は、すでにグループ客が多く入っていて、6人卓はほぼ使われている状態です。入口すぐ左右にある小さな4人卓は両方とも空いていて、私は今まで座ったことのない入口すぐ右手の4人がけテーブルに座ることにしました。

 

 すぐに店のおねえさんが注文を取りに来てくれたので、まずは瓶ビール(大570円)を注文すると、「キリン? アサヒ?」とおねえさん。キリンを指定して、カバンと上着だけ椅子の上に置き、そのまま店の一番奥にある冷蔵ケースのところまで刺身を見に行きます。

 

 ずらりと並ぶ刺身の皿の中から、刺身盛り合せの皿(680円)を取り出します。「はいはい。席までお持ちしますよ」とおねえさんがその皿を受け取って、ラップをはずしたり、醤油皿を出したりした上で、席に持ってきてくれます。

 

 盛り合わせはその日の仕入れによっても変わるし、冷蔵ケースの中にも何種類かの盛り合わせが並んでいるのですが、今回選んだ盛り合せは、左側にカツオたたきが3切れ、カンパチが3切れが上下に並び、右側の手前に小イワシ刺身がひと盛り、奥側に涼しそうに透き通っているのはサヨリの刺身です。冷蔵ケースに並んでいる刺身は、引き立ての鮮烈さはないものの、よく冷えていて、今日のように暑い日に冷たいビールと一緒にいただくのにちょうどいい。

 

 店の奥のテレビで流れているニュースを見ながら、ちょっと刺身をつまんでは、冷たいビールを喉の奥に流し込みます。

 

 刺身も残り少なくなったところで、2品目のつまみを選びます。湯どーふ(210円)にするか、あらだき(420円)にするか、それとも鳥もつ(420円)にするかなどと迷いつつ、結局は小イワシの天ぷら(530円)に落ち着いてしまうんだなぁ。

 

 小イワシの天ぷらは、厨房へは単に“天ぷら”という符丁で通されます。他にもタコの天ぷらや、野菜天ぷらといった天ぷらメニューは何種類かあるが、小イワシの天ぷらはやはり別格なんでしょうね。

 

 小イワシの天ぷらが出たところで、飲み物も日本酒に切り換えます。「一級が『雨後の月』でしたっけ?」とおねえさんに確認すると、「甘口のほうが『雨後の月』よ」と、なんだかかみ合わない返事が返ってきます。「じゃ、その『雨後の月』を燗でお願いします」と、会話のキャッチボールがなりたたないまま注文。出てきた燗酒をレシートにつけるとき、“一級酒”のところに“正”の字の“一”が書かれたので、やっぱりこれが一級酒(350円)なんですね。ちなみに二級酒(320円)のほうは『福美人』のようです。

 

 他に気になったメニューは、貝汁(300円)、湯ざらし(630円)、とり皮(370円)、魚の子(630円)、ハゲちり(780円)、鯛あらだき(740円)など。

 

 ありゃ、つぶ貝(420円)もあったんですね。こちらで、つぶ貝というのは磯にいる小さな巻貝のことで、これをさっと塩ゆでして、マチ針や安全ピンなどで身をほじくり出していただく、日本酒にぴったりのつまみです。(つぶ貝の写真はこちらをご覧ください。)

 

 この店は、看板に「大衆食堂 源蔵本店」と書かれているとおり、食事メニューも豊富です。定食メニューはもちろんのこと、にぎりずし(790円)、鉄火巻(690円)、巻ずし(580円)といった寿司類。カツ丼(630円)、天丼(630円)、親子丼(530円)、玉子丼(530円)、うな丼(950円)などなどの丼物。広島らしく穴子丼(580円)なんてのも並んでるなぁ。他にも玉子雑炊(420円)、お茶漬(400円)、むすび(2個270円)といった、飲んだ後のシメタン(締めの炭水化物)的な食事物も並んでいます。

 

 久々の「源蔵本店」。1時間ほどの滞在は2,130円でした。どうもごちそうさま。

 

 

100915g 100915h 100915i 「源蔵本店」 / 刺身盛り合せ / 小いわし天は天ツユでいただく

 

店情報前回

《平成22(2010)年9月15日(水)の記録》

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〔コラム〕 呉~博多、出張麺喰いツアー(2)

 昨日に続いて今日も学会。会場は昨日と変わって福岡市東区の箱崎です。箱崎は学生時代に4年ほどを過ごした土地。懐かしいなぁ。

 当時を思い出に浸りつつ、今朝は箱崎で朝食としてみようかな。

 そんな思いで博多駅の改札をピッと通り抜けます。な~るほど。JR九州もSUICAが使えるんですね。(ちなみにJR西日本もSUICAでOKです。)

 次の電車は07:49発と、あと7分ほど。ふと見ると3番線ホームの端(箱崎側)に立ち食いのうどん・そばのスタンドがあって、大勢の人がうどんをすすっています。さっそく近くまでいって観察してみると、値段も安いし、かけうどん(300円)以外にはすべてカシワ(鶏肉)が入っているようです。07:49の次に07:57という電車もあるので、ここで朝食にしようかとちょっと迷ったのですが、箱崎界隈でいい店を見つけたときに後悔したらいけないので初志貫徹。ここはぐっと我慢して予定の電車で箱崎に向かうことにしました。

 箱崎駅に到着すると、博多駅とは違って、こちらの駅構内には食べるところが全然ありません。駅を降りてしばらく周辺を散策するものの、この時間帯、まだどこも開いていません。名店は多いのになぁ。

 箱崎宮で放生会(ほうじょうえ)をやっているという案内が出ていたので、トコトコ歩いて箱崎宮へ。一の鳥居からお汐井取りの浜辺まで、両側にずらりと屋台が並んでいる様子は、さすが博多の三大祭のひとつという壮観さです。ただし、どこもまだ開いていない。なつかしの屋台ラーメン「花山」も、放生会に合わせて大きな店を出していますが、さすがに朝早い(といっても8時半くらい)この時間帯は、まだ開いていません。学生時代によく飲んだよなぁ、「花山」では。

博多駅3番線のうどんスタンド 箱崎宮 屋台「花山」

 「敵国降伏」という額が掲げられた箱崎宮に、30年近くぶりにお参りして、昔住んでいた下宿を探してみますが、どこだかわからない。結局、開いているお店も発見できず、今日の朝食は食いっぱぐれてしまいました。残念!

 学会も終わって、再び箱崎駅から博多駅に向かうと、到着したのは5番線ホーム。電車を降りるなり、強烈なとんこつスープの匂いが漂ってきます。なんと、このホームにはとんこつラーメン(500円)のスタンドがあるのです。

 ど~れどれと探ってみたところ、1・2番線ホーム、5・6番線ホームがとんこつラーメンスタンドで、間の3・4番線ホームがうどんスタンドと、ここだけで博多名物のラーメン、うどんのどちらもが楽しめるようになっているのです。これはうれしいなぁ。

 どっちにしようかちょっと迷って、朝も喰いっぱぐれた、3・4番のうどんスタンドに決定。電車が到着した5番ホームから降りて上がって、となりの3・4番ホームへと向かいます。勢い込んでごぼう天うどん(かしわ入り、400円)の食券を買おうとすると、なんとごぼう天が売り切れ。がび~ん。ショックだなぁ。でも丸天うどん(かしわ入り、410円)も博多の名物のひとつなので、気持ちを切り換えて丸天うどんのボタンを押します。

丸天うどん

 あっという間にできあがった丸天うどんの麺は、袋入りのゆで麺を温めたもの。なので博多うどんの特徴であるトロトロ感はなくて、普通にやわらかいうどん。広島駅の立ち食いうどんに近い感じです。

 ちょっと甘めの味付けのカシワ(鶏肉)が効いてますねぇ。博多にはカシワ弁当やカシワにぎりなんかもあるくらいだから、昔からカシワも親しまれた食材なんでしょうね。

 カウンター上に置かれている刻みネギをたっぷりと入れて、一味唐辛子もササッとふって、汁もほとんど飲み干すほど完食。広島や呉のうどんも、博多のうどんも、噛まなくてもいいくらいのやわらかさが特徴ですね。スルスルスルッとすすり込めます。博多のうどんも、広島、呉のうどん同様に汁(つゆ)がうまいのがいいですねぇ。

 帰りの新幹線は「ひかりレールスター」。この新幹線は、普通席でもグリーン車のシートなので、ゆったりと座って帰れるのです。1時間ちょっとで広島駅に到着。

 まっすぐ呉に向かうか、それともせっかくの広島なので、ここでちょっと飲んで帰るか、ちょっと迷って、呉線の電車に座れなかったらここで飲み、座れたらそのまま呉に向かおうと決心し、ホームの列に並びます。17:26発の快速ライナーは広島始発ながら、並んでいる人が多くて、到着して扉が開くなり席がサッと埋まる。「ありゃりゃ。まったく座れなかったなぁ」と思いながらも、かなり笑顔で途中下車して近くの酒場へと向かった話は、また後ほど。

 広島駅の近くで飲んだあと、呉に戻ってきたのは午後9時過ぎ。昨日からの一連の麺食いツアーの終点として、屋台のラーメンで締めようと、「八起」に入ってラーメン(500円)を注文します。呉の屋台は全部とんこつ醤油のイメージがあったんだけど、ここは比較的透き通ったチキンスープなんだなぁ。

「八起」のラーメン

 他にお客もいないので店主に話を聞いてみると、「それぞれの屋台で味が違うんですよ」とのこと。ここ「八起」の店主は二代目。初代がここに店を屋台を開いたときは、呉市の公募条件に「ラーメンとおでん、豚足はメニューに載せること」という条件があったのだそうです。なので、そのころに開店した屋台には必ずラーメン、おでんと豚足がある。どの屋台にもあると思っていたワンタンは、ある店とない店があるとのこと。「となり(富士さん)はないんじゃないかな?」と店主。

 平成に入って新しく公募したときは、「これまでの屋台にないもの」というのが条件だったので、今のように炭焼きや、お好み焼きなどの屋台が出てきたんだそうです。「そのときどきに市が打ち出してくる公募条件に左右されるんですよ」と教えてくれました。

 二日間の呉~博多・出張麺喰いツアー。どこに行っても、麺類はおいしいですねぇ。でも、ちょっと太ったかも。。。

《平成22(2010)年9月15日(水)の記録》

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〔コラム〕 呉~博多、出張麺喰いツアー(1)

 学会で久しぶりの博多です。呉、博多というと共に麺類が美味しい土地。この出張のついでに、各地の麺喰いツアーでもしてみようかな。それならばスタートは細うどんの「一心」だな。

 かなり前からそう計画していたのに、こんな日に限ってちょっと自宅を出るのが遅れてしまい、「一心」に行く間がない。残念ながら本日の麺類初食は、広島駅は1番線ホームの立ち食いうどん屋さんとなりました。

広島駅、天ぷらうどん

 今日の呉線はちょっと遅れていて、広島駅に着いたのが09:40頃。のぞみ1号の発車時刻が09:53なので残り時間はあと13分。大急ぎで自動発券機で天ぷらうどん(430円)の食券を買って、入口すぐのおじさん(店員さん)に食券をわたし、カバンや上着をカウンターの下に置き、コップに冷水を入れてグッと口の中を冷却。こうしておくと熱いうどんがきてもスルスルッと食べられるのです。カウンター上にそのコップを置くころには天ぷらうどんも登場。このスピードが立ち食いうどんならではですよねぇ。

 左手で丼を口の近くまで持ち上げて、スルスルスルッとすすり込みます。こうやって丼を持ち上げて食べると、ネクタイやワイシャツに汁が飛び散らないのです。

 店に入ってから5分で天ぷらうどんを完食。本当は汁も完飲していきたいんだけど、さすがに熱くて時間がかかりそうなのであきらめて新幹線ホームに向かうと、ホームに着いて2分ほどで予定の新幹線(のぞみ1号)がやってきました。

 博多到着は10:55。広島から1時間ほどで着いちゃうんですねぇ。

 新幹線を降りると、博多駅デイトスの地下に「因幡うどん」があるので、そこで昼食を食べることにします。

「ごぼう天うどん(450円)と、かしわにぎりを1個(100円)ください」

 博多のうどん屋は、各テーブルに入れ放題の刻みネギ(博多ネギ)があるのが大きな特徴です。ここ「因幡うどん」には、一味唐辛子と七味唐辛子の小鉢がも置いていて、それぞれ木製の耳かきを短くしたような小さじが添えられています。

「因幡うどん」ごぼう天うどん

 ごぼう天うどんは、天ぷらの衣をたっぷりとかき揚げにした中に、輪切りのごぼう10切れほどを入れたもので、厚さ2センチくらいにホンワリと作られていて、その厚みがわかる状態で出されます。食べるときにちょっとかき揚げを押し込むと、フワフワァ~ッと汁の中に溶け込んでいきます。

 広島のうどんもやわらかいのですが、博多のうどんはもっとやわらかいくて、箸でつかもうとするとプツンと切れそうなほど。このトロトロのうどんと、もはや丼いちめんに溶け出して、たぬきうどん状態になったかき揚げが、よく出汁のきいた汁と一緒にスルスルスルッと口の中に入ってきます。まったく噛む必要がないくらいのヤワヤワ状況のなか、唯一、ごぼうだけがその存在を誇示するように噛むことを要求するのです。この食感の対比が、博多でごぼう天うどんが好かれる原因なんだろうなぁ。

 最後に残しておいた汁(上にはたっぷりと、くずれたかき揚げが浮いている)でかしわめしをいただいて、ごちそうさま。お勘定(合わせて550円)はレシートで後払いです。

 学会と懇親会を終えて、博多駅近くのホテルから、締めのラーメンを食べようと出かけたのは、博多駅筑紫口近くにある「おっしょいラーメン」です。外から見て、お客が多かったので、このラーメン屋を選んだ次第。ラーメンは1杯480円。

おっしょいラーメン

 カウンター上の紅生姜、胡椒と、おろしニンニクを入れていただきます。他に辛子高菜も置いていたのですが、これはとても辛くて味わいが変わりすぎるので、初回の今回は使いませんでした。博多のラーメンにつきもののゴマが置かれてないなぁと思っていたら、出てきたラーメンには最初からゴマがトッピングされていました。

(つづく)

《平成22(2010)年9月14日(火)の記録》

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わが地元の2軒の老舗 … 「ホルモン」&「ペルル」

コブクロちょい焼き


 土曜日の今日は、息子の運動会で、かみさんと二人学校で出かけます。小学校のころは、昼休みになると子供たちも親が応援している席までやってきて、近所の人たちと一緒に楽しくお弁当を食べたりしたものですが、中学校になってからはそんなこともなくなり、高校生になってからは、出ている競技はかろうじてわかるものの、どこにいるのかもろくにわからないほどになってしまいました。

 しかしながら、長女も大学生になった今、現在高校2年生の息子の運動会を見に行くことだけが「自分の子供が出ている運動会を見る」という唯一の機会で、しかも残すところ今年と来年の2年間のみ。光陰矢のごとしと言いますが、本当に月日が経つのは早いですねぇ。

 運動会の後は、これまたかみさんと二人で子供の学校の近くに住んでいる知人のお宅を訪問し、早い午後からさっそく一献。明るいうちから飲むお酒はなんておいしいんでしょう。

 いい酔い心地でおいとましたのは午後8時ごろ。あと数駅で自宅の最寄り駅という沼袋(ぬまぶくろ)駅で、私だけ途中下車して「ホルモン」です。今回の帰京では、まだもつ焼きを食べていないので、ちょっとだけもつ焼きをつまんで帰ろうと思っているのです。

「こんばんは~」と店に入ったのは午後9時前。

 まずはビール(サッポロラガー大瓶、500円)とお新香(110円)をもらって、もつ焼きは、ちょい焼き(1本120円)からスタートです。残念ながらレバーはすでに売り切れているので、コブクロのちょい焼きを2本焼いてもらいます。

 東京オリンピックの年、昭和39(1964)年に創業した「ホルモン」では、昔から生のもつは出しません。その代わりに、ちょい焼きといってちょっとだけ炙ったもつ焼きを出してくれるのです。普通のもつ焼きが1本110円なのに対して、ちょい焼きは1本120円。レバーとコブクロの2種類があり、刻みネギと、おろし生姜を添えて、醤油をかけて出してくれます。好みによっては醤油の代わりにポン酢醤油をかけてもらうこともできます。

 続いてはアブラ、オッパイ、カシラを塩焼きで注文。ナンコツも合わせて4種4本で注文したのですが、残念ながらナンコツもすでに売り切れていて、代わりにタンシタを1本付けてくれました。この店は午後10時までの営業なので、9時を回ったこの時間帯になると、続々と売り切れが出てくるのです。あれもこれも食べたいときは早い時間帯に行くことが肝心です。

 塩焼きの4本の次は、ヒモ、テッポウ、ガツをタレ焼きで注文します。この店のタレは、旧・阿佐ヶ谷ホルモン系伝統の醤油ベースのタレを基本に、当代店主になってから少し甘みも加えて、やや現代風にアレンジしています。同じ系列の練馬の「金ちゃん」では、オリジナルに近い、醤油がきわだったタレを使っています。どちらもそれぞれに捨てがたい味わいです。

 沼袋には、ここ「ホルモン」のほか、駅の近くに「四文屋」があり、さらに今年に入って新たに「たつや」が開店。となり駅の野方にも「秋元屋」、「すっぴん酒場」などの人気もつ焼き店があって、西武新宿線沿線きってのもつ焼きタウンの様相を呈してきました。我われもつ焼きファンにはうれしい限りの状況です。

 そうこうするうちに、そろそろ閉店の時間。お勘定は1,510円でした。どうもごちそうさま。

 帰り道に鷺ノ宮の「ペルル」にも立ち寄って、味噌で食べるキュウリ(200円)を出してもらって、キープしているウイスキーの水割りをチビリチビリ。

 昭和35(1960)年創業の老舗「ペルル」は、創業店主であるマスターが亡くなって4ヶ月が経ちました。マスターが居たころからお店を手伝っているみなさんによって、昔と変わらぬ雰囲気がきちんと維持されているのがうれしいですね。

 午後11時までくつろいで、お勘定は700円(セット料金500円+キュウリ200円)でした。

 「ホルモン」は午後10時閉店、「ペルル」は午後11時半に閉店ということで、地元まで戻ってきても営業時間に間に合わないことが多いのですが、今日はその2軒の老舗両方に行くことができて良かったなぁ。

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「ホルモン」タンシタ、アブラ、オッパイ、カシラ / ヒモ、テッポウ、ガツ / 「ペルル」

・「ホルモン」の店情報前回)/「ペルル」の店情報前回

《平成22(2010)年9月11日(土)の記録》

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とっても長い1日の話 … 「竹よし」&「御天」

自家製あじ干物


 ピピピピピッという時計の音で目覚めたのは午前4時。今日は11時から横浜での会議なので、始発の電車(呉駅発05:09)で横浜に向かわないといけないのです。ササッと朝食を取って駅へと向かうと、始発の電車でもけっこう利用者は多いんですねぇ。はじめて知りました。10時前には新横浜駅に到着です。

 昼食には久しぶりに社員食堂の天玉そばを食べようと張り切っていたのですが、ちょっと出遅れて、なんと天ぷらが売り切れ。泣く泣くたぬき玉そばで我慢です。一時期は、毎朝ここで天玉そばを食べてたほど、ここの天玉そばが好きだったのです。

 午後5時に仕事を終えて、新橋へと向かいます。

 せっかくの横浜なので、野毛にも寄ろうかなと思っていたのですが、「武蔵屋」はまだ夏休みが明けていないらしく、「ホッピー仙人」も仙人(=店主)が出張中でお休みという情報だったので、「古典酒場 Vol.9」(三栄書房、933円+税)の販促イベントが行われている新橋へと向かったのでした。(「武蔵屋」がこの日から再開したと知ったのは新橋に着いてからの話でした。ガックリ。)

 新橋に着いたのは午後6時半。販促イベントが行われている「TSUTAYA」の前では倉嶋編集長と、ホッピービバレッジおたマイクカレラさんが売り子としてがんばっていて、他にもホッピービバレッジの広報や地域担当の方々も大勢いらっしゃっています。「古典酒場」の販促用に、樽ホッピーの試飲もさせてくれるのです。

 到着するなり、ごあいさつもそこそこに、その樽ホッピーを1杯いただきます。

 ックゥ~~~ッ、うまいっ!

 本屋さんの店頭ながら、きっちりと三冷で作られたキンミヤホッピー。しかもこの樽ホッピーは、調布工場でできたばかりのものを直送してきたとおっしゃるではありませんか。ビールもそうですが、ホッピーもやはり鮮度が大事。こんな新鮮なホッピーはなかなか飲むことができません。一気に1杯めを飲み干して、試飲なのになんと2杯めをおかわりしてしまったほどです。(そのあと、さらに2回ほどおかわりしたという事実。。。)

 今日は早くから「宇ち多゛」で飲んでいたという宇ち中さんも、美女お二人とともに到着されて、「TSUTAYA」前の歩道上はちょっとした立ち飲み酒場の風情です。「居酒屋探偵DAITENの生活」のDAITENさんとも初めてお会いしました。

 午後8時には販促イベントも終了し、編集長、宇ち中さんと3人で、都立家政の「竹よし」へと向かいます。向かう道すがら、お店を手伝っているチクちゃんに電話でお願いしておいたので、入口すぐ左手のテーブル席を確保してくれてました。どうもありがとうございます。

 「竹よし」に来たら、やっぱり魚料理ですね。人気の塩辛(350円)を初日と四日目のミックスでもらい、刺身はシメサバ(600円)に、もどりカツオ(550円)、鯨刺(800円)。

 お通しは枝豆。飲み物は「酔鯨」から「高清水」へと、冷酒を出してもらいます。

 さらに自家製のアジ干物(600円)。このアジ干物は、最初から干物にするために仕入れてきて、店主が天日干しして干物に仕上げた一品。厚みのある身の弾力感がいいですねぇ。

 テーブルいっぱいに料理を並べて酒池肉林。お勘定は3人で5,400円(ひとりあたり1,800円)でした。どうもごちそうさま。

 この時点で午後11時前。「ここで帰らないと電車がなくなります」という宇ち中さんを都立家政駅で見送って、編集長と私はさらに下井草へと移動。ここで携帯で連絡を取り合いながら落ち合ったにっきーさんと合流して、3人で向かうのは長浜ラーメンの「御天」です。

 シークワサーサワーで乾杯し、せん菜炒めを注文すると、せん菜炒めは「御天」の岩佐社長が作ってくれました。仕上げはもちろんラーメン。編集長は熊本風のマー油ラーメンです。

 「御天」を出たのは午前1時。お勘定は3人で5,200円(ひとりあたり1,733円)ほど。

 店の前でタクシーを拾って編集長を見送り、この後さらに地下の「Goten's Bar(ゴテンズバー)」に向かわれるというにっきーさんと別れ、私も編集長とは逆方向のタクシーを拾って自宅へ。

 シャワーを浴びて、午前2時ごろ就寝。朝の4時に起床してから、夜中の2時に就寝するまで、実に22時間という長い長い1日でした。おやすみなさ~い。

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「竹よし」塩辛ミックス / 〆さば / もどりかつお刺

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生くじら刺 / 「御天」せん菜炒め / ラーメン

・「竹よし」の店情報前回)/「御天」の店情報前回

《平成22(2010)年9月10日(金)の記録》

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むっちりとイワシ団子 … おでん「あわもり」(呉・新広)

いわし団子


 うぅ~っ、「あわもり」のカワ(=豚の皮のおでん)が食べたい。

 そろそろ今日の仕事も終わるかという時間になって、そんな気持ちがムクムクと沸いてきて、仕事が終わるやいなや会社前のバス停から、「あわもり」のある広(ひろ)方面行きの直通バスに飛び乗ります。

 「あわもり」には8月6日の訪問以来、実に1ヶ月以上ぶり。

 午後6時過ぎには店に到着します。カウンターのみの店内は、今日もすでに8割以上の入り。私もおでん鍋の近くに陣取って、渡されたおしぼりで手や顔を拭きながら、まずあビール(キリンラガー大瓶、500円)と、おでん(1本90円)は厚揚げと玉子をもらってスタートです。

 今日の厚揚げは比較的あっさりめ。今日はおでんを次々に注文するお客さんが多いのか、おでん鍋にネタを投入する端からどんどん出ていくような状況で、じっくりと煮込まれる時間がとれないほど。なのでこの厚揚げもあっさりめに仕上がってるんですね。

 いつもは箸で触れると崩れそうなほどにフワフワに煮込まれている厚揚げですが、こうやってあっさりめに仕上がっていると、厚揚げならではの表面のカリッとした食感も味わえておもしろい。

 門前仲町「大坂屋」の煮込みも、よく煮たのと、入れてすぐのあっさりめのとでは違うものを食べているみたいな感じがあったのですが、ここのおでんもそうなんですね。

 こうやって鍋前で見ていると、皮(かわ)や肝(きも)が飛ぶように売れていく様子がよくわかります。人気ありますねぇ。最初に皮や肝を注文してしまうと、お腹がすいてるから一気に食べてしまう。それでは久しぶりの皮や肝をじっくりと味わうことができないので、あえて一巡めは厚揚げと玉子を注文して、まずはお腹を作っているような次第です。

 その厚揚げと玉子も食べ終えて、いよいよ皮と肝を注文します。自分の重さでフルフルとふるえながら鍋から取り出される皮。黒々と煮汁を吸い込んだ肝。あぁ、これが食べたかったんだ。ネトッとした皮特有の弾力感がいぃ~~~ですねぇ!

 皮にはやっぱり泡盛(160円)ですね。皮のうまみとギトギト感(コラーゲンっぽい感じ)が口いっぱいに広がったところを、泡盛でキュッと流す。アルコール度数35度の強烈さがガツンときます。

 となりの常連さんは「スジ、やってや」と注文。この「○○、やってや」というのも、この辺でよく耳にする注文の仕方。この「やってや」というのが、料理を「作ってよ」とお願いしているのか、料理を「出してよ」とお願いしているのかは定かではありません。どうなんでしょうね?

 その「スジ、やってや」の注文に応じて、おかみさんがスジの1本を取り出して「これでええ?」と聞くと、「アキレスのとこ、ないかの?」とお客さん。「あぁ、肉ね」と言いながら、たしかに肉っぽいのが刺さった串を取り直します。ふ~ん、こんなのもあったんだ。現在までにわかっている、メニューにはないんだけど鍋の中にはあるネタは、脂(あぶら)と肉(にく)です。

 私のほうは、スジの硬いのとやわいのを注文すると、鍋からスジを取り上げて、端でクックッとつまんで硬さを確認して出してくれます。

 いい感じで酔いも回ってきて、ぼう天を取ってもらって、ネギマも注文しておきます。ネギマは、いかだ状に並べたネギの間にマグロの身を挟んだもので、注文を受けてから鍋に投入されます。

 泡盛を1杯飲んだあと、今日は御酒(200円)を注文すると、燗をつけてポットで保温している燗酒が、コップに注がれます。銘柄は「西条鶴」かな?

 イワシ団子は、団子といいつつも、練り物と同じようなムッチリとした弾力感があります。最後はコンニャク。内部は元のコンニャクの色ながら、表層部数ミリのところまで煮汁が染み込むほど、よく煮込まれているのが大きな特徴です。

 1時間半ほどの滞在は、おでん10本に、飲み物はビール大瓶、泡盛1杯、御酒1杯の3種で、お勘定は1,760円でした。このお勘定、この店ではかなり高い部類に入ります。よく食べたなぁ、今日は。すっかり満腹になってしまいました。どうもごちそうさま。

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厚揚げと玉子 / 皮(奥)と肝 / スジ、硬いの(左)とやわいの

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ぼう天 / ねぎま / こんにゃく

店情報前回

《平成22(2010)年9月9日(木)の記録》

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安くておいしい人気店 … そば処「平原(ひらはら)」(呉)

おろしそば


「本通(ほんどおり)の『平原(ひらはら)』という蕎麦屋さんも、ひとりで呑んでるお客さんが多いらしいよ」

 そんな噂を耳にして、さっそくその「平原」にやってきました。

 とは言うものの、実は今日はすでにたっぷりと飲んでの帰り道なので、締めのそばでもいただきながら、まずは様子をうかがってみようという魂胆です。

 店に着いたのは午後8時半。この店は夜9時までの営業なので、すでに閉店間際という時間帯に入っています。

 店に入ると左右の壁沿いに、奥に向かってテーブル席がずらりと並び、全体では40人くらい入れる規模。左手奥側が厨房スペースになっています。基本的には蕎麦屋さんなので、店内は照明も明るくて、創業26年という割りにはきれいで清潔感があります。

 先客は、まず右奥のテーブルに男性二人連れ。お酒を飲みながら楽しそうに談笑しています。そして右手、中央辺りに母娘と思しき女性二人連れ。食事をとっているようです。そして右手、手前から2番目に男性ひとり客。瓶ビールを1本置いて、そばを食べています。

 その男性ひとり客の手前側、右手一番手前のテーブルだけが2人がけのテーブルなので、そこに座ってメニューを確認します。

 おぉ~っ。これは安い。かけそば、かけうどんはそれぞれ250円と立ち食いそば並みの価格設定です。この値段で、そば、うどんは共に自家製麺、そしてそばは注文ごとに茹でてくれるというんだからうれしいではありませんか。

 月見うどんやきつねうどんが300円、天ぷらうどん(海老天1尾)が350円、肉うどんやカレーうどんが400円。すべてうどんで書きましたが、そばも同じ値段です。

 やっ。かき揚げ天そば(450円)もある! 天玉そばは立ち食いそばの専売特許のように思っていたのですが、ここのかき揚げ天そばに生卵を落としてもらえば、天玉そばになるかもね。

 しかもこの店の天ぷらは通し揚げで、注文を受けてから揚げてくれます。

 定食類も充実しているなぁ。昼どきには、さらにランチタイムメニューもあるようです。

 飲み物は生ビールが中ジョッキで400円。中瓶ビールはアサヒ、キリンが選べて450円。日本酒は「千福」上撰1合が380円というラインナップ。けっして種類は多くないものの、そば屋で一献傾ける分には、これで十分ですね。

 肴には冷奴(150円)や湯豆腐(200円、ただし冬のみ)、板わさ(180円)のほか、天ぷら盛り合わせは海老天2尾と野菜天で450円、刺身はマグロ、甘エビ、イカソーメンの盛り合わせで480円、そしてこれまた冬のみながら、ひとり用の寄せ鍋(480円)まであるのがうれしいではありませんか。

 「ドリンクセット」と銘打って、生ビールか日本酒に、枝豆かフライドポテトのどちらかを付けて480円というメニューもあるほか、季節のおすすめ品として天ざるそばかうどんに生ビールか日本酒がついて980円というセットもあります。冬場には天ざるの代わりに鍋焼きうどんのセットが出されたりするようです。

 今日は「おろしそば」(470円)を注文すると、削り節がたっぷりとのった「おろしそば」が出てきました。そばの量も十分で、すっかり満腹になってしまうほど。

 近所の人たちのみならず、タクシーの運転手さんたちにも人気がある店だというのがわかりますねぇ。

 よ~し、今度は飲みに来なきゃね。どうもごちそうさま。

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昼間の「平原」 / 店の入口側 / 店の奥側

店情報

《平成22(2010)年9月5日(日)の記録》

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店情報: そば処「平原(ひらはら)」(呉)

    そば処 平原
  • 店名: そば処 平原
  • 電話: 0823-22-0855
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通3-6-10
  • 営業: 11:00-14:30LO、17:30-20:30LO、日休
  • 場所: 本通三丁目交差点を丘側(れんが通りじゃない側)に入ったローソンの向かいのビル1階。
  • メモ: 昭和59(1984)年創業。そばもうどんも自家製麺で、注文ごとにゆでる。天ぷらも通し揚げ。国産蕎麦粉使用、いりこ出汁。店内はテーブル席のみで計40席。
    すべて、そばはうどんに、うどんはそばに変えられます。ごはん、麺類の大盛り各100円増、小盛り各20円引き。海老天は1尾200円で追加可能。
    〔冷たい麺類〕天ざるそば(海老2尾)880、海老天おろしそば(海老1尾)750、山かけそば650、おろしそば600、ざるそば500。 〔温かい麺類〕釜天うどん(海老2尾)880、天ぷらそば450、かき揚そば700、カレーうどん600、肉うどん600、月見うどん400、キツネうどん(刻み揚げ)400、かけうどん350。 〔丼物(ランチには味噌汁が付く)〕天丼(海老1尾、いか、きす、野菜)600、天丼(海老2尾、いか、きす、野菜)、カツ丼650、親子丼650、玉子丼500、かき揚丼750。
    〔お昼の平原とくとくセット〕カツ丼とそばのセット800、カツ丼と天ぷらそばのセット950、カツ丼とざるそばの背と950、カツ丼と天ざるそばのセット(海老天1尾)1,050、天丼とそばのセット800、天丼と天ぷらそばのセット950、天丼とざるそばの背と950、天丼と天ざるそばのセット(海老天1尾)1,050、親子丼とそばのセット800、親子丼と天ぷらそばのセット950、親子丼とざるそばの背と950、親子丼と天ざるそばのセット(海老天1尾)1,050。
    〔夜の御膳・定食〕にぎわい御膳1,500、刺身御膳1,500、おこのみ(ミニ天丼、ミニカツ丼、ミニ麺)1,200、平原定食1,050、おたのしみ(ミニ丼、割子そば1段、ミニうどん)1,050、天ざるそば定食(海老天2尾)1,050、手作りおむすび(梅・たらこ・おかか・昆布・鮭)120。
    〔一品料理〕天ぷら盛合せ(海老、いか、茄子、かぼちゃ、にんじん、ピーマン、大葉)600、国産野菜天ぷら盛合せ(さつまいも2枚、茄子、ピーマン、まいたけ、かぼちゃ2枚、にんじん)550、刺身1,000、本日の小鉢(自家製)400、チキンナゲット300、フライドポテト300、枝豆300、冷奴280、板わさ250、味噌汁100。
    〔お飲み物〕アサヒスーパードライ生500、中瓶ビール(キリンラガー、スーパードライ)550、日本酒(1合瓶)450、オレンジジュース(バヤリース)150。
    〔お好み天ぷら〕海老1個200、いか1個120、れんこん90、さつまいも90、茄子90、かぼちゃ90、その他90。
    〔手作りおむすび〕梅120、たらこ120、おかか120、昆布120、鮭120、白ご飯150。(2014年12月調べ)

  • 営業: 11:00-21:00、正月三が日以外無休
  • メモ: 〔冷たい麺類〕天ざるそば・うどん680、三品(みしな)そば500、山かけそば500、割子そば450、おろしそば470、ざるそば・うどん400、海老天おろしそば・うどん600。 〔温かい麺類〕鍋焼きうどん600、味噌煮込みうどん600、釜天うどん680、釜あげうどん400、天ぷらそば(海老天2尾)500、天ぷらうどん(海老天1尾)350、かき揚げそば・うどん450、カレーうどん400、肉うどん400、わかめうどん350、おぼろうどん350、月見うどん300、きつねうどん(きざみあげ)300、かけそば・うどん250。そばはうどんに、うどんはそばに変更可。各麺類はプラス150円で定食(ごはん、おかず、サラダ)になる。おかずは3種から選べ、この日は、切り干し大根、冷やっこ、フライの3種。 〔丼物(味噌汁付き)〕天丼(エビ天2尾)700、天丼(エビ天1尾)500、カツ丼500、親子丼450、他人丼500、山かけ丼550、かき揚げ丼500、玉子丼400。 〔セット〕カツ丼とうどんのセット600、カツ丼と天ぷらうどんのセット700、カツ丼とざるうどんのセット750、カツ丼と天ざるうどんのセット(エビ天1尾)850、天丼とうどんのセット600、天丼と天ぷらうどんのセット700、天丼とざるうどんのセット750、天丼と天ざるうどんのセット(エビ天1尾)850、親子丼とうどんのセット550、親子丼と天ぷらうどんのセット650、親子丼とざるうどんのセット700、親子丼と天ざるうどんのセット(エビ天1尾)800、玉子丼とうどんのセット500、玉子丼と天ぷらうどんのセット600、玉子丼とざるうどんのセット650、玉子丼と天ざるうどんのセット(エビ天1尾)750。うどんはそばに変更可。 〔定食〕にぎわい(天ぷら、刺身、とろろ、フルーツ、ご飯と、そば/うどん/割子1段のいずれか)880、にしき(天ぷら、さしみ、ご飯、漬物と、そば/うどん/割子1段のいずれか)780、おこのみ(ミニカツ丼+ミニ天丼と、そば/うどん/割子1段のいずれか)800、エビ天定食(エビ天大2尾、野菜天、ご飯、サラダと、そば/うどん/割子1段のいずれか)750、ひらはら定食(エビ天1尾、野菜天、ご飯、サラダと、そば/うどん/割子1段のいずれか)700、刺身定食(売り切れあり。刺身、ごはん、漬物と、そば/うどん/味噌汁のいずれか)730、おまかせ(ミニ玉子丼、ミニ山かけそば、ミニきつね)700、おたのしみ(ミニ天丼、割子そば1段、ミニうどん)700。 〔一品〕寄せ鍋(冬季のみ。海老、帆立、鶏肉、野菜)480、刺身(売り切れあり。マグロ、甘エビ、イカソーメン)480、天ぷら盛り合わせ(海老天2尾、野菜天)450、湯豆腐(冬季のみ)200、チキンナゲット230、板わさ180、枝豆150、フライドポテト180、冷奴150、おむすび(梅/かつお/昆布/鮭/たらこ)1個100。 〔飲み物〕生ビール中(アサヒスーパードライ)400、ビール中瓶(キリンラガー/スーパードライ)450、日本酒1合(千福上撰)380、オレンジジュース(バヤリース)150。 〔ドリンクセット〕中ジョッキ(400)と枝豆(150)のセット480、千福(380)とフライドポテト(180)のセット480。枝豆はフライドポテトに、フライドポテトは枝豆に変更可。 〔おすすめ〕天ざるそば(680)orうどん(680)と、生ビール(400)or千福(380)のセット980。 〔その他〕冷やしソーメン500、冷やしソーメン定食500など。(2010年9月調べ)

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昼下りのレバニラ炒め … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(横浜・日ノ出町)

レバニラ炒め


 横浜での仕事を終えて、新幹線で広島に向かう前に昼下がりの「第一亭」です。

 まずは瓶ビール(中瓶550円)を注文すると、今だけキリン秋味があるということで、それをもらいます。つまみはレバニラ炒め(600円)。この週末は東京でたくさん飲んだので、レバーを食べて肝臓を強化しようという考えです。

 レバニラ炒めも、この店のおすすめメニューのひとつ。ニラもモヤシもたくさん入っていてボリュームたっぷりです。プリプリと弾力感があるレバーもいいですねぇ。

 もつ(内臓料理)は、一度いいものを知ってしまうと、悪いほうには戻れない。こんなプリップリのレバーを食べなれると、町場の食堂で出されるレバニラ炒めの、ねっとりとした感じのレバーは食べられません。子供のころはあのねっとり感と独特の臭いが嫌いで、レバーそのものが大嫌いだったのです。最初からこんなレバーを食べてたら、レバーに対する考え方が変わっていたかもなぁ。

 瓶ビールおかわり(550円)して、パターン(600円)をいただきます。

 パターンは、ゆでて冷やした中華麺をニンニク醤油であえた麺料理。もともとはまかない料理としてお店の人たちが食べていたものを、それを欲しがる常連さんに出したのが始まりだそうです。なので、こんな人気メニューになっても、未だに正式なメニューには載っていません。

 ニンニク醤油といっても、そのニンニクの量が半端ではない。生のニンニクを大きな中華包丁でつぶしたものがたっぷりと入ります。中華包丁でニンニクをつぶすときに、パターン、パターンと音が出るから、「パターン」という名前になったんだそうですよ! 嘘のような本当の話です。

 少し前まではパターンだけが出されていたのですが、最近はパターンを注文すると、ニラとモヤシが入ったスープも付けてくれます。

 このスープもまた「第一亭」自慢の一品の一つです。開業当時(昭和34年)から変わらず、鶏と豚と野菜だけをじっくりと煮込んで作っているんだそうです。

 それにしてもこのパターン。すっごくボリュームがありますねぇ。考えてみたらひとりで1人前をすべて食べるのははじめてかも。これ一品で、食事メニューとしても十分いけますねぇ。

 さぁ、ボチボチと広島に向かいますか。今日のお勘定は2,300円でした。どうもごちそうさま。

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「第一亭」 / パターン / スープ

店情報前回

《平成22(2010)年8月30日(月)の記録》

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今宵はシメサバで締め … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

シメサバ(手前)と活サバ刺身


 「たつや」を出て、都立家政の「竹よし」へと戻ってきたのは午後8時過ぎ。昨夜は、ほぼ閉店の時刻にここ「竹よし」にやってきて、無理を言って瓶ビールを1本だけ飲ませてもらったので、今日はじっくりと、昨日の分まで飲み直しましょう。

 今日、日曜日の手伝いはチクちゃん。そのチクちゃんに「やせてたから、入ってきたとき誰だかわかんなかったよ」と言われてしまう。たしかに呉での自炊生活と徒歩通勤が効いたのか、ちょっと(2キロほど)やせたんだけど、そんなわかんないほどにやせたかなぁ。太る、やせるが顔に出やすいタイプなので、顔はやせてるのかもなぁ。自分からもよく見える部分、たとえばお腹なんかはちっとも変わっていないように思うんだけどなぁ……(ガックリ)。

 お絞りをもらって手や顔を拭きながら、今日も瓶ビール(中瓶、500円)を注文すると、「赤星あるよ!」と店主。「おっ、じゃあ、赤星をお願いします」と、今日はサッポロラガービールをもらいます。

 ここ「竹よし」に昔から置いているのはアサヒスーパードライ。何年か前に、どうしてもキリンしか飲まないというお客さんがいらっしゃって、その人用にキリンラガーも入れ始めた(ただし瓶のみ)ので、ここのところは瓶ビールの場合はアサヒかキリンか選べるようになっていたのでした。

「なんで赤星も入ったんですか?」と聞いてみると、

「だって赤星だからねぇ」と笑う店主。そうか。大阪で魚料理の修業をした店主は阪神ファンでしたねぇ。なるほど、それで赤星か。

 今日のお通し(200円)は玉子焼。大根おろしが添えられています。

 さて、魚は何にしようかな。おもむろにカウンターの中、食器棚の上にかけられたホワイトボードを確認します。

 今日の刺身は、大分産の活じめさば600円に、本まぐろ脳の身1,000、もどりかつを550、いなだ500、いわし600に、盛り合せ(5種)1,000、小盛り合せ650というラインナップ。焼き魚は鮎600、新さんま800、あじ600、ぎんだら650、さわら照り焼500、活さばのかぶとと尾600、ぶりかま650、うなぎ蒲焼1,000、うなぎ玉子とじ1,000といったところ。穴子の白焼(800円)もあるので、それをもらいます。さっと塩焼きにした穴子には、おろしたワサビがたっぷりと添えられています。

 穴子の白焼きが出たところで、飲み物も「浦霞」(500円)に切り換えます。

 穴子を食べ終わったところで、「これも食べてみるかい」と店主が出してくれたのはサバの刺身1切れとシメサバ2切れ。大分産だというこのサバは、断面が美しいですねぇ。

 生のサバもすばらしいけど、シメサバが抜群にうまいっ。生で食べられるサバをサッと締めて出してくれるのが、ここのシメサバのうまいところなんだよなぁ。

 生サバ、シメサバに大満足したところで今日は終了。

 2時間弱の滞在は、ちょうど2,000円でした。どうもごちそうさま。

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「竹よし」 / 赤星とお通し / 穴子白焼

店情報前回

《平成22(2010)年8月29日(日)の記録》

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もつカレーでホッピー … やきとん「たつや」(沼袋)

もつカレー


 「魚がし寿司」を出たところで、このあと商店街で買物をして帰るという家族とは別れ、ひとり電車で沼袋の「たつや」です。

 「たつや」は今年(2010年)3月15日に、それまで「秋元屋」で修業されていたたっつんさんが独立開業したお店。この店も、「秋元屋」同様に、『やきとん』を冠(かんむり)にしています。

 先日、「秋元屋」店主の秋元さんに伺ったところ、開店するのにあたって、冠を東十条の「埼玉屋」のように『やきとん』にするか、はたまた立石の「宇ち多゛」と同じく『もつ焼き』にするか、ちょっと(秋元さん曰く、“5分ほど”)考えて、『やきとん』にしたんだそうです。

 秋元さんの修業先である、蕨(わらび)の「喜よし」(ちなみに「喜よし」の冠は『やきとり』です)の当代店主から、「看板は路地の入口からでも見えるように大きくしたほうがいい」というアドバイスがあって、商店街にある路地の入口から見ても大きく「やきとん 秋元屋」と見える電灯看板を付けたとのこと。「あの看板が高かったなぁ」と、今でも秋元さんがおっしゃっているほどです。

 そして、その「秋元屋」で修業されて独立した人たちの店は、ここ「たつや」をはじめ、中板橋の「万備(ばんび)」(平成20年4月開店)、富士見台の「くろちゃん」(平成21年6月開店)、上板橋の「ひなた」(平成22年1月開店)、そして都立家政の「弐ノ十(にのじゅう)」(平成22年7月開店)も、すべて冠は『やきとん』です。

 今日の「たつや」も9割がたの入り。開店早々から人気の高いお店になっています。

 店を取り囲むように長いカウンターは、角々(かくかく)とムダに角(かど)が多いのが大きな特徴です。この角、実はムダに多いわけではなくて、これがたっつんさんご自身が工夫した部分。

 カウンターの中、お客からよく見える焼き台で串物を焼いてくれる焼き鳥屋やもつ焼き屋では、カウンター席に座ってその様子を見ながら食べるのが楽しみの一つです。しかしながらカウンター席の欠点は、すぐとなりに座る人以外とは話がしにくいところです。「たつや」では、そのカウンターにわざと角を多く作ることで、3人以上のグループでも、角を挟むように座ることで、グループみんなで話しやすいような工夫がされているのです。カウンター席のいいところと、テーブル席のいいところを融合させたような作りなんですね。

 さっそく三冷ホッピー(380円)を注文すると、「赤ですか、黒ですか?」と聞いてくれる新人店員さん。「赤でお願いします」。ホッピーは白、黒と呼ぶところと、赤、黒と呼ぶところがあり、ここは後者のようです。白、黒は注いだときのホッピーの色合いで呼んでいて、赤、黒はホッピー瓶の王冠の色で呼んでいるんですね。色が白いホッピーの王冠の印字色は赤、色が黒いホッピーの王冠の印字色は黒です。

 つまみには、たっつんさん自慢のもつカレー(350円)をもらいます。もつカレーは、もつがたっぷりと入ったカレールウ。もつ煮込みのカレー版で、焼いたフランスパン2切れが添えられます。

 焼き物は、レバとテッポウを1本ずつ(各100円)、みそ焼きでお願いします。

 「喜よし」(蕨)→「秋元屋」(野方)と引き継がれたみそ焼きは、ここ「たつや」をはじめ、「秋元屋」系列の各店で食べることができます。

 私が入ったあとも続々とお客さんが入ってきて、店内はほぼ満席状態。今日は店主のたっつんさん以外は、新人さん2人で切り盛りしているのでちょっと大変そう。早めにサックリと切り上げることにしてお勘定をお願いすると、席料100円も加えて1,030円。どうもごちそうさま。

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「たつや」 / 三冷ホッピー / レバ、テッポウ(みそ焼き)

店情報前回

《平成22(2010)年8月29日(日)の記録》

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駅近の角地に新装開店 … 「魚がし寿司(うおがしずし)」(都立家政)

特上寿司


 日曜日の今日は、家族で「魚がし寿司」で夕食です。5月22日(土)に新装開店してから、初めての「魚がし寿司」です。前は都立家政商店街から入った路地の中にあったのですが、今回の新装開店で商店街の表通りのお寿司屋さんになりました。

 新しい店になっても、並寿司600円、上寿司800円、特上寿司1,300円という値段は変わっておらず、お好み寿司の値段も変わっていない様子です。

 飲み物は増えましたねぇ。アサヒ生ビール500円に、ビール中瓶(各種)550円、日本酒(大関金冠)500円、ウーロン割り500円、お茶割り500円、梅酒500円、ワイン(赤・白)ハーフボトル1,600円のほか、地酒(八海山本醸造)650円や地焼酎(芋焼酎のこく紫、薩摩宝山、麦焼酎の一粒の麦)500円もラインナップされています。

 店内は左手に比較的ゆったりと作られたカウンター席があり、一番奥右手に4~5人座れるテーブル席が1卓。入口右手にはウェイティング(待ち合わせ)スペースらしき空間も作られています。

 ちょうどカウンター席にも空きが出たところだったので「カウンター席でもいいですよ」とおっしゃっていただけたのですが、カウンター席はひとり客やふたり連れのお客さんのために開けておいたほうがいいので、4人でテーブル席に座ることにしました。

 家族用に特上寿司を3人前注文して、私はアサヒスーパードライ中瓶(550円)をもらって、つまみにはカツオ刺身(800円)とシャコのつまみ(400円)をもらいます。

 真っ先に出されたのはカツオの刺身。昨日、「竹よし」で食べたものがおいしかったので、今日も注文したような次第ですが、さすがにこの時期のカツオはいいですねぇ。脂がのり過ぎていないのがいい。赤身の血の酸味というんでしょうか、口に広がる濃厚な味わいは、マグロ赤身のそれともちょっと違っていて、それぞれに個性的です。

 シャコは大きいのが4尾。なかにはたっぷりと卵が入っています。

 そして出てきた特上寿司は、マグロ中トロ、マグロ赤身、ウニ、イクラ、甘エビ、シマアジ、ヒラメなど、にぎり9個と、カッパ巻きです。

 ビールを飲み終えて、飲み物は薩摩宝山(500円)の湯割りに切り換えます。

 家族も特上寿司を食べ終えて、お好みでのにぎりを追加します。テーブル席からは、注文用の伝票に品物と個数(1個ずつから注文可能)を記入して渡します。

 子供たちはヒラメの縁側を1個ずつ。回転寿司と違って、ヒラメの縁側は実はメニューにはなくて、ヒラメをさばいたときにいくつか取れる縁側が残っていれば出してくれる品です。「ありますか?」と確認したら「2個分だけあります」というお返事だったので、それを握ってもらったのでした。私もシメサバやサンマ、アナゴなどを握ってもらい、最後にしじみ汁(200円)をいただいて締めます。

 お勘定は4人で9,700円ほど。新しくなっても、値段はほぼ据え置きなのがうれしいですね。どうもごちそうさま。

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「魚がし寿司」 / かつお刺身 / しゃこのつまみ

100829d 100829e 100829f
平目えんがわ / 赤貝、しめさば、サーモン、いわし / 穴子

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赤貝ひも / さんま / しじみ汁

店情報前回

《平成22(2010)年8月29日(日)の記録》

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締めは戻りカツオ刺身 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

カツオ刺身


ハーミテイジきくや」の店主ご夫妻、古典酒場編集長と4人で野方を巡っています。(「ハーミテイジきくや」を手伝っている若い店員さんは、明日の引っ越しに備えて早めに帰られました。)

 居酒屋「乃がた」、イタリア料理「ぢりお」と回って、3軒目は、少し野方駅の近くに戻って、串かつ「若菜」です。店のスタッフは全員が関西方面の人なのか、店内には関西の言葉が飛び交っています。串かつの値段もリーズナブルで、客層も若い。しかもホッピーも置いています。関西系のお店でホッピーは珍しいですね。

 関西の串かつにはつきものの紅生姜をはじめ、何本かの串かつをいただきながら、ホッピーです。串かつは1本120円から(120円のものが多い)で、1本ずつ注文することができます。

 残念ながら今日はすでに満腹の上に、飲むほうも完全なる酔っ払い状態。今度は1軒目か2軒目として来てみたいお店です。

 「ハーミテイジきくや」の店主ご夫妻にご紹介いただいた、野方の3軒。3軒ともに、お店の人とも親しげにお話をされるほどの行きつけのお店とあって、おいしいし、楽しい。野方もまだまだ奥が深いことを改めて痛感いたしました。近々、「出没!アド街ック天国」(テレビ東京)でも野方が取り上げられるらしいので、これまた楽しみです。

 店を出て、タクシー乗り場まで荻窪まで帰られる編集長を見送り、「みつわ通り商店街」に入る三叉路で、店主ご夫妻とも別れて帰路につきます。

 トコトコと歩きながら時計を見ると、まだ「竹よし」が開いている時間です。で、本日最後1軒として「竹よし」へ。

 もう終了に近い時間なので、店内は左手前テーブル席に3人連れの先客がいるのみ。今日、土曜日の手伝いはキティちゃんです。そのキティちゃんに瓶ビール(中瓶500円)をもらって、お通しでちびりちびり。

「お腹いっぱいでも、これくらいは食べられるだろう」

 と店主が出してくれた数切れのカツオの刺身がうまいのなんの。この時期のカツオ、いいですねぇ。すでに戻りガツオなんだろうけど、まだ脂がのりきってはいなくて、脂分のバランスがちょうどいい。

 昼間の「宇ち多゛」から始まって、「秋元屋」、「乃がた」、「ぢりお」、「若菜」、そして「竹よし」と6軒を堪能した密度の濃い1日でした。

 「ハーミテイジきくや」の店主ご夫妻には本当にお世話になり、ありがとうございました。

・「竹よし」の店情報前回

《平成22(2010)年8月28日(土)の記録》

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店主ご夫妻と巡る野方 … イタリア料理「ぢりお(giglio)」(野方)

数種のグラッパ飲み比べ


 「秋元屋」でのゼロ次会を終えて、古典酒場編集長とともに野方駅へ。ここで「ハーミテイジきくや」の店主ご夫妻と、お店を手伝っている若い中国人男性の3人と合流して向かったのは、店主ご夫妻の行きつけの居酒屋「乃がた」です。ここは魚介類がおいしくて、日本酒の品ぞろえもいいことで沿線の食通たちに愛されている居酒屋。ご夫妻オススメの刺身の盛り合せなどを注文して、一次会のはじまりです。

 それにしても、なんで「ハーミテイジきくや」の店主ご夫妻の行きつけのお店が、ここ野方の「乃がた」なんだろう? と不思議に思っていたら、なんとご夫妻はこのご近所におすまいなんだそうです。いやぁ、ちっとも知りませんでした。

 一緒に来られた中国人男性は、中国から日本の大学に留学している人で、夜は「ハーミテイジきくや」でアルバイトをして生活費を稼いでいるんだそうです。大学の研究が佳境に入ったので、このたび大学の近くに引っ越すことになり、今日はその送別会(とってもお店を辞めるわけではありません)でもあります。

 ど~んと出されたマグロのカマ焼きの立派なこと。

 たっぷりと魚介類を堪能したあと、二次会は、今度は野方駅の反対側(北側)に出て、イタリア料理の「ぢりお」です。

 駅近くの小さな路地の中、ビルの1階にあって、その正面がガラス張りのレストランはとても目立つ存在。ただしその店内は比較的やわらかめの照明なので、ガラス張りでもコンビニのようなギンギンギラギラ感はなくて、落ち着いています。

 どーんと広い店内の内装は、コンクリートの打ちっぱなし。店の右側に大きく取られたL字のカウンターは、ひとりひとりのスペースを大きく取った16人分。大衆酒場ならあと10人は入れるんじゃないかと思うほど、それぞれの席の間隔はゆったりです。

 このカウンター16席だけの店内を女性シェフひとりで切り盛りします。

 先客は、作務衣っぽい和服姿に、ネットのような帽子(本当はなんて呼ぶんでしょう?)がおしゃれな年配男性客ひとり。L字の縦のカウンターの手前側に座って、ひとりでワインを傾けながらイタリア料理を楽しんでいます。渋いなぁ。

 「乃がた」のときと同じく、ここでも「ハーミテイジきくや」の店主ご夫妻が、おすすめの料理を注文してくれます。飲み物は白ワイン。夏野菜のトマト煮(冷、1,000円)や、仔羊と水茄子の香草焼き(1,500円)、和牛サーロインステーキ・ガーリックソース(3,000円)などなど。キノコのスパゲティはチーズ(ゴルゴンゾーラ?)の風味も濃厚で、爆発的にうまい。

 イタリアで料理の修業をして、この店を開いたという店主の百合子さん。ボーイッシュな雰囲気で、きびしく料理と対峙されていますが、調理の合間に見せるニコッとした笑顔は女性ならでは。ツンデレ系ですねぇ。

「イタリアの大衆食堂のように、ワインをがぶがぶ飲みながら料理を食べてもらいたいんですよ」

 とおっしゃるとおり、料理もちょっと濃い目の味付けで、ワインによく合います。四ツ谷のフランス料理屋、「北島亭」の店主も、「ワインに合わせるにはこれくらいの味付けでなくっちゃ」と、ビシッと塩が効いた味付けにされています。料理が酒(ワイン)を進め、酒がまた料理を進めるという好循環ループに入っていくパターンですね。

 店名の「ぢりお(giglio)」は、イタリア語で百合(ゆり)のこと。店主の名前が百合子さんだからということで付けた店名だそうです。

 最後はキーンと冷えたグラッパをみんなでグイグイ。うまいけど効くなぁ、このお酒。

・「乃がた」の店情報前回)/「ぢりお」の店情報

《平成22(2010)年8月28日(土)の記録》

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店情報: イタリア料理「ぢりお(giglio)」(野方)

  • 店名: イタリア大衆食堂「ぢりお」
  • 電話: 03-3336-6006
  • 住所: 165-0027 東京都中野区野方6-6-2
  • 営業: 12:00-14:00 & 18:00-22:00(日祝は -21:00)、火休
  • 場所: 西武新宿線・野方駅の北側の階段を降り、コンビニ(サンクス)の前を環七方面(高田馬場方向)に進み、「とんかつ太郎」があるY字を左へ、突き当りを左折して、次の小さな交差点を過ぎた先、右手ビル1階にあるガラス張りのレストラン。
  • メモ: 正面がガラス張りで、店内はコンクリート打ちっぱなしの内装に、とってもゆったりと作られたカウンターのみ16席。この空間を女性シェフひとりで切り盛りします。彼女の名前が百合子さんだから、イタリア語で百合を表すgiglio(ぢりお)という店名にしたとのこと。以下のメニューはすべて税抜き表示で、席料ひとり200円も加算される。
    〔前菜〕自家製ボイルハム1,000、自家製豚肉のパテ800、きのこのソテー600、チーズオムレツ600、自家製レバーペースト500。〔パスタ〕《スパゲティ-》にんにくと唐辛子1,000、トマトソース1,000、辛いトマトソース1,000、きのこいっぱいソース1,300、自家製ソーセージと茄子1,400。《リングイネ》バジリコペースト1,300、アンチョビ・オリーブ・ケッパー入りトマトソース1,200。《ペンネ》ゴルゴンゾーラチーズソース1,300、牛すね肉のミートソース1,300。〔メインディッシュ〕季節のお魚料理(黒板をご覧ください)、地鶏の香草焼き・皮ぱりぱり1,400、仔羊のソテー・お好みのソースで2,400、和牛サーロインのグリル・サラダ添え3,000。〔おやさい〕グリーンサラダ500、じゃがいものロースト600。〔デザート〕イタリアチーズのもりあわせ800、自家製ドルチェいろいろ600~。〔本日の黒板メニュー〕いわしのガーリックソテー1,000、自家製かつをのくん製1,000、夏野菜のトマト煮(冷)1,000、ゆで玉子とささみのサラダ1,000、小海老入りクリームトマトソースのリングイネ1,500、からすみのスパゲティ1,600、平目のポアレ・フルーツトマトソース3,000、仔羊と水茄子の香草焼き1,500、スペアリブと野菜のカレー煮込み1,500、和牛サーロインステーキ・ガーリックソース3,000。(2010年8月調べ)

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待ち合せ前のゼロ次会 … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

三冷黒ホッピー


 今日は、いつも「古典酒場」発売記念イベントの『ほろ酔いと~く』の会場としてお世話になっている市ヶ谷の「ハーミテイジきくや」の店主夫妻と、野方の酒場めぐりをしようという日。

 午後5時に野方駅の改札前に集合なので、その前に軽くゼロ次会に行こうと、「古典酒場」の倉嶋編集長と午後3時50分に待ち合わせて「秋元屋」へと向かいます。

 「秋元屋」に到着したのは開店5分前。店内では開店準備も仕上げの段階で、大勢の店員さんたちが忙しそうに準備中。店の前で待っていると、遠巻きに日陰で待っていた人たちも店の前までやってきて、ちょっとした行列ができてきました。

 午後4時ジャストに「お待たせしました。いらっしゃいませ」と声がかかり店内へ。コの字カウンターの一番奥側に座り、編集長は三冷白ホッピー(380円)を、私は三冷黒ホッピー(380円)をもらって乾杯してゼロ次会のスタートです。

 開店と同時に入店した人たちで、店に向かって左側の旧店舗のコの字カウンター(15人分)はほぼ埋まりました。

 「秋元屋」の創業は平成16(2004)年1月30日の金曜日。最初はこのコの字カウンターのみのお店でした。後にこんな人気店になるとは思ってもいなかった店主・秋元さんは、自分ひとりで切り盛りできるようにと、店主を取り囲むコの字カウンターの店にしたんだそうです。

 ところが元々このエリアにもつ焼き屋そのものや、低価格の大衆酒場が少なかったことに加えて、「秋元屋」が開店する直前に、鷺ノ宮のもつ焼きの名店「鳥芳」が閉店したことも影響したのか、「秋元屋」は開店直後からいつも満員の大盛況状態。店の入口に簡単なテーブル席を作り、店の奥の倉庫として使っていた部屋もテーブル席に改装してと徐々にお店が大きくなっていきましたが、それでもお店は行列状態。なかなか入れない状態でした。

 そこで閉店となった隣りの店舗も買い取って2号店を開店したのが去年(2009年)の4月のこと。2号店とは言っても、両方の店の間の壁には開口部があって、自由に行き来できるようになっていて、店員さんたちもあっちに行ったり、こっちに来たりしています。

 開店とともに入店したお客さんたちに、ひとしきり飲み物が行きわたり、続いてはおつまみの注文に入ります。まずは煮込み玉子入り(400円)をお願いしておいて、焼き物はチレ、カシラ、シロを2本ずつ(各100円)注文します。

 煮込みはカウンター内の大鍋で煮込んでいるものをサッとすくって出してくれるのですが、やきとんはこれからみんなの分が一斉に焼きはじめられるのでちょっと時間がかかります。味付けは『おまかせで』と注文したら、チレはみそ、カシラは塩、シロはタレで出してくれました。

 チレのみそ焼きのうまいこと!

 みそ焼きは、埼玉は蕨(わらび)にある、やきとり「喜よし」の先代が考案した独自の焼き方。最初から液体状のみそダレをつけて焼き始めるので、ちょっとピリ辛のみそダレの味わいがもつの中によく染み込むのです。(チレのようにさっと炙る程度でできあがるものは、さすがに中までは染み込んでいませんが。)

 ここ「秋元屋」の店主が、そのみそ焼きの味にほれ込んで「喜よし」で修業し、ここに「秋元屋」を開いたのでした。今ではここ「秋元屋」で修業した人たちが、西武線や東武線の沿線に新しいやきとん屋を出しているので、二十三区内北西部ではみそダレも馴染みのある味になってきつつあります。

 この店が1軒目の編集長は、あっという間に1杯目を飲み干して、2杯目はシャリキンレモン(380円)を注文。ジョッキにシャリシャリに凍ったキンミヤ焼酎を入れて、それとは別に瓶のレモンサワーの素を出してくれます。

 すでに「宇ち多゛」で一杯やってきた私は、1杯目の三冷黒ホッピーをゆっくり目に飲み進めますが、さすがに1杯だけでは終わらず、2杯目の三冷白ホッピー(380円)に突入します。編集長も3杯目のシャリキン黒ホッピー(380円)です。

 そろそろ待ち合わせの時間も近づいてきたので、「やきとんではないけれど、これも人気の品なのでぜひ食べてみてください」と編集長にオススメしながら注文したつまみは、肉巻きトマト焼きとエノキ肉巻きです。エノキ肉巻きはみそ焼きにしてもらいます。

 先日この店に来たときに、常連さんたちに「これが今流行ってるんだよ」と教えてもらったのがエノキ肉巻きのみそ焼き。それ以来、「秋元屋」に来るたびにエノキ肉巻きのみそ焼きを注文しているのです。なので今日も、「肉巻きトマト焼きとエノキ肉巻きを1本ずつ。エノキは……」と言いかけたところで、焼き台にいるマッちゃんから「みそ焼きですね!」と笑顔が返ってきました。

 これらを食べ終わったところでそろそろ午後5時なのでお勘定。席料ひとり100円も含めて、ふたりで3,800円(ひとりあたり1,900円)ほどでした。

 今日は創業直後からこの店を手伝っているヨッちゃんや、若いながらも今やベテラン店員さんの風格も漂ってきたマイちゃんともちょっと話をすることができてよかったなぁ。

 どうもごちそうさま!

店情報前回

《平成22(2010)年8月28日(土)の記録》

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もつ焼き食べて大満足 … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

タン生お酢


 呉も暑かったけど、東京も変わらず暑いなぁ。こう暑いとあまり出歩きたくないのは呉にいるときと同じなのですが、東京には月に1~2回程度しか帰ってこれないので、暑さをおして外出です。

 職住ともにこっちだったときは、たまに広島・呉方面への出張があると、ちょっと無理をしてでもあちこち回って飲み歩いていたものですが、すっかり逆転している感じですねぇ。

 さてさて、東京に帰ってきたらぜひとも食べたいのがもつ焼きです。

 もつ焼きは、明治時代に東京で発祥した独自の食文化です。長引く不況の影響を受けて、安くて美味しい食べ物であることが再認識され、昭和時代の主たる客層であったオヤジ族のみならず、女性や若年層にまでますますファン層が広がっています。

 数あるもつ焼き店の中でも、代表格なのが立石の「宇ち多゛」です。今日は「宇ち多゛」中毒を自称されるほどの「宇ち多゛」ファン、宇ち中(うちちゅう)さんと示し合わせて、その「宇ち多゛」にやってきました。

 土曜日午後1時の「宇ち多゛」は、このところの猛暑(今日も34℃!)の影響もあってか行列はなし。一番先頭に、宇ち中さんの同僚の方などと4人で並んで順番を待ちます。すぐに3人分の空席ができ、続いてもう一人も入店して、入口すぐ左手の2列並んだ長テーブルに4人並んで座ります。

 まずはビール(キリンラガー大瓶、540円)をもらって乾杯し、この時間でもまだ残っていたタン生(180円)をお酢でもらってスタートです。「宇ち多゛」のタンは生(といっても茹でてある)しかなくて、それを縦方向に切っているのが特徴です。なのでお皿の上には三日月のような形をしたタンが置かれているのです。この三日月、実は食べやすいようにひと口大に分割されているので、それを一切れずつ取っていただきます。

 タン生と一緒に注文したのが煮込み(180円)とお新香(180円)。お新香は、紅生姜を多めにしてお酢もかけてもらう「ショウガのっけてお酢」オプション付きでの注文です。

 すぐに瓶ビールをおかわりし、「カシラ塩」(もつ焼きはすべて2本1皿で180円)に「アブラ多いとこ素焼きお酢」。さらに「シロタレよく焼き」に、再び「お新香ショウガのっけてお酢」と、ここぞとばかりにもつ摂取に励みます。

 なおとんさん、ゆりちゃんもやってきて合流。なんとゆりちゃんが注文した「レバ塩若焼き」でレバが終了してしまいまた。う~む。レバは最後のほうまで残っていることが多いので、ちょっと油断していたら、こんなに早くなくなっちゃいましたか。とは言うものの、もう午後2時前なので、無くなっても当然か。しかたないので、ゆりちゃんのレバーをひと切れもらってレバーもなんとか制覇(かな?)。

 そろそろすべての品物が売り切れの時間とあいなって、「宇ち多゛」のお勘定は4人で3,700円(ひとりあたり925円)でした。どうもごちそうさま。

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「宇ち多゛」 / お新香ショウガのっけてお酢 / 煮込み

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カシラ塩 / アブラ多いとこ素焼きお酢 / シロタレよく焼き

店情報前回

《平成22(2010)年8月28日(土)の記録》

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飲み友たちと集まって … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)

竹の子煮


 月曜日に行われる横浜での打ち合せに向けて、金曜日の呉での仕事を終えたあと、都内の自宅へと向かいます。

 主として飛行機があまり好きじゃないことと、安いチケットは乗る便の変更ができないこと、そして広島空港が辺鄙な場所にあるので、新幹線で移動するのとの時間差があまりないことなどの理由で、移動手段はいつもたいてい新幹線。

 昔と違って広島~東京間は4時間ほどしかかからないので、ちょっと書き物や調べ物をしたり、疲れているときは眠ったりしていると、すぐに着いてしまうのです。むしろ細切れ時間にならない分だけ、集中していろんな作業ができるのでありがたいくらいです。

 呉での仕事を終えてから帰京する便は、呉駅を午後6時ごろに出発して、広島で新幹線に乗り換えるのが7時過ぎ。自宅に到着するのはちょうど日付けが変わるころ。

 誰かがどこかの酒場で飲んでないかなぁと、twitterで現在位置をつぶやきつつ自宅方面に向かっていきます。西武新宿線に乗り換えたところで、飲み仲間のハッシーから「石松(中野)で飲んでます」というメール。惜しいっ。新宿に着く前にわかっていたら乗り換えて向かったのに。「すでに西武線の車内です」と返信すると、同じ「石松」で飲んでいたユリちゃんと二人で「満月」(鷺ノ宮)に向かってくれるとのこと。「それでは満月で合流しましょう」と、そのままの電車で鷺ノ宮へと向かいます。

 「満月」到着は午前0時。先客は左側のカウンターに4人ほど。右側はガランと空いている状態です。日付けが変わるころが、「満月」のお客さんたちが入れ替わる時間帯でもあるようです。電車で帰らないといけない人たちは午後11時を回ったところで席を立ち始め、その一方でこの辺が地元の人たちが終電近い電車に乗って帰ってきます。なので、午後11時台後半で一度お客さんが減って、午前0時を回ったところでまたお客さんが増えてくる。ここからもうひと波、この店がにぎやかになる時間がやってくるのです。

 まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、500円)をもらって、最初の1杯をググッと飲み干し、カウンター上段にずらりと並んだ大皿料理から、竹の子の煮付け(300円)をもらいます。竹の子は私の好物のひとつで、メニューにあるとついついたのんでしまいます。ほっこらとした独特の食感と、ちょっとえぐい感じの滋味あふれる味わいが好きなのです。

 すぐにハッシーとユリちゃんも到着。近くの酒場で飲んでいたというフジモトさんもやってきて合流です。予想どおり、お客さんはどんどん増えてきて、すでにみんなで詰め合わせて座らなければならない状態。午前0時を回ってこの盛況なのが「満月」のすばらしいところですねぇ。しかも毎日のようにやってくる人が多いのです。

 一緒に飲んでる4人以外にも、「ペルル」の常連さんでもあるダイマさん、ムーちゃんや、ご家族で「満月」に通うサユリちゃんなど、よく見知った顔がたくさん並んでいます。呉から帰ってくるなり、こういうメンバーと一緒に飲めるのがうれしいですねぇ。

 ワイワイと過ごすうちに、気がつけばもう午前2時過ぎ。名残惜しいけどボチボチと帰りますか。お勘定は4人で4,050円(ひとりあたり1,010円ほど)。

 フジモトさん、ユリちゃんは自宅が近いのでいいのですが、すでに終電が終わっているハッシーはどうする?

「私はもう一度石松に戻って、朝まで飲んでから帰ります!」

 すごいっ。実はハッシー、今日(すでに昨日か?!)は口開けからずっと「石松」で飲んでいたんだそうです。間にちょっと「満月」をはさんで、また「石松」。日付けをまたいで足かけ二日間で、8時間以上の「石松」ということになります。それでいてちっとも酔ってる感じじゃないところがハッシーのすごいところですねぇ。今日は本当にありがとうございました。気をつけてね!

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「満月」 / トマト割り / チキンソテー

店情報前回

《平成22(2010)年8月27日(金)の記録》

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晩酌にどんどんセット … 居酒屋「せとや」(呉)

どんどんセット


 先日の〔くれ便り〕に、呉在住の酒場通・遊星ギアのカズさんからコメントで、何軒かのオススメ酒場をご紹介いただきました。

 今日はその中の1軒、「せとや」にやってきました。

 縄のれんをくぐって店内に入ると、目の前にずらりと並ぶテーブル席は4人掛けが5卓ほど。入口のすぐ右手には2階へと上がる階段があり、2階に座敷もあるようです。1階の奥側は、左手がL字カウンター9~10席ほど、右手が小上がりで5人掛け(4人掛けが壁際にくっついていてお誕生日席にも座布団が置かれていて5人分)の座卓が2卓と、1階全体で30人ほどが入れる広さです。

 水曜午後7時過ぎのこの時間帯、先客は1組3人(中年の男性2人と女性1人)のみ。「いらっしゃいませ」と店の奥にいる女店員さんが迎えてくれます。店はこの女性と、若い女性、そして女将と思われる年配の女性、そして厨房の板さんという4名で切り盛りしている様子。

 テレビは一番奥、カウンターの中の上部にあるので、そのテレビが一番よく見えるL字カウンター短辺(3人座れる)の中央に座りメニューを確認します。メニューは壁に張り出された短冊メニューのみで、カウンター上やテーブル上にはメニューは置かれていません。しかも右壁に貼っている短冊と、左壁に貼っている短冊には違うメニューが書かれているので、すべてのメニューを見るには、壁全体を見わたす必要があります。ただし、その総数はそれほど多くないので、あまり苦にはなりません。魚や肉、揚げ物などと幅広い料理が金額明示で並んでいますが、飲み物メニューはどこにもありません。

 小上がりの座敷席の壁に、遊星ギアのカズさんのコメントにあった「どんどんセット」を発見。この「どんどんセット」はビール大瓶1本または日本酒大徳利1本に、本日のおすすめ刺身と小鉢1品が付いたいわゆる“晩酌セット”のような位置付けのもので、値段は1,050円です。さらに『生ビールは今だけ(夏季限定)290円(午後5以降)』なんて張り紙もあります。

 袋入りのおしぼりを出してくれながら「何にしましょうか?」と聞いてくれるおねえさんに、「どんどんセットをお酒でもらって、それとは別に、先に生ビールをもらえますか?」と確認してみると、「はいはい、いいですよ」とという返事。

 すぐに生ビール(サッポロ生)が注がれ、続いて「どんどんセット」の小鉢物が出されます。今日の小鉢はキュウリとワカメの酢の物。あ、小さなタコも一切れ入ってるなぁ。この小鉢をつまみに、まずはグィ~ッと生ビールで喉を潤します。あぁ、この冷たさが心地よい。

 ややあって刺身も登場です。四角い皿に3点盛りで、手前にヨコワマグロ(クロマグロの若魚、関東ではメジ)、左奥にカンパチ、右には生ジャケ。カンパチのみ3切れで、あとは2切れずつ。ツマは千切り大根、大葉1枚、キュウリをスライスしたのが数枚。「お酒はあとで、生ビールがなくなってからお出ししましょうね」とおねえさん。さすがわかっていらっしゃる。

 刺身と一緒に出された醤油皿には刺身醤油が入れられています。このあたりでは刺身用の醤油は、ちょっと甘くて粘度の高い刺身醤油を使うのが普通のようなのです。刺身が瀬戸内の地物じゃないのがちょっとがっくりではありますが、このセットで1,050円というのは安いですよねぇ。

 生ビールを飲み終わると、大徳利の燗酒を持ってきてくれます。銘柄をたずねると「白牡丹」とのこと。1675年(延宝3年)創業と、広島・西条の酒の中で最も古い歴史をもつ日本酒です。

 他のつまみはたとえば、あら煮500円、あじ南蛮酢づけ500円、串かつ350円、若どり塩焼550円、小いわし天550円、たこ天550円など。メニューで見ると、一番安いつまみは320円のししゃもです。

 店の看板に『居酒屋・食事』と書かれているとおり、メニューには定食類も並んでいます。サービス品らしい日替り定食には「せとや定食」と「つばき定食」の2種類があって、どちらも700円。今日の「せとや定食」は大いわしと野菜の天ぷら、小鉢2品。「つばき定食」は鶏肉の網焼き、煮物、和え物他という内容です。

 ふらりと一人で入ってきて、カウンター長辺に座った常連らしいおじさんは、「しょうが焼定食(1,000円)をやってや」と注文。この「○○をやってや」という注文の仕方をよく耳にしますが、このあたりの標準的な注文法なんでしょうか? 店のおねえさんからは「鶏のしょうが焼でいいのね?」という確認が入ります。どうやら定食メニューとしての「しょうが焼」は鶏肉の生姜焼きのようです。定食メニューではないのですが、「豚しょうが焼」(850円)というメニューもあるので、おねえさんが確認したんでしょうね。すべての単品料理はプラス330円で定食にすることができます。

 お酒がまだあるのに刺身も酢物もなくなったので、あじ南蛮酢づけ(500円)を注文します。この季節、とにかくこの地方のアジはおいしいし、瀬戸内の小魚を骨ごとバリバリ食べるのもいいなぁと思っていたのですが、出てきたあじ南蛮酢づけを見てびっくり。大きなアジ丸ごと1尾を揚げて酢漬けにしたものなのです。この状態で、こんなにプリッと大きく見えるということは、生のときはそうとう立派だったんだろうな。ためしに頭の部分を齧ってみたら、よく酢に浸かっていてやわらかく、まったく問題なく骨まで食べられます。

 大きな1尾丸ごとを箸でつかんで、頭のほうからひと口かじっては燗酒をチビリ。またひと口かじっては燗酒をチビリと飲み進んでいるうちに、尾っぽの先まですっかり完食。お皿の上には何も残っていない状態になってごちそうさま。

 今日のお勘定は1,840円。「あじ南蛮酢づけがおいしかったです。これは夏だけ?」と聞いてみると「年中ありますよ」という返事でした。

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生ビール / 日本酒大徳利 / あじ南蛮酢づけ

店情報

《平成22(2010)年8月25日(水)の記録》

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店情報: 居酒屋「せとや」(呉)

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  • 店名: 居酒屋・食事「せとや」
  • 電話: 0823-25-9981
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通1-4-9
  • 営業: 11:00-22:00LO、日休
  • 場所: 呉駅を出てバス通りを右に10分弱。左手の中通1丁目バス停(昭和町方面行き)の先を左折し、すぐ先の信号交差点を右折した右手。駅から徒歩10分。中通1丁目バス停、四ツ道路バス停からは徒歩1分ほど。
  • メモ: ビール大瓶1本または日本酒大徳利1本に本日のおすすめ刺身と小鉢1品が付いた「どんどんセット」が1,050円。平日の日替り定食(700円)は「せとや定食」と「つばき定食」の2種類が選べる。夏季限定で生ビール(中)が290円。
    〔一品料理〕枝豆(夏のみ)350、ポテトサラダ350、アキレスポン酢400、さしみコンニャク400、わち酢漬け420、さしみ単品1人前850~、さしみ盛り合わせ1人前1,050~。〔付出し・小鉢〕冷奴210、納豆250、月見とろろ350。〔煮物・蒸し物〕あら煮500、たこ煮500、アサリの酒蒸し630。〔鍋物〕湯豆腐鍋550、寄せ鍋(魚・貝・肉・野菜たっぷりのあっさりお鍋)950、石狩鍋(冬のみ、コクのある白みそ仕立て)1,100、かき鍋(冬のみ)1,200。
    〔おのみもの〕生ビール520、びんビール(大)550、酒1合420、焼酎湯割・水割420、酎ハイ(レモン・ライム・カルピス)400、ウイスキー水割520、焼酎(二階堂)5合2,300・1升4,200、(黒霧島)1升4,500。〔冷酒〕華鳩(音戸)純米吟醸(300ml)1,200・純米生酒(720ml)2,500、富久長(安芸津)美穂(びほ、300ml)1,200・中汲み槽しぼり(純米吟醸720ml)2,500、ウーロン茶320、オレンジジュース320。
    〔天ぷら・揚げ物〕天ぷら(かぼちゃ、玉ねぎ、ピーマン、しめじ、なす、はす、チーズ)各350、やさい天盛り合わせ530、なすチーズ550、みの天ぷら750、小イワシ天ぷら550、たこ天ぷら550、いか天ぷら550、鶏しそ揚げ630、えび天ぷら750、串カツ350、フレンチポテト400、たこボール400、小えび唐揚げ500、揚げ出し豆腐500、鶏唐揚げ550、貝柱フライ750、えびフライ750。〔サラダ〕オニオンスライス350、やさいサラダ530。〔焼物・鉄板〕ししゃも320、さんま塩焼420、若どり塩焼550、砂ずり塩焼550、豚トロ塩焼550、こんにゃく鉄板焼550、しめじバター焼630、あさりバター焼630、牛みの激辛焼750、牛みの一味焼750、牛ホルモン焼650、だし巻き玉子焼600、納豆焼(お好み焼き風)630、いかバター焼750、貝柱バター焼750、野菜オイル焼750、豆腐鉄板山かけ750、えび天玉子かけ750、カツ玉鉄板750、豚柳川鉄板750、豚しょうが焼850、牛ミニステーキ1,050。
    〔ごはんもの〕親子丼(みそ汁付き)750、カツ丼(みそ汁付き)850、焼めし750、ぞうすい700、お茶漬(のり)530・(うめ)630・(さけ)630、むすび1個160、ごはん160、みそ汁160、あさり汁630、鍋焼きうどん(えび天入り)850、ざるそば500・大盛り600。〔定食〕平日の日替り定食(せとや定食と椿定食の2種)700、やさい天定食750、せと天定食(小イワシ・タコ天)750、むすび定食(おかず3種)750、豆腐定食(揚げ出し豆腐)800、湯豆腐定食850、さかな定食(あら煮)800、唐揚げ定食850、チキンカツ定食850、トンカツ定食900、焼肉定食900、さしみ定食(昼)900、さしみ定食(夜・五種盛り)1,300、しょうが焼定食1,000、天ぷら定食1,250。定食には小鉢が2種類付きます。単品はプラス330円で定食にできます。(2011年7月調べ)

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猛暑を避けて生ビール … ビアホール「オオムラ」(呉)

生ビールとカワハギ


 こう暑いとすっかり出不精になってしまうことは前の記事でも書きましたが、それでも平日は会社があるので、いやでも外出しなければなりません。ところが会社も休みの土日になると、本当に出る気がしない。

 カンカンと照りつける太陽を遮光カーテンでさえぎって、エアコンがガンガン効いた部屋の中で、テレビを見たり、本を読んだり、ブログを書いたり。お腹がすいたなぁ、と思ったら冷蔵庫の中をゴソゴソとあさって、なにかをチマチマと作って、ついでに冷蔵庫の中に並んでいる缶ビールを1本取り出してプシュッ! あぁ~あ。なんとものん気な休日であることよ。もう動きたくない。

 そうは言いつつも、夕方になってくると「ずっと部屋に閉じこもってるのもなぁ」なんて思いもわいてきて、昨日(土曜日)は夕刊を取りに降りるついでにちょっと町の散策です。うわぁ。夕方でも暑いなぁ。部屋から1歩出たとたんにモワッと湿度の高い熱気が身体を包みます。

 ちょっと歩いて、すぐに近くのスーパーに逃げ込んで避暑。はぁ~。鮮魚売り場の冷気がとても心地よい。おろっ。ブリの刺身10切れほどが380円とな! しかもタイムサービスでさらに100円引きときている。買うでしょう! このスーパー、土曜日は「魚の日」ということで、魚介類が安くなっているんだそうです。知らなかったなぁ。

 そんなわけで、この時点で町歩きは打ち切って、家に戻ってブリ刺しで日本酒。ま、ちょっとは外にも出たし、いいとしますか。

 今日、日曜日も朝からずっとエアコンの効いた部屋で過ごし、夕方からちょこっと町歩き。昨日のスーパーも通り越して、商店街をズンズン歩き、「あぁ暑い。もうダメだ」と「オオムラ」にもぐりこんで生ビール(500円)です。

 「オオムラ」の店内にはエアコンはないんだけど、穴倉のような店内はなんとなく涼しいんだよなぁ。外との温度差がありすぎないのもいいのかも。でもって、出される生ビールもキンキンには冷えてなくて、氷冷でジワッと冷たい。このビールが喉をとおるときの感触といったら! ん~、幸せじゃのう。

 生ビール(500円)をおかわりして、つまみ(200円)にはカワハギ(乾き物)をもらいます。1杯目の生ビールはグイグイとやっつけるように飲み干しましたが、2杯目はカワハギをつまみながらグビリ、グビリとちょっとずつ味わいます。

「あそこのお好み焼き屋も、ばあさんがボケてきたんか、ものすごぉ量が多いのう。食いきれんぜよ」

「昔はもうちょっと上品に出しちょったのにのう」

 常連さんたちが話す、なんでもない地域の話題もまた耳に心地よい。の~んびりとしたいい日曜日だ。

 2杯目の生ビールを飲みきったところでお勘定は1,200円。どうもごちそうさま。

 このくらいの量を飲んで、かる~く酔いはじめた感じがするくらいが一番気持ちいい状態なのかもなぁ。さぁ、明日からまた仕事だ!

店情報前回

《平成22(2010)年8月22日(日)の記録》

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最後はラーメンで締め … 屋台「清龍軒(せいりゅうけん)」(呉)

屋台でラーメン


 やぁ、暑い暑い。こう暑いとすっかり出不精になってしまって、仕事関係の飲み会以外には、ほとんど飲みに出ることがない。仕事関係の飲み会の場合は、どこの会社もだいたい同じと思いますが、職場ごとに行きつけの酒場が決まっています。

 私の職場の人たちが一次会としてよく行く酒場は、「和さび」(公式サイト)か「五鉄」(Yahoo!グルメ)かなぁ。

 「和さび」は呉市発祥のとある製造業の会社系列の飲食店。1990年に広島に1号店ができて以来、徐々に店舗数を拡大し、現在は呉、広島、岡山のほか、東京(池袋駅東口)にも支店があるほどの規模になっています。

 この「和さび」。内容的にはごく普通のチェーン居酒屋風ながら、小いわし天ぷら(700円)や、たこ天ぷら、音戸のじゃこ天(580円)、がんす(520円)など、この地方の料理もそろっているのがいいところ。みんなに人気があるのが牛蒡(ごぼう)の唐揚げ(470円)です。ほんのりと甘い牛蒡の唐揚げに、呉の地ビールも進むのです。

 一方の「五鉄」の正式名称(?)は「小鍋立て 五鉄」。この名前を聞くと、池波正太郎ファンなら「ん?」と思うのではないでしょうか。そう、「鬼平犯科帳」や「剣客商売」に登場する軍鶏鍋屋「五鉄」です。ここ「小鍋立て 五鉄」は、池波正太郎の小説を深く愛する店主が、ここ呉の地に開いた居酒屋なのです。しかもこの店主、私の会社のOBでもあって、我われの大先輩。店内には、池波正太郎のものをはじめとする文庫本が所狭しと置かれているのも大きな特徴です。メニューにはもちろん軍鶏鍋(1,800円)や湯豆腐(500円)、あさり鍋(650円)といった小鍋立てが並んでいるほか、人気の五鉄焼(お好み焼き風、600円)や五鉄パスタ(和風ペペロンチーノ、800円)、雑炊(400円)などの食事物も用意されています。

 二次会はスタンドバーなどの歌えるお店に行って、みんなでカラオケで歌うことが多い。今日の二次会は「レジェンド」という、バーのようなスナックのような、ちょっと小じゃれたお店。ここでもやっぱり歌います。ビルの5階にあるこの店からは、呉の屋台の光景を見下ろすことができます。

「さぁ、ラーメンを食べて帰るか!」

 と三次会はその屋台へ。古くから続く屋台には、おでんと豚足、そしてラーメンがあるところが多いのです。三次会まで流れてきているメンバーは6人いるので、なにしろ6人が入れる屋台じゃないといけない。何軒か様子を見ながら歩き、一番北のはずれにある「清龍軒」に入ることができました。

 ビールや焼酎を飲みながら、ちょいちょいとおでん(1本100円から)をつまんで、最後はラーメンです。

 屋台をはじめ、呉のラーメン屋にはワンタンやワンタンメンを置いている店も多いし、またワンタンメンを注文する人も多いようです。私も今日はワンタンメン(700円)を注文。つるんとしたワンタンの皮の感触がいいんですよねぇ。

 呉に転勤してくる前は、締めのラーメンを食べることはうんと少なくなっていたのですが、こっちに来てからまたぞろ締めのラーメンが復活してきたような気がするなぁ。気をつけないと、これがメタボの素になるんだよなぁ。そんなことを思いながらも、あっという間にワンタンメンを完食です。あぁ、おいしかった。

 明日は土曜日だ。目覚まし時計を止めて、自然に目がさめるまでゆっくりと寝ようっと!

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呉の屋台通り / おでん(ぼう天とスジ) / ワンタンメン

店情報

《平成22(2010)年8月20日(金)の記録》

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店情報: 屋台「清龍軒(せいりゅうけん)」(呉)

  • 店名: 清龍軒
  • 電話: なし
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央3丁目周辺の蔵本通り(赤ちょうちん通り)
  • 営業: 18:00-03:00、不定休
  • 場所: JR呉駅から徒歩または市バス「中央三丁目」下車
  • メモ: ラーメン500、ワンタン500、ワンタンメン700、チャーシューメン800、キムチラーメン700、スタミナキムチラーメン700、ミソラーメン700、餃子500、豚足600、豚耳600、豚キムチ800、モヤシ300、芋焼酎600、にごり酒500、マッコリ500など。ホワイトボードには焼きシューマイ500、モズク酢500、鮎塩焼き300、がんすのあぶり300、漬物盛合せ500、冷トマト300、エイヒレあぶり700、呉冷麺700なども並んでいる。(2010年8月調べ)

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なるほど旨い中華そば … 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)

中華そば


 どうですか、この淡く黄金に透き通るスープ!

 これが「酔わせて下町」のFさん絶賛の「森田食堂」の中華そば(400円)です。

「出汁に瀬戸内の小魚を使っているのと、塩がいいのでしょう。超美味です。都内の塩ラ-メンの名店も敵わないかも。最後に半ライスを入れると最強です。是非というか絶対に食べてみて下さい。」

 というのがFさんからいただいたメール。(詳細はこちらの記事の後半をご覧ください。)

 これはぜひ行ってみなければと、水曜日の今日、仕事が終わったあとにJR呉駅前にある「森田食堂」へとやってきたのでした。

 午後6時半の「森田食堂」は、奥のテーブルに中年の男女4人組(男2人、女2人の公務員か学校の先生といった風情)、手前のテーブルには仕事帰りらしい男性ひとり客がテレビの見える側にいて、ポテトサラダ(250円)と茹でエビ(500円)をつまみに、大瓶ビール(キリン510円)のあと、千福の冷酒(600円)を飲んでいます。

 「森田食堂」の店内のテーブル席は、この2卓のみ。それぞれ8人くらい掛けられる長テーブルで、それ以外にカウンター席があります。ただしカウンター席はテレビに背を向けるポジションとなるため、ひとり客にはあまり人気がないようです。

 私も、男性ひとり客の通路側にテレビが見える向きに座り、「何にしましょう?」と聞いてくれる女将にビールを注文します。

 「生?」「いや、大瓶で」「キリンとアサヒがありますが」「キリンでお願いします」というやり取りがあって、女将が冷蔵庫からキリンラガー(一番搾りも選べます)を出して、ポンッと景気のいい音を立てて抜いてくれます。この景気のいい栓の抜き方は、女将の得意技のようです。

 一緒に出してくれるグラスに最初の1杯を注いで、まずはググゥ~ッと飲み干します。ん~~~っ。この1杯がたまらん!

 仕事終わりのビールを飲んで、すっきりと生き返ったところで、入口側の冷蔵ガラスケースにおかずを選びに行きます。ずらりと並んでいるのは、さばの煮つけ(200円)、だし巻たまご焼(150円)、ひじき(200円)、煮しめ(250円)、ポテトサラダ(250円)、小いわいの煮つけ(300円)、湯豆腐(300円)、奴豆腐(200円)などなど。

 ここは大衆食堂なので、これらのおかずで食事をするもよし、これらを肴(さかな)に酒を飲むもよし。店のファサードテントにも「めし、丼物、酒肴」と書かれています。

 小イワシの刺身があれば、それが食べたかったのですが、今日の刺身はタコと鯛(各500円)。しかも鯛は最後の1皿です。前回も鯛刺身を食べたので、今回は違うものを食べようと思っていたのですが、最後の1皿とあってはしかたがない。やっぱり鯛刺身にしましょう。だって見た目がいかにもおいしそうなんだもの。

 冷蔵ケースから鯛刺身を取り出して、席まで持ってくると、女将が醤油皿に刺身醤油を入れてくれます。このあたり(呉地方)の酒場では、ほとんどの店で刺身は普通の醤油ではなくて、ちょっと濃厚で甘みのある刺身醤油でいただくのです。

 前回もそうでしたが、今回も鯛刺身のつまはキャベツの千切り。これが「森田食堂」のスタイルなのかな。

 ビールが終わったら、音戸の地酒「華鳩(はなはと)」の冷酒(たぶん600円)と湯豆腐(スープ豆腐っぽい料理で、ここの名物。300円)にしようかと思っていたのですが、私が入ったあとから続々とお客さんが入ってきて、テーブルはもちろん、カウンターもいっぱいになってしまいました。

 カウンター席に座っている男性二人組みは、和歌山から旅行でやってきたと女将に話しています。最初の生ビールを飲み終えた二人は、

「ベッピィ~ン! 生ビールもう1杯ちょうだい」と女将に声をかけます。

「聞いたことないような言葉が聞こえてきたけど、もしかして私のこと? でもうれしいわ」と笑いながら生ビールを注ぐ女将。「別嬪」という声のかけ方がおもしろいですねぇ。和歌山あたりでは普通の呼び方なんでしょうか。

 ほぼ満席の店内の客数は15人ほど。切り盛りしているのは女将ひとりだけなんだけど、女将の動きはあまり忙しそうではありません。ほとんどのおかずは冷蔵ケースに並んでいる大衆食堂だからかもしれませんね。

 とはいうものの、この満席状態で長居するのもヤボなので、予定を変更して締めの中華そば(400円)を注文します。

 あまり待つこともなく、すぐに出てきた中華そばは、淡く黄金に透き通るスープに、ごく普通の中華麺。具は豚肉2切れとモヤシ、メンマ、刻みネギとシンプル。まずは熱々のスープをひと口。おぉ~っ。たしかにこのスープはすばらしい。薄めの塩味で、魚のダシの味を強く感じます。これはうまいなぁ。

 あっという間にスープまで完飲。Fさんのおすすめは、これにごはん(小170円)を入れることだったんだけど、ラーメンだけでもお腹いっぱいで、そこまでは食べられませんでした。

 40分ほどのちょい飲みタイム。お勘定は1,410円でした。どうもごちそうさま。

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「森田食堂」 / 鯛刺身 / 中華そば完食!

店情報前回

《平成22(2010)年8月18日(水)の記録》

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〔コラム〕 「オータ教授の居酒屋ゼミナール」

オータ教授の居酒屋ゼミナール


 去る8月31日、数々の酒場本で知られる太田和彦さん監修の「オータ教授の居酒屋ゼミナール」(ぴあ、1,300円+税)が発売されました。

 サブタイトルは「そうだったのか、居酒屋」。居酒屋学の大家・太田和彦さんが教授となって、5ヶ条9講義で45店の名店をガイドされています。

  第1条 自分たちだけで騒ぐな
  第2条 注文は早く
  第3条 食べ物を残すな
  第4条 年長者を敬え
  第5条 携帯電話禁止

 以上が5ヶ条で、9講義は

  第1講 ビールが一番!
  第2講 日本酒を味わう
  第3講 肴を注文
  第4講 愉快に飲む
  第5講 大衆酒場に浸る
  第6講 彼女と飲む
  第7講 男は(女も)立ち飲み
  第8講 穴場の名店
  第9講 大人の居酒屋

 この各講義にあわせて、それぞれ5店ずつ、合計45店が紹介されているのです。

 “居酒屋ゼミナール”というだけあって、対談風(質疑応答の講義風)に話が展開していくところも、太田和彦さんの初期の著書・「居酒屋大全」を彷彿とさせておもしろい。酒場ファン、必見です。

 この本の発売とあわせて、ネット上では「居酒屋検定」も実施されていて、合格者の中から抽選で10名に、太田さんのサイン入りの「オータ教授の居酒屋ゼミナール」がプレゼントされるそうです!(応募期間は2010年11月30日まで)

 この太田さんの新著は、今年の3月に出版させていただいた拙著・「東京飲み歩き手帳」と同じ出版社、同じ編集者。この路線の本が今後も続くとうれしいなぁ。ぜひよろしくお願いします。>ぴあさん

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松山で過ごすお盆休み … バー「露口(つゆぐち)」(松山)

シェイカーをふるマスター


 8月13日(金)~16日(月)まで四日間のお盆休み。12日(木)の仕事を終えて呉中央桟橋からフェリーで松山観光港へと渡ります。松山港到着は午後8時前。港まで迎えに来てくれていた旧友Tと合流し、まずはT行きつけの店、三津浜の「てつや」で腹ごしらえ。

 ここ「てつや」はフグでも有名な店なのですが、この時期は何といってもアコウ(キジハタ)ですね。店内の生簀(いけす)で泳いでるアコウを網ですくってお造りにしてくれます。他にも鯨の竜田揚げ、媛っこ地鶏の焼き鳥、タコの天ぷら、イカの天ぷら、穴子の天ぷら、ジャコカツ(ジャコ天に衣をつけてカツにしたもの)などをつまみに、生ビールから燗酒。最後に、刺身のあとのアコウのアラで潮汁(うしおじる)。うす~く塩味をつけてるだけで、アコウの微妙な旨味がおいしいこと。

 腹ごしらえが終わったら、タクシーで松山の繁華街へ。料金1,750円で、目指す「露口」に到着です。

 カウンターだけの店内は、今日もお客さんがいっぱい。中央部に空いている席に腰を下ろし、まずは「露口」の一番人気、角ハイボールで乾杯です。

 ここの角ハイボールは、現在の「小雪のハイボール」がブームになるよりずっと前から、というかこの店がオープンした昭和33年からずっと、この店の目玉商品。8オンスタンブラーに、ダブル以上の量があるんじゃないかと思うくらい角を入れて、そのあと氷を入れ、最後に炭酸を入れて軽くステアします。「小雪のハイボール」と比べるとウンと濃い、ウイスキーの旨みをガツンと感じるハイボールなのです。

 やっぱりうまいなぁ。ここのハイボールと、銀座「ロックフィッシュ」の角ハイボール(こちらは氷が入らないスタイル)が、私が好きな角ハイボールの双璧かなぁ。簡単そうな飲み物なのに、自分でやっても同じ味は絶対に出ないんですよねぇ。簡単そうに見えるものほどむずかしいという典型ではないかと思います。

 2杯目はTがスティンガー・オン・ザ・ロックス、私はギムレットをもらいます。どちらもシェイクするカクテル。「露口」のマスターは、鷺ノ宮「ペルル」の故・古川マスターと同じように、胸の前にシェイカーを持って、祈るようにシェイクするタイプ。出てきたギムレットは比較的すっきりめのドライな味わいです。

 3杯目はふたりとも角ハイボールをもらって本日は終了。お勘定は二人で5,000円(ひとりあたり2,500円)でした。どうもごちそうさま。

 明けて13日は、昨年11月に亡くなった父を迎えるため、新盆の迎え火をたいて、母と二人、実家でゆっくりと過ごします。となりの漁村から、昔からやってくる行商のおばちゃんから買ってたオコゼを刺身に引いてもらい、地元の日本酒「雪雀」の生冷酒でいただきます。お盆だから、本当は精進料理じゃないとダメなのかなぁ、と思いつつも、このオコゼのおいしいこと。仕上げはそのオコゼのあら(頭と中骨)を使ったみそ汁です。こういう料理がごく普通に食べられるところが、うちの故郷(いなか)のいいとろだよなぁ。野菜は裏庭にありあまるほどできてるし……。

 14日(土)は、再びTと、もうひとり中学・高校時代の旧友T2(こちらもTなので区別するためT2と呼びます)とともに「露口」です。最初はやっぱり角ハイボールで乾杯。

 この店には松山のマスコミ関係の人たちも多く訪れるんだそうで、今日も松山の各放送局、新聞社などのみなさんがカウンターに並んでいます。この店で同業他社との交流ができるというのがおもしろいなぁ。

 NHKドラマ「坂の上の雲」のロケのときは、その役者さんたちもこの店にやってきたんだそうで、朝子ママがそのときの様子を楽しく聞かせてくれます。

 マティーニやサイドカーなどをいただいて、最後の締めで再び角ハイボールを飲んでいるところで、閉店時刻の午前0時を迎えます。その瞬間、「おめでとぉ~っ!」と店内に響くお客さんたちの声。

 ここ「露口」の創業は昭和33年8月15日。日付けが変わった今日8月15日で、創業52周年を迎えたのです。今出されているコースターには「51st Anniversary」という文字が入っていますが、今日以降は「52nd …」というコースターに変わるんだそうです。

「じゃ、このコースターはもう使わないですね。記念に持って帰ろう!」

 というお客さんも多数。我われもここでお開きとします。お勘定は3人で1万円(ひとりあたり3,300円強)でした。どうもごちそうさま。

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「てつや」アコウ活造り / 「露口」マティーニ / サイドカー

店情報前回

《平成22(2010)年8月14日(土)の記録》

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家族で過ごせる定休日 … 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(呉)

竹鶴12年


 「春駒」を出たのは午後9時半。夜も9時を過ぎると、バスは1時間に1本くらいしかなく、しかもちょうど出たあと。仕方ないのでJR新広(しんひろ)駅まで歩いて電車で呉へと戻ります。新広、呉間は2駅7分ほど。距離にして5.5キロという位置関係です。

 午後10時前には呉駅に到着。最後にもう1杯、ウイスキーを飲んで帰ろうと、単身赴任寮の前をちょっと通り過ぎて、昭和28(1953)年創業の老舗居酒屋「どん底」へ。

 「こんばんは」と入った店内には、入ってすぐのカウンターのところに男性がふたり。それぞれ見覚えのある常連さんで、ひとりずつやって来て、ここに並んで座ったようです。

「こちらにどうぞ」

 いつものように、おかあさん(女将)が場所を指し示してくれます。その二人から2~3席分離れた、カウンターの中央あたり。

 なぜすぐ近くに座らずに、2~3席分離れるかというと、ちょうどその2~3席分のカウンターの内側に、果実酒などを入れた瓶が並んでいて、おかあさんから飲み物や料理を渡してもらうのがむずかしい場所だからです。今座ったこの場所は障害物なし。おかあさんがおしぼりを手渡しながら「お飲み物は?」と聞いてくれます。

「竹鶴12年をロックでお願いします」

 と注文すると、氷を入れたロックグラスに、カクテル用計量カップの大きいほうで2杯の竹鶴12年を入れて、さらに「サービスね」といいながら、トクトクとグラスいっぱいに竹鶴12年を注いでくれました。ありがとうございます~!

 ドス~ンと大きいこのカウンターは欅(けやき)の1枚板。樹齢400年というみごとなものです。このカウンターにゆったりと座って、ウイスキーをちびりちびりと舐めるようにいただくのが実にいいんですねぇ。

「ここは日曜日はお休みなんでしたっけ?」

 改めてこの店の定休日を確認します。今度の日曜日(8月8日)に、酔わせて下町氏と、宇ち中氏のお二人が呉に遊びに(お酒を飲みに!?)やってくる予定なのです。もし開いてるんであれば、ぜひこの店にもお連れしたいですもんね。

「開店したときから日曜と祝日はお休みにしてるんですよ。子供がお休みの日は、できるだけ家族そろって過ごせるようにと思って、日・祝を定休日にしたんですよ」

 やはり日曜日はお休みでしたか。呉の商店街は火曜定休のお店が多いので、飲食店もそれに合わせたように火曜日に休むところも多いのです。逆に日曜日に開けているお店は、首都圏などと比べると割合として多いように思います。

 それにしても家族一緒に過ごせるようにという理由がいいですねぇ。そのお子さん(息子さん)は現在60歳。大手企業の会社員として、現在、東京にいらっしゃるんだそうです。

「跡を継ぐなんて話は親からも子からも出ないわねぇ」

 とおかあさん。できればこの店は、この雰囲気のままでずっと続いてほしいなぁ。

 ゆっくりと飲んでいるうちに11時も回って、そろそろ終了に向かう時間です。お勘定は今日も3,500円。どうもごちそうさまでした。おやすみなさ~い。

店情報前回

《平成22(2010)年8月6日(金)の記録》

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ひとり2本は当たり前 … 宣伝酒場「春駒(はるこま)」(呉・新広)

ポテトサラダと冷酒


 「あわもり」を出て、広(ひろ)での2軒目は宣伝酒場「春駒」です。前回も同じ流れで「あわもり」→「春駒」と流れたのですが、それももう1ヶ月近く前の話。まだまだ『足繁く通っている』とは言えない状態ですねぇ。

 広は、呉からみると“となり町”的な存在。私もここに来るときは、会社を出発し、単身赴任寮を通りすぎて、ここまでやってこなければならないのです。

 しかしながら、最低でも週に1度は「宇ち多゛」に通う宇ち中さんや、毎日のように「ナポリ」に通うしんちゃんさんたちは、会社からいったん自宅とは反対方向に飲みに行って、飲み終わるとまた会社の前を通り過ぎて自宅まで帰るという人たちと比べると、まだマシなのかなぁ。

 てなことを思いつつ、もう「春駒」に到着。「あわもり」と「春駒」とは徒歩2分ほどの近さなのです。

「こんばんは」と入った店内は、右手の直線カウンター(6~7人分)の手前側に先客ふたり(男性二人連れ)。左手の小上がり(4人卓×2)は空いています。

 私は男性ふたり連れ向こう側、カウンターの奥から2席めあたりに座り、今回も冷酒・賀茂鶴(700円)をもらいます。この賀茂鶴は特別純米酒。それが300ml瓶で出されて700円なので安いのです。つまみはもちろん鳥足骨付(500円)の親です。まずは塩で注文します。

 冷蔵庫から注文した賀茂鶴を出してくれながら、

「インターネットに何か書かなかった?」と女将さん。

「え!? ちょっと書きましたけど…。何かありました?」

「インターネットで見たというお客さんが来てくれたのよ。私はインターネットが見られないから、娘の家に電話して内容を読んでもらったら、あぁ、あのときのと気がついてね。普通に飲んどるように見えるのに、よう覚えとってじゃね」と女将。

「待ってる間に、これでもつまんでてね」とポテトサラダ(280円)をサービスで出してくれました。ネットに書いたことを怒られるかと思いきや、そうじゃなかったようで一安心。このポテトサラダは注文する人が多い人気の品。一度は食べてみようと思っていたのでうれしいなぁ。キュウリ、ニンジン、玉ネギなど、野菜がたっぷりと入ったポテトサラダです。

 しかし! ここの鳥足骨付は、どういうわけかあまり待たないで出てくるのです。あらかじめ焼いた状態で冷蔵パックしてるのかなぁ。注文するとフライパンで仕上げて、予想よりもうんと早く出してくれます。

 この店は女将のお母さんが始めたお店。先代の頃は、鳥を焼くのに鉄のフライパンを使っていて、連日の酷使でフライパンの中央部が盛り上がって変形してしまうほどだったんだそうです。現在のフライパンはテフロン加工だからか、そういうことはないそうです。

 出された鳥足骨付(親)の両側に突き出た骨を両手でしっかりと持って、中央部の肉がたっぷりとした部分にかじりつきます。親鳥の肉なのですごく硬いのですが、ところどころに切り目を入れてくれているので、ガシッと噛んでおいて、両手でエイッと肉を向こうに押しやると、ブチッと硬い肉がちぎれます。これを噛みしめる、噛みしめる、噛みしめる。噛めば噛むほど味わい深いのが親鳥ですねぇ。若鳥だとこうはいきません。噛みはじめのしょっぱなが一番うまくて、噛むほどにジューシーさがなくなってきます。若鳥はやわらかいので、実際にはそんなに噛みしめなくても大丈夫ですけどね。

 私の後からも、男性3人連れのお客さんが入ってきて、小上がりの座卓を囲んでいます。彼らが注文するのも、やっぱり鳥足骨付の親。しかもおかわりしながら、ひとり2本ずつはペロリの様子。さらにその上にシメサバ(400円)なども注文しているのです。

 私自身は「あわもり」に続いての2軒目だからなぁ、と思いつつも、やっぱり2本目の鳥足骨付(親)に突入。今度はタレ焼きです。

 タレ焼きの場合は、手で押しやってブチッと肉を切ると、タレが自分のほうに飛び返ってくるので注意が必要です。できるだけブチッとならないように、歯で噛み切れるくらいの分量ずつ、小刻みに食べるのがオススメの食べ方です。う~む。食べ方のノウハウがだいぶ習得できてきたなぁ。

 途中で冷酒を飲みきって、続いては自家製の梅酒(380円)をロックでもらうと、この梅酒は甘ぁ~い。その甘さゆえ、アルコール度数の高さを感じないのが怖いですねぇ。

 2本目の親足も「上手に食べたねぇ」と感心してもらえるほどの状態まで完食して、超満腹。2時間ちょっとの滞在は2,080円でした。どうもごちそうさま。

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鳥足骨付(親)塩 / 鳥足骨付(親)タレ / 自家製梅酒(380円)をロックで

店情報前回

《平成22(2010)年8月6日(金)の記録》

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新連載・呉酒場さんぽ … おでん「あわもり」(呉・新広)

新連載・呉酒場さんぽ


 1週間の夏休みを都内の自宅で過ごし、週明けの月曜日から仕事再開。夏休み中に飲みすぎたので、いつもよりお酒を抜き気味に1週間を過ごします。金曜日になると、そろそろ呑ん兵衛ごころがうずいてきて、会社前のバス停発17:32の、広(ひろ)方面直行便で広交差点へ。目指すはおでんの「あわもり」です。

 このバスに乗ると「あわもり」に着くのは午後6時過ぎ。こんな猛暑でも関係なく、店内にはいつもの常連さんたちが座っていて、熱々のおでんをつまみに、泡盛や日本酒を傾けています。

「いやぁ~暑い暑い。ビールください」

 空いていた鍋横の席につくまでの間にビール(各種大瓶が500円)を注文します。座るとすぐに出される熱々のおしぼり。暑い日に熱いおしぼりでグイッと顔をぬぐうのが気持ちいいんですよねぇ。そして手酌でコップに注ぐのももどかしく、ググゥ~~ッと1杯目のビールを飲み干します。

「プハァ~ッ! 生き返った。あつあげください!」

 大きくあけた喉をドドォ~ッと通過していくビールの感覚がいい。最初のビールはちまちま味わうんじゃなくて、ドッと喉の奥に流し込まないとダメですね。そうじゃないと生き返れない。

 すぐに出してくれるあつあげ(90円)は、豆腐半丁分ほどもあろうかという大きなもの。熱々のところを箸で割り崩しながらハフハフといただきます。「今日はお腹がすいてるなぁ」と思うときは、このあつあげからスタートすると、これ1個で空腹感が吹っ飛ぶんですね。

 ゆっくりとあつあげを食べ終えたところで、いつものカワとキモをもらいます。カワは豚の皮を、そしてキモは牛の肺を煮込んだもので、それぞれ1本が90円。この店のおでんは15種類ほどがすべて1本90円で、おでん以外の料理はありません。この潔さがまたいいではありませんか。おでんしかないのに猛暑の夏でも満席ですもんねぇ。

 今日、この店にやってきたのには、もうひとつの目的があります。8月30日発売の「古典酒場 Vol.9」(三栄書房、933円+税)から、「呉酒場さんぽ」という連載を書かせていただくことになり、その第1回目として、ここ「あわもり」を取り上げさせていただいたのです。つい先日、そのゲラが送られてきたので、今日はそのゲラも確認してもらおうと思っていたのでした。

「前に『本に載せてもいい?』ってお願いしていた件。こんな内容になりそうなんですけどどうでしょう?」

 店主とおかみさんの手があいたところで、ゲラを見てもらいます。

「あら! これは○○さんじゃ。△△さんも写っちょるよ。ほら見て見て」

 と常連さんたちに回覧されるゲラ。

「ほんまじゃぁ。あんたら(店主夫妻のこと)もええがいに写っちょるじゃなぁか」

「わしゃ毎日来ちょんのに、なんで写ってなぁんじゃろうか? 残念じゃのう」

 そう嘆くのは、ここに来るといつも一緒になる常連さん。

「いやぁ、この写真を撮ったのが、閉店間際ぐらいの時間だったんですよ。ごめんなさい」

 いつもは早い時間に来るのですが、店内の写真を撮影したときは、たまたま遅い時間帯にやってきたのです。いつも会う常連さんたちは早い時間帯にやってくることが多いので、写真の中には写っていなかったんですね。

 首都圏の酒場で取材をさせていただくと「料理や店員はいいけれど、お客さんは絶対に写真に撮らないでください!」なんて店もあるほど、個人の情報には気を使う店が多いのです。ところが呉の場合は前に〔くれ便り〕でも書いたとおり、街の規模が大きくもなく小さくもなくて(人口約25万人)、ゆるい隣りづきあいができるちょうどいいコミュニティ。むしろ写ってるほうが喜んでもらえたりするんですね。とてもありがたいことです。

 そんなわけで、ゲラのチェックも無事に終わり、スジ(牛筋)をもらったところでビールもなくなり、泡盛(160円)の梅割りにチェンジ。ぼうてん、ロールキャベツ、いわしだんごといただいて、1時間ちょっとの滞在は、おでん7本と大瓶ビール、泡盛1杯で1,290円でした。どうもごちそうさま。

 「古典酒場 Vol.9」の「呉酒場さんぽ」も合わせてご覧いただけると、とてもありがたいです。よろしくお願いします。

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あつあげ / きも(手前)、かわ / すじ

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ぼうてん / ロールキャベツ / いわしだんご

店情報前回

《平成22(2010)年8月6日(金)の記録》

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